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Oracle® Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71323-07
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特定のクラスタ・インスタンス上でのセッションの終了

ALTER SYSTEM KILL SESSION文を使用して、特定のインスタンスのセッションを終了できます。

セッションが停止すると、セッションのアクティブ・トランザクションがロールバックされ、そのセッションが保持していたリソース(ロックやメモリー領域など)がただちに解放されて、他のセッションで使用可能になります。

ALTER SYSTEM KILL SESSION文を使用すると、Oracle RAC環境で厳密なアプリケーション品質保証契約を維持できます。多くの場合、品質保証契約は、指定された期限内にトランザクションを実行することを目的としています。Oracle RAC環境では、このためには、指定された期限内にインスタンスでトランザクションを終了し、別のインスタンスでトランザクションを再試行することが必要な場合があります。

注意:

当初アプリケーションがアプリケーション・コンティニュイティ対応の動的データベース・サービスを使用してデータベース・インスタンスに接続する場合、アプリケーション・コンティニュイティを使用して、トランザクションの取消しをユーザーから隠すことができます。

サービス・レベル管理に対してよりきめ細かいアプローチを求める場合、すべてのOracle RACベースのデータベースに対して、Oracle Database Quality of Service Management (Oracle Database QoS Management)を使用することをお薦めします。

セッションを終了するには、次の手順に従います。

  1. GV$SESSION動的パフォーマンス・ビューのINST_ID列の値を問い合せ、どのセッションを終了するかを特定します。

  2. ALTER SYSTEM KILL SESSIONを発行し、GV$SESSION動的パフォーマンス・ビューを使用して特定したセッションのセッション索引番号(SID)とシリアル番号を指定します。

    KILL SESSION 'integer1, integer2[, @integer3]'
    • integer1には、SID列の値を指定します。

    • integer2には、SERIAL#列の値を指定します。

    • オプションのinteger3には、強制終了するセッションが存在するインスタンスのIDを指定します。GV$表を問い合せると、インスタンスIDを見つけることができます。

    この文を使用するには、インスタンスでデータベースがオープン状態であり、integer3を指定しない場合には、セッションと終了するセッションが同じインスタンスにある必要があります。

完了する必要があるアクティビティ(リモート・データベースからの応答の待機やトランザクションのロールバックなど)がセッションで実行されている場合、Oracle Databaseはそのアクティビティが完了するのを待機し、セッションに終了のマークを付けてから、ユーザーに制御を戻します。待機が数分間続く場合、セッションに終了予定のマークが付けられ、セッションに終了予定のマークを付けたというメッセージとともにユーザーに制御が戻されます。アクティビティが完了すると、PMONバックグラウンド・プロセスによってセッションに終了のマークが付けられます。

セッションの特定および終了の例

次の例に、ユーザーが特定のセッションを特定し、終了する3つのシナリオを示します。各例で、SYSDBAは、まずSCOTTユーザーのセッションのGV$SESSIONビューを問い合せて終了するセッションを特定し、次に、ALTER SYSTEM KILL SESSION文を実行してインスタンスでセッションを終了します。

例3-1 ビジー状態のインスタンスでのセッションの特定および終了

この例で、実行しているセッションがインスタンスINST_ID=1SYSDBAであるとします。一部のアクティビティを完了してからセッションを終了する必要があるため、ORA-00031メッセージが戻されます。

SQL> SELECT SID, SERIAL#, INST_ID FROM GV$SESSION WHERE USERNAME='SCOTT';

       SID    SERIAL#    INST_ID
---------- ---------- ----------
        80          4          2

SQL> ALTER SYSTEM KILL SESSION '80, 4, @2';
alter system kill session '80, 4, @2'
*
ERROR at line 1:
ORA-00031: session marked for kill
SQL>

例3-2 アイドル状態のインスタンスでのセッションの特定および終了

この例で、実行しているセッションがインスタンスINST_ID=1SYSDBAであるとします。インスタンスINST_ID=2のセッションは、Oracle Databaseが60秒以内に文を実行すると、ただちに終了されます。

SQL> SELECT SID, SERIAL#, INST_ID FROM GV$SESSION WHERE USERNAME='SCOTT';
 
       SID    SERIAL#    INST_ID
---------- ---------- ----------
        80          6          2
 
SQL> ALTER SYSTEM KILL SESSION '80, 6, @2';

System altered.

SQL> 

例3-3 IMMEDIATEパラメータの使用

次の例には、未完了のアクティビティが完了するのを待機せずにただちにセッションを終了する、オプションのIMMEDIATE句が含まれています。

SQL> SELECT SID, SERIAL#, INST_ID FROM GV$SESSION WHERE USERNAME='SCOTT';
 
       SID    SERIAL#    INST_ID
---------- ---------- ----------
        80          8          2
 
SQL> ALTER SYSTEM KILL SESSION '80, 8, @2' IMMEDIATE;
 
System altered.
 
SQL> 

関連項目:

  • セッション終了の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

  • Oracle Enterprise Managerを使用したこれらの手順の例は、『Oracle Database 2日でパフォーマンス・チューニング・ガイド』を参照してください。

  • サービス・レベル管理の詳細は、『Oracle Database Quality of Service Managementユーザーズ・ガイド』を参照してください。