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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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acfsdbg

目的

Oracle ACFSファイルシステムをデバッグします。

構文および説明

acfsdbg -h
acfsdbg [-r] [-l] volume_device

表16-86に、acfsdbgコマンドで使用可能なオプションを示します。

表16-86 acfsdbgコマンドのオプション

オプション 説明

-h

使用方法のメッセージを出力して終了します。メッセージには、acfsdbgコマンドの起動時に使用できる各種オプションが表示されます。

-r

読取り専用モードで動作します。ファイルシステム上のデータは変更されません。また、すべての書込みコマンドを無効にします。デバイスがどこかにマウントされている場合、データはファイルシステム・マウントによってキャッシュされているものもあるため、acfsdbgで最新データが表示されない場合があります。

-l

カーネル・ログ・ファイルを処理します。デフォルトでは、ログ・ファイルを処理しません。

volume_device

ボリュームのデバイス名を指定します。

acfsdbgは、fsckおよびacfschkdskの拡張版で、ファイルシステムのディスク構造を表示および変更する対話型プログラムです。このコマンドは、経験豊かな開発およびサポート・エンジニアがディスク構造を調査して問題を診断するためのものです。慎重に使用してください。

acfsdbgを起動すると、コマンド・プロンプトが表示されます。コマンド・プロンプトには、表16-87に示すサブコマンドを入力できます。

acfsdbgは、シェル・パイプでacfsdbgのサブコマンドをacfsdbgバイナリにエコーすることで、スクリプトで使用することもできます。

デフォルトでは、ツールの実行時にファイルシステムは変更されません。-lオプションを使用する場合、対話型のディスク・ブロック・ダンプ・セッションの前に、トランザクション・ログのファイルシステム・メタデータが照会されます。ボリューム・デバイスには、Oracle ACFSファイルシステムがディスマウントされているボリュームを指定する必要があります。ボリューム・デバイスにOracle ACFSファイルシステムがマウントされていると、acfsdbgはエラー・メッセージを表示して終了します。

acfsdbgを実行するには、管理者またはOracle ASM管理者グループのメンバーであることが必要です。

サブコマンド

表16-87に、acfsdbgのサブコマンドを示します。

表16-87 acfsdbgのサブコマンド

オプション 説明 構文

calculate

単純な演算式を計算します。

有効な演算子: +、-、*、/、%、&、|、^、~、<<、>>

新しい式は、空白で始めます。

0-1は、マイナス1を表します。

calculate [-v] expr […]

  • -v: 冗長モード
  • expr: 単純な2+2式

cksum

ヘッダーでチェックサムを生成して置換します。

ヘッダー・オフセットは、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

新しいヘッダー・オフセットは、空白で始めます。

このコマンドは、読取り専用モードでは無効です。

cksum [-C | -CE] header_offset […]

  • -C: 通常の構造チェックサム用として再生成します。
  • -CE: エクステント構造チェックサム用として再生成します。
  • header_offset: ディスク構造ヘッダーのオフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

close

デバイスへのオープン・ハンドルを閉じます。

close

echo

コマンドラインのテキストをstdoutにエコーします。

echo

fenum

指定されたファイル・エントリ表(FETA)エントリを表示します。

fenum [-f | -e | -d] FETA_entry_number

  • -f: この構造に関連するディスク構造上のすべてを表示します。
  • -e: この構造に関連するディスク・エクステント情報のすべてを表示します。
  • -d: 構造をディレクトリとしてキャストし、そのコンテンツを表示します。
  • FETA_entry_number: ファイルシステム上のファイルを識別するために使用されるファイル・エントリ表の番号。

help

ヘルプ・メッセージを表示します。

help

offset

ディスク・オフセットでの構造を表示します。

offset [-c cast] [-f | -d] disk_offset

  • -f: この構造に関連するディスク構造上のすべてを表示します。
  • -d: 構造をディレクトリとしてキャストし、そのコンテンツを表示します。
  • disk_offset: 表示するディスク・オフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

open

デバイスへのハンドルを開きます。デフォルトは、コマンドラインに入力されたボリューム・デバイス名です。

open [volume_device]

primary

コマンドのコンテキストにプライマリ・ファイルシステムを設定します。

primary

prompt

プロンプトに指定された文字列を設定します。

prompt "prompt_string"

quit

acfsdbgデバッガ・コマンドを終了します。

quit

read

オフセットから値を読み取ります。

読取りのデフォルト・サイズは、8バイトです。

読取りのデフォルト件数は、1です。

read [-1 | -2 | -4 | -8 | -s] [count] offset

  • -1: バイト値を読み取ります
  • -2: 2バイト(short)値を読み取ります。
  • -4: 4バイト(int)値を読み取ります。
  • -8: 8バイト(long)値を読み取ります。
  • -s nullで終了した文字列を読み取ります。
  • count: 読み取る値の数。指定しない場合、デフォルト値は1です。
  • offset: 読み取るディスク・オフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

snapshot

コマンドのコンテキストに指定されたスナップショットを設定します。

snapshot snapshot_name

write

16進数、8進数または10進数の値をディスク・オフセットに書き込みます。値のサイズまたは前ゼロ付きの16進数値の桁数に基づいて書込みバイト数を見積ります。

ディスク・オフセットは、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

数値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

このコマンドは、読取り専用モードでは無効です。

write [-1 | -2 | -4 | -8 | -c | -s] [-C | -CE] offset value

  • -1: バイト値を書き込みます
  • -2: 2バイト(short)値を書き込みます。
  • -4: 4バイト(int)値を書き込みます。
  • -8: 8バイト(long)値を書き込みます。
  • -c テキスト(null終了なし)を書き込みます。文字列を一重引用符(')で囲みます。
  • -s : nullで終了した文字列を書き込みます。文字列を引用符(")で囲みます。
  • -C: 通常の構造チェックサムを再生成します。
  • -CE: エクステント構造チェックサムを再生成します。
  • offset: 書き込むディスク・オフセット。この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。
  • value: 書き込む値。数値の場合、この値は、calculateサブコマンドで使用されるような式でもかまいません。

例16-78に、acfsdbgサブコマンドの使用を示します。

例16-78 acfsdbgコマンドの使用方法

$ /sbin/acfsdbg /dev/asm/voume1-123
acfsdbg: version                   = 11.2.0.3.0
Oracle ASM Cluster File System (ACFS) On-Disk Structure Version: 39.0
The ACFS volume was created at  Mon Mar  2 14:57:45 2011
acfsdbg> 

acfsbdg> calculate 60*1024
    61,440
    61440
    61440
    0xf000
    0170000
    1111:0000:0000:0000

acfsdbg> prompt "acfsdbg test>"
acfsdbg test>

echo "offset 64*1024" | acfsdbg /dev/asm/volume1-123