Oracle® Real Application Clustersインストレーション・ガイド 12c リリース1 (12.1) for Linux and UNIX Systems B71325-07 |
|
前 |
次 |
この章では、Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)のOracleホーム・ディレクトリから、すべてのOracle Database、インスタンスおよびソフトウェアを完全に削除する方法について説明します。
この章の内容は次のとおりです。
関連項目: 製品を1つのみ削除するとき、その製品に適用する要件および制限がないかを確認するには、製品固有のドキュメントを参照してください。 |
Oracleホーム・ディレクトリからすべてのOracle Database、インスタンスおよびソフトウェアを完全に削除するには、次の手順を実行します。
Oracleホームに関連付けられたすべてのインスタンスの確認
プロセスの停止
Oracle Databaseホームにインストールされたリスナーの削除
データベース・インスタンスの削除
Oracle Automatic Storage Managementリリース1 (11.1)以下の削除
Oracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle Grid Infrastructure)の削除
注意: Oracle Database Vaultの削除の詳細は、『Oracle Database Vault管理者ガイド』を参照してください。Oracle Configuration Managerの削除の詳細は、『Oracle Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』を参照してください。 Oracle Grid Infrastructureリリース11.2以上では、Oracle Automatic Storage ManagementとOracle Clusterwareは、Oracle Grid Infrastructureインストールに含まれています。これらのコンポーネントは一緒にインストールされ、削除されます。 |
注意: 1台のサーバー上の複数のデータベースで同じグローバル・データベース名(GDN)を使用するクラスタ・メンバー・ノードがある場合、1つのデータベースのみを削除ツールで削除することはできません。たとえば、クラスタ・ノードのいずれかにあるスタンドアロンのデータベースがGDNmydb.example.com を使用し、Oracle RACデータベースのGDNもmydb.example.com である場合は、そのノードの両方のデータベースが削除されます。 |
削除するOracleホームに関連付けられたすべてのインスタンスを確認するには、次のコマンドを入力します(ここで、dbname
はデータベースの名前です)。
$ srvctl status database -d dbname
または、oratab
ファイルから登録済のインスタンスを確認できます。
AIX、HP-UXまたはLinuxの場合:
$ more /etc/oratab
Oracle Solaris:
$ more /var/opt/oracle/oratab
このコマンドの出力結果には、次のようなエントリが含まれます。
+ASM1:/u01/app/12.1.0/grid:N CUST:/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1:N
これらのエントリは、クラスタ用のOracle Grid Infrastructureホーム(/u01/app/12.1.0/grid
)のOracle Automatic Storage Managementインスタンス+ASM
、およびOracle DatabaseインスタンスCUST
が、Oracleホーム・ディレクトリ/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1
に関連付けられていることを示しています。
削除ツールは、サーバーからOracle ClusterwareおよびOracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)またはスタンドアロンのOracle Databaseの環境を削除します。次の項では、スクリプトおよびこのツールを使用するための追加オプションについて説明します。
Oracle Database 12c以上では、削除ツールがデータベース・インストール・メディアに統合されるようになりました。削除ツールを実行するには、データベース、クライアントまたはGrid Infrastructureのインストール・メディアのベース・ディレクトリから、-deinstall
および-home
オプションを指定してrunInstaller
コマンドを使用します。
この削除ツールは、インストール後に、別のコマンド(deinstall
)としてOracleホーム・ディレクトリから使用することもできます。削除ツールの場所は、$ORACLE_HOME/deinstall
ディレクトリです。
削除ツールは、指定した情報と、ソフトウェア・ホームから収集した情報を使用して、パラメータ・ファイルを作成します。このファイルのかわりに、以前のdeinstall
コマンドで生成されたパラメータ・ファイルを指定するには、–checkonly
オプションを使用するか、レスポンス・ファイル・テンプレートを編集します。
削除ツールによって、Oracleソフトウェアが停止され、特定のOracleホームのOracleソフトウェアおよびオペレーティング・システムの構成ファイルが削除されます。削除ツールを実行してOracle Grid Infrastructureを削除する場合、root
ユーザーとしてrootcrs.sh
スクリプトを実行し、Oracle Grid Infrastructureを構成解除するか、roothas.sh
スクリプトを実行してスタンドアロン・サーバーに対してOracle Grid Infrastructureを構成解除するよう求められます。
注意: 削除ツールを実行すると、構成解除して削除するホーム以外に、中央インベントリ(oraInventory)に他の登録済ホームが含まれていない場合、削除コマンドはOracle Databaseインストール所有者のOracleベース・ディレクトリで次のファイルおよびディレクトリの内容を削除します。
Optimal Flexible Architecture(OFA)構成を使用してインストールを構成し、Oracleソフトウェアが排他的に使用するために、OracleベースとOracleホーム・パスを予約しておくことをお薦めします。Oracleソフトウェアを所有するユーザー・アカウントが所有するOracleベース内のこれらの場所にユーザー・データがある場合、削除ツールはこのデータを削除します。 |
削除ツールは、デフォルトでは、インストール所有者としてOracleホームのdeinstallディレクトリから実行します。
$ $ORACLE_HOME/deinstall/deinstall
deinstall
コマンドでは、次の構文を使用します。変数はイタリックで示しています。
deinstall [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input response file] [-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
データベースのインストール・メディアから削除ツールを実行するには、runInstaller
コマンドに-deinstall
オプションと、その後に-home
オプションを使用し、次の構文を使用して、削除したいOracleホームのパスを指定します(変数の内容はイタリック)。
runInstaller -deinstall -home complete path of Oracle home [-silent] [-checkonly] [-local] [-paramfile complete path of input parameter property file] [-params name1=value name2=value . . .] [-o complete path of directory for saving files] [-help]
サーバーに関する情報の入力を求められたら、情報を入力するかデフォルトを受け入れます。
削除ツールは、Oracleソフトウェアを停止し、オペレーティング・システム上のOracleソフトウェアおよび構成ファイルを削除します。
さらに、削除ツールは、パラメータ・ファイルを使用して実行したり、次のオプションを選択して実行することができます。
-home
このフラグは、確認または削除するOracleホームのホーム・パスを指定します。削除しようとしているOracleホームでdeinstall
コマンドを使用してOracleソフトウェアを削除する場合は、別の場所にパラメータ・ファイルを用意し、-home
フラグは使用しないでください。
$ORACLE_HOME/deinstall
パスからdeinstall
を実行する場合は、実行されているホームをツールが認識できるため、-home
フラグは不要です。ツールのスタンドアロン・バージョンまたはインストール・メディアのrunInstaller -deinstall
を使用する場合、-home
は必須です。
-silent
このフラグは、サイレント・モードまたはレスポンス・ファイル・モードでコマンドを実行する場合に使用します。-silent
フラグを使用する場合は、-paramfile
フラグを使用して、削除または構成解除するOracleホームの構成値を含むパラメータ・ファイルを指定する必要があります。
パラメータ・ファイルを作成して使用または修正するには、-checkonly
フラグを使用してdeinstall
コマンドを実行します。deinstall
コマンドにより、削除および構成解除するOracleホームの情報が検出されます。生成されたプロパティ・ファイルは、-silent
オプションで使用できます。
$ORACLE_HOME/deinstall/response
フォルダにあるテンプレート・ファイルdeinstall.rsp.tmpl
を変更することもできます。
-checkonly
このフラグを指定すると、Oracleソフトウェアのホーム構成の状態が確認されます。-checkonly
フラグを指定してdeinstall
コマンドを実行した場合、Oracleの構成は削除されません。-checkonly
フラグにより、deinstall
コマンドと-silent
オプションで使用できるパラメータ・ファイルが生成されます。
-local
このフラグは、複数ノード環境でクラスタ内のOracleソフトウェアを削除する場合に使用します。
このフラグを指定してdeinstall
を実行すると、ローカル・ノード(deinstall
が実行されたノード)のOracleソフトウェアの構成が解除され、Oracleソフトウェアが削除されます。リモート・ノードでは、Oracleソフトウェアの構成は解除されますが、Oracleソフトウェアは削除されません。
-paramfile
入力パラメータのプロパティ・ファイルの完全パス
このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所にあるパラメータ・ファイルを使用してdeinstall
が実行されます。このフラグを使用する場合は、パラメータ・ファイルが存在する場所を完全パスで指定します。
パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、deinstall
の位置によって異なります。
インストール・メディアまたはステージの場所からの場合: $ORACLE_HOME/inventory/response
Oracle Technology Networkからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /
ziplocation
/response
インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response
-params
[name1
=value
name 2
=value
name3
=value
. . .]
このフラグは、作成したパラメータ・ファイルで変更する1つ以上の値を上書きする場合に、パラメータ・ファイルとともに使用します。
-o
保存するレスポンス・ファイルのディレクトリの完全パス
このフラグを指定すると、デフォルト以外の場所に、プロパティ・ファイル(deinstall.rsp.tmpl
)を保存するパスが指定されます。
パラメータ・ファイルのデフォルトの位置は、deinstall
の位置によって異なります。
インストール・メディアまたはインストール前のステージングの場所: $ORACLE_HOME/
Oracle Technology Networkからの解凍済アーカイブ・ファイルからの場合: /
ziplocation
/response
インストール済Oracleホームからの場合(インストール後): $ORACLE_HOME/deinstall/response
-help
ヘルプ・オプション(-help
)を指定すると、コマンドのオプション・フラグに関する追加情報を取得できます。
$ORACLE_HOME/deinstall
フォルダから削除コマンド使用して削除ツールを実行すると、ORACLE_HOMEの入力を求めるプロンプトを表示せずに削除を開始します。
オプションのフラグ-paramfile
を指定すると、パラメータ・ファイルにパスが指定されます。
次の例では、runInstaller
コマンドがパス/directory_path
に指定されています(ここで、directory_path
はインストール・メディアのdatabase
ディレクトリへのパスで、/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/
は削除するOracleホームへのパスです)。
$ cd /directory_path
/runInstaller
$ ./runInstaller -deinstall -home /u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/
次の例では、ソフトウェア所有者の場所/home/usr/oracle
にあるパラメータ・ファイルを使用しています。
$ cd /directory_path
/runInstaller
$ ./runInstaller -deinstall -paramfile /home/usr/oracle/my_db_paramfile.tmpl
Oracle RACデータベースに対して、-paramfile
オプションを指定して削除ツールを実行すると、パラメータ・ファイルに指定した値を使用できます。次に示すパラメータ・ファイルの例では、Oracle Databaseバイナリ所有者はoracle
、Oracle Databaseホーム(Oracleホーム)はパス/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/
にあり、Oracleベース(他のOracleソフトウェアがインストールされている場所)は/u01/app/oracle/
、中央Oracleインベントリ・ホーム(oraInventory)は/u01/app/oraInventory
、仮想IPアドレス(VIP)は192.0.2.1
、ローカル・ノード(削除セッションの実行元となるノード)はmyserver
、OSDBAグループはdba
です。
#Copyright (c) 2005, 2006 Oracle Corporation. All rights reserved. #Mon Feb 17 06:48:39 UTC 2014 DISK_GROUPS.sidb= ASM_HOME= ASM_LOCAL_SID= LOGDIR=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/oraInventory/logs/ ORACLE_BASE.sidb=/u01/app/oracle/ RECOVERY_LOC.sidb= STORAGE_TYPE.sidb=FS ORACLE_BASE=/u01/app/oracle/ INVENTORY_LOCATION=/u01/app/oraInventory DB_TYPE.sidb=SI_DB NODE_LIST.sidb=myserver ARCHIVE_LOG_DESTINATION_LOC.sidb= LOCAL_SID.sidb=sidb DB_UNIQUE_NAME_LIST=sidb ASM_FILES.sidb= HOME_TYPE=SIDB CRS_HOME=false RAW_MAPPING_FILE.sidb= SID_LIST.sidb=sidb ORACLE_BINARY_OK=true DATAFILE_LOC.sidb=/u01/app/oracle/oradata local=false LOCAL_NODE=myserver CREATION_MODE.sidb=y CONFIGFILE_LOC.sidb= DIAG_DEST.sidb=/u01/app/oracle/ silent=false ORACLE_HOME=/u01/app/oracle/product/12.1.0/dbhome_1/ SPFILE_LOC.sidb=