Oracle DatabaseまたはOracle ASMの個別のパスワード・ファイルは、指定したOracle ASMディスク・グループに置くことができます。クラスタ全体にアクセス可能な単一の場所にパスワード・ファイルを置くと、メンテナンス・コストおよびパスワードが同期しなくなる状況を減らすことができます。
Oracle ASMインスタンスが実行中で、指定したディスク・グループがマウントされている場合のみ、認証のためにディスク・グループにあるパスワード・ファイルを使用できます。それ以外の場合、オペレーティング・システム認証を使用して、Oracle ASMインスタンスおよびスタックの起動をブートストラップする必要があります。
パスワードを配置するディスク・グループのCOMPATIBLE.ASM
ディスク・グループ属性を、最低でも12.1
に設定する必要があります。Oracle ASMパスワード・ファイルを管理するには、SYSASM
権限が必要です。データベース・パスワード・ファイルを管理するには、Oracle ASMでSYSDBA
権限が必要です。
ディスク・グループ内の共有パスワード・ファイルは、ASMCMDコマンド、ORAPWD
ツールおよびSRVCTLコマンドによって管理されます。ORAPWD
は、Oracle ASMディスク・グループでのパスワード・ファイルの作成をサポートします。他のすべてのパスワード・ファイル操作は、ASMCMDまたはSRVCTLコマンドを使用して実行されます。
ORAPWD
などのコマンドを実行する前にパスワード・ファイルを作成するには、ORACLE_SID
およびORACLE_HOME
環境変数が正しく設定されていることを確認してください。たとえば、Oracle ASMのパスワード・ファイルを設定する前に、ORACLE_SID
およびORACLE_HOME
環境変数を設定して、ローカルのOracle ASMインスタンスに接続できることを確認します。環境変数およびOracle ASMインスタンスへの接続の詳細は、「Oracle ASMインスタンスへの接続およびOracle ASMインスタンスの起動」を参照してください。
SRVCTLでは、ディスク・グループでパスワード・ファイルを管理するためのコマンドが提供されており、たとえば、パスワード・ファイルの場所を更新および表示するための次のコマンドがあります。
$ srvctl modify asm -pwfile location $ srvctl modify database -db dbname -pwfile location $ srvctl config asm