パラレルDMLが役立つのは、大容量オブジェクトにアクセスする際のパフォーマンスとスケーラビリティが重要になる意思決定支援システム(DSS)環境です。パラレルDMLは、DSSデータベースのための問合せ機能と更新機能の両方を提供し、パラレル問合せを補います。
並列処理の設定に伴うオーバーヘッドのため、パラレルDML操作は短時間のOLTPトランザクションでの実行には適していません。ただし、パラレルDML操作を使用してOLTPデータベースでのバッチ・ジョブの実行を高速処理することができます。
パラレルDMLが使用されるシナリオの一部を次に示します。
DSS環境では、多くのアプリケーションで、多数の大容量中間サマリー表の作成や操作を行う複雑な計算が必要です。このようなサマリー表は多くの場合は一時的に使用され、ロギングする必要がないものが大半です。パラレルDMLを使用すると、このような大容量中間表に対する操作が高速化されます。メリットの1つは、増分結果を中間表に格納して、パラレル更新を実行できることです。
また、サマリー表には、アプリケーション・セッションが終了しても保存する必要がある累積情報または比較情報が含まれる場合もあります。つまり、一時表は使用できません。パラレルDML操作を使用すると、このような大容量サマリー表に対する変更が高速化されます。
多くのDSSアプリケーションは、一連の基準に基づいて定期的に顧客をスコアリングしています。通常、スコアは大容量のDSS表に格納されます。その後、スコア情報は意思決定(たとえばメーリング・リストへの指定)で使用されます。
このようなスコアリング・アクティビティでは、表の多数の行の問合せと更新が行われます。パラレルDMLを使用すると、このような大容量表に対する操作が高速化されます。