プライマリ・コンテンツに移動
Oracle® Database VLDBおよびパーティショニング・ガイド
12c リリース1 (12.1)
B71291-10
目次へ移動
目次
索引へ移動
索引

前
次

フル・パーティション・ワイズ結合: コンポジット-単一レベル

この方法は、単一レベル-単一レベル方法の一種です。このシナリオでは、1つの表(通常は大きい方の表)が2つのディメンションでコンポジット・パーティション化され、サブパーティション・キーとして結合列が使用されます。この例ではsales表が、履歴データを格納する表の一般的な例です。レンジ・パーティション化は、履歴情報を格納する表に対して、通常最初に行うパーティション化方法です。

たとえば、sales表を列time_idの範囲によって8個のパーティションにパーティション化するとします。また、2年分のデータがあり、各パーティションは四半期を表します。レンジ・パーティション化のかわりに、コンポジット・パーティション化を使用して、time_idでのパーティション化を維持しながらフル・パーティション・ワイズ結合を有効にすることができます。たとえば、sales表をtime_idの範囲でパーティション化し、各パーティションを16個のサブパーティションを使用してcust_idのハッシュでサブパーティション化します(サブパーティションの合計は128個)。customers表は、16パーティションでのハッシュ・パーティション化を使用できます。

ここで説明した方法を使用すると、フル・パーティション・ワイズ結合は、単一レベル-単一レベルのハッシュ-ハッシュ方法と同様に動作します。また、結合も、両方の表のハッシュ・パーティションの組の間で、16の小規模な結合に分割されます。違いは、sales表の各ハッシュ・パーティションが、各レンジ・パーティションから1つずつ、8つのサブパーティションの集合で構成されているということです。

図3-2は、sales表でハッシュ・パーティション化がどのように実現されるかを示します。各セルがサブパーティションを表します。全体で8個のレンジ・パーティションがあり、各行は1つのレンジ・パーティションに対応します。各レンジ・パーティションには16個のサブパーティションがあります。全体で16個のハッシュ・パーティションがあり、各列は1つのハッシュ・パーティションに対応します。各ハッシュ・パーティションには8個のサブパーティションがあります。ハッシュ・パーティションを定義できるのは、すべてのパーティションに同数のサブパーティション(ここでは16個)がある場合のみです。

ハッシュ・パーティションはコンポジット表では暗黙的に扱われます。ただし、データ・ディクショナリには記録されず、レンジ・パーティションやリスト・パーティションのようにDDLコマンドを使用して処理することはできません。

図3-2 コンポジット表のレンジ・パーティションおよびハッシュ・パーティション

図3-2の説明が続きます
「図3-2 コンポジット表のレンジ・パーティションおよびハッシュ・パーティション」の説明

次の例では、sales表のフル・パーティション・ワイズ結合の実行計画が示されます。この表は、time_idについてレンジ・パーティション化され、cust_idについてハッシュでサブパーティション化されています。

----------------------------------------------------------------------------------------------
| Id  | Operation                            | Name      | Pstart| Pstop |IN-OUT| PQ Distrib |
----------------------------------------------------------------------------------------------
|   0 | SELECT STATEMENT                     |           |       |       |      |            |
|   1 |  PX COORDINATOR                      |           |       |       |      |            |
|   2 |   PX SEND QC (RANDOM)                | :TQ10001  |       |       | P->S | QC (RAND)  |
|*  3 |    FILTER                            |           |       |       | PCWC |            |
|   4 |     HASH GROUP BY                    |           |       |       | PCWP |            |
|   5 |      PX RECEIVE                      |           |       |       | PCWP |            |
|   6 |       PX SEND HASH                   | :TQ10000  |       |       | P->P | HASH       |
|   7 |        HASH GROUP BY                 |           |       |       | PCWP |            |
|   8 |         PX PARTITION HASH ALL        |           |     1 |    16 | PCWC |            |
|*  9 |          HASH JOIN                   |           |       |       | PCWP |            |
|  10 |           TABLE ACCESS FULL          | CUSTOMERS |     1 |    16 | PCWP |            |
|  11 |           PX PARTITION RANGE ITERATOR|           |     8 |     9 | PCWC |            |
|* 12 |            TABLE ACCESS FULL         | SALES     |   113 |   144 | PCWP |            |
----------------------------------------------------------------------------------------------

Predicate Information (identified by operation id):
---------------------------------------------------

   3 - filter(COUNT(SYS_OP_CSR(SYS_OP_MSR(COUNT(*)),0))>100)
   9 - access("S"."CUST_ID"="C"."CUST_ID")
  12 - filter("S"."TIME_ID"<=TO_DATE(' 1999-10-01 00:00:00', 'syyyy-mm-dd hh24:mi:ss') AND 
"S"."TIME_ID">=TO_DATE(' 1999-07-01
              00:00:00', 'syyyy-mm-dd hh24:mi:ss'))

注意:

Rows列、Cost (%CPU)列、Time列およびTQ列は、この例の計画表の出力では削除されています。

コンポジット-単一レベルのパーティション化が効率的なのは、あるディメンションではプルーニングを行い、別のディメンションではフル・パーティション・ワイズ結合を行えるためです。前述の問合せの例では、1999年の第3四半期に相当するサブパーティション(図3-2の3番目の行)のみをスキャンして、プルーニングが実現されます。Oracleによって、フル・パーティション・ワイズ結合が使用され、これらのサブパーティションがcustomer表と結合されます。

単一レベル-単一レベルのパーティション・ワイズ結合のすべての特性は、コンポジット-単一レベルのパーティション・ワイズ結合にも該当します。特に、この例では、2つの方法は次の2つの点で共通しています。