Oracle ASMインスタンスはOracle Databaseインスタンスと同様の方法(相違点はわずかです)で起動します。
Oracle ASMインスタンスの起動時には、次のことに注意してください。
SQL*PlusでローカルOracle ASMインスタンスに接続するには、ORACLE_SID
環境変数をOracle ASMシステム識別子(SID)に設定します。
単一インスタンス・データベース用のデフォルトOracle ASM SIDは+ASM
、Oracle RACノード用のデフォルトOracle ASM SIDは+ASM
node_number
です。node_number
はノードの番号です。ORACLE_HOME
環境変数は、Oracle ASMがインストールされているグリッド・インフラストラクチャ・ホームに設定する必要があります。
注意:
デフォルトのOracle ASM SID名を変更しないことをお薦めします。
初期化パラメータ・ファイルには、次のエントリが含まれている必要があります。
INSTANCE_TYPE = ASM
このパラメータは、データベース・インスタンスではなくOracle ASMインスタンスが起動中であることを示します。
データベースをマウントしてオープンするかわりにSTARTUP
コマンドを実行すると、Oracle ASMディスク・グループのマウントが試みられます。
起動時にマウントされるディスク・グループの詳細は、「起動時のディスク・グループのマウントについて」を参照してください。
Oracle ASMインスタンスが起動したら、ALTER DISKGROUP...MOUNT
コマンドを使用してディスク・グループをマウントできます。詳細は、「ディスク・グループのマウントおよびディスマウント」を参照してください。
関連するOracle ASMインスタンスを起動するときに、関連するOracle Databaseインスタンスが動作している必要はありません。
Oracle ASMによってSQL*Plus STARTUP
コマンド・パラメータがどのように解釈されるのかを次に示します。
FORCE
パラメータ
再起動する前にSHUTDOWN ABORT
をOracle ASMインスタンスに発行します。
Oracle Automatic Storage Managementクラスタ・ファイルシステム(Oracle ACFS)ファイルシステムがOracle ADVMボリュームに現在マウントされている場合は、そのファイルシステムを先にディスマウントする必要があります。そうしないと、アプリケーションでI/Oエラーが発生し、Oracle ASMストレージの隔離前にOracle ACFSのユーザー・データおよびメタデータがストレージに書き込まれない可能性があります。Oracle ACFSファイルシステムのディスマウントの詳細は、「ボリュームおよびOracle ACFSファイルシステムの登録解除、ディスマウント、無効化」を参照してください。
MOUNT
またはOPEN
パラメータ
ASM_DISKGROUPS
初期化パラメータで指定されたディスク・グループをマウントします。コマンド・パラメータが指定されていない場合は、これがデフォルトになります。
NOMOUNT
パラメータ
ディスク・グループをマウントせずにOracle ASMインスタンスを起動します。
RESTRICT
パラメータ
制限モードでインスタンスを起動します。制限モードでは、CREATE
SESSION
とRESTRICTED
SESSION
の両方のシステム権限を持つユーザーに対してのみアクセスが許可されます。RESTRICT
句は、MOUNT
、NOMOUNT
およびOPEN
句と組み合せて使用できます。
関連項目:
詳細は「制限モードについて」を参照してください。
制限モードでは、データベース・インスタンスはディスク・グループを使用できません。つまり、データベースはそのディスク・グループに含まれるファイルを開くことができません。また、クラスタの他のインスタンスによってディスク・グループをマウントすることもできません。制限モードでディスク・グループをマウントする場合、そのディスク・グループをマウントできるOracle ASMインスタンスは1つのみです。このモードは、構成の問題を修復するためにディスク・グループをマウントする際に役立ちます。
Oracle ASMインスタンスを起動する場合のSQL*Plusセッションの例を次に示します。
SQLPLUS /NOLOG
SQL> CONNECT SYS AS SYSASM
Enter password: sys_password
Connected to an idle instance.
SQL> STARTUP
ASM instance started
Total System Global Area 71303168 bytes
Fixed Size 1069292 bytes
Variable Size 45068052 bytes
ASM Cache 25165824 bytes
ASM disk groups mounted
ユーザー認証の詳細は、「Oracle ASMインスタンスにアクセスするための認証」を参照してください。
関連項目:
環境変数を使用したインスタンスの選択の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
Oracleインスタンスの起動および停止の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
Oracle RACでのSRVCTL
によるOracle ASMインスタンスの起動の詳細は、『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
Oracle Clusterware Clusterのサブコンポーネント・プロセスおよびバックグラウンド・プロセスの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照してください。
Oracle Databaseバックグラウンド・プロセスの詳細は、『Oracle Database概要』を参照してください。
Oracleバックグラウンド・プロセスの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。