Oracle BI Cloud Service: 解析とダッシュボードの作成
概要
- Oracle BI Cloud Serviceへのアクセス権。
- データ・ローダーによるデータ・ロード・チュートリアルの手順を実行して、Sample App用の非正規化されたデータが含まれるデータ・ソース・ファイルをロード済であること。
- 「Oracle BI Cloud Service Data Modelerでのモデリング」チュートリアルの手順を実行して、SampleAppモデルを構築および公開済であること。
目的
このチュートリアルでは、Oracle BI Cloud Serviceで様々なビューを使用した分析を作成する方法と、その分析をインタラクティブなダッシュボードに追加する方法を学習します。また、ダッシュボード上のデータをフィルタ処理する、柔軟性の高いダッシュボード・プロンプトも作成します。
所要時間
約1時間
はじめに
オラクルは、サービスとしてのソフトウェア(SaaS)、サービスとしてのプラットフォーム(PaaS)、およびサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)などのエンタープライズ級クラウド・ソリューションの幅広いセレクションを用意しています。PaaSの一要素であるOracle BI Cloud Serviceは、Oracle Cloudストアと統合されている、拡張性の高いマルチテナントOracle BI環境を提供します。Oracle BI Cloud Serviceの機能には、分析およびダッシュボードを作成するためのプレゼンテーション・サービス、Oracle Database Cloud Service統合、セルフサービスWebクライアントのデータ・ローダーおよびデータ・モデラー、簡潔な管理、統合されたアイデンティティ管理などがあります。
一般的なOracle BI Cloud Serviceワークフローは次の図に示すような3つの手順で構成されます。1番目の手順では、Oracle BI Cloud Serviceで使用できるデータベース・スキーマに、データ・ローダーを使用してデータ・ファイルをロードします。2番目の手順では、データ・モデラーを使用して、ビジネス・データ・モデルを構築することでアップロードされたデータを編成および保護してから、Oracle BI Cloud Serviceをサブジェクト領域としてモデルを公開します。3番目の手順では、公開されたモデルに基づくサブジェクト領域を使用して、プレゼンテーション・サービスで分析およびダッシュボードを作成します。
このチュートリアルでは、プレゼンテーション・サービスを使用して、分析の作成、グラフの追加、ピボット表の操作、分析およびグラフの書式設定、ダッシュボードの作成およびユーザーの追加をインタラクティブに行い、Oracle BI Cloud Service使用時のユーザー・エクスペリエンスを向上させます。
前提条件
このチュートリアルを始める前に次の用意をする必要があります。
分析プロセスの開始
分析を作成するには、Oracle BI Cloud Serviceにサインインします。
Oracle BI Cloud Servicesへのサインイン
ブラウザで、Oracle CloudページのURLを入力してから、ユーザーの資格証明を使用してOracle Cloudにサインインします。
分析の作成
-
「Subject Areas」ペインで次の列を選択し、「Selected Columns」ペインにある列内の任意の位置にドラッグ・アンド・ドロップして、分析用に選択します。
フォルダ
列
Geography
Region
Products
Product
Revenue Metrics
Revenue
「Selected Columns」ペインに選択した列が表示されます。分析条件は次のスクリーンショットのように表示されます。
注意: 「Selected Columns」ペインで列をクリックしてドラッグすると、分析の列の順序を変更できます。次のスクリーンショットは、列の順序変更について順を追って説明したものです。
「OK」をクリックします。
-
「Filters」ペインで「More Options」アイコンをクリックし、「Save Filters」を選択してフィルタを保存します。
-
「OK」をクリックします。
「Filters」ペインにフィルタ名が表示されます。
-
InstallとMaintenanceメンバーは未選択になりました。
-
「OK」をクリックします。
追加された新しい値が「Selection Steps」ペインに表示されます。「Save」アイコンをクリックして、Selection StepsをCatalogのオブジェクトとして保存することもできます。
-
矢印記号アイコンをクリックして「Selection Steps」ペインを最小化します。
-
分析に合計を追加するには、Tableビューの「Edit View」アイコンをクリックします。
-
分析に総計を追加するには、次の手順を実行します。
- 次の手順を実行して、地域別合計を分析に追加します。
-
「Fixed headers with scrolling content」オプションと「Enable alternate styling」チェック・ボックスを選択してから、「OK」をクリックします。
-
分析を確認します。「Done」をクリックして分析を保存します。
分析の作成と分析エディタの使用
ここで、分析エディタを使用して新しい分析を作成します。
分析のフィルタ、ソートおよび保存
分析にはフィルタを追加できます。フィルタは分析の集計前に適用され、フィルタを使用することで、分析に表示されるデータの量を制限できます。以前に作成した分析のフィルタ、ソートおよび保存を行うには、次の手順を実行します。
分析の選択ステップの作成
分析では、フィルタの他に選択ステップを使用することもできます。フィルタと選択ステップは両方とも、分析に表示されるデータを制限できます。分析の集計前に適用されるフィルタとは異なり、選択ステップは分析の集計後に適用されます。選択ステップが影響するのは表示されているメンバーのみで、結果の集計値には影響しません。
次の手順を実行して、Productに選択ステップを追加します。
分析の書式設定と合計の追加
分析に書式設定と合計を追加するには、次の手順を実行します。
分析へのグラフの追加
-
「OK」をクリックします。フィルタが分析に追加されます。
-
「Edit View」アイコンをクリックして、書式設定の変更を開始します。
グラフ・エディタに3つのセクション(ツールバー、Previewペイン、Layout)が表示されます。
ツールバー ツールバーを使用すると、グラフのタイプやサブタイプの変更、印刷、プレビュー、グラフ・プロパティの編集などが実行できます。
Previewペイン Previewペインはグラフの動的ビューで、変更を即座に表示できます。
Layout Layoutでは、プロンプト、セクション、メジャーなどのプロパティを変更でき、グラフに表示する列の再グループ化も可能です。
「Style」タブをクリックし、「Style」ドロップダウン・リストから「Gradient」を選択します。
-
「Titles and Labels」タブをクリックします。
-
「Graph Title」セクションで「Use measure name as graph title」チェック・ボックスを選択解除し、「Title」テキスト・ボックスに「Regional Revenue」と入力します。
-
「Graph Title」の「Format Title」アイコンをクリックし、表示オプションを確認します。
「Font Format: Title」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
表示オプションを確認し、「OK」をクリックします。
-
「Region」を「Sections」領域に移動し、「Display as Slider」チェック・ボックスを選択します。
-
スライダを「EMEA」の方向に移動して、EMEA地域のデータを表示します。
それに応じてグラフの表示が変わります。
-
「Done」をクリックして分析を保存します。
グラフの追加による分析の機能強化
次の手順を実行して、新しい分析を作成し、そこにグラフを追加して、名前付きフィルタを適用します。
グラフの書式設定
グラフの外観を改善するには、次の手順を実行します。
ピボット表の操作
-
「Subject Areas」ペインで、次の列をダブルクリックします。
フォルダ
列
Products
Products
Time
Time
Revenue Metrics
Revenue
-
Pivot Tableビューで「Time」を展開します。
-
Titleビューを削除します。
-
下方向にスクロールし、「Selection Steps」ペインを表示して展開します。
注意: 「Selection Steps」ペインが表示されない場合は、「Show/Hide Selection Steps pane」アイコンをクリックします。 -
分析を保存します。
- Productsにグループを追加します。
分析を保存します。
-
「Subject Area」ペインで、次の列を分析条件に追加します。
フォルダ
列
Orders
Channels
Geography
Region
Products
Brand
Revenue Metrics
Revenue
-
「Criteria」タブに戻り、名前付きフィルタ「Americas and EMEA」を適用します。
-
「More Options」アイコンをクリックして「Column Properties」を選択し、Revenueの列プロパティを編集します。
-
「Data Format」タブをクリックし、次の編集を行います。
- 「Override Default Data Format」チェック・ボックスを選択します。
- 「Treat Numbers As」ドロップダウン・リストから「Currency」を選択します。
- 「Currency Symbol」ドロップダウン・リストから「$」を選択します。
- 「Negative Format」ドロップダウン・リストから「Minus: -123」を選択します。
- 「Decimal Places」ドロップダウン・リストから「2」を選択します。
- 「Use 1000's Separator」チェック・ボックスを選択します。
「OK」をクリックします。
「Results」タブをクリックし、Revenue列に対して行った書式設定の変更を確認します。
-
矢印アイコンをクリックしてChannelsを展開します。
-
オプション: 次の手順を実行して、階層の最後にTotalを配置します。
a.「Analysis Properties」アイコンをクリックします。
b.「Analysis Properties」ダイアログ・ボックスで「Data」タブをクリックし、「Parent values after children」を選択します。
c.「OK」をクリックします。
-
「Done」をクリックし、分析を「Regional Revenue Pivot」として保存します。ピボット表は次のスクリーンショットのように表示されます。
-
カーソルをBrand列(BizTech)の左側に置きます。タブが表示されます。このタブ上にカーソルを移動すると、入替えアイコンが表示されます。この入替えアイコンを使用して、列と行を入れ替えたり、異なる軸に沿って列または行の位置を変更したりできます。
入替えアイコンは次のように表示されます。
ピボット表ビューを使用した分析の作成
まず、階層列を使用する分析を作成し、選択ステップを適用します。
ピボット表の書式設定と計算の追加
ピボット表では、行、列およびセクション見出しを入れ替えて、同じデータを異なる視点から見ることができます。ピボット表に書式設定して計算を追加することができます。
ピボット表を使用した分析を作成するには、次の手順を実行します。
ダッシュボードの構築
-
グローバル・ヘッダーで、「Dashboards」、「My Dashboard」の順にクリックします。
-
「Page Options」アイコンをクリックして「Edit Dashboard」を選択します。
-
「Dashboard Pages」セクションで「page 1」を選択し、「Dashboard Page Control」ツールバーを有効にします。
ドロップダウン・メニューから「Rename」を選択します。「Rename」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
テキスト・ボックスに「Revenue Percentage」と入力して「OK」をクリックします。
- 次の手順を実行して、フィルタを使用した分析を作成します。
a.次の列を使用して分析を作成します。
フォルダ
列
Time
Year
Customers
Cust Segment
Revenue Metrics
Average Order Size
グローバル・ヘッダーで、「Dashboards」、「My Dashboard」の順にクリックします。
-
「Page Options」アイコン、「Export to Excel」の順にクリックします。
-
デフォルトの「Save File」オプションのままにして、「OK」をクリックします。
ダッシュボード・ページ(この例ではRegional Revenue)がExcelのワークシートとして表示されます。
ダッシュボードには、企業情報および外部情報のパーソナライズしたビューが表示されます。
My Dashboardの理解と編集
パーソナライズしたビューであるMy Dashboardは、ユーザーが個人用のデフォルト開始ページとして作成および保存するダッシュボード・ページです。My Dashboardを開くには、次の手順を実行します。
My Dashboardの編集
My Dashboardを編集するには、次の手順を実行します。
名前付きダッシュボード・プロンプトの作成
ダッシュボード・プロンプトは、ダッシュボードに埋め込まれている分析をフィルタ処理する特殊なフィルタです。
ダッシュボード・レベルで作成されたプロンプトは、名前付きプロンプトと呼ばれます。名前付きプロンプトは特定のダッシュボードの外部で作成され、プロンプトに指定されている列を含むすべてのダッシュボードまたはダッシュボード・ページに適用可能なプロンプト・オブジェクトとしてカタログに格納されます。名前付きプロンプトでは、同じダッシュボード・ページに埋め込まれている1つまたは任意の数の分析をフィルタ処理できます。
ダッシュボード・ページのカスタマイズ
ダッシュボード・ページを使用する場合、フィルタ、ダッシュボード・プロンプト、列ソート、分析のドリル、およびセクションの展開および縮小の設定に対して頻繁に変更を行います。これらのパーソナライズした設定は、ダッシュボードを閉じるときに保存されません。このようなパーソナライズした設定を再呼出しするには、次の手順を実行して、その設定をカスタマイズとして保存します。
My Dashboardの開始ページとしての設定
「My Account」ダイアログ・ボックスの「Preferences」タブを使用して、ダッシュボードの開始ページ、ロケール、タイムゾーンといった個人用のプリファレンスを指定します。使用可能なオプションはユーザーの権限によって異なります。
ダッシュボードのMicrosoft Excelへのエクスポート
ダッシュボード全体または単一のダッシュボード・ページをMicrosoft Excelにエクスポートできます。
カタログの操作
-
カタログからオブジェクト(分析またはダッシュボード)を選択します。この例では、分析「My Selection Steps Analysis」を選択します。
-
「More」ドロップダウン・リストをクリックし、「Add to Favorites」を選択します。
-
「Search」フィールドの隣のフィールドにカーソルを置き、オブジェクトの名前または説明の一部または全部を入力します。
- 矢印アイコンをクリックして検索を開始します。
Favorites Menu
Favoritesを使用すると、分析、ダッシュボード、レポートといったお気に入りの「Catalog」オブジェクトをブックマークできます。グローバル・ヘッダーの「Favorites」メニューから、お気に入りのリストを表示したり、お気に入りのオブジェクトを開くことができます。カタログ・オブジェクトをお気に入りに追加するには、次の手順を実行します。
選択した分析またはオブジェクトが金星記号付きで表示されます。
ビジネス要件に基づいて、これらのお気に入りを整理したり、お気に入りからオブジェクトを削除することもできます。
カタログの検索(基本検索)
基本カタログ検索はOracle BI Cloud Serviceに装備されている標準の検索機能で、グローバル・ヘッダーやCatalogページからオブジェクトを検索できます。検索できるのは、ユーザーに適切な権限があるオブジェクトに限られます。目的のオブジェクトが見つかったら、権限に応じてオブジェクトを選択して表示し、確認または編集できます。
カタログ・オブジェクトの基本検索を行うには、次の手順を実行します。
他のユーザーとのカタログ・オブジェクトの共有
-
「Folders」ペインの「My Folders」で「Regional Revenue」を選択し、ツールバーの「Copy」アイコンをクリックします。
-
「Open」をクリックして、「Customer Segment」ダッシュボード・ページを開きます。
-
「Year」ドロップダウン・リストから「2013」を選択し、「Apply」をクリックします。
-
「Page Options」アイコン、「Save Current Customization」の順にクリックします。
-
「Save Current Customization」ダイアログ・ボックスが表示されます。カスタマイズに「Customer Segments 2013」という名前を付け、「Others」を選択します。
-
「Set Permissions」をクリックします。
新しいカスタマイズに対する空の権限リストが表示されます。
-
「Add Roles/Groups」アイコンをクリックします。
「Add Application Roles」ダイアログ・ボックスが表示されます。
-
「Search」ボタンをクリックし、使用可能なアプリケーション・ロールを表示します。
-
「Available Roles」リストで「Finance」を選択し、「Move」アイコンをクリックしてFinanceロールを「Selected Roles」リストに追加します。
-
「OK」をクリックして「Save Customization Permissions and Deafulats」ダイアログ・ボックスに戻ります。「Premissions」リストの「Accounts」列にFinanceロールが表示されるようになりました。「Finance」アカウント行を選択し、「Account Default」オプションを選択して、保存済カスタマイズをデフォルトに設定します。
-
「OK」をクリックしてカスタマイズを保存します。
分析、ダッシュボードおよびプロンプトの共有
個人用のカタログ・オブジェクトを共有して他のユーザーが使用できるようにするには、それらのオブジェクトをCompany Sharedフォルダの下に配置して、必要なアクセス権限を設定します。
ダッシュボード・ページの保存済カスタマイズの共有
共有ダッシュボードの保存済カスタマイズは共有できます。また、他のユーザーに対して、そのカスタマイズをダッシュボード・ページのデフォルト・カスタマイズにするかどうかも指定できます。
まとめ
このチュートリアルでは、次の操作方法を学びました。
- 分析の作成、編集および書式設定
- グラフおよびピボット表の作成と操作
- My Dashboardの理解、作成および編集
- 新しいダッシュボード・ページの追加、編集および書式設定
- 様々なタイプのダッシュボード・プロンプトの作成
- ダッシュボード・ページのカスタマイズの保存
- Favoritesメニューの使用とカタログの検索
リソース
このOracle by Exampleチュートリアルを移動する際の留意点は次のとおりです。
- ヘッダー・ボタンの非表示:
- タイトルをクリックするとヘッダーのボタンが非表示になります。ボタンを再度表示するには、タイトルを再度クリックします。
- トピック一覧ボタン:
- すべてのトピックのリスト。トピックの1つをクリックするとその項に移動します。
- Expand/Collapse All Topics:
- すべての項のすべての詳細を表示または非表示にする場合。デフォルトではすべてのトピックが縮小されます
- Show/Hide All Images:
- すべてのスクリーンショットを表示または非表示にする場合。デフォルトではすべてのイメージが表示されます。
- 印刷:
- コンテンツを印刷する場合。現在、表示または非表示になっているコンテンツが印刷されます。
このチュートリアルで特定の項に移動する場合は、リストからトピックを選択します。