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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.10 for Linux x86-64
B69545-11
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6 Oracle Database ApplianceでのOracle Databaseの管理

この章では、Oracle Database ApplianceでOracle Databaseの管理タスクを実行する方法について説明します。この章で説明するタスクは次のとおりです。

Oracle Databaseの管理および維持

Oracle Database ApplianceでのOracle Database管理に関連するタスクの多くは、他のハードウェア上で同様のデータベースを管理する場合と基本的には同じです。基礎となるバックグラウンド情報は、サーバー・テクノロジのドキュメント・ライブラリ(http://st-doc.us.oracle.com/)で、次のマニュアルを参照してください。

  • Oracle Database管理の概要は『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照

  • Oracle Databaseの概要は『Oracle Database概要』を参照


関連項目:

『Oracle Database管理者ガイド』

『Oracle Database 2日でデータベース管理者』

『Oracle Database 2日でReal Application Clustersガイド』

『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』

詳細は、参照してください。


Oracle Enterprise Manager Database Control

データベースを管理する主要なツールはWebインタフェースであるOracle Enterprise Manager Database Control (Database Control)です。Oracle Databaseをインストールし、データベースを作成またはアップグレードしてネットワークを構成した後で、Database Controlを使用してデータベースを管理します。また、Database Controlは、パフォーマンス・アドバイザ用およびSQL*Loader、Recovery Manager (RMAN)などのOracle Databaseユーティリティ用のインタフェースも提供します。


関連項目:

Database Controlの概要は『Oracle Database 2日でデータベース管理者』を参照

SQL*LoaderおよびRecovery Manager

既存のデータベースからOracle Database Applianceにデータをロードまたは移行する場合は、次を参照してください。

  • データ・ロードの詳細は『Oracle Databaseユーティリティ』を参照

  • Oracle Automatic Storage Management (Oracle ASM)へのデータの移行方法の概要は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』のRMANを使用したOracle ASMデータ移行の実行に関する項を参照

RMANユーティリティはOracle Database Applianceでデータベースをバックアップおよびリカバリする場合にも使用します。


関連項目:

  • 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』

  • 『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・リファレンス』


Oracle Clusterware

Oracle Clusterwareでは、Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC)に必要なクラスタ・テクノロジが提供されます。さらに、Oracle Clusterwareでは、アプリケーションおよびプロセスはOracle Clusterwareに登録するリソースとして管理されます。アプリケーションを管理するためにOracle Clusterwareに登録するリソースの数は、アプリケーションによって異なります。1つのプロセスでのみ構成されるアプリケーションは、ほとんどの場合、1つのリソースでのみ表されます。複数のプロセスまたはコンポーネント上に構築されたより複雑なアプリケーションでは、複数のリソースが必要な場合があります。


関連項目:

Oracle Clusterwareを使用したアプリケーションの可用性の向上の詳細は『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』を参照

Oracle RAC One Node

Oracle RAC One Nodeは、クラスタ内の1つのノードで実行されるOracle RACデータベースのシングル・インスタンスです。インスタンスを停止および起動するかわりに、Oracle RAC One Nodeのオンライン・データベース再配置機能を使用して、Oracle RAC One Nodeインスタンスを別のサーバーに再配置できます。

Oracle RAC One Nodeデータベースの管理は、Oracle RACまたはシングル・インスタンスのOracle Databaseとは若干異なります。管理者管理型のOracle RAC One Nodeデータベースでは、一方のノードが主要ノードで、もう一方のノードが候補ノードになり、主要ノードがエラーになったりメンテナンスのために停止した場合にサービスを引き受けることができます。ノード、データベースおよびデータベース・サービスは汎用サーバー・プールに格納されます。


関連項目:

Oracle RAC One Nodeの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照

Oracle Real Application Clusters

Oracle Real Application Clusters(Oracle RAC)は、2つ以上の個々のコンピュータをリンクして1つのシステムとして機能させるテクノロジです。Oracle Database Appliance上にデプロイされたOracle RACによって、各ノードはデータベースへのアクセスを共有できます。一方のノードがエラーまたはオフラインになっても、もう一方のノードは引き続き稼働し、Oracle RACデータベース全体が使用可能なままになります。各ノードは、1つのコンピュータとしてアプリケーションに表示されます。


関連項目:

Oracle RACの管理の詳細は『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』を参照

Oracle Database Applianceでは現在、DBAによってデータベースの各インスタンスがクラスタ内の特定のノードに割り当てられる管理者管理型データベースのみがサポートされています。ポリシー管理型データベースでは、データベース・インスタンスが稼働するノードではなく、要求されたインスタンスの数がDBAによって定義されるため、Oracle Database Applianceでは利用できません。

管理者管理データベースのデータベース・リソースを確認すると、そのOracle Databaseと同じ名前で定義されたサーバー・プールが表示されます。このサーバー・プールは、Oracleで定義される特別なサーバー・プールの一部で、Genericと呼ばれます。Oracle RACは、Genericサーバー・プールを管理して管理者管理データベースをサポートします。サーバー制御ユーティリティ(SRVCTL)またはOracle Database Configuration Assistant (DBCA)を使用して管理者管理型データベースを追加または削除すると、Oracle RACは汎用のメンバーであるサーバー・プールを作成または削除します。SRVCTLまたはOracle Clusterware Control (CRSCTL)ユーティリティ・コマンドを使用して、汎用サーバー・プールを変更することはできません。


関連項目:

  • 『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』

  • 『Oracle Real Application Clusters管理およびデプロイメント・ガイド』


Oracle Grid Infrastructureの管理グループおよびユーザー

構成時に、Oracle Database Applianceに2つの管理アカウントが作成されます。そのうち、ユーザーgrid (UID 1000)はOracle Grid Infrastructureインストール所有者で、ユーザーoracle (UID 1001)はOracle Databaseインストール所有者です。

gridユーザーは次のグループのメンバーです。

  • Oracle ASMシステム・アクセス権限グループ

    • asmadmin、GID 1006

    • asmdba、GID 1004

    • asmoper、GID 1005

  • Oracle Databaseシステム権限グループ

    • racoper、GID 1003 (OPERデータベース・システム権限)

    • oinstall、GID 1001 (Oracleインベントリ・システム権限グループ)

oracleユーザーは次のグループのメンバーです。

  • asmdba (Oracle ASMシステム・アクセス権限グループ)

  • dba (OSDBAシステム権限グループ)

  • oinstall (Oracleインベントリ・システム権限グループ)

  • racoper (OPERデータベース・システム権限)

これらのユーザー名、UID、グループ名およびGIDは事前構成されており、変更できません。すべてのOracle Databaseホームはoracleユーザーによって所有されていることに注意してください。


関連項目:

  • オペレーティング・システムの権限グループの詳細はOracle Grid Infrastructure for Linuxを参照

  • Oracle ASMのシステム権限の詳細は『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照


複数のOracleホームでのデータベースの追加作成

この項では、次の作業について説明します。

Oracle Database Applianceでの複数のデータベースの管理

Oracleホームは、Oracle Databaseバイナリをインストールするディレクトリで、ここからOracle Databaseを実行します。Oracle Appliance Manager (oakcliコマンド)を使用して、Oracle Database Applianceで複数のOracleホームおよびデータベースを作成および管理します。Oracle Appliance Managerでは、Optimal Flexible Architecture (OFA)標準に準拠したOracle Database Oracleホームが自動的に作成されます。

Oracle Database Applianceでは複数のOracleホームをサポートし、様々なバージョンのOracle Database 11gリリース2に対応しています。


関連項目:

使用可能なデータベース・バージョンとクローン・ファイルの詳細はノート888888.1 (https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1)を、Oracle Appliance Managerコマンドライン・インタフェースのコマンド構文は付録Dをそれぞれ参照してください。

複数のOracleホームを使用すると、Oracle Databaseの複数のリリースを同時に実行できます。たとえば、Oracle Database 11gリリース2 (11.2.0.2.5)データベースから新規リリースにアプリケーションを移行する前に、11.2.0.3.3をインストールしてこのリリース上でアプリケーションをテストできます。

oakcliコマンドを使用してOracle Database Applianceで複数のホームを作成する場合、コマンドにより、Oracle Grid Infrastructureが使用するクローニング・プロセスが開始されます。現在のリリースでは、ユーザーoracleがすべてのOracleホームを所有しています。


注意:

前のリリースからアップグレードしない場合は、インストール対象のOracle Databaseバージョンに対するOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドルをダウンロードしてください。詳細は、次のノート888888.1を参照してください。

https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1


oakcliコマンドを使用して、複数のOracleホーム機能を使用したOracle Database Applianceで複数のデータベースを作成、管理およびアップグレードします。oakcli create databaseコマンドを使用すると、ユーザー入力を最小限に抑えながらデータベースを作成できます。追加オプションなしでこのコマンドを使用すると、新規のデータベース・ホームが作成されます。または、-oh属性を使用して、既存のホームにデータベースを作成します。


注意:

oakcliコマンドを使用して、新規データベースを既存のOracleホームまたは新規のOracleホームのいずれかに作成します。

Oracle Appliance Managerコマンドを使用したデータベースの作成

oakcli create databaseコマンドを使用して、Oracle Database Applianceでデータベースを追加作成します。

構文

oakcli create database -db db_name [-oh home | -version version [-params params_file]

パラメータ

表6-1 oakcli create databaseコマンド・パラメータ

パラメータ 説明

-db db_name

db_nameは、作成するデータベースの名前です。

-oh home

homeは、データベースの作成時に使用する既存のOracleホームの名前です。デフォルトでは、新規のデータベース・ホームが作成されます。

-version version

versionは、インストールするバージョンです。デフォルトでは、最新のバージョンが使用されます。

-params params_file

params_fileは、構成ファイルです。デフォルトでは、Oracle Database Applianceはデフォルト構成ファイルを使用し、指定されたファイル名にファイル拡張子を自動的に追加します。


# oakcli create database -db sales1 -version 11.2.0.4
# oakcli create database -db sales2 -oh home2 -params salesdbtemplate

Oracle Appliance Managerコマンドを使用したデータベース構成ファイルの作成

oakcli create db_config_params -conf filenameコマンドを使用して、Oracle Database Applianceで複数のデータベースを構成するための構成ファイルを作成します。filenameは、生成する構成ファイルの名前です。

構文

oakcli create db_config_params -conf filename

このコマンドを実行するとき、データベースに適用するオプションに対応する番号を入力して各プロンプトに応答します。デフォルトが表示され、その値(通常オプション1として表示)を使用する場合は、[Enter]キーをクリックしてその値を受け入れます。多数のオプションがあり目的の値が表示されていない場合、[0]をクリックしてすべてのオプションが見えるようにできます。

次の例は、oakcli create db_config_paramsコマンドの構成ダイアログを示しています。

# oakcli create db_config_params -conf rsfile

Please select one of the following for Database Block Size  [1 .. 4]:
1 ==> 4096
2 ==> 8192
3 ==> 16384
4 ==> 32768
2
Selected value is: 8192

Specify the  Database Language (1. AMERICAN 2. Others) [1]:
Selected value is: AMERICAN

Specify the  Database Characterset (1. AL32UTF8 2. Others) [1]:2

Please select one of the following for Database Characterset [0 .. 10] :0 => Others1 => AL32UTF82 => AR8ADOS7103 => AR8ADOS710T4 => AR8ADOS7205 => AR8ADOS720T6 => AR8APTEC7157 => AR8APTEC715T8 => AR8ARABICMACS9 => AR8ASMO708PLUS10 => AR8ASMO8X1Selected value is: AL32UTF8

Specify the  Database Territory (1. AMERICA 2. Others) [1]:2

Please select one of the following for Database Territory [0 .. 10] :
0 => Others
1 => ALBANIA
2 => ALGERIA
3 => AMERICA
4 => ARGENTINA
5 => AUSTRALIA
6 => AUSTRIA
7 => AZERBAIJAN
8 => BAHRAIN
9 => BANGLADESH
10 => BELARUS
3
Selected value is: AMERICA

Specify the  Component Language (1. en 2. Others) [1]:2

Please select one of the following for Component Language [0 .. 10] :
0 => Others
1 => en : English
2 => fr : French
3 => ar : Arabic
4 => bn : Bengali
5 => pt_BR : Brazilian Portuguese
6 => bg : Bulgarian
7 => fr_CA : Canadian French
8 => ca : Catalan
9 => hr : Croatian
10 => cs : Czech
1
Selected value is: en
Successfully generated the Database parameter file 'rsfile'

既存のデータベース構成ファイルを参照するには、oakcli show db_config_paramsコマンドを使用します。次に例を示します。

# oakcli show db_config_params 
Available DB configuration files are: 
default 
largedb
extralargedb
mytest.params

出力にはデフォルト以外の拡張子のみが含まれ、デフォルト拡張子(.dbconf)は表示されません。

データベース構成ファイルを使用して1つのデータベースを作成する場合、あるいはプロファイルが同一のデータベースを多数作成する場合は、oakcli create databaseコマンドを使用し、その中に-params -conf file_nameオプションを含めます(file_nameは、必須構成ファイルの名前です)。

不要なデータベース構成ファイルを削除するには、oakcli delete db_config_params -confコマンドを使用し、構成ファイル名を-confパラメータ値として指定します。データベース構成ファイルと関連する他のOracle Appliance Managerコマンドと同様、ファイルの拡張子値がデフォルトである場合(.dbconf)は、拡張子を含める必要がありません。

シングル・インスタンス・データベースのOracle RACまたはOracle RAC One Nodeへの変換

rconfigコマンドライン・ユーティリティを使用して、単一インスタンス・データベースをOracle RACまたはOracle RAC One Nodeのいずれかに変換します。ConvertToRAC.xmlファイルの内容により、変換済データベースの特性(タイプなど)が決定します。


関連項目:

単一インスタンスのデータベースを変換する手順は『Oracle Real Application Clustersインストレーションおよび構成ガイド』の付録C「単一インスタンスのOracle DatabaseからOracle RACおよびOracle RAC One Nodeへの変換」を参照

インスタンス・ケージングを使用した複数データベース・インスタンスの管理

Oracle Databaseには、複数のデータベース・インスタンスを実行する複数CPUサーバーでCPU割当てを管理する方法が用意されています。この方法はインスタンス・ケージングと呼ばれます。インスタンス・ケージングとOracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)が連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。


関連項目:


Oracle Database ApplianceでのOracle Databaseのアップグレード

Oracle Database ApplianceでOracle Databaseをアップグレードするには、必要なGrid Controlのパッチから順に適切なパッチを適用する必要があります。この項では、使用可能な各アップグレードの適用方法について説明します。

データベースのアップグレード

ノード0にパッチを適用したら自動的にノード1にパッチを適用するローリング・アップグレード・パッチをインストールして、データベースをアップグレードします。特定のアップグレード要件について説明している項の手順を実行します。

11.2.0.2の早期リリースからOracle Database 11.2.0.2.10へのアップグレード

  1. ノード0でのみoakcli show databasesコマンドを実行して、このアップグレードに適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli show databases
    Database Name      Database Type     Database HomeName      
        Database HomeLocation                       Database Version                  tpcc               RAC               dbhome11202 
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1   11.2.0.2.5(13923804,13696242)
    
  2. ノード0でのみoakcli update -patch 2.6.0.0.0 --databaseコマンドを実行します。パッチ適用が可能なデータベース・ホームが複数ある場合、選択リストが表示され、そのリストからアップグレードするデータベース・ホームを1つ、一部または全部選択します。次の例に示されているコマンドを使用します。

    cd /opt/oracle/oak/bin
    ./oakcli update -patch 2.6.0.0.0 --database
    
  3. コマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databasesコマンドを再度使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli show databases
    Database Name      Database Type     Database HomeName      
        Database HomeLocation                       Database Version                  tpcc               RAC               dbhome11202 
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1   11.2.0.2.10(16056267,16166868)
    11.2.0.2.10 (16056267,16166868)
    

11.2.0.3の早期リリースからOracle Database 11.2.0.3.6へのアップグレード

  1. ノード0でのみoakcli show databasesコマンドを実行して、このアップグレードに適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli show databases
    Database Name      Database Type     Database HomeName      
        Database HomeLocation                       Database Version                  tpcc               RAC               dbhome11203 
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1   11.2.0.3.2(13696216,13696251)
    EE                 RACOneNode        dbhome11203
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1   11.2.0.3.2(13696216,13696251)
    
  2. ノード0でのみoakcli update -patch 2.6.0.0.0 --databaseコマンドを実行します。パッチ適用が可能なデータベース・ホームが複数ある場合、選択リストが表示され、そのリストからアップグレードするデータベース・ホームを1つ、一部または全部選択します。次の例に示されているコマンドを使用します。

    cd /opt/oracle/oak/bin
    ./oakcli update -patch 2.6.0.0.0 --database
    

    注意:

    リリース11.2.0.3.xから11.2.0.3.6へのデータベース固有のアップグレードは実行できません。アップグレードするホームを実行するすべてのデータベース(ステップ1の例でリストされた2つのデータベースなど)に、Oracle Database 11.2.0.3.6へのパッチが適用されます。

  3. コマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databasesコマンドを再度使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli show databases
    Database Name      Database Type     Database HomeName      
        Database HomeLocation                       Database Version                  tpcc               RAC               dbhome11203 
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1   11.2.0.3.6(16056266,16083653)
        Database HomeLocation                       Database Version                  EE                 RACOneNode        dbhome11203 
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1   11.2.0.3.6(16056266,16083653)
    

リリース11.2.0.2.xからOracle Database 11.2.0.3.6へのアップグレード

  1. ノード0で次の処理を実行して、11.2.0.3.6データベース・ホームがあることを確認します。

    • コマンド/opt/oracle/oak/bin/oakcli show dbhomeを実行します。次の例のように、コマンドからの出力に11.2.0.3.6ホームが表示される場合:

      Oracle Home Name       Oracle Home version                   
                                   Home Location
      dbhome11202           11.2.0.2.5(13343424,13343447)                                                        /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1
      OraDb11203_home1       11.2.0.3.6(16056266,16083653)       
                                   /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1
      

      ステップ2を続行します。次の例のように、11.2.0.3.6ホームがない場合:

      Oracle Home Name       Oracle Home version                   
                                   Home Location
      dbhome11202            11.2.0.2.5(13343424,13343447)        
                                   /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1
      

      ステップ2を続行する前に、次の処理を実行します。

      • My Oracle Supportから11.2.0.3.6 DBクローン・ファイル(パッチ#14777276)をダウンロードします。

      • 次の2つのコマンドを使用して、ノード0で11.2.0.3.6データベース・ホームを作成します。

        cd /opt/oracle/oak/bin
        /opt/oracle/oak/bin/oakcli create dbhome -version 11.2.0.3.6
        
      • ステップ1の最初に戻り、/opt/oracle/oak/bin/oakcli show dbhomeコマンドから始めて11.2.0.3.6データベース・ホームが表示されるまで処理を繰り返します。

  2. ノード0でのみoakcli show databasesコマンドを実行して、このアップグレードに適しているリリース番号のデータベースがあるかを確認します。コマンドとその出力は、次の例のようになります。ここでは、アップグレードの候補として3つのデータベースが表示されています。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli show databases
    Database Name      Database Type     Database HomeName      
        Database HomeLocation                       Database Version
    tpcc               RAC               dbhome11202                      
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1   11.2.0.2.5(13343424,13343447)
    RACOne             RACOneNode        dbhome11202                      
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1   11.2.0.2.5(13343424,13343447)       11.2.0.2.5(13343424,13343447)
    EE                 SINGLE            dbhome11202                      
       /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1    11.2.0.2.5(13343424,13343447)
    
  3. ノード0でのみ、アップグレードするデータベースの名前と、ステップ1の11.2.0.3.6データベース・ホームの名前を指定してoakcli upgrade databaseコマンドを実行し、データベースをアップグレードします。次の例は、ステップ1で確認したOraDb11203_home1を使用して、ステップ2でリストされたtpccデータベースをアップグレードする方法を示しています。

    cd /opt/oracle/oak/bin
    ./oakcli upgrade database -db tpcc -to OraDb11203_home1
    
  4. コマンドが完了したら、ノード0でoakcli show databasesコマンドを再度使用してデータベース・バージョンを確認します。コマンドとその出力は、ここでは次の例のようになります。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli show databases
    Database Name      Database Type     Database HomeName      
        Database HomeLocation                       Database Version
    tpcc               RAC               OraDb11203_home1                      
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.3/dbhome_1   11.2.0.3.6(16056266,16083653)
    RACOne             RACOneNode        dbhome11202                      
        /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1   11.2.0.2.5(13343424,13343447)       11.2.0.2.5(13343424,13343447)
    EE                 SINGLE            dbhome11202                      
       /u01/app/oracle/product/11.2.0.2/dbhome_1    11.2.0.2.5(13343424,13343447)