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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.10 for Linux x86-64
B69545-11
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C Oracle Database Applianceのデータベースのサイズ設定

この付録では、データベースのサイズ設定および他の構成オプションについて説明します。この付録の内容は次のとおりです。

インスタンス・ケージングを使用した統合のテンプレートの使用

Oracle Database Applianceでは、複数CPUサーバー上でインスタンス・ケージングを使用することにより、複数のデータベースを1つのシステムに統合できます。インスタンス・ケージングは、Oracle Database Resource Manager (リソース・マネージャ)と連携して、複数インスタンス間で必要なサービス・レベルをサポートします。統合により、アイドル・リソースを最小限に抑え、効率を最大限に高め、コストを下げることができます。

Oracle Database Applianceテンプレートは、各データベース・インスタンス・ワークロードのサイズに合せて事前チューニングされています。特定のコア数で動作するよう設計されています。ケージングによって、各データベースのワークロードは、テンプレートで割り当てられたコアのセットに制限されます(これによって、複数のデータベースを同時に、パフォーマンスを低下させることなく、Oracle Database Applianceの容量まで、実行できるようになります)。計画的成長に備えるために、現在のニーズよりも大きなデータベース・テンプレート・サイズを選択できます(テンプレート・サイズは後で、システム・グローバル領域(SGA)とプログラム・グローバル領域(PGA)のサイズやコア数を調節することによって調整できます)。


注意:

Oracle Database Applianceテンプレートはベスト・プラクティスを実装しており、特にOracle Database Appliance用に構成されているため、これらのテンプレートを使用することを強くお薦めします。

Oracle Appliance ManagerまたはOracle Database Configuration Assistant (DBCA)のいずれかを使用して、Oracle Database Appliance上にデータベースを作成します。テンプレートは両方のユーティリティで使用できます。



ヒント:

Oracle Appliance Managerコンフィギュレータは、データベースのクラスとしてデータベースのサイズ設定テンプレートを参照します。

次の表を使用すれば、ご使用のデータベースに最適なテンプレートを選択できます。これらの表を使用するときに、次に留意してください。

  • CPU_COUNT値はコア数値ではありません。この表を使用してOracle Database Applianceのライセンス要件を判断する場合は、CPU_COUNT値を2で割って、ライセンス保有する必要があるコアの最小数を算出します。非常に小規模(または超極小規模)のデータベースに必要なコアは1つのみですが、必要なライセンスは構成によって次のように異なります。

    • Oracle Database Appliance X3-2またはOracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォームでは2コアにライセンス

    • Oracle Database Appliance X3-2またはOracle Database Appliance X4-2ベア・メタル・インストールでは4コアにライセンス

    • Oracle Database Appliance(ベア・メタルまたは仮想化プラットフォーム)では2コアにライセンス

  • この表の情報は、ディスクのバックアップを作成していることを前提としています。外部テープ・バックアップを行うと、データベース・サイズを最大3.2TBにすることができます。

  • 1秒当たりのI/O (IOPS)値は、オンライン・トランザクション処理(OLTP) I/Oリクエストを処理するための、5ミリ秒当たりのランダムな8Kの読取り/書込みのレスポンス時間から導出されます。この率はCPU数に基づくものではなく、システムがフル稼働していることを前提としています。たとえば拡張ストレージ・シェルフなしで12個の小規模なデータベースがすべて稼働しているOracle Database Appliance X4-2システムの場合、各データベースは約275 IOPSを処理することになります。システム上で1つのデータベースのみが稼働している場合、IOPSは3,300となります。同様に、Oracle Database Applianceシステムで1個の大規模データベースと6個の小規模データベースがすべて稼働している場合、非常に小規模なデータベースは1台当たり約300 IOPSを処理し、大規模データベースは約2,000 IOPSを処理することになります。

  • MB/秒(MBPS)でのスループットは、データ・ウェアハウス・システムの1MBの順次読取り/書込みに基づいています。IOPSと同様にMBPSは、システムがフル稼働している場合のスループットの測定値です。単一の小規模データベースのみが動作している場合、MBPSは大規模データベース用のシステムで使用可能な最大数となります。

  • ログ・ファイルのサイズは、システムがフル稼働している際に、各インスタンスの4つのREDOログ・グループで15分ごとにログ・スイッチが実行されることを前提としています。

使用しているハードウェアに適した情報を見つけてください。

  • ご使用のデータベースがOracle Database Appliance X4-2の場合、表C-1を使用します。

  • ご使用のデータベースがOracle Database Appliance X3-2の場合、表C-2を使用します。

  • ご使用のデータベースがOracle Database Applianceの場合、表C-3を使用します。

表C-1 Oracle Database Appliance X4-2データベース・テンプレートのサイズ

システム・コンポーネント 超極小規模 非常に小規模 小規模 中規模 大規模 非常に大規模 超巨大規模 超超巨大規模

CPU_COUNT(インスタンスごと)

2

2

4

8

12

24

32

48

SGA (GB)

2

4

8

16

24

48

64

96

PGA (GB)

1

2

4

8

12

24

32

48

プロセス

200

200

400

800

1200

2400

3200

4800

ログ・ファイル・サイズ(GB)

1

1

1

2

4

4

4

4

このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数

24

24

12

6

4

2

1

1

1秒当たりのI/O (1つのストレージ・シェルフあり)

137

137

275

550

825

1650

3300

3300

スループット(MB/秒)(1つのストレージ・シェルフあり)

145

145

292

583

875

1750

3500

3500

1秒当たりのI/O (ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり)

275

275

550

1100

1650

3300

6600

6600

スループット(MB/秒)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり)

230

230

458

917

1375

2750

5500

5500

ログ生成(MB/秒)

6.83

6.83

6.83

13.65

27.30

27.30

27.30

27.30


表C-2 Oracle Database Appliance X3-2データベース・テンプレートのサイズ

システム・コンポーネント 超極小規模 非常に小規模 小規模 中規模 大規模 非常に大規模 超巨大規模

CPU_COUNT(インスタンスごと)

2

2

4

8

12

24

32

SGA (MB)

2048

4096

8192

16384

24576

49152

65536

PGA (MB)

1024

2048

4096

8192

12288

24576

32768

プロセス

200

200

400

800

1200

2400

3200

ログ・ファイル・サイズ(GB)

1

1

1

2

4

4

4

このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数

24

16

8

4

2

1

1

1秒当たりのI/O (1つのストレージ・シェルフあり)

206

206

412

825

1650

3300

3300

スループット(MB/秒)(1つのストレージ・シェルフあり)

146

219

438

875

1750

3500

3500

1秒当たりのI/O (ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり)

275

413

825

1650

3300

6600

6600

スループット(MB/秒)(ストレージ・シェルフおよびストレージ拡張シェルフあり)

230

344

688

1375

2750

5500

5500

ログ生成(MB/秒)

6.83

6.83

6.83

13.65

27.30

27.30

27.30


表C-3 Oracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズ

システム・コンポーネント 超極小規模 非常に小規模 小規模 中規模 大規模 非常に大規模

CPU_COUNT(インスタンスごと)

2

2

4

8

12

24

SGA (MB)

2048

4096

8192

16384

24576

49152

PGA (MB)

1024

2048

4096

8192

12288

24576

プロセス

200

200

400

800

1200

2400

ログ・ファイル・サイズ(GB)

1

1

1

2

4

4

このテンプレートを使用してデプロイできるデータベースの数

24

12

6

3

2

1

1秒当たりのI/O

167

333

666

1333

2000

4000

スループット(MB/秒)

125

250

500

1000

1500

3000

ログ生成(MB/秒)

6.83

6.83

6.83

13.65

27.30

27.30


データベースが1つの場合は、ご使用のハードウェアで予想されるワークロードに適したテンプレートを選択します。データベースが複数ある場合は、それぞれの要件を合計し、それらすべてに十分なリソースを提供するテンプレートを選択します。データベースの増大が予想される場合、またはデータベースを追加する予定がある場合は、その増大に十分対応できる規模のテンプレートを選択します。


注意:

ディスク・ハードウェアの容量は1 KB = 1,000バイトとして計算されますが、ソフトウェアの記憶域要件は1 KB = 1,024バイトに基づいています。つまり、定格容量900GBのディスクにはソフトウェア記憶域が約860GBしかありません。

Oracle Database Applianceのインスタンス・ケージングの有効化

デフォルトでは、Oracle Database Applianceインスタンス・ケージングは有効ではありません。インスタンス・ケージングを有効にするには、Oracle Database Appliance上の各データベースに初期パラメータRESOURCE_MANAGER_PLANを設定します。このパラメータでは、リソース・マネージャが現行のインスタンスに対して使用するプランを指定します。このパラメータを設定すると、リソース・マネージャがデータベース間のコア・リソースを割り当てるようになります。このパラメータでプランを指定しない場合、リソース・マネージャが有効にならないので、ケージングは有効になりません。

各データベースに対して選択したOracle Database Applianceデータベース・テンプレートのサイズに従って、コア・リソースのインスタンス・ケージング割当てが有効になります。CPU_COUNT初期化パラメータは、テンプレートに設定されます。統合する各データベースのサイズと一致するCPU_COUNT設定を使用して、インスタンス・ケージングを構成するための標準の指示に従います。


関連項目:

インスタンス・ケージングの有効化および構成の詳細は『Oracle Database管理者ガイド』を参照

データベース・テンプレートの選択

Oracle Database Appliance内のリソースは有限です。どのデータベース・テンプレートを使用するかを決定する際に、これらの有限なリソースをアプリケーションがどのように使用するかを決定します。

  • ストレージ: データベース・サイズ

  • ワークロード: CPU、メモリーおよびストレージ・パフォーマンス(IOPS/MBPS)


注意:

データベースのサイズ設定の例(この章で後述)はガイドラインとしてのみ使用してください。実際に達成するパフォーマンスは他の要素に依存する可能性があります。デプロイ後にシステムのパフォーマンスをテストし、パフォーマンスがニーズを満たしていることを確認してください。

Oracle Database Applianceのデプロイメントに最適なデータベース・テンプレートを選択する際は、この章の各表の数値をガイドラインとして使用します。コアのみが、ライセンス保有コンポーネントであることに注意してください。メモリーやストレージなど、その他のリソースは、アクティブなコア数に関係なく使用可能です。Oracle Database Applianceテンプレートの1つを使用してデータベースをデプロイした後、Oracle Database Appliance上の残りのリソースは追加デプロイ用として使用できます。


注意:

実際のパフォーマンスは様々な要因に左右されます。デプロイ後にシステムのパフォーマンスをテストし、パフォーマンスが最適な状態であることを確認してください。

例1: データベース・サイズ・オプションの選択

表C-3に示すサイズ設定ガイドラインでは、単一のOracle Database Applianceは、12コア(ノード当たり)を使用する1個の非常に大規模なデータベース、またはそれぞれが1コア(ノード当たり)を使用する12個の非常に小規模なデータベースをサポートできることを示しています。このガイドラインでは、単一のOracle Database Applianceは、3000 IOPSを処理できる1個の非常に大規模なデータベース、またはそれぞれが600 IOPSを処理できる6個の小規模なデータベースをサポートできることも示しています。

Oracle Database Appliance上で統合する次の3つのデータベースがあると想定します。

  • 1番目のデータベースD1は、800GBで300 IOPSです。

  • 2番目のデータベースD2は、200GBで500 IOPSです。

  • 3番目のデータベースD3は、75GBで600 IOPSです。

IOPSおよびサイズの最小要件に基づいて、3つのデータベースを次のようにデプロイできます。

  • D1は大規模として

  • D2は小規模として

  • D3は小規模として

3つのデータベースをサポートするには、ノード当たり10コア(Oracle Database Applianceに対して20コア)をライセンス保有します。

例2: データベース・サイズ・オプションの選択

新規Oracle Database Appliance X4-2仮想化プラットフォーム(1つのストレージ・シェルフあり)にデプロイする2つのデータベースがあると想定します。

  • 1番目のデータベースDB1は、2TBで3000 IOPSです。

  • 2番目のデータベースDB2は、1TBで3000 IOPSです。

I/O要件を考慮します。DB1とDB2は、それぞれ3000 IOPSを生成します。つまり、Oracle Database Applianceは合計6000 IOPSをサポートする必要があります。しかし、6000 IOPSは、Oracle Database Appliance X4-2が5ミリ秒のレスポンス時間を維持しながらサポートできる値より大きくなっています。超超巨大規模なデータベースでも、最大3000 IOPSまでしかサポートされません。

両方のデータベースをサポートするには、ストレージ拡張シェルフを追加して、各データベースに超巨大規模のテンプレートを使用する必要があります。または、シェルフを追加せずにデータベースを1つのみデプロイして、選択したデータベースに超巨大規模のテンプレートを使用することもできます。どちらの場合も、ODA_BASEに対して16コアをライセンス保有します(両方のノードのODA_BASEで32コア)。