デフォルト: デフォルト値は設定されていません。
用途
トランスポータブル表領域モード・インポートか、エクスポート時にTRANSPORTABLE=ALWAYSが設定された場合は表モード・インポートまたは全体モード・インポートによって、ターゲット・データベースにインポートされるデータ・ファイルの一覧を指定します。データ・ファイルはターゲット・データベース・システム上にすでに存在する必要があります。
構文および説明
TRANSPORT_DATAFILES=datafile_name
datafile_nameには、ディレクトリ・オブジェクト名ではなく、ターゲット・データベースが存在するシステムで有効な絶対ディレクトリ・パスを指定する必要があります。
インポート操作前の任意の時点で、ソース・システムからターゲット・システムにデータ・ファイルをコピーしておく必要があります。この処理は、オペレーティング・システムでサポートされている任意のコピー方法で実行できます。必要に応じて、ターゲット・システムにコピーするときに、ファイルの名前を変更できます(例2を参照)。
トランスポータブル表領域モード・エクスポートによって生成されたダンプ・ファイル・セットがすでにある場合、(メタデータを含んでいる)ダンプ・ファイルおよびTRANSPORT_DATAFILESパラメータを指定することで、そのダンプ・ファイルのトランスポータブル・モード・インポートを実行できます。TRANSPORT_DATAFILESパラメータが存在することで、これがトランスポータブル・モード・インポートであることと、実際のデータを取得する場所がインポートに通知されます。
オペレーティング・システムによっては、このパラメータの値を指定するときに引用符とともにエスケープ文字を使用する必要があります。このパラメータはパラメータ・ファイルで指定することをお薦めします。パラメータ・ファイルを使用すると、コマンドラインでは必要なエスケープ文字の数を減らすことができます。
制限事項
TRANSPORT_DATAFILESパラメータは、QUERYパラメータと組み合せて使用することはできません。
トランスポータブル・インポート・ジョブは、再開できません。
例1
次に、TRANSPORT_DATAFILESパラメータの使用例を示します。次の内容のパラメータ・ファイルtrans_datafiles.parを作成したとします。
DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tts.dmp TRANSPORT_DATAFILES='/user01/data/tbs1.dbf'
次のコマンドを発行します。
> impdp hr PARFILE=trans_datafiles.par
例2
この例は、トランスポータブル表領域のエクスポートおよびインポート操作の一環として、データ・ファイルの名前を変更する操作を示しています。ソース・システムにemployees.datというデータ・ファイルがあることを前提としています。
オペレーティング・システムでサポートされている方法で、ソース・システムからターゲット・データベースがあるシステムに、employees.datというデータ・ファイルを手動でコピーします。コピー操作の一環として、ファイル名をworkers.datに変更します。
表領域tbs_1について、トランスポータブル表領域のエクスポートを実行します。
> expdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tts.dmp TRANSPORT_TABLESPACES=tbs_1
tbs_1のメタデータのみ(データなし)がtts.dmpというダンプ・ファイルにエクスポートされます。実際のデータは、手順1でターゲット・データベースにコピーされています。
workers.datというデータ・ファイルの絶対ディレクトリ・パスを指定して、トランスポータブル表領域のインポートを実行します。
> impdp hr DIRECTORY=dpump_dir1 DUMPFILE=tts.dmp TRANSPORT_DATAFILES='/user01/data/workers.dat'
tts.dmpに含まれているメタデータがインポートされ、workers.datファイル内の情報がデータ・ポンプによってデータベースの正しい場所に割り当てられます。