プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Database Clientインストレーション・ガイド
12cリリース1 (12.1) for Microsoft Windows
B72974-04
  目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
 
次
 

4 Oracle Database Clientのインストール後の作業

この章では、インストール後の作業について説明します。


注意:

この章では、基本構成についてのみ説明します。より高度な構成およびチューニングの情報は、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』および製品固有の管理およびチューニングのガイドを参照してください。

4.1 インストール後の必須作業

この項の内容は、次のとおりです。

4.1.1 パッチのダウンロードとインストール

必須のパッチをダウンロードするには、インストールに必要なパッチについてMy Oracle SupportのWebサイトを確認してください。これにより、Oracle Database Clientを最新の状態に更新できます。


注意:

パッチをダウンロードしてもInstant Clientを更新できません。Instant Clientを更新するには、「Instant Clientの更新」の手順を実行してください。

パッチを検索してダウンロードする手順は次のとおりです。

  1. Webブラウザを使用して、My Oracle SupportのWebサイトを表示します。

    https://support.oracle.com/

  2. My Oracle Supportにログインします。


    注意:

    My Oracle Supportの登録ユーザーでない場合は、「こちらで登録してください」をクリックして登録の手順に従います。

  3. My Oracle Supportのメイン・ページで「パッチと更新版」タブをクリックします。

  4. 「パッチ検索」グループで、「製品またはファミリ(拡張)」を選択します。

  5. 「製品」フィールドで、「Oracle Database」を選択します。

  6. 「リリース」フィールドで、リリース番号を選択します。たとえば、Oracle 12.1.0.1.0です。

  7. 「検索」をクリックします。

  8. 「パッチ検索」ページに、使用可能なすべてのパッチの更新が表示されます。

  9. パッチ番号を選択して「README」をクリックします。パッチ・セットに関する情報と、インストールへのパッチの適用方法が記載された「README」ページが表示されます。

  10. 「パッチ検索」ページに戻って「ダウンロード」をクリックし、ファイルをシステムに保存します。

  11. Oracle Database 12cに付属の解凍ユーティリティを使用して、My Oracle SupportからダウンロードしたOracleのパッチ更新を解凍します。解凍ユーティリティは、ORACLE_BASE\ORACLE_HOME\binディレクトリにあります。

4.1.2 Instant Clientの更新

Instant Clientを更新する手順は、次のとおりです。

  1. Instant ClientをOracle Technology Network (http://www.oracle.com/technetwork/database/features/instant-client/index-097480.html)からダウンロードします。

  2. 新しいファイルで旧ファイルを上書きします。

    別のディレクトリにファイルを格納(および以前のファイルを削除)する場合は、PATH環境変数の設定を更新して新しい格納場所を反映してください。

4.2 インストール後の推奨作業

インストールの完了後、次の項で説明する作業を実行することをお薦めします。

4.2.1 Instant Client Lightの構成

Instant Client Lightを構成するには、これをInstant Clientのかわりにデフォルトにする必要があります。

Instant Client Lightを構成する手順は、次のとおりです。

  1. ORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOMEディレクトリで、oraociei12.dllファイルの名前を変更するか削除します。

    oraociei12.dllファイルは、Instant Client用のメイン・バイナリです。

  2. ORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOME\install\instantclient\lightディレクトリから、oraociicus12.dllファイルをORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOMEディレクトリにコピーします。

    oraociicus12.dllファイルは、Instant Client Light用のバイナリです。

  3. PATH環境変数がORACLE_BASE\ORACLE_CLIENT_HOMEディレクトリを指していることを確認します。


注意:

Instant ClientのPATHが設定されていない場合、アプリケーションでは最初に、通常のInstant Clientライブラリのロードを試行します。これらが見つからなかった場合、アプリケーションは、次にInstant Client Lightライブラリのロードを試行します。

4.2.2 Oracle DatabaseへのOracle Database Clientの接続

Oracle Universal Installerを実行してOracle Database Clientをインストールした後、Net Configuration Assistant(NetCA)を使用して、Oracleデータベースに接続するようにOracle Database Clientを構成する必要があります。インストールの最後に、Oracle Universal Installerからデータベース接続を構成するように要求されます。このオプションを省略した場合、またはデータベース接続を後で変更する必要がある場合、「管理者」「ランタイム」または「カスタム」インストール・タイプでインストールしたときは、次の手順を実行します。


関連項目:

「InstantClient」インストール・タイプをインストールした場合は、「Instant ClientまたはInstant Client LightのOracle Databaseへの接続」を参照してください。

Oracle Database ClientをOracle Databaseに接続する手順は、次のとおりです。

  1. 「スタート」メニューから、「Oracle - HOME_NAME」「コンフィグレーションおよび移行ツール」「Net Configuration Assistant」を選択します。

  2. ようこそウィンドウで「ローカル・ネット・サービス名構成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  3. ネット・サービス名の構成ウィンドウで「追加」を選択し、「次へ」をクリックします。

  4. サービス名ウィンドウで接続するOracleデータベースの名前を入力し、「次へ」をクリックします。

  5. プロトコルの選択ウィンドウで使用するプロトコルを選択し、「次へ」をクリックします。

  6. プロトコル・ウィンドウで選択したプロトコルに応じて適切な情報を入力し、「次へ」をクリックします。

  7. ネット・テスト・ウィンドウで接続をテストするかどうかを選択し、「次へ」をクリックします。

  8. ネット・サービス名ウィンドウでネット・サービスの名前を入力し、「次へ」をクリックします。

  9. 他のネット・サービス名の構成するための残りの質問に答え、「終了」をクリックして構成を完了します。

    Net Configuration Assistantにより、次の場所にtnsnames.oraファイルが作成されます。

    ORACLE_HOME\network\admin\tnsnames.ora
    

関連項目:

Oracle Database Net Services管理者ガイド

4.2.3 Instant ClientまたはInstant Client LightのOracle Databaseへの接続

Instant ClientまたはInstant Client LightをOracleデータベースに接続する前に、Instant Clientライブラリを含むディレクトリがPATH環境変数で指定されていることを確認します。(デフォルトでは、インストール・プロセス中にOracle Universal InstallerによってPATH変数が更新されますが、その後、別のユーザーがこの変数を不用意にリセットする可能性があります)。このディレクトリは、インストール中に指定したOracleホーム・ディレクトリです。

たとえば、通常のInstant Clientの場合は、次のようになります。

C:\app\username\product\12.1.0\client_1

Instant Client Lightの場合は、次のようになります。

C:\app\username\product\12.1.0\client_1\light

PATH環境変数の確認後、次の方法のいずれかを使用して、クライアント・アプリケーションのOracle Database接続情報を指定できます。

4.2.3.1 簡易接続ネーミング・メソッドを使用した接続の指定

Instant Clientのtnsnames設定を構成することなく、クライアント・アプリケーションから直接Oracle Databaseに対する接続アドレスを指定できます。この方法は、tnsnames.oraファイルを作成および管理する必要がないという点で便利です。ただし、アプリケーション・ユーザーは、アプリケーションにログインするときにホスト名およびポート番号を指定する必要があります。

たとえば、クライアント・コンピュータでSQL*Plusを実行しており、ホスト名がshobeen、ポート番号が1521のサーバーにあるsales_usデータベースへ接続するとします。SQL*Plusをコマンドラインから起動した場合、次のようにしてログインできます。

sqlplus system/admin@//shobeen:1521/sales_us

同様に、アプリケーション・コードでOracle Call Interfaceネット・ネーミング・メソッドを使用して、Instant ClientとOracle Databaseの接続を作成できます。たとえば、OCIServerAttach()コール内の次の形式により、接続情報を指定します。

  • 次の形式でSQL接続URL文字列を指定します。

    //host[:port][/service_name]
    

    次に例を示します。

    //shobeen:1521/sales_us
    
  • あるいは、SQL接続情報をOracle Netキーワード値ペアとして指定できます。次に例を示します。

    "(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=tcp) (HOST=shobeen) (PORT=1521))(CONNECT_DATA=(SERVICE_NAME=sales_us)))"
    

    関連項目:

    『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』

4.2.3.2 tnsnames.oraファイルの構成による接続の指定

デフォルトでは、Instant Clientをインストールする場合、Oracle Universal Installerには、サンプルのtnsnames.oraファイルも、通常このファイルの作成に使用されるOracle Net Configuration Assistantユーティリティも含まれません。ただし、ユーザーが実際のホスト名およびポート番号を指定する必要をなくす場合は、tnsnames.oraファイルを使用してInstant ClientとOracle Databaseの接続を設定することを検討してください。

別のOracleインストールからこのファイルをコピーして変更することによって、tnsnames.oraファイルを手動で作成するか、またはOracle Net Configuration Assistantを使用して、このファイルを自動的に作成および管理できます。

Oracle Net Configuration Assistantをインストールする手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Universal Installerを実行します。

  2. 「カスタム」インストール・タイプを選択します。

  3. 「使用可能な製品コンポーネント」リストで、Oracle Network Utilitiesを選択し、「次へ」を選択します。

  4. 「サマリー」画面で「インストール」をクリックしてから、「終了」および「はい」をクリックしてOracle Universal Installerを終了します。

Oracle Net Configuration Assistantをインストールした後、各クライアント・コンピュータに対して「OracleデータベースへのOracle Database Clientの接続」に記載されている手順を実行します。

次に、各クライアント・コンピュータ上で、次のいずれかの設定を構成します。

  • TNS_ADMIN環境変数を設定してtnsnames.oraファイルの場所を指定し、そのファイルからサービス名を指定します。

  • tnsnames.oraファイルをORACLE_HOME\network\adminディレクトリ内に格納し、ORACLE_HOME環境がこのOracleホームに設定されていることを確認します。


    関連項目:

    『Oracle Call Interfaceプログラマーズ・ガイド』

4.2.3.3 空の接続文字列およびLOCAL変数を使用した接続の指定

接続文字列を空の接続文字列("")に設定してから、LOCAL環境変数を次のいずれかの値に設定できます。

  • 直接アドレス(「簡易接続ネーミング・メソッドを使用した接続の指定」を参照)

  • Oracle Netキーワード値ペア

  • tnsnames.oraエントリ。さらに、TNS_ADMINtnsnames.oraの場所に設定します。

  • tnsnames.oraエントリ。さらに、次のようにします。

    • tnsnames.oraファイルをORACLE_HOME/network/adminに格納

    • ORACLE_HOME環境変数をこのOracleホームに設定

この方法により、アプリケーションは、アプリケーション・コード自体が空の接続文字列を使用する場合に、接続文字列を内部的に指定できます。空の接続文字列のメリットは、アプリケーション自体がtnsnames.oraエントリを指定する必要がないという点です。かわりに、ユーザーがアプリケーションを起動した場合、データベースの場所は、スクリプトまたは環境、つまりLOCAL環境変数をどこに設定したかによって決定されます。空の文字列を使用するデメリットは、アプリケーションがデータベースに接続するためにこの追加情報を構成する必要があるという点です。

4.2.4 ユーザー・アカウントの設定

追加のユーザー・アカウントの設定については、『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイド』を参照してください。

4.2.5 Oracleホーム・ユーザーのパスワードの変更

Oracleホームのユーザー・コントロールは、管理者がOracleホーム内のWindowsサービスのパスワードを更新できるコマンドライン・ユーティリティです。入力パスワードはOracleホーム・ユーザーとして使用されるWindowsユーザー・アカウントのパスワードと一致する必要があります。そのため、最初にWindowsオペレーティング・システム・ツールを使用してWindowsパスワードを変更してから、このツールでOracleホーム内のWindowsサービスを更新し、同じパスワードに設定します。


注意:

このOracleホーム・ユーザー・コントロール・ユーティリティを実行するには、管理者権限が必要です。

構文の概要:

コマンド構文は次のとおりです。

orahomeuserctl list | updpwd [-user username] [-host hostname1, hostname2, . . .] [-log logfilename]

各パラメータの意味は次のとおりです。

  • orahomeuserctlは、現在のOracleホームに関連付けられているOracleホーム・ユーザー名の表示、またはOracleホーム・ユーザー・パスワードの更新に使用されます。

  • listは、現在のOracleホームに関連付けられているOracleホーム・ユーザー名を表示します。

  • updpwdは、新しいパスワードを要求し、指定されたOracleサービス・ユーザーのパスワードを更新します。updpwdのオプションは次のとおりです。

    • -user username

      このオプションは、Oracleホーム・ユーザー名を決定します。このオプションが存在しない場合、現在のOracleホームに関連付けられた指定されたユーザー名が使用されます。usernameまたは現在のOracleホームのユーザーに関係なく、指定された名前がMSAまたはWindows組込みアカウントの場合は、エラー・メッセージが表示され、コマンドが終了します。

    • -host hostname1, hostname2,. . .

      このオプションが存在する場合、ユーティリティは、指定されたホストにある指定のOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新します。それ以外の場合、Oracleホーム・ユーザー・コントロール・ユーティリティは、単一インスタンスをインストールした指定されたホストにある指定のOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新するか、指定されたすべてのホストにある指定のOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新します。

      更新が完了すると、ユーティリティは、成功した更新の数と、新しいパスワードで更新に失敗したサービスを表示します。

    • -log logfilename

      このオプションは、新しいパスワードを受け入れる各サービス名に対して、パスワード更新操作の結果をログ・ファイルに追加します。デフォルトでは、ログ・ファイルはORACLE_HOME\logディレクトリにあります。logfilenameがファイル名のみを指定する場合、ログはデフォルト・ディレクトリの指定されたファイルに格納されます。ただし、logfilenameにパスが含まれている場合、そのパスは変更されずに使用されます。


関連項目:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows』

4.2.6 Oracle Database 12cでのOracle9iの言語および定義ファイルの使用

Oracle Database 10g以降のリリースでは、一部の言語および地域定義ファイルの内容に変更が加えられています。Oracle Databaseでサポートされる一部の言語および地域のローカルな規則に合わなくなったレガシー定義を訂正するために、これらの更新は必要です。

Oracle Database 12cカスタマは、既存のアプリケーション・コードを調べて、Oracle Database 10gで導入され定義された正しい文化的規則が使用されていることを確認する必要があります。アプリケーションのサポートに必要なコード変更ができない可能性のあるカスタマのために、Oracle Databaseはこのリリースで、Oracle9iロケール定義ファイルを提供しています。Oracle DatabaseサーバーがOracle9iファイルを使用するように構成されている場合は、各クライアント・インストールでも同様にこの機能を有効にする必要があります。

この機能を有効にする手順は、次のとおりです。

  1. デフォルトでORACLE_HOME\nls\data\oldにあるcr9idata.plスクリプトを実行します。

    選択したクライアント・インストール・タイプにこのディレクトリが含まれていない場合、cr9idata.plスクリプトは、デフォルトのOracle Databaseインストール内の同じディレクトリ・パスにあります。

  2. ORA_NLS10環境変数が、言語および地域の新規定義ファイルをインストールしたディレクトリ(デフォルトの場所は、ORACLE_HOME\nls\data)を指すように設定します。

  3. Oracle Databaseを再起動します。


関連項目:

  • b_cr9idata変数を設定して、Oracle Universal Installerで実行できるレスポンス・ファイルの詳細は、付録B「レスポンス・ファイルを使用したOracle Database Clientのインストール」を参照してください。

  • このリリースのOracle Databaseの影響を受けるグローバリゼーション・サポートの詳細は、付録C「Oracle Databaseグローバリゼーション・サポートの構成」を参照してください。

  • 『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』


4.3 製品固有のインストール後の必須作業 – Oracle Net Servicesの構成

適切なエントリをtnsnames.oraファイルおよびlistener.oraファイルに追加することにより、Oracle Net Servicesと通信するようにOracle Database Clientを構成できます。以前のリリースのOracleソフトウェアがある場合は、Oracle Netのtnsnames.oraおよびlistener.ora構成ファイルの情報を、以前のリリースから新しいリリースの対応するファイルにコピーできます。


注意:

tnsnames.oraおよびlistener.oraファイルのデフォルトの場所は、ORACLE_HOME\network\adminディレクトリです。

Oracle Connection Manager (CMAN)サービスを作成するには、CMAN別名エントリをORACLE_HOME\network\admincman.oraに作成します。次に例を示します。

cman_proxy=
  (CONFIGURATION=
  (ADDRESS=(PROTOCOL=tcp)(HOST=host_name)(PORT=1521))
    (RULE_LIST=
      (RULE=(SRC=*)(DST=*)(SRV=*)(ACT=accept)))
    (PARAMETER_LIST=
      (MIN_GATEWAY_PROCESSSES=1)
      (MAX_GATEWAY_PROCESSES=2)))

これは、ルールに示されているように、すべてのクライアントからの接続を受け入れます。


関連項目:

Oracle Database Net Services管理者ガイド

CMANサービスは、cmctlコマンドライン・ルールを使用してCMANが初めて起動されると作成されます。サービスの作成時、インストール中にWindowsユーザー・アカウントがOracleホーム・ユーザーとして指定される場合は、cmctlによってパスワードが要求されます。インストール中にWindows組込みアカウントがOracleホーム・ユーザーとして指定される場合は、cmctlによってパスワードは要求されません。

別名エントリをlistener.oraに追加することで、リスナーを構成できます。リスナー・サービスは、リスナーが初めて起動されると作成されます。インストール中にWindowsユーザー・アカウントがOracleホーム・ユーザーとして指定される場合は、リスナー・コントロール・ユーリティのlsnrctlによってパスワードが要求されます。インストール中にWindows組込みアカウントがOracleホーム・ユーザーとして指定される場合は、パスワードは要求されません。

4.4 SQL Developerのインストール後の作業

SQL Developerのインストール後の推奨作業については、Oracle SQL Developerインストレーション・ガイドの次に関する項を参照してください。

  • 以前のリリースからのユーザー設定の移行

  • 以前のリリースからの情報の移行

  • ユーザー関連情報の場所

4.5 OraMTS Service for Microsoft Transaction Serverの作成

Oracle Services for Microsoft Transaction Server (OraMTS)を使用すると、Microsoftアプリケーションで調整されるトランザクション内で、リソース・マネージャとしてOracle Databaseクライアントを使用できます。OraMTSは、Microsoft分散トランザクション・コーディネータ(MSDTC)に対するOracle Databaseクライアントのプロキシとして機能します。この結果、OraMTSによってクライアント側の接続プールが提供され、Oracleを利用するクライアント・コンポーネントを昇格可能なトランザクションおよび分散トランザクションに使用できるようになります。また、サービス自体がWindowsで実行される場合、OraMTSは、任意のオペレーティング・システム上で実行されているOracle Databaseクライアントと連携して動作できます。

Oracle Database 12cより前のリリースでは、OraMTSサービスはソフトウェアのみのインストールの一部として作成されていました。Oracle Database Client 12c以降は、構成ツールを使用してこのサービスを作成する必要があります。

Oracle Database Clientのソフトウェアのみのインストールの実行後にOraMTSサービスを作成するには、次の手順を実行します。

  1. コマンド・ウィンドウを開きます。

  2. ディレクトリを、ORACLE_HOME\binに変更します。

  3. OraMTSCtlユーティリティを実行して、OraMTSサービスを作成します。

    C:\ORACLE_HOME\bin> oramtsctl.exe -new
    

    関連項目:

    『Oracle Services for Microsoft Transaction Server開発者ガイド』

4.6 スケジューラ・エージェントの作成

Oracle Scheduler実行エージェントでは、リモート・ホストに配置可能なOracleインスタンスのリクエスト時にOracle Databaseクライアントでスケジューラ・ジョブを実行できます。これにより、Oracle Schedulerを使用した複数ホストの集中制御が可能になり、オペレーティング・システム・レベルのジョブ、および別のOracle Databaseで実行されるジョブを実行できます。

Oracle Scheduler実行エージェントは、Oracle Database Clientソフトウェアとともにインストールされます。


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』

Oracle Database Clientのソフトウェアのみのインストールの実行後に、スケジューラ・エージェント・サービスを作成するには、次の手順を実行します。

  1. コマンド・ウィンドウを開きます。

  2. ディレクトリを、ORACLE_HOME\binに変更します。

  3. 実行ユーティリティのschagentを実行し、スケジューラ・エージェント・サービスを作成します。

    C:\ORACLE_HOME\bin> schagent.exe -new