この項では、空間索引データおよびメタデータを含む表の構造について説明します。空間索引付けの概念および使用上の注意は、「空間データの索引付け」を参照してください。空間索引データおよびメタデータは、ともにSpatial and Graphの索引付けルーチンによって作成およびメンテナンスされる表に格納されています。これらの表は、(基になる)フィーチャ表の所有者のスキーマに作成され、フィーチャ表には、SDO_GEOMETRY型の列に作成された空間索引があります。
スキーマ(ユーザー)ごとに、xxx_SDO_INDEX_INFOとxxx_SDO_INDEX_METADATAという2つの空間索引メタデータ・ビューがあります。xxxはUSERまたはALLです。これらのビューは、ユーザーに対して読込み専用であり、空間索引付けルーチンによって作成およびメンテナンスされます。
次のビューには、空間索引についての基本情報が含まれます。
USER_SDO_INDEX_INFOビューおよびALL_SDO_INDEX_INFOビューには、表2-11に示すとおり、同じ列が含まれます。ただし、USER_SDO_INDEX_INFOビューには、SDO_INDEX_OWNER列は含まれません。列をビュー定義の順に示します。
表2-11 xxx_SDO_INDEX_INFOビューの列
列名 | データ型 | 用途 |
---|---|---|
SDO_INDEX_OWNER |
VARCHAR2 |
索引の所有者です(ALL_SDO_INDEX_INFOビューのみ)。 |
INDEX_NAME |
VARCHAR2 |
索引の名前。 |
TABLE_OWNER |
VARCHAR2 |
この索引が作成された列を含む表の所有者の名前です。 |
TABLE_NAME |
VARCHAR2 |
この索引が作成された列を含む表の名前です。 |
COLUMN_NAME |
VARCHAR2 |
この索引が作成された列の名前です。 |
SDO_INDEX_TYPE |
VARCHAR2 |
RTREEが含まれます(Rツリー索引の場合)。 |
SDO_INDEX_TABLE |
VARCHAR2 |
空間索引表(「空間索引表の定義」を参照)の名前です。 |
SDO_INDEX_STATUS |
VARCHAR2 |
(Oracleで使用するために予約されています。) |
次のビューには、空間索引メタデータについての詳細情報が含まれます。
USER_SDO_INDEX_METADATAとALL_SDO_INDEX_METADATAビューには、表2-12に示す、同じ列が含まれます。列をビュー定義の順に示します。
表2-12 xxx_SDO_INDEX_METADATAビューの列
列名 | データ型 | 用途 |
---|---|---|
SDO_INDEX_OWNER |
VARCHAR2 |
索引の所有者です。 |
SDO_INDEX_TYPE |
VARCHAR2 |
RTREEが含まれます(Rツリー索引の場合)。 |
SDO_LEVEL |
NUMBER |
(該当なし、サポートされなくなった機能で使用。) |
SDO_NUMTILES |
NUMBER |
(該当なし、サポートされなくなった機能で使用。) |
SDO_MAXLEVEL |
NUMBER |
(該当なし、サポートされなくなった機能で使用。) |
SDO_COMMIT_INTERVAL |
NUMBER |
(該当なし、サポートされなくなった機能で使用。) |
SDO_INDEX_TABLE |
VARCHAR2 |
空間索引表(「空間索引表の定義」を参照)の名前です。 |
SDO_INDEX_NAME |
VARCHAR2 |
索引の名前。 |
SDO_INDEX_PRIMARY |
NUMBER |
1次索引か2次索引かを示します。1は1次索引、2は2次索引です。 |
SDO_TSNAME |
VARCHAR2 |
SDO_INDEX_TABLEのスキーマ名です。 |
SDO_COLUMN_NAME |
VARCHAR2 |
この索引が作成された列の名前です。 |
SDO_RTREE_HEIGHT |
NUMBER |
Rツリーの高さです。 |
SDO_RTREE_NUM_NODES |
NUMBER |
Rツリーのノード数です。 |
SDO_RTREE_DIMENSIONALITY |
NUMBER |
Spatial and Graphが内部的に使用する次元数です。これは、索引付けされる次元数(CREATE INDEX文またはALTER INDEX文の |
SDO_RTREE_FANOUT |
NUMBER |
Rツリー・ノードにある子の最大数です。 |
SDO_RTREE_ROOT |
VARCHAR2 |
索引表にあるRツリーのルート・ノードに対応するROWIDです。 |
SDO_RTREE_SEQ_NAME |
VARCHAR2 |
Rツリーに関連付けられた順序名です。 |
SDO_FIXED_META |
RAW |
使用可能な場合、この列には固定レベル索引に対するSDO_GROUPCODEまたはSDO_CODEのメタデータ部分が含まれます。 |
SDO_TABLESPACE |
VARCHAR2 |
SQLのCREATE TABLE文の場合と同様です。SDOINDEX表を作成するための表領域です。 |
SDO_INITIAL_EXTENT |
VARCHAR2 |
SQLのCREATE TABLE文の場合と同様です。 |
SDO_NEXT_EXTENT |
VARCHAR2 |
SQLのCREATE TABLE文の場合と同様です。 |
SDO_PCTINCREASE |
NUMBER |
SQLのCREATE TABLE文の場合と同様です。 |
SDO_MIN_EXTENTS |
NUMBER |
SQLのCREATE TABLE文の場合と同様です。 |
SDO_MAX_EXTENTS |
NUMBER |
SQLのCREATE TABLE文の場合と同様です。 |
SDO_INDEX_DIMS |
NUMBER |
この索引が構築された列内のジオメトリ・オブジェクトの次元数です。この値は、CREATE INDEX文またはALTER INDEX文の |
SDO_LAYER_GTYPE |
VARCHAR2 |
DEFAULT (レイヤーが点およびポリゴン・データの両方を含むことができる場合)または「SDO_GTYPE」の「ジオメトリ・タイプ」列に示す値が含まれます。 |
SDO_RTREE_PCTFREE |
NUMBER |
Rツリー索引の作成時は空にしておく、各索引ツリー・ノードのスロットの最小割合です。 |
SDO_INDEX_PARTITION |
VARCHAR2 |
パーティション索引の場合は、索引パーティションの名前です。 |
SDO_PARTITIONED |
NUMBER |
索引がパーティション索引でない場合は0(ゼロ)、パーティション索引の場合は1が含まれます。 |
SDO_RTREE_QUALITY |
NUMBER |
索引の品質スコアです。Rツリーの品質については、「Rツリーの品質」を参照してください。 |
SDO_INDEX_VERSION |
NUMBER |
索引の内部バージョン番号です。 |
SDO_INDEX_GEODETIC |
VARCHAR2 |
索引が測地索引の場合はTRUE、測地索引でない場合はFALSEです。 |
SDO_INDEX_STATUS |
VARCHAR2 |
(Oracleで使用するために予約されています。) |
SDO_NL_INDEX_TABLE |
VARCHAR2 |
索引の非リーフ・ノードに対する個別の索引表の名前(名前の形式はMDNT_...$)です。詳細は、「空間データを索引付けするためのSQL文」のCREATE INDEX文の |
SDO_DML_BATCH_SIZE |
NUMBER |
コミット操作後に、それぞれの更新バッチで処理する索引更新数です。詳細は、「空間データを索引付けするためのSQL文」のCREATE INDEX文の |
SDO_RTREE_EXT_XPND |
NUMBER |
(将来使用するために予約済) |
SDO_NUM_ROWS |
NUMBER |
空間実表(この索引が作成された列を含む表)の(NULL以外のジオメトリを含む)行数です。 |
SDO_NUM_BLKS |
NUMBER |
空間索引表(SDO_INDEX_TABLE)内のブロックの数を指定します。 |
SDO_ROOT_MBR |
SDO_GEOMETRY |
空間レイヤーの最大エクステントに対する最小境界矩形です。これは、現在のエクステントのMBRに等しいかまたは大きくなります。索引が再構築されると、現在のエクステントを反映するように再設定されます。 |
Rツリー索引の場合、空間索引表(「xxx_SDO_INDEX_METADATAビュー」に示すSDO_INDEX_TABLEの各エントリ)には、表2-13に示す列が含まれます。
表2-13 Rツリー空間索引データ表の列
列名 | データ型 | 用途 |
---|---|---|
NODE_ID |
NUMBER |
ツリーのこのノードに対する一意のID番号です。 |
NODE_LEVEL |
NUMBER |
ツリー内のノードのレベルです。リーフ・ノード(エントリが実表のデータ項目を指すノード)はレベル1、その親ノードはレベル2などのようになります。 |
INFO |
BLOB |
ノード内のその他の情報です。 |
各Rツリー空間索引表は、それぞれ関連付けられた順序オブジェクト(「xxx_SDO_INDEX_METADATAビュー」に示すUSER_SDO_INDEX_METADATAビューのSDO_RTREE_SEQ_NAME列を参照)を持ちます。順序によって、複数の同時ユーザーによる索引の同時更新が可能になります。
順序名は、アンダースコアの前にある「T」を「S」に置き換えた索引表名です。たとえば、索引表MDRT_5C01$は、順序オブジェクトMDRS_5C01$に関連付けられます。