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Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド
リリース12.1 For Windows
B72965-06
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2 Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACのサーバーの構成

クラスタ用Oracle Grid InfrastructureとOracle Real Application Clustersをインストールする前に、サーバーでいくつかのオペレーティング・システム・タスクを完了する必要があります。

この章に示す値は、最低限のインストール用です。計画されたシステム負荷に応じて、本番システムを設定することをお薦めします。

2.1 サーバーのハードウェアとメモリー構成の確認

現在のシステム情報を収集するには、次のタスクを実行します。

2.1.1 Windowsシステムでの使用可能なRAMの確認

各サーバーで使用可能なRAMを確認するには、「コントロール パネル」を使用します。

クラスタ用Oracle Grid InfrastructureインストールのRAMの最小要件は、4GBです(Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)。

コンピュータの物理RAMサイズを決定するには、次のいずれかの方法を使用できます。

  • コントロール・パネルの「システム」を開き、「一般」タブを選択します。
  • または、Windowsタスク・マネージャを起動し、「パフォーマンス」タブを選択して、システムで使用可能なメモリーを表示します。

2.1.2 Windowsシステムでの現在構成されている仮想メモリーの確認

仮想メモリー(ページング・ファイルともいう)は、RAM(コンピュータのメイン・メモリー)に収まらない情報を格納するために使用されます。すべてのプロセスがページング・ファイルを共有するため、ページング・ファイルで領域が不足していると、プロセスはメモリーを割り当てることができなくなります。

ページング・ファイルのサイズは、サーバー上で使用可能なRAMの容量に合ったサイズで、16GB以下に設定することを推奨しています。可能な場合は、複数の物理デバイスでページング・ファイルを複数のファイルに分割します。この構成によって、仮想メモリーへのパラレル・アクセスが促進され、ソフトウェア・パフォーマンスが向上します。

  1. 「コントロール パネル」で、「システム」を選択します。
  2. 「システムのプロパティ」ウィンドウで、「詳細設定」タブを選択します。
  3. 「パフォーマンス」で、「パフォーマンス オプション」または「設定」をクリックします。
  4. 「パフォーマンス オプション」ウィンドウで、「詳細設定」タブをクリックします。
仮想メモリー構成がウィンドウの下部に表示されます。
追加の仮想メモリーを構成する(必要な場合)方法については、ご使用のオペレーティング・システムのマニュアルを参照してください。

2.1.3 オペレーティング・システムのバージョンの確認

ご使用のコンピュータが、64ビット(x64) Windowsオペレーティング・システムを実行していることを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 「マイ コンピュータ」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。
  2. 「全般」タブの「システム」という見出しの下に表示されたテキストを確認します。
    x64バージョンのオペレーティング・システムがインストールされている場合は、「64 ビット オペレーティング システム」というようなテキストが表示されます。

2.1.4 システムのプロセッサのタイプの確認

プロセッサのタイプ(32ビットか、64ビットか)を表示するには、次の手順を実行します。

  1. 「スタート」メニューで、「ファイル名を指定して実行」を選択します「ファイル名を指定して実行」ウィンドウに、msinfo32.exeと入力します。
  2. 「システムの概要」表示で、「システムの種類」のエントリを確認します。
    • 「システムの種類」の値が「x64-based PC」の場合、ご使用のシステムは64-bitシステムです。

    • 「システムの種類」の値が「x86-based PC」の場合、ご使用のシステムは32-bitシステムです。

2.1.5 Oracleホーム・ディレクトリの使用可能なディスク領域の確認

Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリ、Oracle Cluster Registry (OCR)、およびOracle Clusterwareによって使用される投票ファイルのために、クラスタ・ファイル・システム上に追加のディスク領域が必要になります。

Oracle RACをインストールしている場合は、次のために追加のディスク領域を構成する必要があります。

  • Oracle RACソフトウェアおよびログ・ファイル

  • Oracle ASMディスク・グループ内の共有データ・ファイルおよび(オプション)共有高速リカバリ領域

Oracle Clusterwareファイルに対して標準の冗長性(3つのOracle Cluster Registry (OCR)ファイルおよび3つの投票ファイル)を使用する場合は、Oracle ASM内のOracle Clusterwareファイルを格納するために用意されている3つの個別の物理ディスク上で2GB以上のディスク領域を使用できる必要があります。

注意:

OCRまたは投票ファイル(Oracle Clusterwareファイル)はRAWパーティション上にインストールできません。Oracle ClusterwareファイルはOracle ASM上にのみインストールできます。RAWデバイスは、Oracle ASMディスクとして使用できます。

Oracle ASMでのOCRや投票ファイルの高可用性を確保するには、Oracle Clusterwareファイル用として、別々の3つの障害グループ(物理ディスクは3つ以上)に2GB以上のディスク容量が必要です。各ディスクには1GB以上の容量を確保して、容量に余裕を持ってOracle Clusterwareファイルを作成できるようにする必要があります。

一時領域とGridホームが同じファイル・システム上にある場合、そのファイル・システムにはそれぞれの最小領域要件を合計した領域が必要になります。

注意:

Oracle Grid Infrastructureをインストールする場合は、Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリ・オプションを選択することをお薦めします。このオプションを選択すると、クラスタ内のノードの1つでOracle Grid Infrastructure管理リポジトリ・データベースが構成されます。

Oracle Grid Infrastructure 12cリリース12.1.0.2以降、Oracle Grid Infrastructure管理リポジトリのインストールはオプションではなくなり、自動的にインストールされます。

使用可能な空きディスク領域を確認するには、次の2つの方法を使用します。

  1. 「コンピュータ」プロパティ・ウィンドウを使用する方法
    1. 「スタート」メニューを開き、「コンピュータ」をクリックします。
    2. 各ドライブの空きディスク領域を表示します。
    3. Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択して、そのドライブのディスク領域に関する追加情報を表示します。
  2. ディスク管理Microsoft管理コンソール(MMC)プラグインを使用する方法
    1. 「スタート」メニューで、「ファイル名を指定して実行」を選択します。
    2. 「ファイル名を指定して実行」ウィンドウでDiskmgmt.mscと入力し、「ディスクの管理」グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)を開きます。
      ディスク管理のGUIには、使用可能なファイル・システム上の使用可能な領域が表示されます。

関連項目:

2.1.6 使用可能な一時ディスク領域の確認

TEMPディレクトリで使用可能なディスク領域は、空きディスク領域の合計から、Oracleソフトウェアをインストールするために必要な領域を引いたサイズになります。

注意:

一時ディレクトリは、クラスタ内の各ノードで同じディレクトリ・パスに存在する必要があります。

TEMPディレクトリには、1GBのディスク領域が使用可能である必要があります。十分な領域がない場合は、まず、すべての不要なファイルを削除します。この操作を行った後も一時ディスク領域が必要量に満たない場合は、ディスクのパーティション・サイズを増やすか、TEMP環境変数が別のハード・ドライブを指すように設定します。環境変数TEMPおよびTMPの両方が、次のようにTEMPディレクトリの場所を指していることを確認してください。

TEMP=C:\WINDOWS\TEMP
TMP=C:\WINDOWS\TEMP
  1. インストールを実行するユーザーとしてログインするか、そのユーザーに切り替えます。
  2. 「コントロール パネル」で、「システム」を選択します。
  3. 「システムの詳細設定」を選択します。
  4. 「システムのプロパティ」ウィンドウで、「詳細設定」タブを選択して「環境変数」をクリックします。
  5. ユーザー変数のリストでTEMP環境変数の値を変更します。

2.2 一般的なサーバーの要件

Oracle Grid Infrastructureをインストールするサーバーがインストールの最小要件を満たしていることを検証します

  • クラスタ・メンバーと同じ命令セット・アーキテクチャのサーバーを選択します。

  • 各サーバーで、同じオペレーティング・システム・バイナリが実行されていることを確認します。

  • Oracle Grid InfrastructureインストールとOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)では、同一クラスタ内でハードウェアが異なるサーバーを使用できます。クラスタに異なる処理速度やサイズのCPUを搭載するノードをインストールできますが、ハードウェア構成が同じノードを使用することをお薦めします。

    異なる構成を使用してクラスタを構成する場合、サーバー・カテゴリ化管理ポリシーの一部として同種のプールにクラスタ・ノードを分類することをお薦めします。

関連項目:

サーバーの状態と構成属性の詳細およびサーバー・プールを使用してリソースとワークロードを管理する方法の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。

2.3 サーバーの最小ハードウェア要件と最小メモリー要件

各システムは、特定の最小ハードウェアおよびメモリー要件を満たしている必要があります。

表2-1 Oracle Grid Infrastructureインストールのハードウェアおよびメモリーの最小要件

ハードウェア・コンポーネント 要件

メモリー(RAM)

Oracle Grid Infrastructureインストール: クラスタ・インストール用Oracle Grid Infrastructureに4GB以上の物理RAM (Oracle RACをインストールする計画があるインストールを含む)。

仮想メモリー(スワップ)

サーバーのRAMが4GBから16GBである場合は、少なくともRAMと同じサイズのページング・ファイルを構成する必要があります。サーバーのRAMが16GBよりも大きい場合は、ページング・ファイルが16GBである必要があります。

ビデオ・アダプタ

256色および1024×768以上のディスプレイ解像度。システム・コンソールベースのインストールを実行する間、OUIが正しく表示されるようにします。

プロセッサ

x64: Intel Extended Memory 64 Technology(EM64T)またはAMD 64

注意:

Oracle Grid InfrastructureおよびOracle RACでは、32ビットのシステムはサポートされなくなりました。

2.4 サーバーの最小記憶域要件

各システムは、特定の最小記憶域要件を満たしている必要があります。

  • %TEMP%ディレクトリに1GBの領域。

    %TEMP%ディレクトリの空き領域が必要な領域の要件を満たさない場合は、次のいずれかの手順を実行します。

    • 必要な領域を確保するために、%TEMP%ディレクトリから不要なファイルを削除します。

    • %TEMP%ディレクトリを含むファイル・システムを拡張します。ファイル・システムの拡張については、必要に応じてシステム管理者に連絡してください。

  • クラスタ用Oracle Grid Infrastructureホーム(Gridホーム)に7GB以上の領域。パッチ用の追加領域を確保するために100GBを割り当てることをお薦めします。

  • Oracle Grid Infrastructureインストール・ユーザーのOracleベース用に3.5GB以上の領域。Oracleベースには、Oracle ClusterwareとOracle ASMログ・ファイルが含まれます。

  • Oracle Databaseをインストールする場合は、Oracleホーム(Oracle Databaseソフトウェア・バイナリの場所)用に5.89GBのディスク領域を割り当てます。

    Oracle Databaseの自動バックアップを構成する予定がある場合は、高速リカバリ領域用に追加の領域(ファイル・システムまたはOracle Automatic Storage Managementディスク・グループ)が必要です。

注意:

Oracle Grid Infrastructure 12cのベース・ディレクトリおよびOracle RAC 12cのベース・ディレクトリは、Oracle RAC 11gリリース2インストールが使用するディレクトリとは異なっている必要があります。

関連項目:

  • 『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』

  • 高速リカバリ領域のサイジングの詳細は、Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイドを参照

2.4.1 ディスク・フォーマット要件

Oracleソフトウェア(バイナリ)は、New Technology File System(NTFS)フォーマットのドライブまたはパーティションにインストールすることをお薦めします。

OUIでは、WindowsのNTFSおよびFile Allocation Table(FAT)のディスク・サイズを適切に見積もることができないため、OUIの「サマリー」画面に示される値よりも、この項に示されているシステム要件の方がより正確です。

注意:

Oracle Grid Infrastructureソフトウェアは、ネットワーク・ファイル・システム(NFS)ではサポートされていません。

Oracle Clusterwareファイルまたはデータ・ファイルは共有できないため、NTFSフォーマットされたディスクまたはパーティションは使用できません。Oracle Clusterware共有ファイルおよびOracle Databaseデータ・ファイルは、Oracle ASMによって管理される未フォーマットのベーシック・ディスクまたはディスク・パーティション(RAWパーティションと呼ばれる)に配置できます。

Oracle ClusterwareおよびOracle Databaseデータ・ファイルの格納には、Oracle ASMをお薦めします。