たとえば、例3-4に示すように、sales表とcustomer表の列cust_id
による大規模な結合について考えてみます。「1999年の第3四半期に品物の購入数が100を超えたすべての顧客のレコードを検索する」という問合せは、このような結合を実行するSQL文の典型的な例です。
このような大規模な結合は、データ・ウェアハウス環境ではよく行われます。この場合、customer表全体が1四半期分のsalesデータに結合されます。大規模なデータ・ウェアハウス・アプリケーションの場合には、数百万行の結合を意味することもあります。ここは明らかにハッシュ結合が使用されます。両方の表がcust_id
列で同一レベル・パーティション化されている場合は、このハッシュ結合の処理時間をさらに短縮できます。この機能によりフル・パーティション・ワイズ結合が使用可能になります。
フル・パーティション・ワイズ結合をパラレルで実行するとき、パラレル化のグラニュルはパーティションです。このため、並列度はパーティション数に制限されます。たとえば、問合せの並列度を16に設定するには少なくとも16のパーティションが必要です。
例3-4 フル・パーティション・ワイズ結合による問合せ
SELECT c.cust_last_name, COUNT(*) FROM sales s, customers c WHERE s.cust_id = c.cust_id AND s.time_id BETWEEN TO_DATE('01-JUL-1999', 'DD-MON-YYYY') AND (TO_DATE('01-OCT-1999', 'DD-MON-YYYY')) GROUP BY c.cust_last_name HAVING COUNT(*) > 100;