インポート・ユーティリティには、次の4種類の操作モードがあります。
全体インポート: データベース全体をインポートします。IMP_FULL_DATABASE
ロールを所有するユーザーのみが使用できます。FULL
パラメータを使用してこのモードを指定します。
表領域モード: 特権ユーザーが表領域をOracle Database間で移動できます。TRANSPORT_TABLESPACE
パラメータを使用してこのモードを指定します。
ユーザー・モード: 所有するすべてのオブジェクト(表、権限、索引、プロシージャなど)をインポートできます。特権ユーザーがユーザー・モードでインポートする場合、指定したユーザー・グループのユーザーのスキーマにあるすべてのオブジェクトをインポートできます。このモードを指定するには、FROMUSER
パラメータを使用します。
表モード: 特定の表およびパーティションをインポートできます。特権ユーザーは、インポートする表を含むスキーマを指定して、その表を修飾できます。TABLES
パラメータを使用してこのモードを指定します。
表23-3に、各モードでインポートされるオブジェクトのリストを示します。
注意:
表モードを使用してANYDATA
型の列を含む表をインポートする場合、次のエラーが発生する場合があります。
ORA-22370: メソッドの使用方法が正しくありません。存在しない型。
このメッセージは、ANYDATA
列が、データベースに存在しない他の型に依存することを示します。表モードを使用してANYDATA
型を使用する表をインポートする前に、手動で、ターゲット・データベース内に依存型を作成する必要があります。
IMP_FULL_DATABASE
ロールを持つユーザーは、これらのモードのいずれかを指定する必要があります。指定しない場合、インポートはエラーになります。IMP_FULL_DATABASE
ロールを持たないユーザーがこれらのモードをいずれも指定しない場合は、ユーザー・レベルのインポートが実行されます。
表23-3 各モードでインポートされるオブジェクト
オブジェクト | 表モード | ユーザー・モード | 全データベース・モード | 表領域モード |
---|---|---|---|---|
分析クラスタ |
なし |
あり |
あり |
なし |
分析表/統計 |
あり |
あり |
あり |
あり |
アプリケーション・コンテキスト |
なし |
なし |
あり |
なし |
監査情報 |
あり |
あり |
あり |
なし |
Bツリー索引、ビットマップ索引、ドメイン・ファンクション索引 |
あり脚注1 |
あり |
あり |
あり |
クラスタ定義 |
なし |
あり |
あり |
あり |
列コメントおよび表コメント |
あり |
あり |
あり |
あり |
データベース・リンク |
なし |
あり |
あり |
なし |
デフォルト・ロール |
なし |
なし |
あり |
なし |
ディメンション |
なし |
あり |
あり |
なし |
ディレクトリ別名 |
なし |
なし |
あり |
なし |
外部表(データなし) |
あり |
あり |
あり |
なし |
外部関数ライブラリ |
なし |
あり |
あり |
なし |
表の所有者以外のユーザーが所有する索引 |
あり(特権ユーザーのみ) |
あり |
あり |
あり |
索引タイプ |
なし |
あり |
あり |
なし |
JavaリソースおよびJavaクラス |
なし |
あり |
あり |
なし |
ジョブ・キュー |
なし |
あり |
あり |
なし |
ネストした表のデータ |
あり |
あり |
あり |
あり |
オブジェクト権限 |
あり(表および索引のみ) |
あり |
あり |
あり |
表で使用されるオブジェクト型定義 |
あり |
あり |
あり |
あり |
オブジェクト型 |
なし |
あり |
あり |
なし |
演算子 |
なし |
あり |
あり |
なし |
パスワード履歴 |
なし |
なし |
あり |
なし |
インスタンスの事後処理およびオブジェクト |
なし |
なし |
あり |
なし |
スキーマの事後プロシージャ処理およびオブジェクト |
なし |
あり |
あり |
なし |
表の事後処理 |
あり |
あり |
あり |
あり |
表の事後プロシージャ処理およびオブジェクト |
あり |
あり |
あり |
あり |
スキーマの事前プロシージャ・オブジェクトおよび処理 |
なし |
あり |
あり |
なし |
表の事前処理 |
あり |
あり |
あり |
あり |
表の事前プロシージャ処理 |
あり |
あり |
あり |
あり |
プライベート・シノニム |
なし |
あり |
あり |
なし |
プロシージャ・オブジェクト |
なし |
あり |
あり |
なし |
プロファイル |
なし |
なし |
あり |
なし |
パブリック・シノニム |
なし |
なし |
あり |
なし |
参照整合性制約 |
あり |
あり |
あり |
なし |
リフレッシュ・グループ |
なし |
あり |
あり |
なし |
リソース・コスト |
なし |
なし |
あり |
なし |
ロール権限 |
なし |
なし |
あり |
なし |
ロール |
なし |
なし |
あり |
なし |
ロールバック・セグメント定義 |
なし |
なし |
あり |
なし |
表のセキュリティ・ポリシー |
あり |
あり |
あり |
あり |
順序番号 |
なし |
あり |
あり |
なし |
スナップショット・ログ |
なし |
あり |
あり |
なし |
スナップショットおよびマテリアライズド・ビュー |
なし |
あり |
あり |
なし |
システム権限 |
なし |
なし |
あり |
なし |
表制約(主キー制約、一意制約、CHECK制約) |
あり |
あり |
あり |
あり |
表データ |
あり |
あり |
あり |
あり |
表定義 |
あり |
あり |
あり |
あり |
表領域定義 |
なし |
なし |
あり |
なし |
表領域の割当て制限 |
なし |
なし |
あり |
なし |
トリガー |
あり |
あり脚注2 |
あり脚注3 |
あり |
他のユーザーが所有するトリガー |
あり(特権ユーザーのみ) |
なし |
なし |
なし |
ユーザー定義 |
なし |
なし |
あり |
なし |
ユーザー・プロキシ |
なし |
なし |
あり |
なし |
ユーザー・ビュー |
なし |
あり |
あり |
なし |
ユーザー・ストアド・プロシージャ、ユーザー・ストアド・パッケージおよびユーザー・ストアド・ファンクション |
なし |
あり |
あり |
なし |
脚注1
非特権ユーザーがエクスポートおよびインポートできるのは、そのユーザー自身が所有する表に関する索引のみです。他のユーザーが所有する表に関する索引や、ユーザー自身が所有する表に関して他のユーザーが作成した索引はエクスポートできません。特権ユーザーは、エクスポートおよびインポート対象に指定したユーザーの表に関する索引が、表の所有者以外のユーザーが作成したものであっても、その索引をエクスポートおよびインポートできます。指定したユーザーが他のユーザーの表に関する索引を所有しているときは、エクスポートするユーザーのリストに表の所有者であるユーザーを指定しないかぎり、その索引はエクスポートされません。
脚注2
特権ユーザーも非特権ユーザーも、そのユーザー自身が所有するすべてのトリガーを(他のユーザーが所有する表に関するトリガーの場合でも)、エクスポートおよびインポートできます。
脚注3
全体エクスポートでは、スキーマSYSが所有するトリガーはエクスポートされません。SYSトリガーは、全体インポートの前後のいずれかに手動で再作成する必要があります。このトリガーによってインポートの進行を妨げるような処理が定義されないように、インポートの後に再作成することをお薦めします。