Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems B71325-07 |
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この章では、高速ホーム・プロビジョニングを使用してOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースをデプロイする方法について説明します。
高速ホーム・プロビジョニングは、OracleホームのテンプレートをOracleソフトウェア(データベース、ミドルウェアおよびアプリケーションなど)のイメージ(ゴールド・イメージと呼ばれます)として保存している単一のクラスタから、クラウド・コンピューティング環境のノードにソフトウェア・ホームをデプロイするメソッドです。作業用コピー(すなわちゴールド・イメージの、書込み可能なOracle Automatic Storage Management Cluster File System (Oracle ACFS)のスナップショット)を使用すると、Oracleホームを、たとえばOracle Grid Infrastructureにデプロイして、このホームをクラウドにおけるあらゆるノードから使用でき、クラウド環境へノードを追加するたびにホームを準備する必要はありません。
ゴールド・イメージは、高速ホーム・プロビジョニング・サーバー(RHPS)と同じクラスタにデプロイすることも、高速ホーム・プロビジョニング・クライアント(RHPC)がインストールされている別のクラスタにデプロイすることもできます。
表4-1に、サポートされている各種のデータベース・リリースと、各リリースのデータベース・ソフトウェアの記憶域オプションを示します。
表4-1 サポートされているデータベース・リリースとソフトウェア記憶域オプション
サポートされているリリース | ローカル・ファイル・システム | ネットワーク・ファイル・システム(NFS) | RHP_MANAGED脚注1 (Oracle ACFS) |
---|---|---|---|
12.1.0.x |
可 |
可 |
可 |
11.2.0.x |
可 |
可 |
可 |
10.2.0.5 |
可 |
不可 |
不可 |
脚注1 高速ホーム・プロビジョニング・インフラストラクチャによって提供される記憶域
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーを使用してOracle RACデータベースをプロビジョニングするには、Oracle RACデータベースのプロビジョニングが必要なクラスタまたはリモート・クラスタのOracle Grid Infrastructureで、高速ホーム・プロビジョニング・サーバーを構成して実行する必要があります。後者の場合、Oracle RACがプロビジョニングされるクラスタを構成し、高速ホーム・プロビジョニング・クライアント・デーモンを実行する必要があります。
関連項目:
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この項には次のトピックが含まれます:
Oracle RACをプロビジョニングするには、高速ホーム・プロビジョニング・サーバーのクラスタでデータベース・ソフトウェアをゴールド・イメージとして使用できる必要があります。ゴールド・イメージをインポートするには、次の手順を実行します。
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントの任意のノードでOracle Universal Installerを実行し、Oracle Databaseソフトウェアのソフトウェアのみインストールを実行します。必要なパッチがあれば、My Oracle Supportからダウンロードしてインストールします。
同じノードで、次のようにゴールド・イメージを作成します。
$ rhpctl import image -imageimage_name
-pathpath
image_name
は、このコマンドによって作成されるゴールド・イメージの名前、path
は、ステップ1でOracle RACデータベース・ソフトウェアがインストールされた最上位ディレクトリのパスです。
上の手順を完了すると、Oracle RACデータベースのプロビジョニングにイメージを使用できるようになります。
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーのクラスタでゴールド・イメージを作成すると、サーバー・クラスタ上で、または高速ホーム・プロビジョニング・クライアントのデーモンで構成されているリモート・クラスタ上で、そのゴールド・イメージを使用して作業用コピーをプロビジョニングすることができます。
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーによって、Oracleホーム用の記憶域領域を提供するか、Oracle Databaseソフトウェア用に共有または非共有の記憶域パスを指定することができます。
この項には次のトピックが含まれます:
新しいデータベースの作成と既存のデータベースの複製には、テンプレートを使用できます。テンプレートの情報には、データベース・オプション、初期化パラメータ、記憶域属性(データファイル、表領域、制御ファイルおよびオンラインREDOログ・ファイルの属性)などがあります。
関連項目:
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データベースを作成する際にテンプレートを指定するには、'-dbtemplate
'オプションを使用します。テンプレートの場所は、次のいずれかの方法で指定できます。
相対パスとファイル名: この場合、テンプレート・ファイルをターゲット・クラスタのすべてのノードで使用できる必要があります。
-dbtemplate /u01/dbtemplates/db12/general_template.dbt
image-name:relative-pathの形式のイメージ名と相対パス: この形式は、管理者がすべてのデータベース・テンプレートのホルダーとして単一のイメージを指定している場合に便利です。この場合、テンプレートは高速ホーム・プロビジョニング・サーバーで使用でき、データベース作成中にターゲット・クラスタにコピーされます。
-dbtemplate TEMPLATE_IMAGE:db12/general_template.dbt
この項では、rhpctl
コマンドを使用してデータベース・ソフトウェアをプロビジョニングし、データベースを作成する方法について説明します。rhpctl
コマンドのオプションの詳細は、表4-2を参照してください。
この項には次のトピックが含まれます:
データベース・ソフトウェアとOracle Databaseのプロビジョニングには、rhpctl add workingcopy
コマンドを使用します。このコマンドは、高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントで実行できます。高速ホーム・プロビジョニング・サーバーでこのコマンドを実行する場合は、Oracle RACデータベースを高速ホーム・プロビジョニング・サーバーでローカルに、または高速ホーム・プロビジョニング・クライアントでリモートにプロビジョニングできます。高速ホーム・プロビジョニング・サーバーでrhpctl
コマンドを実行する場合に、リモート・クラスタを指定するには、-client
オプションを使用します。add workingcopyオプションのデフォルト値は、表4-2
を参照してください。
例4-1と例4-2に、ローカルとリモートのデータベースのプロビジョニングを示します。
例4-1 Oracle Databaseソフトウェア・ホームをローカルでプロビジョニング
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase
例4-2 Oracle Databaseソフトウェア・ホームをリモートでプロビジョニング
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -client payrollCluster -user payuser
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからコマンドを実行すると、-storagetype
および-path
にデフォルト値を指定した場合はコマンドを実行しているユーザーのクラスタでOracle Databaseソフトウェアがプロビジョニングされ、指定しない場合は表4-2の説明のとおりにプロビジョニングされます。
この例のオプションの詳細は、コマンドラインでrhpctl add workingcopy -help REMOTEPROVISIONING
のコンテキスト依存ヘルプを参照してください。
既存のサーバー・プールでゴールド・イメージからOracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングし、ポリシー管理型データベースを作成するには、-serverpool
オプションを使用してサーバー・プール名を指定します。-newpool
オプションを使用すれば、新しいサーバー・プール上でOracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングし、ポリシー管理型データベースを作成することもできます。この場合は、このポリシー管理型データベースのために構成、起動されるインスタンス数を-cardinality
オプションで指定します。この新しいプールに対するサーバーの割当ては、ターゲット・クラスタ上の現在のサーバーおよびサーバー・プールの構成と、CRSポリシーによって異なります。空きサーバー・プールには必ず十分な数のサーバーが必要であり、そうでないとこのデータベースに対応するために、ノードで実行中の他のデータベースが停止する場合があります。新しいプールはOracle Grid Infrastructureユーザー(grid
)に対して作成され、最小サイズと最大サイズは指定したカーディナリティに設定され、他のパラメータはすべてデフォルトが使用されます。
例4-3、例4-4および例4-5に、ポリシー管理型データベースの作成方法を示します。
例4-3 既存のサーバー・プールでゴールド・イメージからポリシー管理型データベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -serverpool proddbpool1
例4-4 新しいサーバー・プールでゴールド・イメージからポリシー管理型データベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbname proddb - datafileDestination PAYDG1 -newpool proddbpool1 -cardinality 4
例4-5 LOCALまたはユーザー指定の場所にポリシー管理型データベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase
-storagetype LOCAL -path /u01/app/product/12.1.0/dbhome -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1
-newpool proddbpool1
-cardinality 4
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからコマンドを実行すると、-storagetype
および-path
にデフォルト値を指定した場合はコマンドを実行しているユーザーのクラスタでOracle Databaseソフトウェアがプロビジョニングされ、指定しない場合は表4-2の説明のとおりにプロビジョニングされます。-datafileDestination
パスにあるデータベース・ファイルを使用して、指定したサーバー・プールにポリシー管理型Oracle RACデータベースも作成されます。
この例のオプションの詳細は、コマンドラインでrhpctl add workingcopy -help POLICYDB
値およびrhpctl add workingcopy -help STORAGETYPE
のコンテキスト依存ヘルプを参照してください。
プロビジョニングするデータベースのタイプを指定するには、-dbtype
オプションを使用します。たとえば、ゴールド・イメージからOracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングしてポリシー管理型Oracle RAC One Nodeデータベースを作成する場合は、次のようになります。
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbtype RACONENODE -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -serverpool proddbpool1
Oracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングし、ポリシー管理型のマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を作成するには、サーバー・プール名、データベース・ファイルの場所、プラガブル・データベース(PDB)の名前と数を指定します。
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -serverpool proddbpool1 -cdb -pdbName prodpdb -numberOfPDBs 10
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからコマンドを実行すると、-storagetype
および-path
にデフォルト値を指定した場合はコマンドを実行しているユーザーのクラスタでOracle Databaseソフトウェアがプロビジョニングされ、指定しない場合は表4-2の説明のとおりにプロビジョニングされます。サーバー・プールには、ポリシー管理型Oracle RACのマルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)と、prodpdb1
、prodpdb2
……と続く10個のPDBも作成されます。データベース・ファイルは、-datafileDestination
パスにあります。
この例のオプションの詳細は、コマンドラインでrhpctl add workingcopy -help PDB
のコンテキスト依存ヘルプを参照してください。
ゴールド・イメージからOracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングし、管理者管理型データベースを作成するには、Oracle RACデータベース・インスタンスの構成と起動が必要なノードのリストを、-node
オプションで指定します。ノードのリストでは、ターゲット・クラスタの既存のノードを指定する必要があります。ノードは、ターゲット・クラスタの空きサーバー・プールまたは汎用サーバー・プールにあることを確認してください。空きサーバー・プールまたは汎用サーバー・プールにないノードを指定した場合は、このデータベースに対応するために、そのノードで実行されているポリシー管理型データベースが停止する場合があります。プロビジョニングするデータベースのタイプは、-dbtype
オプションを使用して指定します。
例4-6、例4-7および例4-8に、管理者理型データベースの作成方法を示します。
例4-6 ゴールド・イメージから管理者管理型Oracle RACデータベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -node prodsrvr1,prodsrvr2,prodsrvr3
例4-7 ゴールド・イメージから管理者管理型Oracle RAC One Nodeデータベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbtype RACONENODE -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -node prodsrvr1,prodsrvr2,prodsrvr3
例4-8 ゴールド・イメージから単一インスタンスOracle Databaseを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbtype SINGLE -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -node prodsrvr1
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからコマンドを実行すると、-storagetype
および-path
にデフォルト値を指定した場合はコマンドを実行しているユーザーのクラスタでOracle Databaseソフトウェアがプロビジョニングされ、指定しない場合は表4-2の説明のとおりにプロビジョニングされます。-dbtype
オプションに従って、管理者管理型、単一インスタンス、Oracle RACまたはOracle RAC One Nodeのデータベースも指定したノードに作成され、データベース・ファイルは-datafileDestination
パスに置かれます。
この例のオプションの詳細は、コマンドラインでrhpctl add workingcopy -help ADMINDB
のコンテキスト依存ヘルプを参照してください。
データベース・テンプレート・イメージからOracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングし、データベースを作成するには、-dbtemplate
オプションでテンプレート・ファイルの絶対ファイル・パス、または高速ホーム・プロビジョニング・サーバー上のイメージ・ホーム・ディレクトリへの相対パスを使用してテンプレートの場所を指定します。テンプレートの絶対ファイル・パスを指定する場合は、ターゲット・クラスタ、ポリシー管理型データベースのすべてのノード、および管理者管理型データベースのコマンドラインで指定するノードに、テンプレートが存在する必要があります。
例4-9と例4-10に、テンプレートを使用してデータベースをプロビジョニングする方法を示します。
例4-9 高速ホーム・プロビジョニング・サーバー(RHPS)イメージを使用してポリシー管理型データベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbname proddb -datafileDestination PAYDG1 -serverpool proddbpool1 -dbtemplate DBTMPLTIMG:templates/database/12.1.0/warehouse.dbt
例4-10 ユーザー定義の場所に格納されているテンプレートを使用してポリシー管理型データベースを作成
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase
-dbname proddb
-datafileDestination PAYDG1 -serverpool proddbpool1
-dbtemplate /templates/database/12.1.0/warehouse.dbt
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからコマンドを実行すると、-storagetype
および-path
にデフォルト値を指定した場合はコマンドを実行しているユーザーのクラスタでOracle Databaseソフトウェアがプロビジョニングされ、指定しない場合は表4-2の説明のとおりにプロビジョニングされます。データベース・テンプレートから、指定したサーバー・プールにデータベースも作成されます。
この例のオプションの詳細は、コマンドラインでrhpctl add workingcopy -help DBTEMPLATE
のコンテキスト依存ヘルプを参照してください。
プロビジョニングされている既存のデータベース・ソフトウェア・ホームとサーバー・プールで、新しいデータベースをプロビジョニングするには、rhpctl add database
コマンドを使用します。次に例を示します。
$ rhpctl add database -workingcopy mydbhome -dbname ORCL2 -datafileDestination PAYDG1 -serverpool pool2
このコマンドでは、サーバー・プールpool2でアクティブなすべてのノード上に新しいデータベースORCL2が作成され、起動します。
Oracle Flex Cluster環境において、既存のサーバー・プールとpqpoolでOracle Databaseソフトウェアをプロビジョニングし、データベースを作成するには、次のコマンドを実行します。
rhpctl add workingcopy -workingcopy myDBHome1 -image ORACLEDB12 -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -dbname proddb -dbtype RAC -datafileDestination PAYDG1 -serverpool proddbpool1 -pqpool proddbpool2
この例のオプションの詳細は、コマンドラインでrhpctl add workingcopy -help DBWITHPQPOOLS
のコンテキスト依存ヘルプを参照してください。
表4-2に、rhpctl
コマンドのパラメータをまとめます。
表4-2 データベースのプロビジョニングに使用するrhpctlのパラメータ
オプション | 説明 |
---|---|
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データベースをプロビジョニングする際の作業用コピー |
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イメージ名 |
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Oracle Databaseホームをプロビジョニングする際のOracleベースの場所 |
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データベースの一意の名前 |
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データベース・データ・ファイルを格納するパス、またはOracle ASMディスク・グループ名。 |
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ポリシー管理型データベースがプロビジョニングされるサーバー・プール |
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管理者管理型データベースを作成する1つのノード、または複数のノードのカンマ区切りリスト |
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1つ以上のPDBを作成する必要がある場合のPDB名接頭辞。 |
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PDBの数 |
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テンプレート・ファイルの絶対ファイル・パス、または高速ホーム・プロビジョニング・サーバー上のイメージ・ホーム・ディレクトリへの相対パス。コマンドラインでこのオプションを指定しない場合は、新しい汎用データベースが作成されます。 |
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Oracleホームのプロビジョニングに使用する記憶域のタイプ。返される値は次のどれかになります。
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LOCALまたはNFSの記憶域タイプを使用するときOracle Databaseソフトウェアがプロビジョニングされるパス。
注意: 高速ホーム・プロビジョニング・クライアントがディスク・グループ付きで構成されているかどうかを確認するには、ターゲット・クラスタで |
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クライアント・クラスタの名前。コマンドラインでこのオプションを指定しない場合、プロビジョニング操作は |
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プロビジョニングされるOracle Databaseソフトウェアの所有者。コマンドラインでこのオプションを指定しない場合、プロビジョニング操作は |
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ローカルの高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたはリモートの高速ホーム・プロビジョニング・クライアントでプロビジョニングするデータベースのタイプ。 |
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既存のサーバー・プールの名前。 注意: このパラメータはOracle Flex Cluster環境でのみ適用され、リーフ・ノードで実行されているサーバー・プール(この場合のようにあらかじめ定義されているか、 |
関連項目:
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プロビジョニングされたデータベースのスキーマにパスワードを指定するメカニズムはありません。パスワードを知る必要がある場合には、データベース・インスタンスが実行されているノード上のOS認証を使用してDBAユーザーがデータベースに接続し、スキーマごとにパスワードを任意の値にリセットすることをお薦めします。
プロビジョニングしたデータベース・ソフトウェア・ホームから既存のデータベースを削除するには、コマンドrhpctl delete database
を使用します。確実に削除するためには、データベースを実行していない必要があります。
データベースへのパッチ適用は、次のいずれかの方法で実行できます。
ソフトウェアへのパッチ適用
データ・ディクショナリまたはデータベースのスキーマ、あるいはその両方へのパッチ適用
詳細は、次の各項を参照してください。
データベース・ソフトウェアにパッチを適用するには、パッチ対象のソフトウェアを含む新しいイメージを1回だけ作成する必要があります。データベース・イメージを作成する手順は、次のとおりです。
パッチの適用が必要な既存のデータベース・イメージの作業用コピーを作成します。
プロビジョニング対象である、作業用コピーのORACLE_HOME
で、OPatchまたは他のメカニズムを使用して必要な一連のパッチを適用します。
コマンドrhpctl add image
を実行して、更新した作業用コピーから新しいイメージを作成します。このイメージが、元のイメージにパッチが適用されたものです。
$ rhpctl add image -imageimage_name
-workingcopyworkingcopy_name
既存のイメージ・シリーズの一部としてイメージを含める手順:
$ rhpctl add image -imageimage_name
-workingcopyworkingcopy_name
-seriesseries_name
データベースにパッチを適用するには、パッチ適用されたイメージが存在する場合はそれに基づいて新しいORACLE_HOME
を作成し、現在のORACLE_HOME
のかわりに新しい場所からデータベースを実行させるコマンド、rhpctl move database
を実行します。
デフォルトでは、パッチの適用はローリング・モードで実行されます。非ローリング・モードでパッチ適用を実行するには、-nonrolling
オプションを使用します。こうすると、古いORACLE_HOME
データベースでデータベースが完全に停止してから、新しくパッチ適用されたORACLE_HOME
から再起動して実行されます。
データベースのバージョンが12.1.0.1以上の場合、コマンドrhpctl move database
によって、データベースのパッチに必要なSQLコマンドも実行されます。データベースのバージョンが12.1より前の場合、データベースのパッチに必要なSQLコマンドを手動で実行するように指示するメッセージが表示されます。
この項では、パッチ適用について次の例を示します。
ソースの作業用コピーから実行されているすべてのデータベースを、ローリング・モードでターゲットの作業用コピーに移動する手順:
rhpctl move database -sourcewc myDBHome1 -patchedwc myDBHome2
ソースの作業用コピーから実行されている特定のデータベースを、ローリング・モードでターゲットの作業用コピーに移動する手順:
rhpctl move database -sourcewc myDBHome1 -patchedwc myDBHome2 -dbname proddb
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからこのコマンドを実行すると、ソースの作業用コピーにあるクラスタおよびOracleホームから、ターゲットの作業用コピーにあるOracleホームに、1つまたはすべてのデータベースがローリング・モードで移動されます。
イメージを指定して作業用コピーを作成することもできます。たとえば、ターゲットの作業用コピーを作成し、ソースの作業用コピーから実行中のすべてのデータベースを、ターゲットの作業用コピーにローリング・モードで移動するには、次のようにします。
rhpctl move database -sourcewc myDBHome1 -patchedwc myDBHome2 -image ORACLEDB12
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーまたは高速ホーム・プロビジョニング・クライアントからこのコマンドを実行すると、イメージで指定した値からターゲットの作業用コピーが作成され、ソースの作業用コピーにあるOracleホームからクラスタで実行中のすべてのデータベースが、ターゲットの作業用コピーにあるOracleホームにローリング・モードで移動されます。新しく作成されたターゲットOracleホームの記憶域タイプはソースOracleホームと同じで、記憶域パスは表4-2
の-pathオプションに示されているデフォルト値をとります。高速ホーム・プロビジョニング・クライアント操作の場合、デフォルトの記憶域タイプはLOCAL
です。
注意: ソースの作業用コピーを非共有Oracleホームから、共有Oracleホームのターゲットの作業用コピーに移動することはできますが、ソースの作業用コピーを共有Oracleホームから、非共有Oracleホームのターゲットの作業用コピーに移動することはできません。 |
高速ホーム・プロビジョニングを使用してプロビジョニングされなかったOracleホーム(管理外Oracleホーム)から、高速ホーム・プロビジョニング・サーバーによってプロビジョニングおよび管理されるOracleホームにデータベースを移動することができます。高速ホーム・プロビジョニング・サーバーの管理内にOracle Databaseを移動するには、次のコマンドを実行します。
rhpctl move database -sourcehome /u01/app/product/12.1.0/dbhome -oraclebase /u01/app/product/12.1.0/obase -client payrollCluster -patchedwc myDBHome1 -image ORACLEDB12
高速ホーム・プロビジョニング・サーバーからこのコマンドを実行すると、データベース・ソフトウェアのゴールド・イメージORACLEDB12
から新しい作業用コピーmyDBHome1
が作成され、現在Oracleホーム/u01/app/product/12.1.0/dbhome
で構成または実行されているデータベースがすべて、新しいOracleホームに移動されます。
表4-3に、データベースへのパッチ適用に使用するrhpctl
コマンドのパラメータをまとめます。
表4-3 データベースへのパッチ適用に使用するrhpctlのパラメータ
オプション | 説明 |
---|---|
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データベースを移動する必要がある移動元の古い作業用コピーの名前 |
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データベースを移動する必要がある移動先の新しい作業用コピーの名前 |
|
イメージの名前 |
|
プロビジョニングするデータベースの名前 |
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Oracleデータベース・ホームのプロビジョニングに使用するOracleベース・パス(ORACLEDBSOFTWAREイメージ・タイプの場合にのみ必要) |
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クライアント・クラスタの名前 |
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ソースOracleホーム・パス |
関連項目: 高速ホーム・プロビジョニングのsrvctlコマンドの詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』 を参照してください。 |