デフォルト: NEVER
用途
表モード・インポート(TABLES
パラメータで指定)または全体モード・インポート(FULL
パラメータで指定)中にトランスポータブル・オプションを使用する必要があるかどうかを指定します。
構文および説明
TRANSPORTABLE = [ALWAYS | NEVER]
使用可能な値の定義は、次のとおりです。
ALWAYS
: インポート・ジョブでトランスポータブル・オプションを使用するように指定します。トランスポータブルが使用できない場合、ジョブは失敗します。
表モード・インポートでトランスポータブル・オプションを使用すると、指定した表、パーティションまたはサブパーティションのメタデータのみがインポートされるトランスポータブル表領域インポートになります。
全体モード・インポートでトランスポータブル・オプションを使用すると、指定したデータベースのすべてのオブジェクトのメタデータがインポートされる全体トランスポータブル・インポートになります。
どちらの場合も、別々の操作でターゲット・データベースに実際のデータ・ファイルをコピー(および通常は変換)する必要があります。
トランスポータブル・ジョブを実行する場合、ベスト・プラクティスは、インポート・ジョブがターゲット・システムで正常に完了するまで、ソース・システムにデータ・ファイルのコピーを保持することです。インポート・ジョブがなんらかの理由で失敗しても、破損していないデータ・ファイルのコピーが残ります。
NEVER
: インポート・ジョブでトランスポータブル・オプションではなくダイレクト・パスまたは外部表による方法を使用してデータをロードするように指示します。これはデフォルトです。
表のパーティションのサブセットのみをインポートし、TRANSPORTABLE=ALWAYS
パラメータを使用すると、それぞれのパーティションが非パーティション表になります。
表のパーティションのサブセットのみをインポートし、TRANSPORTABLE
パラメータを使用しない場合、またはそのパラメータが NEVER
に設定されている場合(デフォルト)は、次のようになります。
PARTITION_OPTIONS=DEPARTITION
を使用している場合は、それぞれのパーティションが、非パーティション表として作成されます。
PARTITION_OPTIONS
を使用していない場合は、完全な表が作成されます。つまり、完全な表内のすべてのメタデータが、ソース上での表定義と同じになるようにターゲット・システム上に存在します。ただし、指定されたパーティション用のデータのみが表に挿入されます。
制限事項
インポートのTRANSPORTABLE
パラメータは、NETWORK_LINK
パラメータも指定されている場合のみ有効です。
TRANSPORTABLE
パラメータは、表モード・インポートおよび全体モード・インポートでのみ有効です。
トランスポータブル・インポートを実行するユーザーでは、ソース・データベースでDATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE
ロール、ターゲット・データベースでDATAPUMP_IMP_FULL_DATABASE
ロールが必要になります。
ネットワーク・インポートのために選択された記憶域を持つすべてのオブジェクトでは、ソース・システム上のすべての記憶域セグメントが、管理対象の非トランスポータブル表領域(SYSTEM
/ SYSAUX
)内に全体として存在するか、ユーザー定義のトランスポータブル表領域内に全体として存在する必要があります。シングル・オブジェクトの記憶域は、2種類の表領域にまたがることはできません。
ソース・データベースがリリース11.2.0.3の場合にTRANSPORTABLE
パラメータを使用してネットワーク・ベースの全体トランスポータブル・インポートを実行するには、データ・ポンプのVERSION
パラメータを12.0以上に設定する必要があります。ソース・データベースがリリース12.1以上の場合、VERSION
パラメータは不要ですが、COMPATIBLE
データベース初期化パラメータを12.0.0以上に設定する必要があります。
例1
次に、ネットワーク・リンク・インポート中にTRANSPORTABLE
パラメータを使用した例を示します。
> impdp system TABLES=hr.sales TRANSPORTABLE=ALWAYS
DIRECTORY=dpump_dir1 NETWORK_LINK=dbs1 PARTITION_OPTIONS=DEPARTITION
TRANSPORT_DATAFILES=datafile_name
例2
次に、NETWORK_LINK
が、暗号化された表領域および暗号化された列を含む表が存在するOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)を示している全体トランスポータブル・インポートを実行する場合にTRANSPORTABLE
パラメータを使用した例を示します。
> impdp import_admin FULL=Y TRANSPORTABLE=ALWAYS VERSION=12 NETWORK_LINK=dbs1 ENCRYPTION_PASSWORD=password TRANSPORT_DATAFILES=<datafile_name> LOGFILE=dpump_dir1:fullnet.log
関連項目:
ソース・システムにデータ・ファイルのコピーを保持することがベスト・プラクティスである理由の詳細は、「データ・ファイル・コピーを使用したデータ移動」を参照してください