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Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
リリース12.1 For Windows
B72965-06
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3 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのオペレーティング・システムの構成

Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、オペレーティング・システム構成要件およびチェックを完了します。

3.1 オペレーティング・システムとソフトウェアのアップグレードに関するベスト・プラクティスの確認

アップグレードおよび移行に関する一般的なプランニング・ガイドラインおよびプラットフォーム固有の情報を確認します。

3.1.1 アップグレードの一般的なベスト・プラクティス

Oracle Grid Infrastructureの現在のインストール環境をアップグレードする前に、次のベスト・プラクティスを確認してください。

すでにOracleがインストールされている場合は、次の手順を実行します。

  • リリース番号、パッチおよびその他の構成情報を記録します。

  • 既存のインストールのアップグレード手順を確認します。

  • インストールを進める前に、アップグレードに関するOracleドキュメントを確認し、その後の処理を確認します。

注意:

構成の変更を開始する前に、既存のデータベースのバックアップを必ず作成してください。

最新のソフトウェア更新情報や、アップグレードの前後、互換性、相互運用性に関する推奨ベスト・プラクティスについては、「Oracle 12c Upgrade Companion」(My Oracle SupportのNote 1462240.1)を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1462240.1

3.1.2 Oracle ASMのアップグレード通知

Oracle ASMアップグレードに関して、次の問題に注意してください。

  • Oracle自動ストレージ管理(Oracle ASM) 11gリリース1(11.1)以上では、クラスタ内の個別のノードに対して、または複数のノードに対してまとめてローリング・アップグレードを行うことで、Oracle RACデータベースを停止することなくアップグレードできます。ただし、Oracle ASMを使用しているクラスタにスタンドアロン・データベースがある場合、アップグレードする前にそのスタンドアロン・データベースを停止する必要があります。Oracle ASM 10gからアップグレードする場合は、Oracle ASMクラスタ全体を停止してアップグレードを行う必要があります。

  • Oracle Grid Infrastructure 11 gリリース2 (11.2)では、Oracle ASMがOracle ClusterwareとともにOracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)にインストールされるように、Oracle ASMホームの場所が変更されました。

    以前のリリースのOracle ASMホームがすでにある場合は、記憶域管理を簡略化またはカスタマイズするために、他の構成の変更を検討することが必要な場合があります。

  • Oracle Grid Infrastructure 11gリリース2 (11.2)またはOracle Grid Infrastructure 12cリリース1 (12.1)から新しいリリースにアップグレードする際、ローリング・アップグレード中に停止が発生した場合は、アップグレードを再開するときに以前のリリースのOracle Grid Infrastructureを起動してください。その後、Oracle ASMクラスタをローリング移行モードに戻します。これは、異なるリリースの2つのノードをクラスタで実行できないためです。

  • Oracle ASMをアップグレードするには、管理者ユーザーである必要があります。

3.1.3 ローリング・アップグレード手順の通知

ローリング・アップグレードに関して、次の情報に注意してください。

  • オペレーティング・システムのローリング・アップグレード時に、そのオペレーティング・システムの両方のバージョンが、使用しているOracle Databaseリリースで保証されている場合は、異なるオペレーティング・システム・バイナリを使用できます。

  • 異なるバージョンのオペレーティング・システムを混在させて使用できるのは、アップグレードの間のみ

    異なるバージョンのオペレーティング・システムを使用できるのは、アップグレードの間の数時間だけであることに注意してください。

  • Oracle Clusterwareでは、同じクラスタで異なる命令セット・アーキテクチャ(ISA)を使用するプロセッサを搭載するノードはサポートされていません。各ノードは、クラスタ内のほかのノードとバイナリ互換が必要です。

    たとえば、同じクラスタの1つのノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでIA-64(Itanium)プロセッサを使用することはできません。同じクラスタの1つのノードでIntel 64プロセッサを使用し、別のノードでAMD64プロセッサを使用することはできますが、これは、プロセッサが同じx86-64 ISAを使用し、同じバイナリ・リリースのOracleソフトウェアを実行するためです。

注意:

クラスタのノードでは、そのプロセッサのメーカー、速度またはサイズは異なることも可能ですが、これはお薦めしません。

3.2 オペレーティング・システム・セキュリティの共通プラクティスの確認

セキュアなオペレーティング・システムは、一般的なシステム・セキュリティの重要な基本です。

  • オペレーティング・システムのデプロイメントが、オペレーティング・システム・ベンダーのセキュリティ・ガイドに記載されている一般的なセキュリティの措置に準拠していることを確認してください。

3.3 リモートWindowsサーバーへのログイン

インストール中、クラスタ・ノードでは、管理者ユーザーとして作業を実行する必要があります。

リモート表示できるようにする必要があるユーザー・アカウントに対して、リモート・アクセスを構成します。

3.3.1 Windows Telnet Servicesのサポート

Telnet Serviceがインストールされ、起動されていることを確認してください。

Microsoftは、Windows Server 2008 R2のリリースで名前をターミナル・サービスからリモート・デスクトップ・サービスに変更しました。Microsoftは、ターミナル・サービスがインストールされたWindowsサーバーへの接続に使用できるリモート・デスクトップ接続クライアントも導入しました。

3.3.2 リモート・デスクトップ・サービスとリモート・デスクトップ接続の構成

Windowsの場合、Oracleはリモート・デスクトップ・サービス(以前のターミナル・サービス)を介したOracle Databaseソフトウェアのインストール、構成および実行をサポートしています。

Terminal Servicesをコンソール・モードで使用しないと、インストール後にコンフィギュレーション・アシスタントでの構成の問題またはOracle Clusterwareコンポーネントの起動に関する問題が発生します。

関連項目:

  • リモート・デスクトップ・サービスの詳細は、MicrosoftのWebサイト(http://www.microsoft.com/)を参照してください。

  • 最新のリモート・デスクトップ・サービスの情報は、My Oracle SupportのWebサイト(https://support.oracle.com/)を参照してください。

3.3.2.1 Windows Server 2008またはWindows Server 2008 R2とのリモート・デスクトップ接続の構成

Windows 2008およびWindows Server 2008 R2での変更に伴い、インストールのためにセッション0に接続する必要はなくなりました。

  • 次の例に示すように、リモート・デスクトップ接続クライアントを使用しますが、/consoleスイッチは指定しません。
    mstsc /v:servername /f

3.4 My Oracle Supportでのハードウェアおよびソフトウェアの動作保証の確認

My Oracle Support Webサイトでは、クライアントとデータベースの互換リリース、パッチおよび不具合を解決するための情報も参照できます。

このインストレーション・ガイドに含まれているハードウェアおよびソフトウェアの要件は、このマニュアルが発行された時点での最新でした。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。

  • 動作保証は、Oracle Technology Network (OTN)とMy Oracle Supportで確認します。
    OTN動作保証ページは、http://www.oracle.com/technetwork/database/options/clustering/overview/index.htmlのWebサイトにあります。
  • Microsoft Windowsプラットフォームでのハードウェアの動作保証の詳細は、次のURLのOracle Technology Networkで確認します。
  • My Oracle Supportには、サポートされているハードウェア・オプションに関するガイダンスが含まれており、購入およびインストール計画の参考にすることができます。

    My Oracle Supportの動作保証のページには、動作保証されているハードウェアの詳細情報と、各リリースおよびプラットフォームに固有の情報があります。My Oracle Supportは、次のURLで使用可能です。

    https://support.oracle.com/

    My Oracle Supportを使用するには、オンラインでの登録が必要です。Windowsオペレーティング・システムの動作保証情報を検索するには、サポート・ドキュメント「Locate Oracle Database Server Certification Information for Microsoft Windows Platforms (Doc ID 1062972.1)」に記載された手順を実行します。

    注意:

    My Oracle Supportアカウントを持っていない場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。

3.5 ソフトウェア要件の特定

インストールする製品に応じて、必要なオペレーティング・システム・ソフトウェアがクラスタの各ノードにインストールされていることを確認します。

このマニュアルに記載されているのは、タイトル・ページに記載されている日付での最新の要件です。オペレーティング・システム要件の最新情報は、次のURLのOracle Help Centerでオンライン版を参照してください。

docs.oracle.com

OUIによって、ご使用のシステムが示されたオペレーティング・システムの要件を満たしていることを確認する検証が実行されます。これらの検証が正常に完了するように、OUIを起動する前に要件を確認してください。

注意:

オペレーティング・システムのアップグレード時を除いて、クラスタ・メンバー間で異なるオペレーティング・システム・バージョンを実行することはできません。各オペレーティング・システムがサポートされている場合でも、同じクラスタのメンバーで異なるオペレーティング・システム・バージョンのバイナリを実行することはできません。

表3-1 WindowsシステムにおけるOracle Gridソフトウェア要件

要件

システム・アーキテクチャ

プロセッサ: AMD64またはIntel Extended Memory(EM64T)

注意:

Oracleでは、Windows用のOracle RACにはx64リリースのOracle Databaseのみを提供します。

Oracle RACのx64リリースは、AMD64およびEM64Tハードウェア上のx64バージョンのWindowsで実行します。追加情報については、「My Oracle Supportでのハードウェアおよびソフトウェアの動作保証の確認」に示すように、My Oracle Supportを参照してください。

オペレーティング・システム

x64 Windows用のOracle Grid InfrastructureおよびOracle RAC:

  • Windows Server 2008 x64(Service Pack 2(SP2)) - Standard、Enterprise、DataCenterおよびWeb Edition。

  • Windows Server 2008 R2 x64 - Foundation、Standard、Enterprise、DataCenterおよびWeb Edition。

  • Windows Server 2012 x64 - Standard、Datacenter、EssentialsおよびFoundationエディション

  • Windows Server 2012 R2 x64 - Standard、Datacenter、EssentialsおよびFoundationエディション

Windows Multilingual User Interface Packがサポートされています。サーバー・コア・オプションはサポートされていません。

注意:

Oracle Clusterware、Oracle ASMおよびOracle RAC 12cリリース1 (12.1)は、x86 (32ビット) Windowsオペレーティング・システムではサポートされていません。

コンパイラ

次のコンポーネントは、Microsoft Visual C++ 2010 SP1、Microsoft Visual C++ 2012、Microsoft Visual C++ 2013 Update 2およびIntel 12.1 Cの各コンパイラでサポートされています。

  • Oracle Call Interface(OCI)

  • Pro*C/C++ (この時点のリリースではMicrosoft Visual C++ 2013 Update 2ではサポートされていません。)

  • 外部コールアウト

  • Oracle XML Developer's Kit(XDK)

Oracle C++ Call Interfaceは、次のコンパイラでサポートされています。

  • Microsoft Visual C++ 2010 SP1

  • Microsoft Visual C++ 2012 - OCCIライブラリはORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc11にインストールされます。MSVC++ 2012でOCCIアプリケーションを開発する場合は、リンクおよび実行のために、OCCIライブラリがこのディレクトリから適切に選択されていることを確認します。

  • Microsoft Visual C++ 2013 - OCCIライブラリはORACLE_HOME\oci\lib\msvc\vc12にインストールされます。MSVC++ 2013でOCCIアプリケーションを開発する場合は、リンクおよび実行のために、OCCIライブラリがこのディレクトリから適切に選択されていることを確認します。

  • Microsoft Visual Studio 2010 STLでのIntel 12.1 Cコンパイラ

Windows Server 2003 x86など、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)でサポートされていないオペレーティング・システム・バージョンを現在実行している場合、アップグレード手順の詳細は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』を参照してください。

注意:

このマニュアルに記載されているプラットフォーム固有のハードウェア要件とソフトウェア要件は、このマニュアルの発行時点での最新情報です。ただし、このマニュアルの発行後にプラットフォームおよびオペレーティング・システム・ソフトウェアの新しいバージョンが動作保証されている場合があるため、My Oracle SupportのWebサイトの動作保証マトリックスで、動作保証済のハードウェア・プラットフォームおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストを参照してください。

https://support.oracle.com/

3.5.1 WindowsサーバーにおけるWindowsファイアウォール機能

WindowsサーバーにOracle Grid InfrastructureソフトウェアまたはOracle RACソフトウェアをインストールする場合は、Windowsファイアウォール機能を無効にする必要があります。

Windowsファイアウォールを有効にしていると、Oracle RACのインストール中に、リモート・コピーやVirtual IP Configuration Assistant (VIPCA)、Network Configuration Assistant (NETCA)、Oracle Database Configuration Assistant (DBCA)などのコンフィギュレーション・アシスタントが失敗します。したがって、Oracle RACのインストールを実行する前に、クラスタのすべてのノードでファイアウォールを無効にしておく必要があります。

注意:

Windowsファイアウォールは、クラスタ・インターコネクト(プライベート・ネットワーク・インタフェース)として使用されるNICやOracle ASMネットワークへのアクセスに使用されるNICでは有効にしないでください。

インストールが成功したら、パブリック接続のためにWindowsファイアウォールを有効にできます。ただし、Oracleソフトウェアが正常に動作するために、クラスタのすべてのノードのファイアウォール例外リストに、特定の実行可能ファイルおよびポートを追加する必要があります。

また、次のようなクラスタ全体の構成変更を行う前には、クラスタのすべてのノードでWindowsファイアウォールを無効にする必要があります。

  • ノードの追加

  • ノードの削除

  • パッチ・リリースへのアップグレード

  • パッチ・バンドルまたは緊急パッチの適用

これらのアクションを実行する前にWindowsファイアウォールを無効にしない場合、変更がクラスタのすべてのノードに適切に伝播されない場合があります。

3.6 Oracle Enterprise Managerの要件

インストールされているOracle Enterprise ManagerがOracle Grid Infrastructureと使用するための最小要件を満たしていることを確認します。

システムで使用しているすべてのOracle Enterprise Manager製品が同じリリースである必要があります。Oracle Database 12c リリース1 (12.1)は、Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12cよりも前のリリースのEnterprise Managerをサポートしていません。

関連項目:

『Oracle Enterprise Manager Cloud Control基本インストレーション・ガイド』は、Enterprise Manager Cloud Controlのインストール・メディアにあります。

3.7 Webブラウザのインストール要件

Oracle Enterprise Manager Database ExpressおよびOracle Enterprise Manager Cloud Controlを使用するには、Webブラウザが必要です。

WebブラウザがJavaスクリプトおよびHTML 4.0標準とCSS 1.0標準をサポートしている必要があります。これらの要件を満たすブラウザの一覧については、My Oracle Support (https://support.oracle.com)でOracle Enterprise Manager動作保証マトリックスを参照してください。

3.8 クラスタの時刻同期の構成

Oracle Clusterwareでは、すべてのクラスタ・ノードで同じのタイムゾーン設定が必要です。

3.8.1 クラスタ時刻同期化について

Microsoft Windowsオペレーティング・システムの場合は、クラスタのノード間で時刻を同期するために使用できる3種類の方法があります。

インストール中に、インストール・プロセスはOUIが実行されているノードのOracle Grid InfrastructureのOracleインストール・ユーザーのタイムゾーン環境変数設定を取得します。インストール・プロセスは、Oracle Clusterwareによって管理されるすべてのプロセスのデフォルトのTZ環境変数設定として、すべてのノードでそのタイムゾーン値を使用します。タイムゾーンのデフォルトは、データベース、Oracle ASMおよびその他の管理プロセスで使用されます。

クラスタ・ノード間での時刻同期化には、次の3つのオプションがあります。

  • Windows Timeサービス

  • オペレーティング・システムで構成されたネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)

  • Oracleクラスタ時刻同期化サービス

Oracleクラスタ時刻同期化サービスは、クラスタ・サーバーからNTPサービスにアクセスできない組織のために設計されています。NTPを使用する場合は、Oracleクラスタ時刻同期化デーモン(ctssd)は、オブザーバ・モードで起動します。NTPおよびWindows Timeサービスのいずれも見つからない場合は、ctssdがアクティブ・モードで起動し、外部の時刻サーバーに接続しなくても、クラスタ・メンバー間の時刻が同期されます。

注意:

  • Oracle Grid Infrastructureのインストールを開始する前に、すべてのノードの時計が同じ時刻になっていることを確認することをお薦めします。

  • NTPサーバーのIPアドレスは、IPv6アドレスにできます。

3.8.2 Windows Timeサービスの構成

Windows Timeサービス(W32Time)は、Microsoft Windowsを実行しているコンピュータにネットワーク・クロック同期を提供します。

Windows Timeサービスを使用していて、クラスタ時刻同期化サービスよりも優先して使用し続ける場合は、時間を追うごとにジャンプするようにWindows Timeサービス設定を変更し、時間を参照時間に徐々に一致させることが必要です。これを行った後、Windows Timeサービスを再起動します。
  1. Windows Timeサービスを構成するには、各ノードで次のコマンドを使用します。
    C:\> W32tm /register
  2. Windows TimeサービスがOracle RAC環境で動作するように変更するには、次の手順を実行します。
    1. レジストリ・エディタ(regedit)を開きます
    2. HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\W32Time\Configキーを検索します。
    3. 次のWindows Timeサービス・パラメータを次の10進値に設定します。
      • MaxPosPhaseCorrectionを600に

      • MaxNegPhaseCorrectionを600に

      • MaxAllowedPhaseOffsetを600に

      これらのパラメータ設定では、参照ノードとクラスタ・ノード間の時間差が10分未満の場合に少しの時間調整が許可されることを指定します。

    注意:

    必要に応じてMicrosoftの支援を受けて、Windows Timeサービスを環境の要件を満たすように構成する必要があります。3つのパラメータに提供される推奨設定は、時間調整が、大きいステップ(時計を新しい時間に設定する)ではなくスルーイング(わずかな変更を加えて時計を段階的に調整する)によって行われるようにするために、Oracleがお薦めするものです。単一ステップでの大幅な時間調整はサポートされていません。
  3. 変更を有効にするには、次のコマンドを使用します。
    C:\> W32tm /config /update

関連項目:

Windows Timeサービスの使用および構成の詳細は、次を参照してください。
  • Microsoft®のSupport Article ID 816042: 「Windows Server で権限のあるタイム サーバーを構成する方法」

  • Microsoft®のSupport Article ID 939322: 「高精度の環境に向けた Windows タイム サービスの構成を目的とするサポート範囲」

  • http://www.ntp.org/ntpfaq/の「The NTP FAQ and HOWTO」

3.8.3 ネットワーク・タイム・プロトコルの構成

ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)は、クライアント/サーバー・アプリケーションです。

各サーバーにはNTPクライアント・ソフトウェアをインストールし、時刻をネットワーク・タイム・サーバーを同期するように構成する必要があります。Windows TimeサービスはNTPの完全な実装ではありませんが、NTPの仕様に基づいています。

Windows TimeサービスではなくNTPを使用する場合は、各クラスタ・ノードにNTPクライアント・ソフトウェアをインストールした後、-xオプションを指定してNTPサービスを起動し、逆向きの時間調整が行われないようにする必要があります。この作業が終わった後で、ネットワーク・タイム・プロトコル・サービスを再起動します。

  1. レジストリ・エディタを使用して、HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\NTPの下にあるntpd実行可能ファイルの値を編集します。
  2. ImagePathキー値に-xオプションを追加します(%INSTALLDIR%\ntpd.exeの後)。
  3. 次のコマンドを使用してNTPサービスを再起動します。
    net stop NTP
    net start NTP

3.8.4 クラスタ時刻同期化サービスの構成

クラスタ時刻同期化サービス(CTSS)はOracleによって提供されており、クラスタのノード間で時刻を同期します。

Windows TimeサービスおよびNTPサービスのいずれもアクティブでないことがOUIによって検出されると、クラスタ時刻同期化サービスがアクティブ・モードでインストールされ、ノード間で時刻が同期されます。Windows TimeサービスまたはNTPサービスがサーバー上で検出された場合、クラスタ時刻同期化サービスはオブザーバ・モードで起動され、クラスタ内でクラスタ時刻同期化サービスによるアクティブな時刻同期化は行われません。
クラスタ時刻同期化サービスを使用して、クラスタに同期化サービスを提供するには、Windows Timeサービスを無効にして、NTPサービスを停止します。サーバーにNTPサービスはあるが、このサービスを使用して時刻を時刻サーバと同期化できない場合は、NTPを非アクティブ化して削除し、クラスタ時刻同期化サービスを使用するようにします。
  • インストール後にクラスタ時刻同期化サービスがアクティブになっていることを確認するには、Oracle Grid Infrastructureインストール所有者として次のコマンドを入力します。
    crsctl check ctss