デフォルト: デフォルト値は設定されていません。
用途
現行のエクスポート・モードにオブジェクトとオブジェクト型を指定して、エクスポート対象のメタデータをフィルタ処理できます。指定したオブジェクトおよびこれらのオブジェクトのすべての依存オブジェクトがエクスポートされます。これらのオブジェクトに対する権限もエクスポートされます。
構文および説明
INCLUDE = object_type[:name_clause] [, ...]
object_type
は含めるオブジェクトのタイプを指定します。DATABASE_EXPORT_OBJECTS
(全体モードの場合)、SCHEMA_EXPORT_OBJECTS
(スキーマ・モードの場合)、TABLE_EXPORT_OBJECTS
(表および表領域モードの場合)ビューを問い合せて、object_type
の有効な値の一覧を表示できます。OBJECT_PATH
列にリストされる値が有効なオブジェクト・タイプです。(このような問合せの実行方法の例は、「メタデータのフィルタ」を参照してください。)
INCLUDE
文で明示的に指定されたオブジェクト型とその依存オブジェクトのみがエクスポートされます。他のオブジェクト型(通常、DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE
ロールを所有している場合にスキーマ・モード・エクスポートの一部となるスキーマ定義情報など)はエクスポートされません。
name_clause
は、オプションです。これを使用すると、あるオブジェクト型のうち、特定のオブジェクトをファイングレイン選択できます。その型のオブジェクト名に対するフィルタとして使用されるSQL式です。SQL演算子および指定した型のオブジェクト名の比較対象となる値で構成されています。このname_clause
は、名前付きのインスタンスを持つオブジェクト型にのみ適用されます(たとえば、TABLE
には適用されますが、GRANT
には適用されません)。それは、コロンでオブジェクト型と区切り、二重引用符(一重引用符は名前文字列を区切るために必要なため)で囲む必要があります。
name_clause
に指定する名前は、データベース内の既存のオブジェクトに、大文字と小文字も含めて完全に一致させる必要があります。たとえば、指定するname_clause
がEMPLOYEES
という表に対するものだった場合は、すべてが大文字のEMPLOYEES
という表が存在する必要があります。name_clause
に対してEmployees
、employees
などを指定した場合、表は検出されません。
オペレーティング・システムによっては、このパラメータの値を指定するときに引用符とともにエスケープ文字を使用する必要があります。このパラメータはパラメータ・ファイルで指定することをお薦めします。パラメータ・ファイルを使用すると、コマンドラインでは必要なエスケープ文字の数を減らすことができます。詳細は、「データ・ポンプ・コマンドラインでの引用符の使用」を参照してください。
たとえば、次の内容のパラメータ・ファイルhr.par
を作成したとします。
SCHEMAS=HR DUMPFILE=expinclude.dmp DIRECTORY=dpump_dir1 LOGFILE=expinclude.log INCLUDE=TABLE:"IN ('EMPLOYEES', 'DEPARTMENTS')" INCLUDE=PROCEDURE INCLUDE=INDEX:"LIKE 'EMP%'"
この場合、コマンドラインで他のパラメータを入力しなくても、hr.par
ファイルを使用してエクスポート操作を開始できます。EMPLOYEES
とDEPARTMENTS
表、すべてのプロシージャおよびEMP接頭辞を持つすべての索引名が、エクスポートに含まれます。
> expdp hr PARFILE=hr.par
制約の追加
指定したobject_type
がCONSTRAINT
である場合は、次に説明する影響があることに注意してください。
次の制約を明示的に含めることはできません。
NOT
NULL
制約
表の作成とロードを正常に行うために必要な制約。たとえば、索引構成表の主キー制約、REF
列を持つ表のREF
SCOPE
およびWITH
ROWID
制約など
次に、INCLUDE
文の例およびその解釈を示します。
INCLUDE=
CONSTRAINT
は、NOT
NULL
制約および表の正常な作成およびロードに必要な制約を除き、すべての制約(非参照)を含めます。
INCLUDE=
REF_CONSTRAINT
は、参照整合性(外部キー)制約を含めます。
制限事項
INCLUDE
およびEXCLUDE
は、相互に排他的なパラメータです。
SYS
スキーマが所有しているオブジェクトに対する権限はエクスポートされません。
例
次の例では、hr
スキーマのすべての表(およびその依存オブジェクト)をエクスポートします。
> expdp hr INCLUDE=TABLE DUMPFILE=dpump_dir1:exp_inc.dmp NOLOGFILE=YES