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Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド
12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems
B71325-07
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8 Oracle Real Application Clustersソフトウェアの削除

この章では、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のOracleホーム・ディレクトリから、すべてのOracle Database、インスタンスおよびソフトウェアを完全に削除する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。


関連項目:

製品を1つのみ削除するとき、その製品に適用する要件および制限がないかを確認するには、製品固有のドキュメントを参照してください。

8.1 削除手順の概要

Oracleホーム・ディレクトリからすべてのOracle Database、インスタンスおよびソフトウェアを完全に削除するには、次の手順を実行します。

  • Oracleホームに関連付けられたすべてのインスタンスの確認

  • プロセスの停止

  • Oracle Databaseホームにインストールされたリスナーの削除

  • データベース・インスタンスの削除

  • Oracle Automatic Storage Managementリリース1 (11.1)以下の削除

  • Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle Grid Infrastructure)の削除


注意:

Oracle Database Vaultの削除の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。

Oracle Configuration Managerの削除の詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。

Oracle Grid Infrastructureリリース11.2以上では、Oracle Automatic Storage ManagementとOracle Clusterwareは、Oracle Grid Infrastructureインストールに含まれています。これらのコンポーネントは一緒にインストールされ、削除されます。



注意:

1台のサーバー上の複数のデータベースで同じグローバル・データベース名(GDN)を使用するクラスタ・メンバー・ノードがある場合、1つのデータベースのみを削除ツールで削除することはできません。たとえば、クラスタ・ノードのいずれかにあるスタンドアロンのデータベースがGDN mydb.example.comを使用し、Oracle RACデータベースのGDNもmydb.example.comである場合は、そのノードの両方のデータベースが削除されます。

8.2 クラスタ上のすべてのインスタンスの確認

削除するOracleホームに関連付けられたすべてのインスタンスを確認するには、次のコマンドを入力します(ここで、dbnameはデータベースの名前です)。

$ srvctl status database -d dbname

または、oratabファイルから登録済のインスタンスを確認できます。

AIX、HP-UXまたはLinuxの場合:

$ more /etc/oratab

Oracle Solaris:

$ more /var/opt/oracle/oratab

このコマンドの出力結果には、次のようなエントリが含まれます。

+ASM1:/u01/app/12.1.0/grid:N
CUST:/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1:N

これらのエントリは、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureホーム(/u01/app/12.1.0/grid)のOracle Automatic Storage Managementインスタンス+ASM、およびOracle DatabaseインスタンスCUSTが、Oracleホーム・ディレクトリ/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1に関連付けられていることを示しています。

8.3 Oracle RACソフトウェアの削除

削除ツールは、サーバーからOracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)またはスタンドアロンのOracle Databaseの環境を削除します。次の項では、スクリプトおよびこのツールを使用するための追加オプションについて説明します。

8.3.1 削除ツールについて

Oracle Database 12c以上では、削除ツールがデータベース・インストール・メディアに統合されるようになりました。削除ツールを実行するには、データベース、クライアントまたはGrid Infrastructureのインストール・メディアのベース・ディレクトリから、-deinstallおよび-homeオプションを指定してrunInstallerコマンドを使用します。

この削除ツールは、インストール後に、別のコマンド(deinstall)としてOracleホーム・ディレクトリから使用することもできます。削除ツールの場所は、$ORACLE_HOME/deinstallディレクトリです。

削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、パラメータ・ファイルを作成します。このファイルのかわりに、以前のdeinstallコマンドで生成されたパラメータ・ファイルを指定するには、–checkonlyオプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。

削除ツールによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してOracle Grid Infrastructureを削除する場合、rootユーザーとしてrootcrs.shスクリプトを実行し、Oracle Grid Infrastructureを構成解除するか、roothas.shスクリプトを実行してスタンドアロン・サーバーに対してOracle Grid Infrastructureを構成解除するよう求められます。


注意:

削除ツールを実行すると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリ(oraInventory)に他の登録済ホームが含まれていない場合、削除コマンドはOracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
  • admin

  • cfgtoollogs

  • checkpoints

  • diag

  • oradata

  • fast_recovery_area

Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成し、Oracleソフトウェアが排他的に使用するために、OracleベースとOracleホーム・パスを予約しておくことをお薦めします。Oracleソフトウェアを所有するユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所にユーザー・データがある場合、削除ツールはこのデータを削除します。


削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。

$ $ORACLE_HOME/deinstall/deinstall

deinstallコマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。

deinstall [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input response file] 
[-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
 

データベースのインストール・メディアから削除ツールを実行するには、runInstallerコマンドに-deinstallオプションと、その後に-homeオプションを使用し、次の構文を使用して、削除したいOracleホームのパスを指定します(変数の内容はイタリック)。

runInstaller -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value
name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
 

サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。

削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。

さらに、削除ツールは、パラメータ・ファイルを使用して実行したり、次のオプションを選択して実行することができます。

  • -home

    このフラグは、確認または削除するOracleホームのホーム・パスを指定します。削除しようとしているOracleホームでdeinstallコマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、別の場所にパラメータ・ファイルを用意し、-homeフラグは使用しないでください。

    $ORACLE_HOME/deinstallパスからdeinstallを実行する場合は、実行されているホームをツールが認識できるため、-homeフラグは不要です。ツールのスタンドアロン・バージョンまたはインストール・メディアのrunInstaller -deinstallを使用する場合、-homeは必須です。

  • -silent

    このフラグは、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでコマンドを実行する場合に使用します。-silentフラグを使用する場合は、-paramfileフラグを使用して、削除または構成解除するOracleホームの構成値を含むパラメータ・ファイルを指定する必要があります。

    パラメータ・ファイルを作成して使用または修正するには、-checkonlyフラグを使用してdeinstallコマンドを実行します。deinstallコマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silentオプションで使用できます。

    $ORACLE_HOME/deinstall/responseフォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmplを変更することもできます。

  • -checkonly

    このフラグを指定すると、Oracleソフトウェアのホーム構成の状態が確認されます。-checkonlyフラグを指定してdeinstallコマンドを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。-checkonlyフラグにより、deinstallコマンドと-silentオプションで使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。

  • -local

    このフラグは、複数ノード環境でクラスタ内のOracleソフトウェアを削除する場合に使用します。

    このフラグを指定してdeinstallを実行すると、ローカル・ノード(deinstallが実行されたノード)のOracleソフトウェアの構成が解除され、Oracleソフトウェアが削除されます。リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアの構成は解除されますが、Oracleソフトウェアは削除されません。

  • -paramfile 入力パラメータのプロパティ・ファイルの完全パス

    このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを使用してdeinstallが実行されます。このフラグを使用する場合は、パラメータ・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、deinstallの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: $ORACLE_HOME/inventory/response

    • Oracle Technology Networkからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /ziplocation/response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -params [name1=value name 2=value name3=value . . .]

    このフラグは、作成したパラメータ・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、パラメータ・ファイルとともに使用します。

  • -o 保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス

    このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所に、プロパティ・ファイル(deinstall.rsp.tmpl)を保存するパスが指定されます。

    パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、deinstallの位置によって異なります。

    • インストール・メディアまたはインストール前のステージングの場所: $ORACLE_HOME/

    • Oracle Technology Networkからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /ziplocation/response

    • インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response

  • -help

    ヘルプ・オプション(-help)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。

8.3.2 Oracle RACの削除コマンドの実行例

$ORACLE_HOME/deinstallフォルダから削除コマンド使用して削除ツールを実行すると、ORACLE_HOMEの入力を求めるプロンプトを表示せずに削除を開始します。

オプションのフラグ-paramfileを指定すると、パラメータ・ファイルにパスが指定されます。

次の例では、runInstallerコマンドがパス/directory_pathに指定されています(ここで、directory_pathはインストール・メディアのdatabaseディレクトリへのパスで、/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/は削除するOracleホームへのパスです)。

$ cd /directory_path/runInstaller
$ ./runInstaller -deinstall -home /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/

次の例では、ソフトウェア所有者の場所/home/usr/oracleにあるパラメータ・ファイルを使用しています。

$ cd /directory_path/runInstaller
$ ./runInstaller -deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_db_paramfile.tmpl

8.3.3 Oracle RACの削除パラメータ・ファイルの例

Oracle RACデータベースに対して、-paramfileオプションを指定して削除ツールを実行すると、パラメータ・ファイルに指定した値を使用できます。次に示すパラメータ・ファイルの例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)は/u01/app/oracle/、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver、OSDBAグループはdbaです。

#Copyright (c) 2005, 2006 Oracle Corporation. All rights reserved.
#Mon Feb 17 06:48:39 UTC 2014
DISK_GROUPS.sidb=
ASM_HOME=
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LOGDIR=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/oraInventory/logs/
ORACLE_BASE.sidb=/u01/app/oracle/
RECOVERY_LOC.sidb=
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ORACLE_BASE=/u01/app/oracle/
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DB_UNIQUE_NAME_LIST=sidb
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HOME_TYPE=SIDB
CRS_HOME=false
RAW_MAPPING_FILE.sidb=
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ORACLE_BINARY_OK=true
DATAFILE_LOC.sidb=/u01/app/oracle/oradata
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LOCAL_NODE=myserver
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SPFILE_LOC.sidb=