プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
次

ベスト・プラクティス7: すべての表領域は同等に処理されない

バックアップおよびリカバリという観点で見ると、データ・ウェアハウス内のすべての表領域が同等に重要だということはありません。データベース管理者は、この情報に基づいて、より効率的なバックアップおよびリカバリ計画を必要に応じて考案できます。バックアップおよびリカバリの基本粒度は表領域なので、異なる表領域には異なるバックアップおよびリカバリ計画が存在する可能性があります。

最も基本的なレベルでは、一時表領域はバックアップする必要がありません(RMANにより規定されるルール)。さらに、一部のデータ・ウェアハウスでは専用のスクラッチ表領域があり、ユーザーが一時的な表や増分結果を格納できます。このような表領域は明示的な一時表領域ではありませんが、本質的には一時表領域として機能します。業務要件によっては、このような表領域をバックアップしてリストアする必要がないこともあります。かわりに、このような表領域に損害が発生した際には、ユーザーが自らのデータ・オブジェクトを再作成します。

データ・ウェアハウスの多くは、その他のデータより重要な一部データを持っています。たとえば、データ・ウェアハウス内の売上データは非常に重要で、リカバリの段階では、このデータはできるだけ早くオンラインにする必要があります。ただし、同じデータ・ウェアハウスにおいて、企業Webサイトのクリックストリーム・データを格納する表は業務にとってそれほど重要ではありません。業務の面では、このデータが数日間オフラインになっていても許容されます。つまり、データベース・ファイルが損失した場合に、クリックストリーム・データが数日間なくても問題ありません。このシナリオでは、売上データを含む表領域は頻繁にバックアップする必要があるが、クリックストリーム・データを含む表領域のバックアップは1週間もしくは2週間に1回ですみます。

最も単純なバックアップおよびリカバリ・シナリオでは、データベースのすべての表領域を同じように扱いますが、Oracle Databaseでは、DBAが必要に応じて表領域ごとにバックアップおよびリカバリ・シナリオを調整できるような柔軟性を備えています。