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Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
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データ・ウェアハウスの特性

データ・ウェアハウスとOLTPシステムには次のような4つの違いがあり、バックアップとリカバリに大きく影響します。

  1. 通常、データ・ウェアハウスはOLTPシステムよりもかなり大規模です。数十TBを超えるデータ・ウェアハウスもまれではなく、最大規模のデータ・ウェアハウスはさらに桁違いの大きさになります。このため、データ・ウェアハウスのバックアップとリカバリではスケーラビリティは特に重要な考慮事項です。

  2. 多くの場合、データ・ウェアハウスの可用性要件はOLTPシステムに比べて低くなります。データ・ウェアハウスがビジネスにとってクリティカルな場合、数TBのデータを数時間でリカバリできるようにするためには、一日かけてリカバリする場合よりもかなりのコストがかかります。データ・ウェアハウスの大部分のリカバリを必要とするような障害は発生する可能性が低いため、組織によっては、バックアップ用のハードウェアやストレージにかける多額の支出を節約できるのであれば、1日以上の停止も容認する場合があります。

  3. 通常、データ・ウェアハウスは、ユーザーが自らデータを変更するOLTPシステムとは異なり、ETL (抽出、変換、ロード)という制御プロセスによって更新されます。データ変更が制御プロセスによって行われるため、多くの場合、データ・ウェアハウスの更新はREDOログ以外のソースからも認識でき再現可能です。

  4. データ・ウェアハウスには履歴情報が含まれます。また、多くの場合、データ・ウェアハウスの古いデータの大部分は静的です。たとえば、あるデータ・ウェアハウスでは売上の履歴データが5年分管理されます。最も新しい年のデータは(返品、決算修正などのために)変更される可能性がありますが、以前の4年分のデータは完全に静的です。静的データの利点は、頻繁にバックアップを行う必要がないことです。

これらの4つの特性は、データ・ウェアハウスに最適なバックアップおよびリカバリ戦略を検討する際の重要な考慮事項です。