全体インポートは、FULL
パラメータを使用して指定します。全体インポート・モードでは、ソース(ダンプ・ファイル・セットまたは別のデータベース)の全内容がターゲット・データベースにロードされます。これは、ファイル・ベース・インポートのデフォルトです。ソースが、自分のスキーマ以外のスキーマを含む別のデータベースである場合、DATAPUMP_IMP_FULL_DATABASE
ロールを持っている必要があります。
権限のないユーザーの場合、相互スキーマ参照はインポートされません。たとえば、インポートを実行するユーザーのスキーマ内の表にトリガーが定義されていても、そのトリガーが別のユーザーのスキーマに存在している場合はインポートされません。
NETWORK_LINK
パラメータを完全インポートに使用する場合は、ターゲット・データベースではDATAPUMP_IMP_FULL_DATABASE
ロールが必要で、ソース・データベースではDATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE
ロールが必要です。
全体モード・インポート時のトランスポータブル・オプションの使用
全体モード・インポート時にトランスポータブル・オプションを使用して、全体トランスポータブル・インポートを実行できます。
ネットワーク・ベースの全体トランスポータブル・インポートでは、FULL=YES
、TRANSPORTABLE=ALWAYS
およびTRANSPORT_DATAFILES=
datafile_name
パラメータを使用する必要があります。
ファイル・ベースの全体トランスポータブル・インポートでは、TRANSPORT_DATAFILES=
datafile_name
パラメータのみを使用する必要があります。データ・ポンプ・インポートでは、TRANSPORTABLE=ALWAYS
およびFULL=Y
パラメータの存在が推測されます。
全体トランスポータブル・インポートを実行する場合、次のようないくつかの要件があります。
同時にNETWORK_LINK
パラメータを指定するか、エクスポート中にインポート対象のダンプ・ファイル・セットがトランスポータブル・オプションを使用して作成されている必要があります。
ネットワーク・リンクを使用する場合、NETWORK_LINK
パラメータで指定されているデータベースはOracle Database 11gリリース2 (11.2.0.3)以上であり、データ・ポンプのVERSION
パラメータは12以上に設定されている必要があります。(ネットワーク・インポート以外では、ダンプ・ファイルから暗黙的にVERSION=12
が決定されます。)
ソース・プラットフォームとターゲット・プラットフォームのエンディアンが異なる場合、転送するデータを変換してターゲット・プラットフォームの形式にする必要があります。DBMS_FILE_TRANSFER
パッケージまたはRMAN
CONVERT
コマンドを使用してデータを変換できます。これらのオプションの使用方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
ソース・プラットフォームとターゲット・プラットフォームのエンディアンが同じではない場合、暗号化された表領域の全体トランスポータブル・インポートは、ネットワーク・モードまたはダンプ・ファイル・モードでサポートされません。
全体トランスポータブル・インポートを使用してネットワークを介してデータベースを転送する場合、管理表領域(SYSTEM
やSYSAUX
など)に存在するLONG
またはLONG
RAW
列を含む表は、サポートされません。
全体トランスポータブル・インポートを使用してネットワークを介してデータベースを転送する場合、監査証跡情報自体がユーザー定義の表領域に格納されていると、管理表領域(SYSTEM
やSYSAUX
など)に格納された表に対して監査を有効にすることはできません。
関連項目:
全体トランスポータブル・インポートの詳細な例は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。
インポートの「FULL」パラメータ
インポートの「TRANSPORTABLE」パラメータ