この章では、Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを使用してOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)のディスク・グループを管理する方法について説明します。図3-1は、Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクで構成されるOracle ASMディスク・グループを示しています。この図は一般的なもので構成を簡略化していますが、ストレージ・セルとディスクを追加して大規模なOracle Exadata Storage Serverのグリッドを構築する場合のモデルとして使用できます。
このOracle Exadata Storage Serverグリッドの内容は次のとおりです。
グリッド内のストレージ・セルは、InfiniBandネットワークを介して、単一インスタンスのデータベースおよびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)データベースのインストールを含むデータベース・サーバーに接続されます。
各ストレージ・セルは、物理ディスクで構成されます。
各セル・ディスクは、物理ディスクおよびLUNを表します。
各セル・ディスクは、グリッド・ディスクにパーティション化されます。
Oracle ASMディスク・グループは、グリッド・ディスクで構成されるように設定されます。
Oracle ASM障害グループは、1つのストレージ・セルで障害が発生してもフォルト・トレランスを実行できるように、同じストレージ・セルでファイルがミラー化されないように作成されます。障害グループの数はExadataセルの数に一致します。各障害グループは、1つのストレージ・セルに属するOracle ASMディスク・グループのグリッド・ディスクのサブセットで構成されます。
この章の内容は次のとおりです。
関連項目:
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この項では、Oracle Exadata Storage Serverを使用するために必要となる基本的なOracle ASMタスクについて説明します。この項の内容は次のとおりです。
関連項目:
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この項では、Oracle ASMディスク・グループについて説明し、CREATE DISKGROUP
SQLコマンドを使用してOracle Exadata Storage Server SoftwareのOracle ASMディスク・グループを作成する方法を紹介します。Oracle ASMディスク・グループを作成する前に、Oracle ASMディスク・グループに追加するグリッド・ディスクを決定します。Oracle ASMディスク・グループおよびそのグリッド・ディスクの名前は、可能であれば同様の名前を選択することをお薦めします。
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクは、次のパターンで指定します。
o/cell_IPaddress/griddisk_name
この構文において、cell_IPaddressはOracle Exadata Storage ServerのIPアドレスを示し、griddisk_nameはグリッド・ディスクの名前を示します。
セルの検出文字列はo/
接頭辞で始まります。
グリッド・ディスクをディスク・グループに追加するように指定する場合は、次の点を考慮します。
デフォルトのOracle ASMディスク名はグリッド・ディスク名です。デフォルトの設定を使用することをお薦めします。
デフォルトの障害グループ名はセル名です。デフォルトの設定を使用することをお薦めします。
障害グループが指定されていない場合は、Oracle ASM独自の障害グループ内に各ディスクが追加されます。ただし、ディスクがOracle Exadata Storage Serverに格納されており、障害グループが指定されていない場合は、Oracle ASMによってそのセルの障害グループにディスクが追加されます。障害グループ名はセル名になります。
注意: セルの名前が変更され、そのセルのディスクが属する既存のディスク・グループにセルのディスクが追加されると、Oracle ASMによって新しいディスクは障害グループに追加され、新しいセル名が使用されます。セルのすべてのディスクが1つの障害グループに含まれるようにするには、ディスクをディスク・グループに追加して、元の障害グループ名を指定します。 |
スマート・スキャンの条件のオフロード処理を有効にするには、ディスク・グループのすべてのディスクをOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクにする必要があります。Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクには従来型のディスクを含めることはできません。
関連項目:
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Oracle Grid Infrastructureリリース11.2.0.3以上で標準冗長性を使用しており、compatible.asm
値が11.2.0.3
以上の場合は、DATA、RECOおよびDBFS_DGディスク・グループのcontent.type
属性を設定します。
content.type
属性を設定すると、リカバリ時間目標(RTO)およびリカバリ・ポイント目標(RPOまたはデータ損失の許容範囲)が改善します。DATAおよびSPARSEディスク・グループのcontent.type
値はdata
、RECOディスク・グループのcontent.type
値はrecovery
、DBFS_DGのcontent.type
値はsystem
です。
注意:
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次の例では、ディスク・グループの作成中にコンテンツ・タイプを追加します。リリース11.2.0.2およびリリース11.2.0.3の両方のデータベースを統合環境でサポートするために、compatible.rdbms
属性は11.2.0.2に設定されます。
CREATE DISKGROUP data NORMAL REDUNDANCY DISK 'o/*/DATA*' ATTRIBUTE 'content.type' = 'DATA', 'content.type' = 'DATA', 'AU_SIZE' = '4M', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms'='11.2.0.2', 'compatible.asm'='11.2.0.3';
既存のディスク・グループにcontent.type
属性を設定するには、ALTER DISKGROUP
コマンドを使用して、ディスク・グループをリバランスします。コマンドの例を次に示します。
ALTER DISKGROUP reco SET ATTRIBUTE 'content.type'='recovery';
ALTER DISKGROUP reco REBALANCE POWER preferred_power_setting ;
リバランス操作には時間がかかる場合がありますが、この操作によりディスク・グループのデータの冗長性が完全になります。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。
content.type
属性をチェックするには、次の問合せを使用します。
SQL> select dg.name,a.value from v$asm_diskgroup dg, \ v$asm_attribute a where dg.group_number=a.group_number \ and a.name='content.type' and (dg.name like 'DATA%' \ or dg.name like 'RECO%' or dg.name like 'DBFS_DG%'); NAME VALUE -------------------- -------------------- DATA data RECO recovery DBFS_DG system
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを使用するためにOracle ASMディスク・グループを作成するには、次の手順を実行します。
Oracle ASMインスタンスに接続します。
次のようなコマンドを使用して、ORACLE_SID
環境変数をOracle ASMインスタンスに設定します。
$ setenv ORACLE_SID ASM_instance_SID
Oracle ASMインスタンスでSQL*Plusを起動し、SYSASM
管理権限を持つユーザーとしてログインします。
$ sqlplus / AS SYSASM
次の構文を使用してOracle ASMインスタンスでV$ASM_DISK
ビュー問合せを実行し、使用可能なOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを特定します。
SQL> SELECT PATH, header_status STATUS FROM V$ASM_DISK WHERE path LIKE 'o/%';
セルのディスクを格納するOracle ASMディスク・グループを作成します。
これらのコマンドでは、インストール中に作成されたディスク・グループのcompatible.rdbms
を変更してOCRおよび投票ディスクを保持するために、ALTER
コマンドが必要です。リリース11.2.0.2およびリリース11.2.0.3の両方のデータベースを統合環境でサポートするために、compatible.rdbms
属性は11.2.0.2に設定されます。
SQL> CREATE DISKGROUP data HIGH REDUNDANCY DISK 'o/*/DATA*' ATTRIBUTE 'AU_SIZE' = '4M', 'content.type' = 'data', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms'='11.2.0.2', 'compatible.asm'='11.2.0.3'; SQL> CREATE DISKGROUP reco HIGH REDUNDANCY DISK 'o/*/RECO*' ATTRIBUTE 'AU_SIZE' = '4M', 'content.type' = 'recovery', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms'='11.2.0.2', 'compatible.asm'='11.2.0.3'; SQL> ALTER DISKGROUP dbfs_dg SET ATTRIBUTE 'content.type' = 'system', 'compatible.rdbms' = '11.2.0.2';
次の例は、CREATE DISKGROUP
コマンドを使用してディスク・グループを作成する例を示しています。ディスク・グループの名前は、太字で示されています。リリース11.2.0.2およびリリース11.2.0.3の両方のデータベースを統合環境でサポートするために、compatible.rdbms
属性は11.2.0.2に設定されます。
SQL> CREATE DISKGROUP data HIGH REDUNDANCY -- These grid disks are on cell01 DISK 'o/*/data_CD_00_cell01', 'o/*/data_CD_01_cell01', 'o/*/data_CD_02_cell01', -- These grid disks are on cell02 DISK 'o/*/data_CD_00_cell02', 'o/*/data_CD_01_cell02', 'o/*/data_CD_02_cell02', -- These disk group attributes must be set for cell access -- Note that this disk group is set for cell only ATTRIBUTE 'compatible.rdbms' = '11.2.0.2', 'content.type' = 'data', 'compatible.asm' = '11.2.0.3', 'au_size' = '4M', 'cell.smart_scan_capable' = 'TRUE'; SQL> CREATE DISKGROUP reco HIGH REDUNDANCY -- These grid disks are on cell01 DISK 'o/*/reco_CD_00_cell01', 'o/*/reco_CD_01_cell01', 'o/*/reco_CD_02_cell01' -- These grid disks are on cell02 DISK 'o/*/reco_CD_00_cell02', 'o/*/reco_CD_01_cell02', 'o/*/reco_CD_02_cell02' -- These disk group attributes must be set for cell access -- Note that this disk group is set for cell only ATTRIBUTE 'compatible.rdbms' = '11.2.0.2', 'content.type' = 'recovery', 'compatible.asm' = '11.2.0.3', 'au_size' = '4M', 'cell.smart_scan_capable' = 'TRUE';
スパース・ディスク・グループを作成する場合、次のようなコマンドを使用します。
SQL> CREATE DISKGROUP sparsedg NORMAL REDUNDANCY DISK 'o.*/sparse_*' ATTRIBUTE 'AU_SIZE' = '4M', 'content.type' = 'data', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms' = '12.1.0.2', 'compatible.asm' = '12.1.0.2', 'cell.sparse_dg' = "allsparse';
前述のコマンドでは、cell.sparse_dg
属性によってディスク・グループをスパース・ディスク・グループとして定義しています。ディスク・グループがスパース・ディスク・グループでない場合は、この属性を含める必要はありません。
V$ASM
動的ビューでSQL問合せを実行して、Oracle ASMディスク・グループおよび関連する属性を表示します。たとえば、次のSQLコマンドでは、Oracle ASMディスク・グループと属性が表示されます。
SQL> SELECT dg.name AS diskgroup, SUBSTR(a.name,1,24) AS name, SUBSTR(a.value,1,24) AS value FROM V$ASM_DISKGROUP dg, V$ASM_ATTRIBUTE a WHERE dg.group_number = a.group_number; DISKGROUP NAME VALUE ---------------------------- ------------------------ ------------------------ DATA compatible.rdbms 11.2.0.2 DATA compatible.asm 11.2.0.3 DATA au_size 4194304 DATA disk_repair_time 3.6h DATA cell.smart_scan_capable TRUE ...
オフロード処理などのOracle Exadata Storage Server Software機能を利用できるように、ディスク・グループに表領域を作成します。この表領域には、オフロード処理で問合せを実行する表を含める必要があります。この構文の例を次に示します。
SQL> CREATE TABLESPACE tablespace_name DATAFILE '+DATA';
このコマンドの+DATA
は、Oracle ASMディスク・グループの名前です。
表領域がOracle Exadata Storage Serverのディスク・グループにあることを確認します。DBA_TABLESPACES
ビューのPREDICATE_EVALUATION
列は、条件がホスト(HOST
)またはストレージ(STORAGE
)のどちらで評価されるかを示しています。たとえば、次のSQLコマンドでは、表領域がセル内にすべてあるかどうかを確認します。
SQL> SELECT tablespace_name, predicate_evaluation FROM dba_tablespaces WHERE tablespace_name = 'DATA_TB'; TABLESPACE_NAME PREDICA ------------------------------ ------- DATA_TB STORAGE
関連項目:
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Oracle ASMディスク・グループにディスクを追加するには、次の手順を実行します。
Oracle ASMインスタンスでV$ASM_DISK
ビュー問合せを実行し、使用可能なディスクを特定します。ヘッダーのステータスがCANDIDATE
に設定されている場合、ディスクはディスク・グループの候補になっています。
Oracle Exadata Storage Server ASMディスク・グループ以外にOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを追加するのは、そのディスク・グループをOracle Exadata Storage Serverディスク・グループに移行する予定がある場合のみにしてください。
SQL ALTER DISKGROUP
コマンドを使用してADD DISK
句を指定し、次の構文を使用してOracle ASMディスク・グループにディスクを追加します。
SQL> ALTER DISKGROUP disk_group_name ADD DISK 'o/cell_IPaddress/data*';
ディスクが追加されると、Oracle ASMによってディスク・グループがリバランスされます。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。リバランス操作のステータスは、V$ASM_OPERATION
ビュー問合せで確認できます。
ディスク・グループ内のファイルにデータベース・インスタンスでアクセスできるようにするには、ディスク・グループをOracle ASMインスタンスでマウントする必要があります。ディスク・グループをマウントするには、すべてのディスクを検出し、マウントされるディスク・グループのファイルを特定する必要があります。
ディスク・グループをマウントするにはMOUNT
オプションを指定し、ディスマウントするにはDISMOUNT
オプションを指定して、SQL ALTER DISKGROUP
コマンドを使用します。
MOUNT句を指定したALTER DISKGROUP
コマンドでFORCE
オプションを使用すると、ディスク・グループのコンポーネントが使用できない状態で十分な冗長性が確保できない場合でも、ディスク・グループをマウントできます。
関連項目: ディスク・グループのマウント方法の詳細は、『Oracle Automatic Storage Management管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle ASMディスクのINACTIVE
とACTIVE
を切り替えるには、次の手順を実行します。
Oracle ASMインスタンスでV$ASM_DISK
ビュー問合せおよびV$ASM_DISKGROUP
ビュー問合せを実行し、Oracle ASMディスク・グループでオフラインとオンラインを切り替えるディスクを特定します。
次のコマンドのいずれかを使用します。
ディスクを非アクティブにするには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> ALTER GRIDDISK gdisk_name INACTIVE
ディスクをアクティブにするには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> ALTER GRIDDISK gdisk_name ACTIVE
ディスクがオンラインになると、ディスク・グループがリバランスされます。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。リバランス操作のステータスは、V$ASM_OPERATION
ビュー問合せで確認できます。
ディスク・グループからディスクを削除するには、次の手順を実行します。
Oracle ASMインスタンスでV$ASM_DISK
ビュー問合せおよびV$ASM_DISKGROUP
ビュー問合せを実行し、Oracle ASMディスク・グループから削除するディスクを特定します。
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを削除する場合は、各Oracle ASMディスク・グループにマップされているグリッド・ディスクを特定できるようにします。
SQL ALTER DISKGROUP
コマンドを使用してDROP DISK
句を指定し、Oracle ASMディスク・グループからディスクを削除します。例:
SQL> ALTER DISKGROUP disk_group_name DROP DISK data_CD_11_cell01;
Oracle ASMディスク・グループからディスクが削除されると、Oracle ASMによってディスク・グループがリバランスされます。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。リバランス操作のステータスは、V$ASM_OPERATION
ビュー問合せで確認できます。
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクがOracle ASMディスク・グループから削除されたら、セルからグリッド・ディスクを削除できます。
Oracle ASMディスク・グループを削除するには、次の手順を実行します。
Oracle ASMインスタンスでV$ASM_DISKGROUP
ビュー問合せを実行し、削除するディスク・グループを特定します。
SQL DROP DISKGROUP
コマンドを使用して、Oracle ASMディスク・グループを削除します。
ディスク・グループをマウントできないが削除する必要がある場合は、DROP DISKGROUP
コマンドのFORCE
オプションを使用してください。
Oracle ASM appliance.mode
属性を使用すると、1つ以上のOracle ASMディスクを削除するときにディスクのリバランス完了時間が改善されます。つまり、障害が発生した後、冗長性が迅速にリストアされます。
属性を有効化できるのは、次の要件を満たすディスク・グループのみです。
Oracle ASMディスク・グループ属性compatible.asm
がリリース11.2.0.4または12.1.0.2以上に設定されている。
cell.smart_scan_capable
属性がTRUE
に設定されている。
ディスク・グループ内のすべてのディスクが同じタイプである(すべてのディスクがハード・ディスクであるか、すべてのディスクがフラッシュ・ディスクであるなど)。
ディスク・グループ内のすべてのディスクが同じサイズである。
ディスク・グループのすべての障害グループのディスク数が等しい。
エイス・ラック構成の場合、すべての障害グループに4ディスクが含まれるか、すべての障害グループに6ディスクが含まれる。
それ以外のラック構成の場合、すべての障害グループに10ディスクが含まれるか、すべての障害グループに12ディスクが含まれる。
ディスク・グループに少なくとも3つの障害グループが含まれている。
ディスク・グループ内にオフラインのディスクがない。
属性は、新規ディスク・グループを作成するときに自動的に有効化されます。既存のディスク・グループでは、ALTER DISKGROUP
コマンドを使用して属性を明示的に設定する必要があります。このコマンドの例を次に示します。
SQL> ALTER DISKGROUP disk_group
SET ATTRIBUTE 'appliance.mode'='TRUE';
ディスク・グループの作成時にappliance.mode
属性を無効化するには、属性をFALSE
に設定します。次の例では、ディスク・グループの作成時にappliance.mode
属性を無効化しています。
SQL> CREATE DISKGROUP data NORMAL REDUNDANCY DISK 'o/*/DATA*' ATTRIBUTE 'content.type' = 'data', 'au_size' = '4M', 'cell.smart_scan_capable'='TRUE', 'compatible.rdbms'='11.2.0.3', 'compatible.asm'='11.2.0.4', 'appliance.mode'='FALSE';
注意: 既存のディスク・グループに対してappliance.mode 属性を有効化すると、次回のリバランス操作でデータ移動が増える可能性があります。 |
Oracle ASMディスク・グループに属するOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクの変更
Oracle ASMディスク・グループに含まれるOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクの特定
Oracle ASMディスク・グループに属するOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクの特定
セル・ディスクに属するグリッド・ディスクを容易に判別できるように、グリッド・ディスクの名前にはセル・ディスク名を含めるようにしてください。また、Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクを判別できるように、グリッド・ディスクが属するOracle ASMディスク・グループの名前とグリッド・ディスク名のサブセットをすべて同じにするか、一部を同じにしてください。
たとえば、グリッド・ディスクがセル・ディスクCD_03_cell01
上で作成され、そのグリッド・ディスクがdata0
の名前のOracle ASMディスク・グループに属する場合は、グリッド・ディスク名をdata0_CD_03_cell01
にしてください。
CREATE GRIDDISK
でALL PREFIX
オプションを指定すると、接頭辞とセル名を含む一意のグリッド・ディスク名が自動的に生成されます。グリッド・ディスクの作成時にデフォルトの生成名を使用しない場合は、すべてのセルでグリッド・ディスク名を一意にする必要があります。ディスク名が一意でない場合は、グリッド・ディスクをOracle ASMディスク・グループに追加できないことがあります。
Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクを変更する場合は、変更によりグリッド・ディスクが属するOracle ASMディスク・グループが受ける可能性がある影響を考慮する必要があります。
この項の内容は次のとおりです。
グリッド・ディスクの属性を変更するには、CellCLIのALTER GRIDDISK
コマンドを使用します。変更可能なOracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスク属性を特定するには、DESCRIBE GRIDDISK
コマンドを使用します。
注意: Oracle ASMディスク・グループに属するグリッド・ディスクの名前を変更する前に、対応するOracle ASMディスクがオフラインになっていることを確認します。「ディスクのオフラインとオンラインの切替え」を参照してください。 |
例3-1は、グリッド・ディスクの名前を変更する方法を示しています。
例3-1 Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスク名の変更
CellCLI> ALTER GRIDDISK data011 name='data0_CD_03_cell04'
Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクを削除するには、CellCLIのDROP GRIDDISK
コマンドを使用します。グリッド・ディスクを削除する前にグリッド・ディスクを非アクティブにし、そのグリッド・ディスクが使用されていないことを確認します。FORCE
オプションを使用すると、使用中のグリッド・ディスクを強制的に削除できます。
注意:
|
グリッド・ディスクを削除するには、次の手順を実行します。
次のコマンドを使用して、Oracle ASMディスクをディスク・グループから削除します。
SQL> ALTER DISKGROUP disk_group_name DROP DISK disk_name;
次のコマンドを使用して、対応するグリッド・ディスクを非アクティブにします。
CellCLI> ALTER GRIDDISK disk_name INACTIVE
次のコマンドを使用して、グリッド・ディスクを削除します。
CellCLI> DROP GRIDDISK disk_name
例3-2は、指定したグリッド・ディスクまたは複数のグリッド・ディスクを削除する方法を示しています。
例3-2 グリッド・ディスクの削除
CellCLI> ALTER GRIDDISK data0_CD_03_cell04 INACTIVE CellCLI> DROP GRIDDISK data0_CD_03_cell04 CellCLI> ALTER GRIDDISK ALL INACTIVE CellCLI> DROP GRIDDISK ALL PREFIX=data0 CellCLI> DROP GRIDDISK data02_CD_04_cell01 FORCE
グリッド・ディスク名がOracle ASMディスク名に一致しており、名前にOracle ASMディスク・グループ名が含まれている場合は、グリッド・ディスクが属するOracle ASMディスク・グループを特定できます。Oracle ASMインスタンスでSQLコマンドを使用して、特定のグリッド・ディスク名と部分一致するOracle ASMディスク・グループを検索することもできます。これにより、特定のグリッド・ディスクを含むOracle ASMディスク・グループを特定できます。
例3-3は、DATA0
で始まるグリッド・ディスク(例: DATA0_CD_03_CELL04
)を含むOracle ASMディスク・グループを見つける方法を示しています。
例3-3「Oracle ASMディスク・グループのグリッド・ディスクの特定」
SQL> SELECT d.label as asmdisk, dg.name as diskgroup
FROM V$ASM_DISK d, V$ASM_DISKGROUP dg
WHERE dg.name LIKE 'DATA0%'
AND d.group_number = dg.group_number;
ASMDISK DISKGROUP
---------------------- -------------
DATA0_CD_00_CELL04 DATA0
DATA0_CD_01_CELL04 DATA0
DATA0_CD_02_CELL04 DATA0
DATA0_CD_03_CELL04 DATA0
グリッド・ディスク名にOracle ASMディスク・グループ名が含まれている場合は、Oracle ASMインスタンスでSQLコマンドを使用してOracle ASMディスク・グループ名を表示し、CellCLIユーティリティを使用して特定のグリッド・ディスク名を検索できます。
例3-4は、SQLコマンドを使用して、Oracle ASMインスタンス上のOracle ASMディスク・グループ名を表示する方法を示しています。
例3-4 Oracle ASMディスク・グループ名の表示
SQL> SELECT name FROM V$ASM_DISKGROUP; NAME ------------------------------ CONTROL DATA0 DATA1 DATA2 LOG STANDBY
例3-5は、dcliユーティリティを使用して、セル上の同様のグリッド・ディスク・グループ名を表示する方法を示しています。
物理ディスクが取り外されると、ステータスはnot present
になります。物理ディスクのグリッド・ディスクにアクセスしようとした場合に、I/Oエラーが発生すると、Oracle ASMはグリッド・ディスクをオフラインにすることがあります。物理ディスクが交換されると、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、それぞれのOracle ASMディスク・グループで、その物理ディスクのグリッド・ディスクを自動的にオンラインにします。グリッド・ディスクがdisk_repair_time
属性で指定した時間よりも長い時間オフラインの場合、Oracle ASMはそのグリッド・ディスクを強制的に削除し、リバランスを開始してデータの冗長性をリストアします。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時に電子メール・メッセージを送信します。
表3-1は、物理ディスクのステータスと、物理ディスクに問題が発生した場合にOracle ASMがグリッド・ディスクをどのように処理するかをまとめたものです。
表3-1 物理ディスクのステータス
物理ディスクのステータス | Oracle Exadata Storage Server Softwareの処理 |
---|---|
ディスクは正常に動作しています。 |
処理なし。 |
ディスクが削除されています。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareはディスクをオフラインにし、 |
ディスクに問題が発生しており、障害が発生する可能性があります。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクを すべてのグリッド・ディスクがそれぞれのOracle ASMディスク・グループから正常に削除されたら、管理者はディスク交換に進むことができます。 |
ディスクで障害が発生しました。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクを 管理者は、ディスク交換にすぐに進むことができます。 このステータスは、リリース11.2.3.1.1以上に対してのみ使用可能です。 |
ディスクのパフォーマンスが低下しています。 |
Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、影響を受ける物理ディスク上のグリッド・ディスクを
オフライン・パートナにより すべてのグリッド・ディスクがそれぞれのOracle ASMディスク・グループから正常に削除されたら、管理者はディスク交換に進むことができます。 |
物理ディスクが交換されると、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは、交換用ディスク上にグリッド・ディスクを自動的に作成し、それぞれのOracle ASMディスク・グループに追加します。Oracle ASMのリバランス操作により、新しく追加されたグリッド・ディスクにデータが移動されます。Oracle ASMではリバランス操作を監視し、Oracle Exadata Storage Server Softwareでは操作の完了時、およびリバランス操作中にエラーが発生した場合に電子メール・メッセージを送信します。
関連項目: 物理ディスクのステータスの詳細は、『Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド』を参照してください。 |