Oracle® Hierarchical Storage Manager and StorageTek QFS Software samu ユーザーインタフェースガイドRelease 6.0 E56784-02 |
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コマンドをタスクおよび機能別にグループ化します。実行する必要があるタスクを探してから、詳細について第3章 オペレータコマンド、および第4章 サービスおよびサポートコマンドでアルファベット順のコマンド一覧を参照してください。
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オペレータ表示コマンドを一覧表示します。各コマンドはアルファベットの小文字であることに注意してください (大文字は、第4章 サービスおよびサポートコマンドで説明しています)。
このセクションでは、ファイルシステムのパフォーマンスに影響を与える要因について簡潔なサマリーを示すことから始め、パフォーマンス調整の目標およびチューニング作業をサポートする Oracle HSM 機能について説明します。さらに、Oracle HSM でサポートする入出力方式であるページ (バッファー済み) 入出力、直接入出力、およびスイッチ入出力を制御するコマンドにもリンクします。
ディスク I/O (入出力) には、ほかのファイルシステム操作よりも大幅に時間のかかる機械的処理が含まれます。そのため、入出力パフォーマンス調整では、特定量のデータを転送するための機械的動作を必要最小限に抑えることに重点を置きます。これは、データ転送ごとの個々の入出力の数と、各入出力を処理するために必要なシーク操作の数の両方を減らすことになります。
つまり、入出力調整の基本的な目標は次のとおりです。
大量のデータブロックの読み取りおよび書き込みを実行する。
ベースとなるメディアのセクター境界割り当てされた単位でブロックを書き込む。このため、ディスクコントローラは新しいデータを書き込む前に、既存のデータを読み取って変更する必要はありません。
小さい入出力をキューに並べ、より大きく結合された入出力をディスクに書き込む。
これらの目標を達成するために、Oracle HSM ファイルシステムでは、それぞれが異なるファイルシステム使用パターンに対処する 3 種類の入出力をサポートします。
ページ (バッファー済み) 入出力は、一般的な汎用ファイルシステムの使用特性との連携に優れているため、デフォルトの方式になります。ほとんどのファイルシステムが、複数のユーザーおよびアプリケーションで使用されます。それぞれは、ディスクセクター境界よりもアプリケーション設計に依存することの多い少量のデータブロックの読み取りおよび書き込みを実行します。ファイルアクセスは、順次ではなくランダムになる傾向があります。適切に構成されている場合、ページ入出力はこの種の利用に適しています。Oracle Solaris カーネルがデータをディスクに書き込むまで、ユーザーデータは仮想メモリーページにキャッシュされます。そのため、ユーザーおよびアプリケーションは、キャッシュメモリーに対して読み取りおよび書き込みを実行することになり、ランダムアクセスや小さいブロックサイズはそれほど問題になりません。ディスクに対するパフォーマンスがクリティカルな物理的読み取りおよび書き込みは、サイズが大きく、整合性が高く、かつほぼ順次であるチャンク単位で行われます。
直接入出力では、医療画像、地質情報ベース、リアルタイム監視カメラ画像など、特定タイプのデータ専用であるファイルシステムで明白になるページ入出力の制限に対処します。通常、ユーザーおよびアプリケーションは、大きなファイルをディスクセクター境界割り当てされたブロック単位で、順次読み取りおよび書き込みを実行します。そのため、ページングにはパフォーマンス上の利点はありません。ただし、システムのオーバーヘッドがかかり、データがメモリーからディスクへセキュアに書き込まれるまでに遅延が生じます。遅延はリアルタイムアプリケーションではクリティカルになる可能性があります。この状況では、直接入出力によってパフォーマンスを大幅に向上できます。データは、アプリケーションホスト上のローカルバッファーと Oracle HSM ディスクデバイスとの間で直接転送され、中間の遅延が生じたり複雑さが増したりすることはありません。
スイッチ入出力は、ほかの 2 つの組み合わせであり、ファイルシステムの入出力しきい値を設定することで機能します。このしきい値に達するまで、ページ入出力が使用されます。その後は、リクエストが完全に処理されるまで、自動的に直接入出力に切り替わります。ほとんどの小さいリクエストはしきい値に達する前に処理されるため、キャッシュメモリーに対する読み取りおよび書き込みとディスクに対する転送は、より大きく適切に整列した単位で非同期に行われます。しかし、しきい値を超えると大きいリクエストは直接処理され、余分なキャッシュ処理のオーバーヘッドはありません。
次のコマンドを使用すると、ファイルサイズおよび使用率に基づいて、Oracle HSM ファイルシステムのページ入出力の特性を調整できます。
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コマンドを使用すると、指定されたファミリセットデバイスのデフォルトの入出力動作をページ入出力から直接入出力へ (またはその逆へ) 変更できます。
次のコマンドは、直接入出力時にスパースファイルが初期化される方法を制御します。
前述のとおり、ファイルの読み取りおよび書き込みが指定のしきい値を超えると、ページ入出力から直接入出力へ切り替わるように Oracle HSM を構成できます。次のコマンドは、この機能を有効にし、しきい値を定義します。
次のコマンドは、Oracle HSM がファイルシステムを共有するホスト間の相互作用を調整する方法を制御します。
次のコマンドは、読み取り専用ホストがメタデータの更新をメタデータサーバーから取得する方法とタイミングを制御します。
次のコマンドは、非同期入出力および Solaris Volume Manager ミラー化ボリュームを使用して Oracle HSM ファイルシステムにデータを格納する Oracle Real Application Cluster (RAC) の実装に固有のものです。