Oracle Enterprise Managerクラスタ・データベースの「パフォーマンス」ページには、データベースのパフォーマンス統計のサマリーが表示されます。統計は、グラフにあるクラスタ・データベース内のすべてのインスタンス間でロールアップされます。グラフの横のリンクを使用すると、より詳細な情報を取得したり、次のタスクを実行することができます。
パフォーマンスの問題の原因の特定。
リソースを追加または再分散する必要があるかどうかの判別。
SQL計画およびスキーマのチューニングによる最適化。
パフォーマンスの問題の解決
クラスタ・データベースの「パフォーマンス」ページには、次のグラフが含まれます。
「クラスタ・ホストのロード平均」グラフ: クラスタ・データベースの「パフォーマンス」ページの「クラスタ・ホストのロード平均」グラフには、データベース外部で発生する可能性がある問題が表示されます。このグラフには、クラスタ内にある使用可能なノードの、過去1時間の最大ロード値、平均ロード値および最小ロード値が表示されます。
「グローバル・キャッシュ・ブロックのアクセス待機時間」グラフ: 各クラスタ・データベース・インスタンスは、システム・グローバル領域(SGA)に固有のバッファ・キャッシュを備えています。キャッシュ・フュージョンの使用によって、Oracle RAC環境で各インスタンスのバッファ・キャッシュが論理的に結合され、論理的に結合された単一のキャッシュにデータが存在する場合と同様に、データベース・インスタンスでデータを処理できます。
「平均アクティブ・セッション」グラフ: クラスタ・データベースの「パフォーマンス」ページの「平均アクティブ・セッション」グラフには、データベース内で発生する可能性がある問題が表示されます。「カテゴリ」は待機クラスとも呼ばれ、データベース内でCPUやディスクI/Oなどのリソースを使用している部分が表示されます。CPU時間を待機時間と比較すると、レスポンス時間のうちどれくらいの時間が、他のプロセスに保持されている可能性のあるリソースの待機ではなく有効な作業に消費されているかを確認できます。
「平均アクティブ・セッション」グラフ: 「データベース・スループット」グラフは、「平均アクティブ・セッション」グラフに表示される任意のリソース競合を要約する他、ユーザーやアプリケーションのためにデータベースが実行中の作業の量を示します。「1秒当たり」ビューは、1秒当たりのログオン数に対するトランザクションの数、REDOサイズに対する物理読取りの量を示します。「1トランザクション当たり」ビューは、トランザクション当たりのREDOサイズに対する物理読取りの量を示します。「ログオン」は、データベースにログオンしているユーザー数を示します。
さらに、クラスタ・データベースの「パフォーマンス」ページにある「トップ・アクティビティ」ドリルダウン・メニューでは、待機イベント、サービスおよびインスタンス単位でアクティビティを表示できます。また、グラフのスライダを使用して以前の時点に移動することによって、SQL/セッションの詳細を表示できます。
クラスタ・データベースの「パフォーマンス」ページには、Oracle RACデータベースのパフォーマンス統計のサマリーが表示されます。ユーザーがすべてのインスタンスを調べなくてもパフォーマンスの問題を特定できるように、統計はクラスタ・データベース内のすべてのインスタンス間でロールアップされます。サービスに関連したパフォーマンスの問題の優先順位を決定しやすくするために、Oracle Enterprise Managerでは次のレベルでアクティビティ・データを集計します。
すべてのアクティビティ・データが12のカテゴリ(CPU、スケジューラ、ユーザーI/O、システムI/O、同時実行性、アプリケーション、コミット、構成、管理、ネットワーク、クラスタおよびその他)で表示されます。表示されたデータは、実行中のすべてのインスタンスからロールアップされます。
すべてのアクティビティ・データが、サービスごとにロールアップされます。この方法でアクティビティ・データを表示すると、最もアクティブなサービスおよび詳細な分析が必要なサービスを簡単に特定できます。
同様の結果として、サービスが対象のサービスでない場合、アクティビティ・データはインスタンスごとにロールアップされます。
集計はアクティビティ・データが表示されているページ(「データベース・パフォーマンス」ページ、「トップ・アクティビティ」ページ、「待機の詳細」ページ、「サービスの詳細」ページなど)に表示されます。
関連項目:
『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』