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Oracle® Business Intelligence Applications管理者ガイド
11gリリース1 (11.1.1.8.1)
E56354-01
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3 Oracle Business Intelligenceのデプロイメントのローカライズ

この章では、Oracle Business Intelligence Applicationsのローカライズの概念と手法について説明します。Oracle Business Intelligenceは、ユーザーが優先言語とロケールのプリファレンスを動的に変更できるように設計されています。この項では、英語以外の1つ以上の言語環境でデプロイメントするようにOracle BI Applicationsを構成する方法を説明します。

この章の内容は次のとおりです。

3.1 Oracle BI EE用翻訳表のメンテナンスのプロセス

Oracle Business Intelligenceの「プレゼンテーション」レイヤーでは、任意の列名に対して複数の翻訳がサポートされています。Oracle BI Answersを操作したり、ダッシュボードをレンダリングする際に、ユーザーはそれぞれのローカル言語でレポートに文字列を表示します。たとえば、英語を話すユーザーやフランス語を話すユーザーは、それぞれのローカル言語でレポートに文字列を表示します。Oracle Business Intelligenceでは翻訳が必要なアプリケーション文字列は、次の2種類があります。

この処理には次の作業が含まれます。

3.1.1 英語以外のロケールに対するOracle Business Intelligenceシード・データのアップグレード

デプロイメントのOracle Business Intelligenceデータが、英語以外の言語で表示される場合、次の手順を実行する必要があります。

  1. 翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)および対応する索引の作成を確認します(第3.1.1.1項「翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)および対応する索引の確認」を参照)。

  2. ロケール・シード・データをW_LOCALIZED_STRING_G表にインポートします(第3.1.1.2項「翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)へのロケール・シード・データのインポート」を参照)。

  3. セッション・レベルで初期化ブロックを作成してLOCALE変数を設定します。

    たとえば、次の手順を実行します。

    1. Oracle BI EE Administration Toolで、「管理」→「変数」を選択し、「変数マネージャ」ダイアログを開きます。

    2. 「アクション」メニューから、「新規」→「セッション」→「初期化ブロック」を選択します。

    3. 「セッション変数初期化ブロック」ダイアログで、ブロックの名前を入力します。たとえば、「LOCAL_INIT_BLOCK」と入力します。

    4. 「データ・ソースの編集」ボタンをクリックします。

    5. 「デフォルトの初期化文字列」ボックスで、SQL初期化文字列を入力します。たとえば、次のように入力します。

      select 'VALUEOF(NQ_SESSION.WEBLANGUAGE)' from VALUEOF(OLAPTBO).DUAL

    6. 「接続プール」フィールドの隣の「参照」をクリックし、適切な接続プールを選択します。たとえば、"Oracle EBS OLTP"、"Oracle EBS OLTP InitBlocks Connection Pool"を選択します。

    7. 「変数マネージャ」ダイアログで、「セッション」→「変数」→「非システム」に移動します。

    8. LOCAL変数をダブルクリックして、「セッション変数」ダイアログを開きます。

    9. 「セッション変数」ダイアログで、「初期化ブロック」リストを使用して、新しい初期化ブロック(LOCAL_INIT_BLOCKなど)を選択します。

3.1.1.1 翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)および対応する索引の確認

翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)および対応する索引を確認するには:

  1. Oracle Business Analytics WarehouseにW_LOCALIZED_STRING_G表が含まれていることを確認します。

  2. DACで次の索引の定義を検索し、それらをOracle Business Analytics Warehouseに手動で作成します。

    • W_LOCAL_STRING_G_U1

    • W_LOCAL_STRING_G_P1

    • W_LOCAL_STRING_G_M1

    • W_LOCAL_STRING_G_M2

注意: 表内のデータを誤って複製することを防ぐため、次の項においてロケール・シード・データをインポートする前に、これらの索引をW_LOCALIZED_STRING_Gに追加することをお薦めします。

3.1.1.2 翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)へのロケール・シード・データのインポート

使用されているプライマリ言語が英語ではない場合、(使用する言語の数に応じて)追加のロケール・シード・データをインポートする必要がある場合があります。この処理は、ユーザーがWebクライアントで使用する各言語に対して、一度ずつ実行する必要があります。

注意

  • この手順はBI管理者のみが実行する必要があります。

  • この作業を実行するには、dataimpユーティリティが必要です。これは、32ビット版オペレーティング・システムでのみ使用できます。

  • Oracle Business Intelligence Applicationのインストール中に、ORACLE_HOME\biapps\seeddataという名前のディレクトリが作成されます。ここには、言語ごとにサブディレクトリがあります。各言語サブディレクトリ内部に、.datファイル(インポート対象データ)と.inpファイル(インポートを制御するWHERE句)があります。

ロケール・シード・データを翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)にインポートするには:

  1. コマンド・ウィンドウを開き、ORACLE_HOME\biapps\seeddata\binディレクトリに移動します。

  2. 次の接続パラメータをデータベース環境に適した値に置換してから、手順3のインポート・コマンドを実行します。

    • UserName

    • Password

    • ODBCDataSource

    • DatabaseOwner

  3. 次のインポート・コマンドを実行します。

    ORACLE_HOME\biapps\seeddata\Bin\dataimp /u $UserName /p $Password /c "$ODBCDataSource" /d $DatabaseOwner /f ORACLE_HOME\biapps\seeddata\l_<XX>\analytics_seed_<XXX>.dat /w y /q 100 /h Log /x f /i ORACLE_HOME\biapps\seeddata\l_<XX>\metadata_upgrade_<XXX>_<DBPlatform>.inp /l metadata_upgrade_<XXX>.log
    

    注意:

    XXは2文字のOracle Business Intelligence言語コード(fr、it)に置換し、XXXは3文字のSiebel Systemsコード(FRA、ITA)に置換します。


  4. ロケール・シード・データを翻訳表(W_LOCALIZED_STRING_G)にインポートする作業が終了したら、Oracle BI Administration Toolを使用してOracle BI Repositoryの初期化ブロックを構成し、この表が存在するデータベースに接続します。


    注意:

    Unicode接続は、Unicodeをサポートしていないデータベースにアクセスするために使用できます。


3.1.2 顧客のメタデータ文字列の外部化

メタデータ文字列は、Oracle BI Serverによりデータベース表からロードされます。Oracle Business Intelligenceアプリケーションの場合、この表はデータ・ウェアハウスにあるW_LOCALIZED_STRING_Gです。「Externalize Metadata Strings」という初期化ブロックによりサーバーの文字列がロードされます。この初期化ブロックが正常に実行することを確認するためのテストを実行することをお薦めします。翻訳表の例を、表3-1に示します。

表3-1 W_LOCALIZED_STRING_G翻訳表の例

MSG_NUM MSG_TEXT LANG_ID

CN_Customer_Satisfaction

Customer Satisfaction

ENU

CN_Customer_Satisfaction

Kundenzufriedenheit

DEU

CN_Customer_Satisfaction

Satisfação do cliente

PTB


デフォルトでは、Oracle Business Intelligenceリポジトリは英語でのみ実行するように構成されています。他の言語でデプロイするには、次の手順に従ってメタデータ文字列を外部化する必要があります。

メタデータ文字列をOracle Business Intelligenceリポジトリで外部化するには:

  1. Oracle BI Serverを停止します。

  2. Oracle BI Administration Toolをオフライン・モードで使用して、OracleBIAnalyticsApps.rpdを開きます。

  3. 「プレゼンテーション」レイヤー全体を選択し、マウスを右クリックしてメニューを表示します。

    • ポップアップ・メニューから、「表示名の外部化」を選択します。(次回「プレゼンテーション」レイヤーを右クリックした際、このオプションの横にチェック・マークが表示されます。)

    • 「プレゼンテーション」レイヤーの選択を解除します。


      注意:

      「表示名の外部化」を選択すると、すべてのメタデータ文字列がデータ・ウェアハウス内のW_LOCALIZED_STRING_G表から読み取られます。


  4. 「物理」レイヤーで、「外部化されたメタデータ文字列」データベース・アイコンを選択します。ツリーを開きます。

  5. 「内部システム接続プール」をダブルクリックします。

    「接続プール」ダイアログの「一般」タブで、「データ・ソース名」フィールドがデータ・ウェアハウスを指すようにします。

  6. 「OK」をクリックしてOracle BI Administration Toolを終了します。

  7. Oracle BI Serverを再起動します。

3.1.3 W_LOCALIZED_STRING_G表へのカスタム翻訳の追加

カスタム・オブジェクトをメタデータに追加し、これらのオブジェクトを外部化することを選択した場合(オブジェクトを右クリックして「表示名の外部化」オプションを選択)、Oracle BI ServerはW_LOCALIZED_STRING_G表で翻訳(母国語を含む)を検索します。

表示名を外部化しない場合、次の手順を実行する必要はありません。


注意:

「プレゼンテーション」レイヤーのカスタム・オブジェクトは、メタデータの母国語(新しいオブジェクトの追加対象言語)でのみ表示されます。


3.1.3.1 Analyticsメタデータに対する文字列翻訳の追加

次に示す手順では、Oracle Business Intelligenceメタデータの文字列翻訳をW_LOCALIZED_STRING_G表に追加する方法について説明します。この作業は、任意データベース管理ツールとOracle BI Administration Toolで実行します。

Analyticsメタデータの文字列翻訳を追加するには:

  1. データベース管理ツールを起動し、データ・ウェアハウス・データベースに接続します。

  2. W_LOCALIZED_STRING_Gという名前の表を問合せます。次の手順4から8で示すように、新しいレコードをこの表に追加します。

  3. 次の手順を実行して、Oracle BI Administration Toolからメッセージ・キーを取得します。

    • Oracle BI Administration Toolで、「プレゼンテーション」レイヤーの新しいメタデータ・オブジェクトを右クリックして、メニューから「プロパティ」を選択します。

    • メッセージ・キーが「カスタム表示名」の下のダイアログに表示されます。メッセージ・キーは、CN_で始まる部分です。

      たとえば、「プレゼンテーション」レイヤーで「パイプライン」カタログ・ディレクトリをダブルクリックします。「カスタム表示名」は、Valueof(NQ_SESSION.CN_Pipeline)です。CN_Pipelineがメッセージ・キーになります。

  4. 新しいレコードにデプロイメント言語を入力します

  5. 必須のメッセージ・タイプ(たとえば、Metadata、FINS_Metadata)を入力します。

  6. メッセージ・レベルAnalyticsNewを選択し、次の手順を実行します。

    • 「メッセージ・テキスト」列で、オブジェクトの翻訳を追加します。

    • 「翻訳」列および「アクティブ」列のフラグを選択します(「はい」に設定)。

    • 「エラー・メッセージ: #」列を0に設定します。

  7. 必須のメッセージ機能(たとえば、HMF、FIN)を入力します。

  8. 新しいメタデータ・オブジェクト文字列ごとに、手順3から7を繰り返します。

  9. データベース管理ツールを終了し、Oracle BI Serverを再起動します。

3.2 Presentation Services文字列の翻訳について

Presentation Servicesオブジェクトの翻訳(レポートやページの名前など)は、ORACLE_HOME\biapps\catalog\res\web\l_<Language Abbreviation>\Captionsディレクトリで使用可能なxxxCaptions.xmlファイルに格納されます。複数言語デプロイメント・モードでは、レポートや新しいダッシュボード・ページなどのPresentation Servicesオブジェクトを追加する場合は、適切な翻訳も追加する必要があります。Catalog Managerツールを使用して翻訳を追加します。このユーティリティを使用する方法の詳細は、『Oracle Business Intelligence Presentation Services管理ガイド』を参照してください。

3.3 Analyticsアプリケーションのデフォルト通貨の変更

Oracle Business Intelligence Applicationsでは、ドル記号が金額のデフォルト記号として表示される場合があります。この動作を変更するには、次の手順を使用してcurrencies.xmlファイルを編集する必要があります。currencies.xmlファイルは、次のディレクトリにあります。

Analyticsアプリケーションのデフォルト通貨を変更するには:

  1. テキスト・エディタでcurrencies.xmlファイルを開きます。

  2. ウェアハウスのデフォルトで通貨タグ(tag="int:wrhs")を検索します。

    <Currency tag="int:wrhs" type="international" symbol="$" format="$#" digits="2"
    displayMessage="kmsgCurrencySiebelWarehouse">
       <negative tag="minus" format="-$#" />
    </Currency>
    
  3. ウェアハウスのデフォルトにおける記号、フォーマット、桁、負に関連する情報を、デフォルトとして使用する通貨タグの情報で置換します。

    たとえば、日本円をデフォルトにする場合、ウェアハウスのデフォルト通貨タグの内容を、日本円通貨のタグ(tag="loc:ja-JP")の値に置換します。

    <Currency tag="loc:ja-JP" type="local" symbol="¥" locale="ja-JP" format="$#"
    digits="0">
       <negative tag="minus" format="-$#" />
    </Currency>
    

    作業を終了すると、日本円のデフォルト・ウェアハウス通貨タグは、次のようになります。

    <Currency tag="int:wrhs" type="international" symbol="¥" format="$#" digits="0"
    displayMessage="kmsgCurrencySiebelWarehouse">
       <negative tag="minus" format="-$#" /> 
    </Currency>
    
  4. currencies.xmlファイルを保存して閉じます。