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Oracle® Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71323-07
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動的データベース・サービスによる自動ワークロード管理の概要

サービスは、共通の属性、パフォーマンスしきい値および優先度を持つアプリケーションのグループを表します。アプリケーション機能は、サービスによって識別されるワークロードに分割できます。たとえば、Oracle E-Business Suiteでは、総勘定元帳、売掛金勘定、受注など、職務ごとにサービスを定義できます。サービスはOracle Databaseの1つ以上のインスタンス、グローバル・クラスタ内の複数のデータベースにわたることができ、単一インスタンスで複数のサービスをサポートできます。サービスを提供するインスタンスの数は、アプリケーションに対して透過的です。サービスは、競合するアプリケーションを管理する単一のシステム・イメージを提供し、各ワークロードを1つの単位として管理できるようにします。

中間層アプリケーションおよびクライアントでは、サービス名をTNS接続文字列内の接続の一部として指定することで、サービスを選択します。たとえば、Oracle WebLogic Serverのデータ・ソースは、サービスにルーティングするように設定されます。Net Easy*Connectionを使用する場合、この接続は、user_name/password@SCAN/service_nameのように、サービス名とネットワーク・アドレスだけで構成されます。Oracle Scheduler、パラレル問合せ、Oracle Streamsキューなどのサーバー側の作業では、ワークロード定義の一部としてサービス名を設定します。Oracle Schedulerの場合、ジョブがジョブ・クラスに割り当てられ、サービス内で複数のジョブ・クラスを実行できます。パラレル問合せとパラレルDMLの場合、問合せコーディネータはサービスに接続し、パラレル問合せスレーブはパラレル実行中そのサービスを継承します。Oracle Streamsの場合、ストリーム・キューはサービスを使用してアクセスされます。サービス下で実行される作業は、そのサービスのしきい値および属性を継承し、サービスの一部として測定されます。

Oracle Database Resource Managerでは、サービスをコンシューマ・グループおよび優先度にバインドします。これによって、データベースはサービスをその重要性の順に管理できます。たとえば、DBAでは、優先度の高いオンライン・ユーザー向けと、優先度の低い内部レポート・アプリケーション向けのサービスを個別に定義できます。同様に、DBAでGold、SilverおよびBronzeのサービスを定義して、同じアプリケーションの要求に対してサービスを提供する順番に優先度を付けることができます。システムのサービスを計画する場合、その計画には、他のサービスに対する相対的な各サービスの優先度が含まれている必要があります。このようにして、Oracle Database Resource Managerは優先度が1位のサービス、次に優先度2位のサービス、というように対処できます。

関連項目:

Oracle Database Resource Managerの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。

ユーザーまたはアプリケーションがデータベースに接続するときは、接続文字列のCONNECT_DATA部分に指定されたサービスを使用することをお薦めします。Oracle Databaseでは、データベースが作成されると自動的に1つのデータベース・サービスが作成されますが、このサービスの動作は、その後自分で作成するデータベース・サービスの動作とは異なります。データベースを使用したワークロード管理の柔軟性を高めるために、Oracle Databaseでは、複数のサービスを作成し、どのインスタンス(またはサービス・プール)でサービスが起動されるかを指定できます。より柔軟なワークロード管理が必要な場合は、この章を読み進めると、サービスで使用できる追加機能を理解できます。

注意:

この章で説明する機能は、デフォルトのデータベース・サービス(DB_NAMEDB_UNIQUE_NAMEPDB_NAMESYS$BACKGROUNDおよびSYS$USERS)では機能しません。これらのサービスを、データベースに接続するアプリケーションに使用しないことをお薦めします。このような機能を活用するには、クラスタ管理サービスを作成する必要があります。自分が作成したサービスのみ管理できます。データベースによって自動的に作成されたサービスはデータベース・サーバーによって管理されます。

動的データベース・サービス

動的データベース・サービスによってワークロードの分散を管理し、ユーザーおよびアプリケーションに対してパフォーマンスを最適化できます。動的データベース・サービスは、次の機能を提供します。

Oracle RACおよび非クラスタOracle Database環境をデプロイして、多くの異なる方法で動的データベース・サービス機能を使用できます。ノード数および使用環境の使用目的と複雑さによって異なりますが、最適な自動ワークロード管理および高可用性構成は、この章で説明する考慮事項を検討して決定してください。