目的
Oracle ACFSファイルシステムをチェックおよび修復します。
構文および説明
acfschkdsk /h
acfschkdsk [/a|/f] [/v] [/n|/y] volume_device
表16-18に、acfschkdskコマンドで使用可能なオプションを示します。
表16-18 acfschkdskコマンドのオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
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ファイルシステムを自動的に修正することを指定します。 |
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ファイルシステムのチェックまたは修正を完了せずに、ファイルシステムを強制的にマウント可能な状態にします。 |
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verboseモードを指定します。操作が発生すると、進捗状況が表示されます。verboseモードで実行すると、パフォーマンスに影響を及ぼす場合があります。 |
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使用方法のヘルプ・テキストを表示して終了します。 |
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すべてのプロンプトに対してnoと答えます。 |
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すべてのプロンプトに対してyesと答えます。 |
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Oracle ADVMボリューム・デバイスを指定します。 |
acfschkdskは、既存のOracle ACFSをチェックおよび修復します。このコマンドは、クラスタ全体でディスマウントされているファイルシステムでのみ実行できます。
acfschkdskを機能させるには、Oracle ACFSドライバをロードする必要があります。ドライバがロードされていない場合、管理者はこれが意図的であることを確認するように要求されます。ドライバのロードの詳細は、「Oracle ACFSドライバ・リソース管理」を参照してください。
Oracle ACFSドライバでは通常、acfschkdskがクラスタ全体で唯一のファイルシステムのユーザーです。極端な場合、ファイルシステムの自動マウントによりシステム障害が発生すると、ドライバをロードせずにファイルシステムを修正することが必要になる可能性があります。排他的アクセスのために通常ドライバによって行われる検証は、この場合は省略されます。
デフォルトでは、acfschkdskはエラーがないかチェックし、エラーを報告するのみです。/aフラグは、acfschkdskにファイルシステムでのエラーの修正を指示するために指定する必要があります。修復操作中にacfschkdskを中断しないでください。
acfschkdskでは、ファイルシステムのチェックに進む前に、質問に対する答えを要求されることがあります。たとえば、acfschkdskによって別のacfschkdskがファイルシステムで進行中であることが検出された場合、またはacfschkdskによってOracle ACFSドライバがロードされていないことが検出された場合、またはファイルシステムがOracle ACFSではないと思われる場合です。チェック・モードでは、acfschkdskは不完全な停止によって完全に処理されていないトランザクション・ログがある場合にも回答を要求します。非対話モードで実行するには、質問に対してyesまたはnoと回答するために/yまたは/nオプションを含めます。
acfschkdskでは、ファイルシステムをチェックする前に、作業ファイルを作成します。これらの作業ファイルは、領域が使用可能な場合、tempディレクトリに作成されます。使用可能な領域が不十分な場合、acfschkdskでは、現在の作業ディレクトリに書込みを試みます。acfschkdskで作成するファイルは、およそチェック対象のファイルシステムを32Kで割ったサイズです。ファイルは多くても3つ割り当てられます。これらのファイルは、acfschkdskの終了時に削除されます。
acfschkdskでファイルシステムで(親ディレクトリ内の破損などにより)名前または目的の場所を特定できないファイルまたはディレクトリが検出された場合、acfschkdskを修正モードで実行していると、そのオブジェクトは\lost+foundディレクトリに配置されます。セキュリティ上の理由で、WindowsではAdministratorのみが\lost+found内のファイルを読み取ることができます。内容に基づいてファイルの元の名前および場所を管理者が後で特定できた場合は、そのファイルを目的の場所に移動またはコピーできます。
\lost+foundディレクトリ内のファイル名の書式は、次のとおりです。
parent.id.file.id.time-in-sec-since-1970 parent.id.dir.id.time-in-sec-since-1970
idフィールドは、ファイルシステムでのファイルおよびディレクトリそれぞれのOracle ACFSの内部数値識別子です。
acfsutil info id id mount_pointを使用すると、parent.idに関連付けられたディレクトリの特定を試みることができます。このディレクトリは、削除されたオブジェクトの元の場所とみなされます。acfsutil infoの詳細は、「acfsutil info file」を参照してください。
親ディレクトリが不明な場合は、親のidフィールドをUNKNOWNと設定します。
注意:
\lost+foundディレクトリの内容は、スナップショットから表示することはできません。
例
次の例は、WindowsでのOracle ACFSファイルシステムのチェック方法を示しています。
例16-13 acfschkdskコマンドの使用方法
C:\> acfschkdsk asm-volume1-311