デフォルト: デフォルト値は設定されていません。
用途
データベース・リンク(NETWORK_LINK
パラメータで指定)経由でトランスポータブル表領域モードのインポートの実行を指定します。
構文および説明
TRANSPORT_TABLESPACES=tablespace_name [, ...]
TRANSPORT_TABLESPACES
パラメータは、ソース・データベースからターゲット・データベースにオブジェクト・メタデータがインポートされる表領域の名前のリストを指定するために使用します。
これはトランスポータブル・モード・インポートであるため、データのインポート先の表領域は、データ・ポンプによって自動的に作成されます。事前に表領域を作成しておく必要はありません。ただし、インポートを開始する前に、データ・ファイルをターゲット・データベースにコピーする必要があります。
インポート・コマンドラインでTRANSPORT_TABLESPACES
を指定する場合は、データベース・リンクを指定するためにNETWORK_LINK
パラメータも使用する必要があります。データベース・リンクは2つの物理データベース・サーバー間の接続であり、データベース・リンクを使用すると、クライアントから1つの論理データベースとしてこれらのサーバーにアクセスできます。オブジェクト・メタデータはデータベース・リンクを使用してソース(NETWORK_LINK
によって指定されるデータベース)からエクスポートされ、ターゲット(impdpコマンドが発行されるデータベース)に直接インポートされるため、NETWORK_LINK
パラメータが必要となります。この処理にはダンプ・ファイルは関連しません。また、実際のデータがある場所をインポートが認識できるように、TRANSPORT_DATAFILES
パラメータも指定する必要があります(実際のデータは、他の手段を使用した別の操作でターゲットにコピーされます)。
注意:
トランスポータブル表領域モード・エクスポートによって生成されたダンプ・ファイル・セットがすでにある場合、そのダンプ・ファイルのトランスポータブル・モード・インポートを実行できますが、この場合TRANSPORT_TABLESPACES
またはNETWORK_LINK
を指定しません。指定するとエラーが発生します。かわりに、(メタデータを含んでいる)ダンプ・ファイルとTRANSPORT_DATAFILES
パラメータを指定します。TRANSPORT_DATAFILES
パラメータが存在することで、これがトランスポータブル・モード・インポートであることと、実際のデータを取得する場所がインポートに通知されます。
トランスポータブル・ジョブを実行する場合、ベスト・プラクティスは、インポート・ジョブがターゲット・システムで正常に完了するまで、ソース・システムにデータ・ファイルのコピーを保持することです。インポート・ジョブがなんらかの理由で失敗しても、破損していないデータ・ファイルのコピーが残ります。
制限事項
トランスポータブル表領域をエクスポートした後、それよりも古いリリース・レベルのデータベースにインポートすることはできません。インポート先のターゲット・データベースのリリース・レベルは、ソース・データベース以上である必要があります。
TRANSPORT_TABLESPACES
パラメータは、NETWORK_LINK
パラメータも指定されている場合のみ有効です。
トランスポータブル・モードは、暗号化された列をサポートしていません。
TRANSPORT_TABLESPACES
パラメータを使用してトランスポータブル表領域インポートを実行するには、COMPATIBLE
初期化パラメータを11.0.0以上に設定する必要があります。
オペレーティング・システムによっては、このパラメータの値を指定するときに引用符とともにエスケープ文字を使用する必要があります。このパラメータはパラメータ・ファイルで指定することをお薦めします。パラメータ・ファイルを使用すると、コマンドラインでは必要なエスケープ文字の数を減らすことができます。
トランスポータブル表領域のジョブでは、データ・ポンプ・インポートのACCESS_METHOD
パラメータはサポートされません。
例
次の例では、source_database_link
を有効なデータベース・リンクの名前に置き換えます。また、この例では、tbs6.dbf
というデータ・ファイルが、ソース・データベースからローカル・システムにすでにコピーされているものとします。次の内容のパラメータ・ファイルtablespaces.par
を作成したとします。
DIRECTORY=dpump_dir1
NETWORK_LINK=source_database_link
TRANSPORT_TABLESPACES=tbs_6
TRANSPORT_FULL_CHECK=NO
TRANSPORT_DATAFILES='user01/data/tbs6.dbf'
次のコマンドを発行します。
> impdp hr PARFILE=tablespaces.par
関連項目:
データベース・リンクの詳細は、Oracle Database管理者ガイドを参照してください。
ソース・システムにデータ・ファイルのコピーを保持することがベスト・プラクティスである理由の詳細は、「データ・ファイル・コピーを使用したデータ移動」を参照してください