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Oracle® Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71323-07
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仮想IPアドレスの概要

Oracle Clusterwareは、パブリック・ネットワーク上のノードの仮想IP (VIP)アドレスをホストします。クライアントがOracle RACデータベースにアクセスするために使用するノードのVIPおよびVIPアドレスです。データベース・クライアントからOracle RACデータベース・インスタンスへの通常の接続試行は、次のようにまとめることができます。

  1. データベース・クライアントは、SCAN (パブリック・ネットワーク上のSCAN VIPを含む)に接続して、有効なサービス名をSCANリスナーに提供します。

  2. 次にSCANリスナーは、このサービスをホストするデータベース・インスタンスを判別し、それぞれのノード上のローカル・リスナーまたはノード・リスナーにクライアントをルーティングします。

  3. ノード・リスナーは、ノードVIPおよび特定のポートでリスニングして、接続リクエストを取得し、クライアントをローカル・ノードのインスタンスに接続します。

クラスタ上で複数のパブリック・ネットワークを使用して、複数のサブネットを介したクライアント接続をサポートする場合、サブネット内で前述の操作を実行します。

ノードで障害が発生した場合、VIPアドレスは、VIPアドレスがTCP接続を受け入れることができる別のノードにフェイルオーバーされますが、このノードはOracle Databaseへの接続は受け入れません。ホーム・ノードに存在しないVIPアドレスに接続を試行するクライアントは、TCP接続タイムアウト・メッセージを待機するかわりにrapid connection refusedエラーを受け取ります。VIPが構成されたネットワークがオンラインに戻ると、Oracle Clusterwareは、接続が受け入れられたホーム・ノードにVIPをフェイルバックします。通常、VIPアドレスは次の場合にフェイルオーバーされます。

Oracle RAC 12cでは、様々なサブネットを介してクラスタへのアクセスを可能にするために、複数のパブリック・ネットワークがサポートされています。各ネットワーク・リソースは専用のサブネットを表し、各データベース・サービスは特定のネットワークを使用してOracle RACデータベースにアクセスします。各ネットワーク・リソースは、Oracle Clusterwareで管理されるリソースで、これにより、すでに説明したVIPの動作が可能になります。

SCANは、組織のドメイン・ネーム・サーバー(DNS)に、または3つのIPアドレスにラウンド・ロビンするグリッド・ネーミング・サービス(GNS)に定義された単一ネットワーク名です。Oracle RACデータベースへのすべての接続で、クライアント接続文字列にSCANを使用することをお薦めします。受信する接続は、3つのSCANリスナーを介して、要求されたサービスを提供するアクティブなインスタンス間でロード・バランシングされます。SCANを使用すると、クラスタの構成を変更(ノードの追加や削除)した場合にも、クライアント接続を変更する必要はありません。以前のリリースとは異なり、Oracle RAC 12cのSCANは、複数のサブネットをサポートし、これは、クラスタを動作させるサブネットごとに1つのSCANを作成できるという意味になります。