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Oracle® Database Applianceスタート・ガイド
リリース2.10 for Linux x86-64
B69545-11
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3 Oracle Database ApplianceでのOracleソフトウェアのデプロイ

この章では、第2章の説明に従ってOracle Database Applianceを接続した後で、Oracleソフトウェアをデプロイするタスクのチェックリストを提供します。Oracle Database Applianceソフトウェアのデプロイを完了するには、ベア・メタル・インストールの場合は約1時間、仮想化プラットフォーム・デプロイメントの場合は約3時間が必要です。仮想化デプロイメントでは、実行する手順が多く、仮想ドメインの構成で一部の処理に時間がかかるため、所要時間が長くなります。

この章では、タスク別に適用の対象(ベア・メタル・プラットフォーム、仮想化プラットフォーム、またはすべてのプラットフォーム)を明示しています。ご使用のプラットフォームでのデプロイメントに指定されているタスクのみを実行してください。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォーム・デプロイメントではタスク1、3、4および5を、Oracle Database Applianceベア・メタル・デプロイメントではタスク2、4および5を実行します。

この章の最後で説明しているように、クリーンアップ・スクリプトを実行すれば、失敗したデプロイメントを再実行したり、新しいデプロイメントを実行してベア・メタルから仮想化プラットフォームへ、または仮想化からベア・メタル・プラットフォームへ変換できます。


関連項目:

デプロイ・プロセスの概要は『Oracle Database Applianceセットアップ・ポスター』を参照

デプロイ・タスク: 注釈付きチェックリスト

デプロイ・タスクは表示順に実行する必要があります。ただし、ベア・メタル・デプロイメントに必要のないタスクもあれば、仮想化プラットフォーム・デプロイメントで不要のステップもあります。ご使用のデプロイメント・タイプでは実行する必要がないタスクの場合は、必要な次のタスクに進んでください。

タスク1: Oracle Database Appliance仮想化ステータスのチェック(仮想化プラットフォームのデプロイメントのみ)

Oracle Database Applianceに仮想化イメージがインストールされているかどうかを確認するには、rootとしてログインし(パスワードはwelcome1)、コマンドoakcli show env_hwを入力します。出力結果に値VM-Dom0とハードウェアのバージョンが表示される場合は、次の項の説明に従ってOracle Database Appliance仮想プラットフォームのデプロイメントを進めることができます。このコマンドによって必要な出力が生成されない場合、またはエラーが生成される場合は、Oracle Database Appliance仮想化イメージをインストールする必要があります。


注意:

Oracle Database Appliance仮想化イメージをインストールする手順は、ホワイト・ペーパー「Step by Step Instructions on Installing Virtualized Image on Oracle Database Appliance」(https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=1520579.1)を参照してください。

仮想化イメージのインストール後、「初期ネットワークの構成」で説明されているように、初期ネットワークの再構成が必要になる場合があります。

タスク2: エンドユーザー・バンドルのインストール(ベア・メタル・プラットフォームのデプロイメントのみ)

他のソフトウェアをデプロイする前に、Oracle Database Applianceにエンドユーザー・バンドルをインストールする必要があります。このためには、次の手順に従って適切なパッチ・ファイルを外部クライアントにダウンロードしてから、そのパッチをコピーしてインストールする必要があります。

  1. 外部クライアント・マシンから、My Oracle Supportにログオンし、次のURLにあるノート888888.1にアクセスします。

    https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1

  2. 最新リリース・セクションで、"エンド・ユーザー・バンドル(GI+RDBMS)"と表示されたパッチへのリンクを探します。

  3. リンクをクリックし、最新のOracle Database Applianceエンドユーザー・バンドル・パッチを外部クライアントにダウンロードします。

  4. セキュア・コピー・コマンド(scp)を使用して、Oracle Database Appliance上の場所(たとえば、/tmpディレクトリ)にエンドユーザー・バンドル・パッチをコピーします。これを行うには、エンドユーザー・バンドル・パッチをダウンロードしたクライアント上のフォルダに移動して、次のようにコマンドを入力します(ここでは、Oracle Database Applianceリリース2.9のファイルを使用)。

    scp p17630388_29000_Linux-x86-64.zip root@oda_host:/tmp
    

    この例では、ホスト名をoda_hostとして静的なIPアドレスを設定済で、oakcli configure firstnetを使用したアドレスでOracle Database Applianceを構成済であることを前提としています。

    または、Oracle Database Appliance上でアクセスを許可するUSBストレージ・デバイスにエンドユーザー・バンドル・パッチを格納します。そのデバイス上でエンドユーザー・バンドルのイメージが格納されている場所に移動し、oakcli unpackコマンドを実行します。


    注意:

    USBドライブは、FAT32、ext3またはext4としてフォーマットしてください。NTFSファイル・フォーマットはサポートされていません。

  5. ディレクトリを/opt/oracle/oak/binに変更します。

  6. コマンド構文oakcli unpack -package /directory_path/package_nameを使用して、Oracle Database Applianceソフトウェアを解凍します。directory_pathはエンドユーザー・バンドルのパッチ・ファイルが置かれているパスです。

    たとえば、Oracle Database Applianceリリース2.9用エンドユーザー・バンドルのパッチ・ファイルが/tmpにあった場合、次のコマンドを実行してp17630388_29000_Linux-x86-64.zipを解凍します。

    # ./oakcli unpack -package /tmp/p17630388_29000_Linux-x86-64.zip
    

    oakcli unpackコマンドによって、ファイルを解凍し、それをデプロイメントに必要な場所にデプロイします。

タスク3: ODA_BASEテンプレートのインストール(仮想化プラットフォームのデプロイメントのみ)

他のソフトウェアをデプロイする前に、Oracle Database ApplianceにODA_BASEテンプレートをインストールする必要があります。このためには、次の手順に従って適切なODA_BASEテンプレートを外部クライアントにダウンロードしてから、そのテンプレートをOracle Database Applianceにコピーする必要があります。

  1. 外部クライアント・マシンから、My Oracle Supportにログオンし、次のURLにあるノート888888.1にアクセスします。

    https://support.oracle.com/CSP/main/article?cmd=show&type=NOT&id=888888.1

  2. 最新リリース・セクションで、"VMテンプレート(ODA_BASE)"と表示されたパッチへのリンクを探します。

  3. リンクをクリックし、最新のOracle Database ApplianceのODA_BASEテンプレートを外部クライアントにダウンロードします。

  4. scpコマンドを使用して、ODA_BASEテンプレートを外部クライアントからDom0にコピーします。

    または、ODA_BASEテンプレートをUSBストレージ・デバイスに格納し、USBデバイスがOracle Database Applianceに表示された後で、このテンプレートをコピーすることができます。


    注意:

    USBドライブは、FAT32、ext3またはext4としてフォーマットしてください。NTFSファイル・フォーマットはサポートされていません。

  5. Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのノード0で、Dom0にrootとしてログインし、Dom0の/OVSディレクトリにODA_BASEテンプレートをコピーします。Dom0にログインした状態のままで、このタスクの残りの手順を完了してください。

  6. コマンドoakcli deploy oda_baseを使用し、プロンプトに応答してODA_BASEをデプロイします。このコマンドでは、ODA_BASEを自動的に両方のノードにデプロイします。ODA_BASEテンプレートが/OVSディレクトリにある場合、デプロイメント・ダイアログは次の例のように表示されます(Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのハードウェア・プラットフォームごとに、使用可能なCPUコア数などの値は異なります)。

    # /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy oda_base
    Enter the template location: /OVS/templateBuild-2012-12-22-12-05.tar.gz
    Core Licensing Options:
                            1. 2 CPU Cores
                            2. 4 CPU Cores
                            3. 6 CPU Cores
                            4. 8 CPU Cores
                            5. 10 CPU Cores
                            6. 12 CPU Cores
                            Selection [1 : 6] : 3
                            ODA base domain memory in GB (min 8, max 88)[default 48]  : 32
    
  7. また、oakcli deploy oda_baseコマンドでは、1つ以上の仮想ローカル・エリア・ネットワーク(VLAN)をODA_BASEに割り当てることもできます。VLANをデプロイするには、次の例(一部)に示すように、追加のVLANネットワークに関するプロンプトが表示されたらyと応答し、デプロイするVLANがなくなったらnと応答します。

    Additional vlan networks to be assigned to oda_base ? (y/n) : y
    Select the network to assign [Test00,Test01,Test02,Test03]: Test00
    Additional vlan networks to be assigned to oda_base ? (y/n) : y
    Select the network to assign [Test00,Test01,Test02,Test03]: Test01
    Additional vlan networks to be assigned to oda_base ? (y/n) : n
    

    関連項目:

    Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームへのVLANインタフェースの管理の詳細は、第5章「Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームのネットワーク・インフラストラクチャおよび仮想ローカル・エリア・ネットワークについて」を参照してください。

  8. このコマンドが完了したら、xm listコマンドを実行して、ODA_BASEのデプロイメントが有効であることを確認します。出力を調べて、次の例のようにName列に値Domain-0およびoakDom1が含まれることを確認します。

    [root@oak1 ~]# xm list
    
    Name                             ID   Mem  VCPUs  State    Time(s)
    Domain-0                          0  2039     24 r-----  119879.5
    oakDom1                           1 32768     12 r-----    1969.7
    

    ヒント:

    ODA_BASEデプロイメントに問題がある場合は、次のコマンドをノード0のDom0から実行します。
    /opt/oracle/oak/tools/cleanOdabase.py
    

    このコマンドにより、新規のデプロイメントを試行できるように、ODA_BASEが削除されます。


  9. Oracle Database Appliance X3-2またはOracle Database Appliance X4-2をデプロイする場合は、デプロイメントを進める前に、ストレージの配線をチェックすることをお薦めします。このチェックを行うには、VNCを使用して、ホスト名にDom0を、ポートに5900を、ユーザー名にrootを、パスワードにwelcome1を指定してODA_BASEに接続します。接続したら、次のコマンドを実行します。

    /opt/oracle/oak/bin/oakcli validate -c storagetopology
    

    2つのノードとストレージ・シェルフとの配線ケーブルが正しいソケットに接続されていない場合、このコマンドを実行するとエラーが表示されます。詳細は、第7章の配線検証コマンドに関する項を参照してください。

タスク4: Oracle Database Managerコンフィギュレータを実行するための準備(すべてのプラットフォームのデプロイメント)

Oracle Database Applianceのノード0にrootユーザー(デフォルト・パスワードを使用)としてログインします。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでデプロイしている場合は、VNCを使用して、「Hostname」dom0を、「Port」5900を指定してDom0に接続する必要があります。

「Oracle Appliance Managerコンフィギュレータの使用」で説明されているように、オフラインで作成した構成ファイルからデプロイする場合、前のタスクのステップ4でパッチのコピーに使用したscpコマンドと同様のコマンドを使用して、構成ファイルをOracle Database Applianceにコピーします。Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームでデプロイしている場合は、別のscpコマンドを使用し、ファイルを内部IPアドレス192.168.16.27に送信して、Dom0からODA_BASEにファイルをコピーする必要があります。構成ファイルは便宜上/tmpディレクトリに保存するか、今後の使用に備えてより永続的な場所に保存します。

コマンドstartxを実行して、Oracle Appliance ManagerコンフィギュレータのためにX Window Systemを準備します。


注意:

oakcli deployを実行してもOracle Appliance Managerコンフィギュレータで「Welcome」ウィンドウが開かない場合は、端末のウィンドウでDISPLAY変数を設定します。

タスク5: 構成のデプロイ(すべてのプラットフォームのデプロイメント)

Oracle Database Applianceをデプロイするには、構成ファイルが必要です。スタンドアロンのOracle Appliance Managerコンフィギュレータで以前に作成したファイルを使用するか、今回新しいファイルを作成します。Oracle Database Applianceで以前に作成および保存済の構成ファイルを使用することもできます。

既存の構成ファイルを使用してデプロイメントを開始するには、次のようにコマンドを入力します(必要に応じて、ご使用のファイルの名前とディレクトリ・パスで置換します)。

# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy -conf /tmp/onecommand.param

注意:

以前のリリースのOracle Appliance Managerコンフィギュレータ用に作成された構成ファイルは使用しないでください。最新の構成ファイルがない場合は、次のステップで説明されているように、リアルタイム構成およびデプロイメントを完了します。

すぐに構成とデプロイメントを開始するには、次のコマンドを入力します。

# /opt/oracle/oak/bin/oakcli deploy

Oracle Appliance Managerコンフィギュレータの画面で設定を行います(「Oracle Appliance Managerコンフィギュレータの使用」を参照)。コンフィギュレータの「Summary」ページで「Install」オプションを選択して、デプロイを完了します。

デプロイメントが両方のノードで完了すると、「Oracle Database Appliance Deployment successful.」というメッセージが表示されます。


注意:

デプロイメントで問題が発生した場合は、ノード0で次のコマンドを実行します(Oracle Database Appliance仮想化プラットフォームを構成している場合はODA_BASEから)。
/opt/oracle/oak/onecmd/cleanupDeploy.pl

このコマンドにより、サーバーがデプロイ前の状態に戻ります。これにより、デプロイを再実行できるようになります。