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Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
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スケーラビリティ

パーティション化により、データベース・オブジェクトが小さく分割され、管理しやすい小さなオブジェクトへのアクセスが可能になり、データ・ウェアハウスの拡張が推進されます。小さなオブジェクトに直接アクセスすることにより、次のようなデータ・ウェアハウスのスケーラビリティ要件に対処できます。

この項の内容は次のとおりです。

データベース・サイズの拡大

大きいデータベース・オブジェクトを小さく分割する機能によって、大規模データベースの効率的な管理が透過的に簡略化されます。個々のパーティションやサブパーティションを指定して操作することで、大きいデータベース・オブジェクトを管理できます。パーティション化されたオブジェクトの次の利点について考慮してください。

  • 大きなサイズのデータベースを管理する際にも、バックアップおよびリカバリを小さな単位で実行できます。

  • データベース・オブジェクトの一部を圧縮ストレージに配置することができます(それ以外の部分は圧縮しません)。

  • パーティション化により、データを様々なストレージ層で透過的に保持することができ、大容量データを格納するコストを節減できます。詳細は、「時間ベース情報の管理およびメンテナンス」を参照してください。

個々の表の拡大(表の行数の増大)

大きな表のスキャンは小さな表のスキャンに比べて時間がかかります。パーティション表に対する問合せでは、表全体のサイズに比べて小さい、1つ以上のパーティションがアクセスされます。また、問合せは、索引についてのパーティション絞込みを利用できます。索引の一部をディスクから読み取るには、索引全体を読み取るよりも時間がかかりません。ローカル・パーティション索引のようにパーティション化戦略が表と同じ構造の索引は、パーティション単位でアクセスおよびメンテナンスを行うことができます。

問合せ、DMLおよびDDL文の処理速度を上げるためにパラレル実行を使用すると、個別のパーティションに個々のデータセットが存在するメリットが活用されます。個々のパラレル実行サーバーは、パーティション境界ごとに、独自のデータセットを処理します。

システムに問合せを行うユーザーの増加

パーティション化されている状態では、ユーザーは孤立した小さなデータセットを問い合せる可能性が高くなります。その結果、すべてのユーザーが1つの大きなデータセットを問い合せる場合よりも、データベースは結果を速く返せるようになります。データ競合が発生する可能性が低くなります。

複雑な問合せの増加

小さなデータセットを使用すると、複雑な問合せを速く実行することができます。小さなデータセットがアクセスされる場合、複雑な計算はメモリーで処理される可能性が高くなります。これは、パフォーマンスの観点でメリットがあり、アプリケーションのI/O要件が削減されます。大きなデータセットでは、場合によっては問合せを完了するために一時表領域に書き込む必要があり、データベースの記憶域に対して追加のI/Oが発生します。