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Oracle® Database Testingガイド
12cリリース1 (12.1)
B71349-07
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9.4 分析およびレポート

ワークロードのリプレイ後、ワークロードの取得とリプレイを詳しく分析するために、詳細なレポートが提供されます。

ワークロードの取得レポートとワークロードのリプレイ・レポートには、リプレイ中に発生したエラーや、DMLまたはSQL問合せによって戻された行におけるデータの相違など、ワークロードの取得およびリプレイに関する基本情報が含まれます。ワークロードの取得とワークロードのリプレイを対象とする複数の統計(データベース時間、平均アクティブ・セッション、ユーザー・コールなど)の比較データも提供されます。

リプレイの期間比較レポートは、あるワークロード・リプレイと、その取得、または同じ取得の別のリプレイとの高度な比較を実行するために使用できます。相違の概要として、データの相違が発生しているか、および大幅なパフォーマンスの変化があったかに関する分析も示されます。さらに、これらのレポートには自動データベース診断モニター(ADDM)の結果も取り込まれています。

高度な分析には、自動ワークロード・リポジトリ(AWR)・レポートを利用して、ワークロードの取得とワークロードのリプレイを対象とするパフォーマンス統計を詳細に比較することができます。これらのレポートで参照可能な情報は非常に詳細であり、ワークロードの取得とリプレイにおける相違点を検出できます。ワークロード・インテリジェンスで、ワークロードの取得時に記録されたデータを操作してワークロードを示すモデルを作成することもできます。このモデルを使用すると、ワークロードの一部として実行されるテンプレートの有意なパターンを特定できます。特定のパターンの実行回数やそのパターンの実行に消費されたデータベース時間など重要な統計を、パターンごとに確認できます。

SQLパフォーマンス・アナライザ・レポートは、ワークロード取得のSQLチューニング・セットを、ワークロード・リプレイの別のSQLチューニング・セットと、または2つのワークロード・リプレイの2つのSQLチューニング・セットと比較する場合に使用できます。SQLパフォーマンス・アナライザのテスト実行では、各SQL試行のSQL文ごとに1つの実行計画のみを生成するのに対し、SQLチューニング・セットをデータベース・リプレイと比較すると、各SQL文のすべての実行計画が考慮されて示されるため、SQLパフォーマンス・アナライザのテスト実行よりも詳しい情報が得られます。また、データベース・リプレイではすべてのバインド値が取得され、PL/SQLパッケージの状態などの動的なセッション状態がより正確に再現されるため、SQL文がより信頼度の高い環境で実行されます。データベース・リプレイを使用してロード・テストおよび現行性テストを実行する前に、健全性テストとしてSQLパフォーマンス・アナライザのテスト実行を行い、SQL文が低下しておらず、テスト・システムが適切に設定されていることを確認しておくことをお薦めします。

リプレイの相違情報を使用して、与えられたシステム変更のリプレイ特性を分析することに加えて、アプリケーション・レベルの検証手順を使用して、システム変更を評価する必要もあります。リプレイの全体的な成功を評価するためのスクリプトの作成を検討してください。たとえば、ワークロードの取得時に10,000のオーダーが処理される場合、同じ数のオーダーがリプレイ時にも処理されることを検証する必要があります。

リプレイの分析が完了したら、データベースをワークロード取得時点の元の状態にリストアし、ワークロードのリプレイを繰り返して、システムに対する他の変更をテストすることができます。

関連項目: