データ・ポンプ・エクスポート・ユーティリティでは、データとメタデータのフィルタ処理機能を使用して、エクスポートする情報の種類を効果的に制限できます。
データ固有のフィルタ処理は、QUERY
およびSAMPLE
パラメータによって実装されます。このパラメータは、表のエクスポートされる行に対する制限を指定します。
メタデータのフィルタ処理のため、間接的にデータのフィルタ処理が実行される場合もあります。この処理では、表オブジェクトおよび関連付けられた行データを含めたり、除外することができます。
各データ・フィルタは、表ごとにジョブ内で1回指定できます。同じ名前を使用する異なるフィルタが特定の表とジョブ全体の両方に適用された場合は、特定の表に対して提供されたフィルタ・パラメータが優先されます。
メタデータのフィルタ処理は、EXCLUDE
およびINCLUDE
パラメータによって実装されます。EXCLUDE
およびINCLUDE
は、相互に排他的なパラメータです。
メタデータ・フィルタは、オブジェクトを、エクスポートまたはインポート操作に含めるか除外するかを識別します。たとえば、パッケージ仕様またはパッケージ本体を含まない全体エクスポートを要求できます。
フィルタを正しく使用して必要な結果を得た場合は、識別されたオブジェクトの依存オブジェクトも、識別されたオブジェクトとともに処理されます。たとえば、索引を操作に含めるようにフィルタで指定すると、その索引の統計も含まれます。同様に、フィルタで表を除外すると、その表に対する索引、制約、権限およびトリガーも除外されます。
1つのオブジェクト型に対して複数のフィルタが指定されている場合は、それらのフィルタに対して暗黙的なAND
処理が適用されます。つまり、ジョブに関連するオブジェクトは、オブジェクト型に適用されるすべてのフィルタで処理される必要があります。
同じメタデータ・フィルタ名を、1つのジョブ内で複数回指定できます。
DATABASE_EXPORT_OBJECTS
(全体モードの場合)、SCHEMA_EXPORT_OBJECTS
(スキーマ・モードの場合)、TABLE_EXPORT_OBJECTS
(表および表領域モードの場合)ビューを問い合せて、有効なオブジェクト・タイプ値の一覧を表示できます。OBJECT_PATH
列にリストされる値が有効なオブジェクト・タイプです。たとえば、次の問合せを実行できます。
SQL> SELECT OBJECT_PATH, COMMENTS FROM SCHEMA_EXPORT_OBJECTS 2 WHERE OBJECT_PATH LIKE '%GRANT' AND OBJECT_PATH NOT LIKE '%/%';
次に、この問合せの出力結果の例を示します。
OBJECT_PATH -------------------------------------------------------------------------------- COMMENTS -------------------------------------------------------------------------------- GRANT Object grants on the selected tables OBJECT_GRANT Object grants on the selected tables PROCDEPOBJ_GRANT Grants on instance procedural objects PROCOBJ_GRANT Schema procedural object grants in the selected schemas ROLE_GRANT Role grants to users associated with the selected schemas SYSTEM_GRANT System privileges granted to users associated with the selected schemas