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Oracle® Database高可用性ベスト・プラクティス
12cリリース1 (12.1)
E57730-02
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1 高可用性ベスト・プラクティスの概要

Oracle Maximum Availability Architecture (MAA)のベスト・プラクティスを実装し、使用することで、Oracleデータベースと関連テクノロジの可用性を向上させることができます。

この章には、次の項目が含まれます。

1.1 Oracle Database高可用性アーキテクチャ

Oracleテクノロジとハードウェア、ソフトウェアおよびデプロイ・オプションは広い範囲をカバーするため、高可用性アーキテクチャの設計や実装にあたって不安を感じても不思議はありません。作業を成功に導くには、まずビジネス要件を明確に定義し、隅々まで理解しておくことが必要です。『Oracle Database高可用性概要』の第2章「高可用性およびデータ保護 - 要件からのアーキテクチャの取得」は、ユーザー固有のビジネス要件をMAA参照アーキテクチャのいずれかにマップするのに役立ちます。『Oracle Database高可用性概要』のその後の各章では、計画外停止アクティビティと計画メンテナンス・アクティビティに対処するときに、各MAA参照アーキテクチャによって様々なメリットとトレードオフがどのようにもたらされるかについて説明しています。また、第7章「可用性アーキテクチャ」では、各種アーキテクチャを比較対照しています。『Oracle Database高可用性概要』を確認し、最も適切なMAA参照アーキテクチャを選択したり、Oracle Engineered Systemsやその他のアーキテクチャの策定によって投資利益率をどのように最適化できるかを習得することをお薦めします。

1.2 Oracleデータベースの高可用性ベスト・プラクティス

Oracle高可用性(HA)ベスト・プラクティスは、高可用性アーキテクチャの全社的デプロイを容易にします。構成面と運用面のベスト・プラクティスが、高可用性を実現し、エンタープライズの実装と継続メンテナンスに関するコストを引き下げるために役立ちます。また、システム資源の使用率を最適化することもできます。

HAベスト・プラクティスを実装すると、次のことが可能になります。

  • データベース、ストレージ、アプリケーション・フェイルオーバー、バックアップおよびリカバリを構成するための詳細なガイドラインに従うことで、Oracleデータベースの高可用性システムの作成コストを削減できます。詳細は、第2章「構成ベスト・プラクティスの概要」を参照してください。

  • 運用ベスト・プラクティスを使用してシステムを保持します。詳細は、『Oracle Database高可用性概要』の第6章「可用性を最大化するための運用前提条件」を参照してください。

  • コンピュータ障害、ストレージ障害、人為的エラーまたはデータ破損を原因とする計画外の停止を検出し、迅速にリカバリできます。詳細は、4.1.6項「データ破損の防止」第12章「計画外の停止からのリカバリ」を参照してください。

  • データベースへのパッチ適用やアプリケーション・アップグレードなどの計画メンテナンスによる停止時間を回避または削減できます。詳細は、第13章「計画メンテナンスの停止時間の短縮」を参照してください。

1.3 Oracle Maximum Availability Architecture

Oracle Maximum Availability Architecture (MAA)はOracleのベスト・プラクティスのブループリントで、Oracle High Availability (HA)テクノロジや、Oracle MAA開発チームによって実施された幅広い検証、そしてOracleを活用してビジネスに不可欠なアプリケーションを運用してきたユーザーの様々な実証例に基づいています。

MAAの対象となるOracle製品のカテゴリは次のテクノロジです。

  • Oracle Database(このマニュアルに記載済)

  • Oracle Exadata Database MachineとOracle Exalogic Elastic Cloud

  • Oracle Fusion MiddlewareとOracle WebLogic Server

  • Oracle Applications (Siebel、Peoplesoft、E-Business Suite)

  • Oracle Collaboration Suite

  • Oracle Enterprise Manager

  • MAA参照アーキテクチャBronze、Silver、GoldおよびPlatinumの詳細は、『Oracle Database高可用性概要』を参照してください。

このドキュメント、つまり『Oracle Database高可用性ベスト・プラクティス』では、Oracle Databaseの高可用性に関するベスト・プラクティスについて主に説明します。Oracle Maximum Availability Architecture (MAA)のベスト・プラクティスの対象として想定できる、その他のコンポーネントもあります。詳細は、次のサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/goto/MAA


関連項目:

  • Oracle Fusion Middlewareの高可用性の詳細は、『Oracle Fusion Middlewareディザスタ・リカバリ・ガイド』を参照してください。

  • Oracle Fusion Middlewareのバックアップおよびリカバリの詳細は、Oracle Fusion Middlewareの管理者ガイドを参照してください。


MAAの目的は、コストおよび複雑さを最小限に抑えて最適な高可用性アーキテクチャを実現することです。MAAの特性は次のとおりです。

  • ベスト・プラクティスの対象は、Exadata Database Machine、Oracle Database、Oracle Fusion Middleware、Oracle Applications、Oracle Enterprise Manager、およびOracle Partnersで提供されたソリューションです。

  • 様々なビジネス要件にMAA参照アーキテクチャを提供し、あらゆるOracleデータベースをサポートします。

  • サーバーとストレージのコスト削減に利用できます。

  • ハードウェアやオペレーティング・システムの影響を受けず、Oracleの新バージョンや新機能に適応します。唯一の例外はOracle Exadata Database MachineなどのOracle Engineered Systemsで、Oracle Database用に最適化された固有のカスタマイズ構成および運用業務が設定されています。

  • 様々なビジネスの品質保証契約(SLA)を考慮しながら高可用性ベスト・プラクティスを可能なかぎり広範囲に適用できます。

  • データベース・サーバー・グリッドとデータベース・ストレージ・グリッドを使用したOracle Grid Infrastructureを活用して、回復力に優れた、スケーラブルで低コストのインフラストラクチャを提供します。

  • 停止状態からのリカバリ時間の長さと、停止時に許容可能なデータ損失の量を制御できます。

MAAの詳細およびすべてのMAAコンポーネントのベスト・プラクティスに関するドキュメントは、次のMAA Webサイトを参照してください。

http://www.oracle.com/goto/maa