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Oracle® Application Expressインストレーション・ガイド
リリース4.2 for Oracle Database 12c
B71336-03
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1 Oracle Application Expressのインストールの概要

この章では、Oracle Application Expressのインストールの概要を示し、インストール前に考慮する問題について説明します。

1.1 インストール・プロセスの概要

インストール・プロセスには次のステップが含まれます。

  1. インストールの計画: Oracle Application Expressのインストールに必要なステップの概要については、この章を参照してください。計画フェーズでは、完全開発環境とランタイム環境のいずれをインストールするかを決定する必要もあります。

    完全開発環境では、アプリケーションを開発するためにアプリケーション・ビルダー環境に完全にアクセスできます。変更できないアプリケーションを実行する本番実装に対しては、ランタイム環境を選択することをお薦めします。詳細は、「Oracle Application Expressランタイム環境について」を参照してください。

  2. インストール要件の確認: ソフトウェアをインストールするために満たす必要がある最小のシステム要件については、「Oracle Application Expressのインストールの要件」を参照してください。

  3. ソフトウェアのインストール: 必要なインストール・ステップは、使用するWebリスナーによって異なります。使用可能なオプションには、Oracle REST Data Services、埋込みPL/SQLゲートウェイまたはOracle HTTP Serverとmod_plsqlがあります。

    • Oracle Application Expressのインストール方法。使用可能なオプションにはOracle Database 12c以上とともにインストールされるOracle Application Expressのリリースの使用が含まれます。

    • 使用するWebリスナー。使用可能なオプションには、Oracle REST Data Services、埋込みPL/SQLゲートウェイまたはOracle HTTP Serverとmod_plsqlがあります。

1.2 以前のリリースのOracle Application Expressからのアップグレード

リリース1.5.x、1.6.x、2.0.x、2.2.x、3.0.x、3.1.x、3.2.x、4.0xまたは4.1xのOracle Application Expressをご使用の場合は、このマニュアルに記載されているどのインストール例に従っても、Oracle Application Expressインスタンスがリリース4.2にアップグレードされ、新しいスキーマにOracle Application Expressリリース4.2のデータベース・オブジェクトが作成され、アプリケーションのメタデータが新しいリリースに移行されます。

1.3 Application Expressリリース4.2.1以上へのアップグレード

Oracle Database 12cリリース1 (12.1)には、Oracle Application Expressリリース4.2.0.00.08が含まれています。一方、Oracle Technology Networkからダウンロードできる最新バージョンはOracle Application Expressリリース4.2.2.00.11です。非コンテナ・データベースをデプロイする場合、使用可能な最新のリリースにアップグレードすることをお薦めします。Application Expressの将来のパッチまたはメジャー・リリースで、コンテナ・データベースのアップグレードまたはパッチ適用を行うための適切なスクリプトが提供されます。

1.4 Oracle Application Expressランタイム環境について

Oracle Application Expressでは、テストおよび本番インスタンス用にOracle Application Expressのランタイム・バージョンのみをインストールする機能がサポートされています。このランタイム環境により、インストールするフットプリントと権限を最小限に抑えることができます。また、ランタイム・インスタンスでは開発者が本番アプリケーションを不注意で更新することが避けられるため、アプリケーションのセキュリティが向上します。

Oracle Application Expressランタイム環境では、本番アプリケーションは実行できますが、管理用のWebインタフェースは提供されません。ランタイム環境に含まれるのは、アプリケーションの実行に必要なパッケージのみです。このため、ランタイム環境はより堅牢な環境となります。Oracle Application Expressランタイム環境は、SQL*PlusまたはSQL DeveloperおよびAPEX_INSTANCE_ADMIN APIを使用して管理します。詳細は、『Oracle Application Expressアプリケーション・ビルダー・ユーザーズ・ガイド』のランタイム環境の管理に関する項を参照してください。

既存のインスタンスに対して開発者インタフェースの削除または追加を行うスクリプトが提供されます。詳細は、「データベースからのインストール時の構成タスク」を参照してください。

1.5 Webリスナーの選択について

実行するためには、Oracle Application ExpressにOracle REST Data Services、Oracle HTTP Serverおよびmod_plsqlまたは埋込みPL/SQLゲートウェイへのアクセス権が必要です。

最適なWebリスナーの選択の詳細は、次のURLにあるOracle Technology Network (OTN)の「Oracle Application Express Deployment」ページを参照してください。

http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/apex/application-express/apex-deploy-installation-1878444.html#listener

1.5.1 Oracle REST Data ServicesおよびOracle HTTP Serverとmod_plsqlについて

Oracle REST Data Servicesは直接Oracle Application Expressエンジンと通信します。Oracle HTTP Serverは、mod_plsqlプラグインを使用してOracle Database内のOracle Application Expressエンジンと通信します。Oracle REST Data ServicesおよびOracle HTTP Serverは、WebサーバーとOracle Database内のOracle Application Expressオブジェクト間の通信ブローカとして機能します。具体的には、ブラウザ・リクエストを、SQL*Net接続経由でデータベースのストアド・プロシージャ・コールにマップします。次の図に、Oracle REST Data Servicesを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。

arch.gifの説明が続きます
arch.gifの説明

この3層のアーキテクチャは、次のコンポーネントで構成されます。

Oracle REST Data ServicesまたはOracle HTTP Server(Apache)とmod_plsqlの主な利点は、中間層とデータベース層を分離できることです。このアーキテクチャは、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境に適しています。

1.5.1.1 Oracle HTTP Serverの使用時にimagesが格納される場所

Oracle HTTP ServerまたはOracle Application Server構成では、imagesはファイル・システム上の別名/i/で参照される場所に格納されています。以前のリリースからOracle Application Expressをアップグレードする場合は、次のファイルを確認してテキスト別名/i/を検索することで、ファイル・システム上でimagesディレクトリを特定できます。

テキスト別名/i/の検索の具体例については、「データベースからのインストール時の構成タスク」を参照してください。

1.5.2 埋込みPL/SQLゲートウェイの概要

Oracle XML DBプロトコル・サーバーおよび埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle Databaseとともにインストールされます。Webサーバーを使用したOracle Database、さらに動的なアプリケーションの作成に必要なインフラストラクチャを利用できます。埋込みPL/SQLゲートウェイは、Oracle DatabaseのOracle XML DBプロトコル・サーバーで実行され、mod_plsqlのコア機能を含みます。次の図に、埋込みPL/SQLゲートウェイを使用するOracle Application Expressアーキテクチャを示します。

arch_epg.gifの説明が続きます。
arch_epg.gifの説明

前述の図に示すとおり、埋込みPL/SQLゲートウェイは、WebブラウザおよびOracle Database(埋込みPL/SQLゲートウェイとOracle Application Expressを含む)の単純な2層アーキテクチャで構成されます。

埋込みPL/SQLゲートウェイの利点は次のとおりです。

1.5.2.1 埋込みPL/SQLゲートウェイを使用する場合のセキュリティ上の考慮事項

埋込みPL/SQLゲートウェイは、XML DB HTTPプロトコル・リスナーの一部としてデータベースで実行されます。HTTPリスナーはOracle Application Expressがインストールされているデータベースと同じデータベースで実行されるため、データベースから分離できません。このため、インターネット上で実行されるアプリケーションに埋込みPL/SQLゲートウェイを使用することはお薦めしません。

1.5.2.2 埋込みPL/SQLゲートウェイの使用時にimagesが格納される場所

Oracle Application Expressおよび埋込みPL/SQLゲートウェイが実行されていると、imagesはデータベース内のOracle XML DBリポジトリに直接格納されます。imagesにアクセスするには、Oracle XML DBのWebDAV機能またはFTPを使用します。詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』のプロトコルを使用したリポジトリへのアクセスに関する説明を参照してください。

1.5.3 Oracle RAC環境でのWebリスナーの選択

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)環境でOracle Application Expressを実行する場合、Oracle REST Data ServicesまたはOracle HTTP Serverとmod_plsqlを使用することをお薦めします。Oracle REST Data ServicesまたはOracle HTTP Serverとmod_plsqlでは、1つのHTTP Serverがすべてのノードにアクセスできるように、サーバー名形式で接続を指定することができます。

Oracle RAC環境には埋込みPL/SQLゲートウェイ・オプションを選択しないことをお薦めします。埋込みPL/SQLゲートウェイではデータベース・インスタンスに組み込まれたHTTPサーバーを使用するため、Oracle RAC共有アーキテクチャを活用できません。

1.6 使用可能なインストール例

Oracle Application Expressのインストール方法は、使用するWebリスナーによって異なります。このセクションでは、各インストール例の概要について説明します。

1.6.1 データベースからのインストールとOracle REST Data Servicesの構成

Oracle Database 12c以上とともにインストールされるOracle Application Expressのリリースを使用し、Oracle REST Data Servicesを構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。

1.6.2 データベースからのインストールおよび埋込みPL/SQLゲートウェイの構成

Oracle Database 12c以上とともにインストールされるOracle Application Expressのリリースを使用し、埋込みPL/SQLゲートウェイを構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。

1.6.3 データベースからのインストールおよびOracle HTTP Serverの構成

Oracle Database 12c以上とともにインストールされるOracle Application Expressのリリースを使用し、Oracle Database 12c以上で配布されるOracle HTTP Serverおよびmod_plsqlを構成する場合は、この例のステップに従います。この例の必要なインストール・ステップは次のとおりです。