Oracle Database for Windowsには、データベース関連の機能を実行する様々なツールがあります。この章では、一般的なデータベース管理タスクの実行に推奨されるツールおよびそのツールの起動方法を説明します。
特に記述がないかぎり、このガイドで説明されている機能はすべてのOracle Database Editionsに共通です。
この章の項目は次のとおりです。
関連項目:
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データベース・ツールとは、データベース管理タスクに使用できるツール、ユーティリティおよび補助ツールの総称です。類似するタスクを実行できるデータベース・ツールもありますが、1つのデータベース・ツールですべてのデータベース管理タスクを実行することはできません。次の項では、特定のオペレーティング・システムで使用できるデータベース・ツールおよび一般的なデータベース管理タスクに使用できる推奨ツールについて説明します。
ほぼすべてのデータベース・ツールは、サポートされているすべてのWindowsバージョンで使用できます。例外は次のとおりです。
Oracle SQL Developerは、Oracle Technology Network(OTN)でのみ入手可能です。次のサイトを参照してください。
http://www.oracle.com/technetwork/developer-tools/sql-developer/overview/index.html
Oracle Enterprise ManagerおよびそのオプションのManagement Packには、データベースの管理を助ける追加ツールが統合されています。詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』を参照してください。
表2-1に、一般的なデータベース管理タスクの実行に使用できる様々なデータベース・ツールを示します。この表の「推奨ツール」欄にあるツールを使用することをお薦めします。タスクを実行するツールを選択した後、表2-2で、ツールの起動方法を参照してください。
注意: エクスポート・ユーティリティおよびインポート・ユーティリティのVOLSIZE パラメータは、Windowsではサポートされていません。VOLSIZE パラメータを使用してユーティリティを実行しようとすると、エラーLRM-00101 が発生します。次に例を示します。
D:\> exp system full=y volsize=100m;
Password: password
LRM-00101: unknown parameter name 'volsize'
EXP-00019: failed to process parameters, type 'EXP HELP=Y' for help
EXP-00000: Export terminated unsuccessfully
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表2-1 推奨データベース・ツール
管理タスク | 推奨ツール | その他のツール |
---|---|---|
データベース・サービスの作成 |
データベース・コンフィギュレーション・アシスタント |
ORADIM |
データベース・サービスの削除 |
データベース・コンフィギュレーション・アシスタント |
ORADIM |
データベース・パスワード・ファイルのパスワードの変更 |
ORAPWD |
ORADIM |
Oracleホーム・ユーザーのパスワードの更新 |
Oracleホーム・ユーザー・コントロール |
なし |
データベース・ユーザーのディレクトリへの移行 |
ユーザー移行ユーティリティ |
なし |
データベースの移行 |
Database Upgrade Assistant |
情報アップグレード・ツール |
データのエクスポート |
データ・ポンプ・エクスポート(EXPDP) |
エクスポート(EXP) |
データのインポート |
データ・ポンプ・インポート(IMPDP) |
インポート(IMP) |
データのロード |
Oracle Enterprise Managerロード・ウィザード |
SQL*Loader(SQLLDR) |
データベースのバックアップ |
Oracle Enterprise Managerバックアップ・ウィザード |
Recovery Manager (RMAN) OCOPY |
データベースのリカバリ |
Oracle Enterprise Managerリカバリ・ウィザード |
Recovery Manager (RMAN) OCOPY |
暗号化および復号化されたOracle Walletの格納(Oracle Advanced SecurityおよびOracle PKI統合) |
Oracle Wallet Manager |
なし |
データベース・ロールの付与 |
Oracle Enterprise Manager Database Express |
ローカル ユーザーとグループ SQL*Plus |
データベース・オブジェクトの作成 |
Oracle Enterprise Manager Cloud Control |
SQL*Plus |
次の説明は、表2-1「推奨データベース・ツール」に記載されたツールに関するものです。
ORADIMでパスワードを設定できるのは、前にパスワードが設定されなかった場合のみです。パスワードがすでに設定されていた場合は、Oracle Databaseサービスを削除し、再作成した場合のみORADIMを使用してパスワードを変更できます。Oracle Database 12cリリース1 (12.1)から、ORADIMはOracleホーム・ユーザー・アカウントで実行する、Oracle Databaseサービス、Oracle VSSライター・サービスおよびOracleスケジューラ・サービスを作成します。このアカウントがローカルまたはドメイン・ユーザー・アカウントである場合、ORADIMはそのアカウントのパスワードを要求し、stdin
を介して同じものを受け入れます。
-RUNAS osusr[/ospass]
オプションを使用して、Oracleホーム・ユーザーおよびそのパスワードの両方をoradim
に指定できます。指定したosusr
がOracleホーム・ユーザーとは異なる場合、Oracleホーム・ユーザーがosusr
の代わりに、指定したospass
とともに使用されます。
User Migration Utilityでは、ローカル・ユーザーまたは外部ユーザーをエンタープライズ・ユーザーに移行できます。
詳細は、『Oracle Databaseエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ管理者ガイド』の「ユーザー移行ユーティリティの使用」を参照してください。
Oracle Database Upgrade Assistantでは、Oracle9iリリース2 (9.2)、Oracle Database 10gリリース1 (10.1)、Oracle Database 10gリリース2 (10.2)、Oracle Database 11gリリース1 (11.1)およびOracle Database 11gリリース2 (11.2)の各データベースを現行リリースにアップグレードできます。Oracle Database Upgrade Assistantは、パッチ・セットの適用にも使用できます。
関連項目: 単一インスタンスおよびクラスタ・データベースのアップグレードの詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照 |
データ・ポンプ・エクスポートおよびデータ・ポンプ・インポートは、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以上のデータに推奨されます。エクスポートおよびインポートは、それより前のデータに推奨されます。
データベースの停止中にファイルをバックアップした場合、バックアップは無効です。無効なバックアップを使用して、後でファイルをリストアすることはできません。
Oracle Wallet Managerの旧バージョンを使用して、Oracle Internet Directoryへの認証に対するパスワードベースの資格証明が含まれるOracle Database 10gリリース1(10.1)以上のウォレットを管理することはできません。これらの資格証明は、Oracle DatabaseサーバーがOracle Internet Directoryに登録されるときにウォレットに格納されます。
データベースの登録時にOracle Database Configuration Assistantによって自動的に生成されるデータベース・ウォレットは、Oracle Database 10gリリース1 (10.1)以上のサーバーでのみ使用できます。それより前のバージョンのデータベース、およびOracle Internet Directoryリリース9.0.4以前では、このデータベース・ウォレットを使用することはできません。
データベース・オブジェクトの作成のガイドラインは、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、あらゆる管理ツール(Oracle Database Configuration Assistant、Oracle Database Upgrade Assistant、Oracle Net Configuration Assistant、Oracle ASM Configuration Assistantなど)を起動する管理者は、オペレーティング・システムの管理者である必要があります。また、Oracle Database Configuration AssistantツールおよびOracle Database Upgrade Assistantツールを使用してOracle ASMにアクセスにする場合には、管理者はORA_DBA
およびORA_ASMADMIN
グループのメンバーである必要もあります。Oracle ASM Configuration Assistantツールを使用する場合には、管理者はORA_ASMADMIN
グループのメンバーである必要があります。
データベース、リスナーおよびその他のエンティティの新しいWindowsサービスを作成するには、Oracleホーム・ユーザーのパスワードが必要です。これをサポートするために、すべてのOracle管理ツールは、Oracleホーム・ユーザーがローカルまたはドメインWindowsユーザー・アカウントであり、Oracleホーム・ユーザーのパスワードがOracleウォレットに保存されていない場合に限り必要な、Oracleホーム・ユーザーのパスワードを要求するように変更されました。
この項では、それぞれのデータベース・ツールの起動方法を次のカテゴリに分けて説明します。
コンピュータに旧リリースの複数のOracleホームが存在する場合、各リリース間のOracleホームの違いの説明については、『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』の付録B「Optimal Flexible Architecture」を参照してください。
信頼できるアプリケーションのみをコンピュータで実行するようにするために、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)でサポートされるすべてのWindowsオペレーティング・システムはユーザー・アカウント制御を提供します。このセキュリティ機能を有効化すると、その構成内容に応じて、Oracle Universal InstallerによるOracle Database Clientのインストール時にユーザーの承諾または資格証明を求めるプロンプトが表示されます。必要に応じて承諾またはWindows管理者の資格証明を入力します。
関連項目: 『Oracle Databaseインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows』 |
一部の構成ツールを実行する場合や、Oracleホーム内の任意のディレクトリに書込みを行うツールまたはアプリケーションを実行する場合は、管理者権限が必要です。ユーザー・アカウント制御を有効化している場合、ローカル管理者としてログインすれば、通常の方法でこれらの各コマンドを正常に実行できます。ただし、管理者グループのメンバーとしてログインする場合は、Windowsの管理者権限を使用してこれらのタスクを明示的に実行する必要があります。
Oracle Administration Assistant for Windows。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
Oracle Net Configuration Assistant。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
Oracle OLAP Analytic Workspace ManagerおよびOracle OLAP Worksheet。このツールは、「Integrated Management Tool」で使用できます。
Oracle Database Configuration Assistant。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
Oracle Database Wallet Manager。このツールは、「Integrated Management Tool」で使用できます。
Oracle Database Upgrade Assistant。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
Oracle Net Manager。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
Oracle ASM Configuration Assistant。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
Oracle ASM Disk Stamping Tool (asmtool
、asmtoolg
)。このツールは、「Configuration and Migration Tool」で使用できます。
管理者権限で「スタート」メニューからいずれかのツールを実行するには、次のようにします。
「スタート」メニュー・オプションをクリックします。
「すべてのプログラム」、「Oracle - HOMENAME」の順に選択します。
ツールの名前を選択してから、実行するツールまたはアプリケーションの名前を右クリックし、「管理者として実行」を選択します。
次の手順は、コマンド・プロンプトから管理者としてツールを起動する方法を示しています。
デスクトップに、コマンド・プロンプト・ウィンドウのショートカットを作成します。ショートカットのアイコンがデスクトップに表示されます。
新規作成したショートカットのアイコンを右クリックし、「管理者として実行」を指定します。
このウィンドウを起動すると、タイトル・バーに「管理者: コマンド プロンプト」と表示されます。このウィンドウで実行したコマンドは、管理者権限で実行されます。
表2-2は、「スタート」メニューからアシスタントやその他のツールを起動する方法を示しています。また、これらの製品を使用する上での詳細情報の参照先も示しています。
注意: アシスタントを使用する場合は、データベース・ファイルが作成または移動される先のディレクトリへの読取りおよび書込みアクセス権が必要です。Oracle Databaseインスタンスを作成するには、管理者権限が必要です。管理者グループに属していないアカウントからDatabase Configuration Assistantを実行すると、ツールは操作を完了せずに終了します。 |
注意: すべての「スタート」メニュー・パスは、「スタート」メニューから始まり、そこで「すべてのプログラム」、「Oracle - HOMENAME」の順に選択します。 |
表2-2 「スタート」メニューからのデータベース・ツールの起動
ツール | 「スタート」メニュー・パス | 詳細情報の参照先 |
---|---|---|
「Configuration and Migration Tools」→「Microsoft ODBC Administration」 |
Microsoft ODBC Administratorオンライン・ヘルプ |
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「Configuration and Migration Tools」→「Administration Assistant for Windows」 |
第10章「Windows環境におけるデータベース・ユーザーの認証」 |
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「Configuration and Management Tools」の「Automatic Storage Management Configuration Assistant」を選択 |
『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイドfor Microsoft Windows x64(64-Bit)』 |
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「Configuration and Migration Tools」→「Database Configuration Assistant」 |
「Oracle Database Configuration Assistantを使用したWindowsでのデータベース作成の概要」 |
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「Integrated Management Tools」→「Oracle Directory Manager」 |
『Oracle Internet Directory管理者ガイド』 |
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「Configuration and Migration Tools」→「Locale Builder」 |
『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』 |
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「Configuration and Migration Tools」→「Net Configuration Assistant」 |
『Oracle Database Net Services管理者ガイド』 |
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「Configuration and Migration Tools」→「Net Manager」 |
『Oracle Database Net Services管理者ガイド』 |
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「Integrated Management Tools」→「Wallet Manager」 |
『Oracle Databaseエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ管理者ガイド』 |
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「Application Development」→「SQL*Plus」 |
『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』 |
表2-3では、コマンドラインからOracle Databaseツールを起動する方法を説明し、これらの製品の使用方法に関する詳細の参照先を示します。
表2-3 コマンドラインからのデータベース・ツールの起動
ツール | プロンプトでの入力 | 詳細情報の参照先 |
---|---|---|
|
Oracle Grid Infrastructureのインストレーション・ガイドに記載されている、インストール前におけるOracle ASMのディスク・パーティションのマーク設定に関する項 |
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DBVERIFYが起動し、ファイル名パラメータを入力するように要求します。パラメータのリストを表示するには、次のように入力します。
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『Oracle Databaseユーティリティ』 |
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EXPが起動し、パラメータを入力するように要求します。これらのパラメータのリストを表示するには、次のように入力します。
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『Oracle Databaseユーティリティ』 『Oracle Databaseエラー・メッセージ』 |
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IMPが起動し、パラメータを入力するように要求します。これらのパラメータのリストを表示するには、次のように入力します。
|
『Oracle Databaseユーティリティ』 『Oracle Databaseエラー・メッセージ』 |
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データベース・コンフィギュレーション・アシスタント |
Oracle Database Configuration Assistantツールはインタラクティブ・モードで起動します。silentオプションおよびその他のコマンドライン・オプションについては、次のように入力します。
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『Oracle Database 2日でデータベース管理者』 |
Database Upgrade Assistant |
Oracle Database Upgrade Assistantウィザードはインタラクティブ・モードで起動します。silentオプションおよびその他のコマンドライン・オプションについては、次のように入力します。
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『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』 |
EXPが起動し、パラメータを入力するように要求します。これらのパラメータのリストを表示するには、次のように入力します。
|
『Oracle Databaseユーティリティ』 『Oracle Databaseエラー・メッセージ』 |
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インポート |
IMPが起動し、パラメータを入力するように要求します。これらのパラメータのリストを表示するには、次のように入力します。
|
『Oracle Databaseユーティリティ』 『Oracle Databaseエラー・メッセージ』 |
Net Services Configuration |
Oracle Net Configuration Assistantツールはインタラクティブ・モードで起動します。silentオプションおよびその他のコマンドライン・オプションについては、次のように入力します。
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『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』 |
ORADIMオプションのリストを表示するには、次のどちらかを入力します。
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「ORADIMを使用したOracle Databaseインスタンスの管理について」 |
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Oracle Wallet Manager |
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第12章「Oracle WalletのWindowsレジストリへの格納」 |
パスワード・ファイルは、隠しファイルになります。ファイル・リストに表示するには、Windowsのエクスプローラを使用します。「表示」メニューで、「オプション」、「表示」、「すべてのファイルの表示」の順に選択します。 |
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『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』 |
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『SQL*Plusユーザーズ・ガイドおよびリファレンス』 |
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SQL*Loaderにより、使用可能なキーワードおよびデフォルト値を示すヘルプ画面が表示されます。 |
『Oracle Databaseユーティリティ』 『Oracle Databaseエラー・メッセージ』 |
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『Oracle Databaseパフォーマンス・チューニング・ガイド』 |
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ユーザー移行ユーティリティ |
パラメータのリストを表示するには、次のように入力します。
|
『Oracle Databaseエンタープライズ・ユーザー・セキュリティ管理者ガイド』 |
注意:
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表2-4に、Windowsの各ツールの起動方法とこれらの製品の使用方法に関する詳細の参照先を示します。
表2-4 Windowsツールの起動
ツール | 起動手順 | 詳細情報の参照先 |
---|---|---|
「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」、「管理ツール」、「イベント ビューア」の順に選択します。 |
オペレーティング・システムのドキュメント |
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ローカル ユーザーとグループ |
「スタート」メニュー→「設定」→「コントロール パネル」を選択。「管理ツール」をダブルクリックします。「コンピュータの管理」をダブルクリックします。コンソール・ツリーで、「ローカル ユーザーとグループ」をクリックします。 |
「「ローカル ユーザーとグループ」を使用したユーザーおよびグループの管理」 第10章「Windows環境におけるデータベース・ユーザーの認証」 オペレーティング・システムのドキュメント |
「スタート」メニューから、「すべてのプログラム」、「Oracle - HOMENAME」、「Configuration and Migration Tools」、「Administration Assistant for Windows」の順に選択します。 |
オペレーティング・システムのドキュメント |
|
コマンド・プロンプトで次のように入力 C:\> regedit |
オペレーティング・システムのドキュメント |
|
タスク・バーを右クリックし、「タスク マネージャ」を選択します。 |
「タスク マネージャを使用したアプリケーションとプロセスの監視」 オペレーティング・システムのドキュメント |
注意: Microsoft管理コンソール(MMC)は、Oracle Administration Assistant for Windowsの起動時に起動されます。 |
Oracle Database 12cリリース1 (12.1)では、Oracleホーム・ユーザー・コントロールと呼ばれる新しいWindowsツールが導入されました。これは現在のOracleホームに関連付けられたOracleホーム・ユーザー名を表示し、OracleホームのWindowsサービスのパスワードを更新する、コマンドライン・ツールです。入力パスワードはOracleホーム・ユーザーとして使用されるWindowsユーザー・アカウントのパスワードと一致する必要があります。そのため、最初にWindowsオペレーティング・システム・ツールを使用してWindowsパスワードを変更してから、このツールを使用します。このツールは、Oracleにより使用されるすべてのWindowsサービスを、新しいパスワードを使用するように更新し、Oracle Cluster Registryウォレット内のパスワードも(存在する場合)更新します。
インストーラはツールを開始するショートカット「Oracleホーム・ユーザーのパスワードの更新」も作成します。
Oracleホーム・ユーザー・コントロール・ツールは、パスワードの入力を求めるツールのプロンプトで新しいパスワードを受け入れ、そのパスワードをWindowsユーザー・アカウントのパスワードに対して検証します。パスワードの検証が失敗するとツールは終了します。さらに、orahomeuserctl
コマンドを開始するユーザーには管理者権限が必要です。コマンドは次の形式で指定する必要があります。
orahomeuserctllist
orahomeuserctlupdpwd
[-user
username
] [-host
hostname1
,hostname2
, …] [-log
logfilename
]
このコマンドでは、次のことに注意してください。
list:
このユーティリティはOracleホームと関連付けられたOracleホーム・ユーザー名を表示します。
updpwd:
このユーティリティは新しいパスワードを要求し、ノード上の指定されたOracleホーム・ユーザーと関連付けられたすべてのOracle Databaseサービスのパスワードを更新します。updpwd
がOracle RACインストール内のノードで開始すると、コマンドは最初にOracle Cluster Registryウォレットを新しいパスワードで更新してから、クラスタ内のすべてのアクティブなノードのユーザーに関連付けられたすべてのOracle Databaseサービスを更新します。Oracle Cluster Registryウォレットが存在しない場合、このユーティリティはすべてのOracle Databaseサービスのみを更新します。
-user:
このオプションは、特定のユーザーが所有するすべてのサービスのパスワードを更新するか、またはユーザーを指定しない場合は現在のOracleホーム・ユーザーのパスワードを更新します。
-host:
このオプションは、指定されたホストの指定されたOracleホーム・ユーザーに属するすべてのサービスのパスワードを更新します。リモート・ホストのパスワードを更新するには、ユーザーはWindowsドメイン・ユーザーである必要があります。
-log:
このオプションは、パスワードの更新アクションのタイムスタンプ付きの結果を、新しいパスワードを受信する各ノードおよびサービス名に対する指定したログ・ファイルに追加します。デフォルトのログ・ファイル名および場所は%ORACLE_HOME%\log\orahomeuserctl.log
です。
この項では、SQL*Loader(SQLLDR
)を使用するときのWindows固有の情報について説明します。
この項では、オペレーティング・システム固有ファイルの処理仕様部の文字列オプション(os_file_proc_clause
)で有効な値について説明します。詳細は、『Oracle Databaseユーティリティ』の第9章「SQL*Loader制御ファイル・リファレンス」のデータ・ファイル形式およびバッファリングの指定に関する項を参照してください。
各レコードのストリーム・レコードの形式は、レコード終了記号で終了します。str terminator_string
の指定がない場合は、レコード終了記号のデフォルトは、Windows形式のレコード終了記号(改行を表す\r
と行送りを表す\n
で構成される2桁の連続した文字)またはUNIX形式のレコード終了記号(行送りを表す\n
で構成される1桁の文字)になります。最大レコード・サイズは48KBです。
ストリーム形式のデータ・ファイルを処理する場合、SQL*Loaderはレコード終了記号がWindowsスタイルまたはUNIXスタイルのどちらの場合でも、レコード終了記号を自動的に認識します。したがって、通常は使用するレコード終了記号を指定する必要はありません。
ただし、外部表をロードする場合、自動的に認識されるのは、Windowsスタイルのレコード終了記号のみです。データ・ファイルにUNIXスタイルのレコード終了記号が含まれている場合は、レコード終了記号を指定する必要があります。SQL*Loader(external_table
オプションを指定)を使用する場合は、SQL*Loader制御ファイルのINFILE
行に"str
'\n'"
と指定して、UNIX形式のレコード終了記号を指定します。次に例を示します。
INFILE mydata.dat "str '\n'"
"str x'0a'"
のように(ASCIIベースのキャラクタ・セットであると仮定して)、16進文字でレコード終了記号を指定することもできます。次に例を示します。
INFILE mydata.dat "str x'0a'"
a
の前に0
(ゼロ)が必要です。アクセス・パラメータ・リストとともにSQLを使用して外部表を作成する場合、RECORDS
DELIMITED
BY
句で'\n'
を指定する必要があります。次に例を示します。
RECORDS DELIMITED BY '\n'
この場合も16進文字列を使用できます。次に例を示します。
RECORDS DELIMITED BY 0x'0a'
ここでは、x
の前とa
それぞれの前に0
(ゼロ)が必要です。
SQL*Loader制御ファイル(.ctl
)を作成する場合、いくつかの構文および表記規則に従う必要があります。
フルパスの記述では、円記号にはエスケープ文字または他の特殊な処理は必要ありません。二重引用符で区切られる文字列内に一重または二重引用符を使用する場合、使用する引用符の前に円記号のエスケープ文字を入力する必要があります。
SQL*Loader制御ファイルでデータ型を指定する場合、表2-5に示すシステム固有のデータ型のデフォルト・サイズは、Windowsに固有のサイズであることに注意してください。これらのデータ型は、バイト長が同じシステム間の場合のみ正しい結果が得られます。制御ファイルでこれらのデフォルト値を上書きすることはできません。システム間でバイト順序が異なる場合、BYTEORDER
パラメータを使用してデータのバイト順序を示すか、ファイルにバイト順序マーク(BOM)を入れることができます。
注意: 表内のデフォルトは、INTEGER がサイズなしで指定されている場合のみ正しい値です。INTEGER(n) も使用できます。この場合、n では、INTEGER フィールドのサイズをバイトで指定します。 |
関連項目: 『Oracle Databaseユーティリティ』 |
Windowsのツールを様々な方法で使用して、Oracle Databaseを管理できます。
イベント ビューアを使用して、システム内のイベントを監視できます。イベントとは、ユーザーに通知する必要のあるシステムまたはアプリケーション(Oracle Databaseなど)内の重要な状態変化を指します。重要なイベントについてのメッセージは、作業中のコンピュータの画面に表示されますが、即時に対応する必要のないイベントは、Windowsによって、イベント ビューアのログ・ファイルに記録されます。この情報は、必要なときに表示できます。
次のようなOracle Databaseイベントを監視するには、イベント・ビューアを使用します。
アクティブ・インスタンスのシステム・グローバル領域の初期化
アクティブ・インスタンスのバックグラウンド・プロセスにおけるプログラム・グローバル領域(PGA)の初期化
AS
SYSDBA
を使用したOracle Databaseへの接続
さらに、オペレーティング・システムの監査証跡がイベント・ビューアのログ・ファイルに記録されます。これはイベント・ビューアで表示できます。
Microsoft管理コンソールを使用すると、ネットワークを集中して管理できます。Microsoft管理コンソールは、管理者がネットワークの管理に使用できるアプリケーション(スナップインと呼ばれる)のホストとして機能します。データベース管理者は、Oracleスナップインを使用して次のことを実行できます。
Oracle Databaseでは、レジストリと呼ばれる構造に構成情報が格納されます。この構成情報は、レジストリ エディタを使用して表示または変更できます。レジストリにはコンピュータの構成情報が含まれているので、経験の乏しいユーザーがレジストリにアクセスして編集することがないようにしてください。経験を積んだ管理者のみがこの情報の表示や変更を行えるようにします。
レジストリ エディタには、構成情報がWindowsのエクスプローラと同様の形式で表示されます。左側のウィンドウは、キー(またはフォルダ)から構成されるツリー型の形式です。これらのキーの1つを選択すると、そのキーに割り当てられているパラメータと値がウィンドウの右側に表示されます。
メディアから製品をインストールすると、構成パラメータが自動的にレジストリに挿入されます。これらのパラメータは、Windowsコンピュータが起動され、Oracle Database製品が起動されるたびに読み込まれます。これらのパラメータには、次の設定情報が含まれます。
Oracleホーム・ディレクトリ
言語
会社名
個々の製品のOracleホーム・サブディレクトリ
SQL*Plusなどの個々の製品
サービス
関連項目: Oracle Databaseの構成パラメータの定義およびレジストリを使用してOracle Databaseの構成パラメータを変更する方法は、第16章「パラメータおよびレジストリの構成」を参照 |
タスク マネージャには、4つのタブがあります。
「アプリケーション」タブでは、実行するアプリケーションが表示されます。応答のないタスクを識別し、終了するときに便利です。(Oracle Databaseはサービスとして実行されるため、アプリケーションとしては表示されません。)
「プロセス」タブでは、現在実行中のプロセスとリソース使用量の詳細が表示されます。列はカスタマイズできます。
「パフォーマンス」タブでは、CPUとメモリーのリアルタイムの使用量がグラフィカルに表示されます。突然の変化を見つける場合に便利です。
「ネットワーク」タブでは、コンピュータのネットワーク接続で生じるネットワーク通信量がグラフィカルに表示されます。
「ローカル ユーザーとグループ」を使用して、Windows上のユーザーおよびグループを管理できます。具体的には、次の操作を行うことができます。
ローカル・ユーザー・アカウントの作成および変更
ユーザー・プロファイルの作成および変更
ローカル・グループの作成、追加および削除
Windowsリソース・キットには、いくつかの診断およびチューニング・ユーティリティが含まれています。
Process Viewerには、プロセスごとのリソース使用率のサマリーが表示されます。
Process Monitorにはファイル・システム、レジストリおよびプロセス・スレッドのアクティビティがリアルタイムで表示されます。これはFilemon
ユーティリティとRegmon
ユーティリティを組み合わせたもので、信頼性の高いプロセス情報を表示します。
Process Explorerには、プロセスごとのリソース使用率の詳細が表示されます。
引数としてプロセッサ識別子またはプロセス名を指定すると、プロセスのリソース使用率およびその他の詳細がタスク・リストに表示されます。このツールには、プロセスに関連する実行可能ファイルおよびダイナミック・リンク・ライブラリ(DLL)のリストも表示されます。