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Oracle® Databaseアップグレード・ガイド
12cリリース1 (12.1)
B71306-08
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Oracle Databaseアップグレード・ガイドのこのリリースでの変更

Oracle Databaseの新しいリリースでは、パフォーマンス、自動化およびレポート作成のアップグレードに対する改善が提供されています。

ここでは、次の項目について説明します。

新機能

Oracle Database 12cには、多くの新しい機能が含まれており、その一部はアップグレードに直接影響します。アップグレード処理の新しい機能を次に示します。


関連項目:

Oracle Database 12cの新機能の詳細は、『Oracle Database新機能ガイド』を参照してください。

アップグレード前情報ツール

Oracle Database 12cでは、新しいアップグレード前情報ツールが作成されています。この新しいユーティリティによって、アップグレードの前と後の両方に存在する可能性のある問題に対処するための修正スクリプトが提供されます。Database Upgrade Assistant (DBUA)およびアップグレード前情報ツールは、アップグレードするデータベースの詳細なチェックを行い、問題が発見されるとそれを修正するための特別なスクリプトが生成されます。

アップグレード前フェーズで、修正スクリプトを対話形式で実行して、検出された問題を解決できます。アップグレード後修正スクリプトは、アップグレード処理の結果に応じて生成されます。クリティカルな問題が発見されると、DBUAによって適切なスクリプトの実行が要求されます。

データベースのアップグレードでのパラレル処理

Oracle Database 12cでは、catupgrd.sqlアップグレード・ユーティリティがcatctl.plパラレル・アップグレード・ユーティリティで置き換えられました。アップグレード・スクリプトおよび処理を並行して実行できるため、CPU性能を最大限に活用してアップグレード時間が短縮されます。データベースのアップグレードを、パラレル・モードまたはシリアル・モードで実行することを選択できます。以前のリリースでは、シリアル・モードのみが使用でき、これは、使用可能なCPU性能に関係なく、アップグレード・スクリプトと処理が順番に実行されることを意味します。

Database Upgrade Assistant (DBUA)はパラレル・アップグレード・ユーティリティを最大限に活用し、DBUAはデフォルトでパラレル・アップグレード・モードで実行されます。パラレル処理では、データベースが存在するシステムのCPUのパワーを最適に使用することによって、データベース・アップグレードの時間が短縮されます。

アップグレード処理中にDBUAの再起動が可能

このリリースには、アップグレード中の障害からのリカバリ用や障害が発生した時点からのアップグレードの再開用の、より多くのオプションがあります。たとえば、Oracle Database 12cでOracle Recovery Manager (RMAN)サポートおよび保証付きリストア・ポイント機能が導入されました。DBUAで検出された問題を修正して、アップグレード処理に戻ることができます。

  • アップグレード処理を追跡する実績ロギングを使用することで、アップグレードが失敗した場合にデータベースをリストアするための保証付きリストア・ポイントを使用するためのオプションがあります。DBUAによってリストア・ポイントが自動的に作成されます。

    • DBUAのアップグレード前手順(バックアップおよびリストア、リスナー移行を含む)でエラーが発生した場合、DBUAを再起動できます。

    • エラーの発生が原因でアップグレード後手順が失敗した場合は、アップグレードを終了するための手動手順がDBUAによって表示されます。アップグレード後手順が停止した場合、保存されたアップグレード後手順を遅延して、アップグレードを手動で終了できます。アップグレード後手順には、データの移動、移行後の処理、タイム・ゾーン・ファイルのアップグレードまたはOracle Enterprise Managerの構成が含まれます。

  • アップグレードが失敗した場合にデータベースをリストアするためにOracle RMANを使用するオプションは、このリリースで改善されています。このような場合、DBUAを使用することで、自身のバックアップからデータベースをリストアすることが可能です。

  • RMANバックアップを使用すると、Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)を使用するデータベースのバックアップがDBUAでサポートされます。

拡張されたアップグレード前およびアップグレード後のサマリー・レポート

DBUAではアップグレードの前後にHTMLレポートが生成されます。これらのレポートにはコンポーネントのステータスが含まれ、さらに問題を修正するためのアクションを使用できる可能性のある無効なオブジェクトを含む、データベース・オブジェクトまでドリルダウンする機能が提供されます。

Oracle Grid Infrastructureのアップグレードの拡張機能

Oracle Database 12cでのOracle Grid Infrastructureのアップグレードには、rootスクリプトの自動化プロシージャ、フル・リリース・アップグレードおよびパッチ・アップグレードを実行するための改善された機能および改善された安定性と使い勝手のよさを提供するためのステータス・チェックおよびアップグレード・チェックポイントに対する拡張が含まれています。


関連項目:

Oracle Grid Infrastructureのアップグレードの詳細は、ご使用のオペレーティング・システムの『Oracle Grid Infrastructureインストレーション・ガイド』を参照してください。

プラガブル・データベース

プラガブル・データベース(PDB)は、Oracle Database 12cの新機能です。Oracle Databaseは、マルチテナント・アーキテクチャを使用しているため、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)を構成したり、1つのPDBを含めることができます。Oracle Multitenantオプションを購入すると、CDB内に複数のPDBを含めることができます。マルチテナント・アーキテクチャの主な利点の1つは、CDBに対してアップグレードまたはパッチを適用でき、そのアップグレードやパッチがそのCDB内のすべてのPDBに実装されることです。これによってアップグレードの管理が非常に容易になります。


関連項目:

PDBを使用する際の概要およびドキュメント・ロードマップについては、『Oracle Database概要』を参照してください。

アップグレード時のOracle XML Databaseのインストール

Oracle XML Database (Oracle XML DB)は、Oracle Databaseの必須コンポーネントになりました。これをアンインストールすることはできず、新しいデータベースの作成時にこれを含まないためのオプションはありません。アップグレード時にOracle XML DBが見つからない場合、Oracle XML DBはSYSAUX表領域に自動的にロードされます。アップグレードされたOracle DatabaseにはOracle XML DBが含まれます。


関連項目:

Oracle XML DBの新機能の詳細は、『Oracle XML DB開発者ガイド』を参照してください。

非推奨となった機能

アップグレード処理に直接影響する非推奨になった1つ以上の機能に加え、このリリースには、Oracle Databaseの様々な機能の非推奨とそれらの機能に対する代替機能が含まれています。

サポートが終了した機能

Oracle Database 12cでサポートが終了した機能の包括的なリストは、第8章「Oracle Database 12cでの非推奨となった機能とサポートが終了した機能」に記載されています。データベース環境に影響する変更について、この章全体を確認することをお薦めします。