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Oracle® Automatic Storage Management管理者ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71290-10
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Oracle ASMのデータ移行の概要

この項では、データのOracle ASMへの移行およびOracle ASMからの移行に関わる基本的な概念および作業について説明します。

この項の内容は次のとおりです。

Oracle ASMのデータ移行の目的

Oracle ASMストレージに代わるものには、ファイルシステム、RAWディスクおよびSAN構成があります。Oracle ASMには、パフォーマンス最適化、冗長性保護およびロード・バランシングなど、これらの代替ストレージより多くの利点があります。Oracle ASMによりディスクが管理されるため、サード・パーティの論理ボリューム・マネージャは必要ありません。Oracle ASMには既存の共有ストレージがあるため、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースはOracle ASMの効果を得ることができます。

データベースでOracle ASM以外のストレージ・システムを現在使用している場合、データベースの全体または一部をOracle ASMに移行して、データベース管理を簡略化できます。高速リカバリ領域をOracle ASMに移行することもできます。

ネイティブ・オペレーティング・システム・コマンド(Linux cpまたはWindows COPYなど)では、Oracle ASMストレージでのファイルの書込みまたは読取りはできません。RMANではOracle ASMファイルの読込みおよび書込みができるため、RMANを使用してデータファイルのOracle ASMストレージへのコピー、Oracle ASMストレージからのコピー、Oracle ASMディスク・グループ間でのコピーができます。この方法は、ユーザー管理のディスクにバックアップを格納する必要がある場合に便利です。

Oracle ASMのデータ移行の基本概念

RMANをプライマリ・バックアップ・ツールとして使用していなくても、RMANによりデータをOracle ASMに移行できます。移行にはRMANデータベース・バックアップが1つ必要です。

Oracle ASMと代替ストレージ・システムの両方に、データベース全体を保持するために十分なディスク領域がある場合、データベースをOracle ASMに直接移動できます。十分な記憶域がない場合は、データベースをテープにバックアップし、古いディスク領域を使用するOracle ASMディスク・グループを作成して、テープからOracle ASMにデータベースをリストアできます。

新しいリカバリ領域の場所を設定した後、既存のバックアップが古いリカバリ領域に残り、リカバリ領域の合計ディスク割当てには不利になります。バックアップは、領域が必要な場合、古いリカバリから削除されます。これらのバックアップは、RMANで使用可能です。ディスク領域が必要でないかぎり、レガシー・バックアップを新しいOracle ASMリカバリ領域に移動する必要はありません。古いリカバリ領域でファイルによって消費されている領域を解放するには、ファイルをテープにバックアプするか、Oracle ASMリカバリ領域に移行します。

注意:

外部アーカイブREDOログは、LogMinerセッション用のロジカル・スタンバイ・データベースで受信されるログです。外部アーカイブREDOログは移行できません。通常のアーカイブ・ログと異なり、外部アーカイブ・ログには異なる内部データベース識別子(DBID)があります。このため、ロジカル・スタンバイ・データベース上ではバックアップまたはリストアできません。

Oracle ASMから代替ストレージ・システムへのデータベースの移行は、代替ストレージ・システムからOracle ASMへの移行に似ています。主な変更点は、代替ストレージ・システムのファイルの場所を参照する各手順を変更することです。

RMANを使用したOracle ASMへのデータ移行の基本手順

この項では、RMANを使用してデータベース全体および高速リカバリ領域を代替ストレージからOracle ASMに移行するプロセスについて説明します。

高速リカバリ領域は、リカバリ関連のファイル(制御ファイルおよびオンラインREDOログのコピー、アーカイブREDOログ・ファイル、フラッシュバック・ログおよびRMANバックアップ)の格納に使用できる任意のディスクの場所です。高速リカバリ領域内のファイルは、Oracle DatabaseおよびRMANによって自動的に管理されます。高速リカバリ領域のユーザー指定の最大サイズである、ディスク割当てを指定できます。ディスク割当て制限に達すると、Oracleによって不要なファイルが自動的に削除されます。

フラッシュバック・ログは、フラッシュバック・データベース操作の実行に使用されるOracle生成ログです。データベースでは、高速リカバリ領域へのフラッシュバック・ログの書込みのみを実行できます。フラッシュバック・ログは、順次書き込まれ、アーカイブは行われません。また、ディスクへのバックアップはできません。

データベース全体および高速リカバリ領域を代替ストレージからOracle ASMに移行するには、次の手順を実行します。

  1. データベースおよびサーバー・パラメータ・ファイルをバックアップし、Oracle Flashback Databaseを無効にします。

    Oracle Flashback Databaseオプションは、RMANまたはSQLでのFLASHBACK DATABASEコマンドによってデータベース全体を前の一貫性のあるシステム変更番号(SCN)に戻します。データベース・フラッシュバックは、従来のメディア・リカバリとは異なります。これは、物理ファイルのリストアを必要とせず、かわりに変更されたデータ・ブロックの保存イメージを使用して現在のデータファイルを過去の状態にリストアするためです。この機能では、フラッシュバック・ログとアーカイブREDOログを使用します。

    この手順の詳細は、RMANを使用してOracle ASMにデータベースを移行するための準備を参照してください。

  2. ファイルをOracle ASMにリストアしてデータベースをリカバリし、必要に応じて高速リカバリ領域をOracle ASMに移行します。

    この手順の詳細は、RMANを使用したOracle ASMへのデータベースの移行を参照してください。

Oracle ASMから代替ストレージにファイルを移行するには、Oracle ASMから代替ストレージへのデータベースの移行を参照してください。