一般的な業務では、空間Webサービス・アプリケーションを実装するユーザーには、次のような種類のユーザーが含まれます。
Webサービスのインフラストラクチャを設定する管理者。管理者は、データベース・ユーザーの作成、新規および既存のデータベース・ユーザーに対する権限とアクセス権の付与、複数のデータベース・ユーザーに影響するその他の操作などを行います。Web Feature Servicesでは、フィーチャ表の登録、フィーチャ・タイプのパブリッシュ、および特定のアカウントのロック解除を行います。
たとえば、管理者は、インフラストラクチャを設定して、道路や川などの空間フィーチャにアクセスできるようにします。
空間データおよびメタデータを作成および管理するアプリケーション開発者。開発者は、空間データ表を作成し、空間索引を作成して、行をUSER_SDO_GEOM_METADATAビューに挿入し、空間のファンクションおよびプロシージャを使用してアプリケーション・ロジックを実装します。
たとえば、アプリケーション開発者は、道路や川の表を作成し、アプリケーション・ロジックを実装することで、エンド・ユーザーが空間問合せ条件に基づいて道路や川を検索できるようにします。
Webブラウザを使用してサービスにアクセスするエンド・ユーザー。
たとえば、エンド・ユーザーは、特定の川から1マイル以内にあるすべての道路、またはその川を横断するすべての道路などの検索を行います。
管理者の立場から見ると、アプリケーション開発者もエンド・ユーザーもすべてユーザーです。これは、それぞれのニーズに合わせてデータベース・ユーザーを作成する必要があるためです。アプリケーション開発者は、空間表を作成および管理し、Oracle Spatial and Graphのファンクションおよびプロシージャを使用するための十分な権限を持つユーザーとして、データベースに接続します。これに対し、エンド・ユーザーは、通常、データへの読取り専用アクセスや制限付きの書込みアクセスなど、制限されたアクセス権限を持つデータベース・ユーザーとして、データベースにアクセスします。
Spatial and GraphのWebサービスに関する章は、エンド・ユーザー向けではなく、管理者およびアプリケーション開発者を対象としています。