デフォルト: インポート操作でVERSION
パラメータを指定する必要はありません。データ・ポンプは次のうちの古い方を使用します。
ネットワーク・インポートの場合、ダンプ・ファイルまたはソース・データベースに関連付けられているバージョン
ターゲット・データベースのCOMPATIBLE
初期化パラメータで指定されたバージョン
用途
インポートするデータベース・オブジェクトのバージョンを指定します(つまり、指定されたリリースと互換性のあるデータベース・オブジェクトおよび属性のみがインポートされます)。なお、これは、10.1より前のリリースのOracle Databaseでデータ・ポンプ・インポートが使用可能ということではありません。データ・ポンプ・インポートは、Oracle Database 10gリリース1(10.1)以降でのみ動作します。VERSION
パラメータを使用して可能になるのは、インポートするオブジェクトのバージョンの識別のみです。
構文および説明
VERSION=[COMPATIBLE | LATEST | version_string]
このパラメータは、ソース・システムのリリースより古い互換リリースのOracle Databaseが稼働しているターゲット・システムのロードに使用できます。指定したリリースと互換性のないソース・システム上のデータベース・オブジェクトまたは属性はターゲットに移動されません。たとえば、指定したリリースではサポートされていない新しいデータ型を含む表はインポートされません。このパラメータの有効な値は次のとおりです。
COMPATIBLE
- デフォルト値。メタデータのバージョンは、データベースの互換性レベルに対応します。データベースの互換性は、9.2.0以上に設定する必要があります。
LATEST
: メタデータのバージョンは、データベースのリリースに対応します。ターゲット・データベースの実際のバージョンがCOMPATIBLE
初期化パラメータで指定されたバージョンより新しいである場合、インポート・ジョブでVERSION=LATEST
を指定しても影響がありません。
version_string
: 特定のデータベース・リリース(11.2.0など)。
制限事項
データ・ポンプのVERSION
パラメータを12.1より前の任意の値に指定すると、4000バイトを超える長さのVARCHAR2
またはNVARCHAR2
列と、2000バイトを超える長さのRAW
列を含む表は、データ・ポンプのダンプ・ファイルから除外されます。
ターゲットがOracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)以降で、ソースがOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以降である場合、ネットワーク・リンクで実行される全体インポートでは、VERSION=12
を設定する必要があります。
データ・ポンプのパラメータVERSION=12
を使用してOracle Database 11gリリースで作成したダンプ・ファイルは、Oracle Database 12cリリース1 (12.1)以上でのみインポートできます。
例
次の例では、ターゲット・データベースをOracle Database 12cリリース1 (12.1.0.1)、ソース・データベースをOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)と想定しています。ここでは、ネットワーク・ベース・インポートにVERSION=12
を設定する必要があります。また、NETWORK_LINK
パラメータを使用している場合、デフォルト・インポート・モードが全体モードであっても、コマンドラインでこれを指定する必要があります。
> impdp hr FULL=Y DIRECTORY=dpump_dir1
NETWORK_LINK=source_database_link VERSION=12