この章では、Oracle Exadata Storage Server Softwareで小規模なグリッドを構成するための主な手順について説明します。この手順は、大規模なグリッドでも同じです。グリッドで必要なディスクおよびセルの数は、容量、パフォーマンスおよび冗長性の要件に基づいて決定します。
セルにはハードウェアおよびソフトウェアがすでにインストールされています。この章の手順では、Oracle DatabaseおよびOracle Automatic Storage Management(Oracle ASM)のインスタンスで使用するストレージ・セルの構成方法について説明します。
注意: Oracle Exadata Storage Serverのハードウェアまたはソフトウェアに対する変更は、サポートされていません。管理およびストレージ・トラフィックを含むすべての接続に、Oracle Exadata Storage Serverの実証済のネットワーク・インタフェースのみを使用する必要があります。それ以外のネットワーク・インタフェースは、使用しないでください。 |
この章の内容は次のとおりです。
関連項目:
|
Oracle Exadata Storage Server Software のリリース番号は、次のようにOracle Databaseのリリース番号に関連しています。
Oracle Exadata Storage Server Softwareのリリース番号の最初の2桁は、Oracle Database 12cリリース1(12.1)のように、Oracle Databaseのメジャー・リリース番号を表します。Oracle Exadata Storage Server Softwareリリース12.1は、Oracle Database 12cリリース1(12.1)のすべてのリリースと互換性があります。
3番目の桁は、通常はコンポーネント固有のOracle Databaseのリリース番号を表します。この桁は、通常はOracle Databaseの現在のリリースの12.1.0.1.0のように、完全なリリース番号の4桁目と一致します。
最後の2桁は、Oracle Exadata Storage Server Softwareのリリースを表します。
関連項目: データベースのリリース番号の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
Oracle Exadata Storage Serverは、すべてのハードウェアおよびソフトウェアがプリインストールされた状態で出荷されますが、自分の環境に合わせてOracle Exadata Storage Server Softwareを構成する必要があります。この項では、構成タスクの概要について説明します。それ以降の項では、実際の手順について説明します。この項の内容は次のとおりです。
ストレージ・セルのIPアドレスを次のポートに割り当てます。
ネットワーク・アクセス・ポート
リモート管理ポート
InfiniBandポート
ストレージ・セルの電源をオンにし、タイムゾーンやパスワードの設定など、使用するロケーションに合せてストレージ・セルを構成します。
セルを構成するには、ALTER CELL
コマンドを使用します。例2-1は、新規セルの構成の例を示しています。
例2-1 新規セルの構成
CellCLI> ALTER CELL - smtpServer='my_mail.example.com', - smtpFromAddr='john.doe@example.com', - smtpPwd=email_address_password, - smtpToAddr='jane.smith@example.com', - notificationPolicy='clear', - notificationMethod='mail,snmp'
例2-1では、ストレージ・セルの管理者に電子メール・メッセージを送信するように電子メール通知が構成されます。ALTER CELL
コマンドの各行の最後にあるハイフン(-)により、[Enter]を押す前にコマンドを次の行に続けることができます。テキスト・ファイルを使用してコマンドを実行することもできます。
セル属性を検証するには、LIST CELL DETAIL
コマンドを使用します。例2-2は、セル属性の表示の例を示しています。
例2-2 ストレージ・セルの詳細表示
CellCLI> LIST CELL DETAIL name: cell01 bmcType: IPMI cellVersion: OSS_11.2.1.1.0_LINUX.X64_090815 cpuCount: 16 diagHistoryDays: 7 fanCount: 12/12 fanStatus: normal id: c2b389e2-2c88-4313-bf88-d6fb748881f7 interconnectCount: 3 iormBoost 0.0 ipaddress1: 192.168.50.27/24 kernelVersion: 2.6.18-128.1.16.0.1.el5 makeModel: SUN MICROSYSTEMS SUN FIRE X4275 SERVER SAS metricHistoryDays: 7 offloadEfficiency: 1.0 powerCount: 2/2 powerStatus: normal status: online smtpFrom: "John Doe" smtpFromAddr: john.doe@example.com smtpServer: my_mail.example.com smtpToAddr: jane.smith@example.com snmpSubscriber: host=host1,port=162,community=public host=host2,port=162,community=public temperatureReading: 24.0 temperatureStatus: normal upTime: 0 days, 11:14 cellsrvStatus: running rsStatus: running msStatus: running
セル・ディスクを作成するには、CREATE CELLDISK
コマンドを使用します。例2-3では、ALL
オプションにより、デフォルト名を使用してすべてのセル・ディスクを作成しています。
例2-3 セル・ディスクの作成
CellCLI> CREATE CELLDISK ALL CellDisk CD_00_cell01 successfully created CellDisk CD_01_cell01 successfully created CellDisk CD_02_cell01 successfully created ... CellDisk CD_10_cell01 successfully created CellDisk CD_11_cell01 successfully created
セル・ディスクは、CD
_lunID
_
cellname
の書式で名前が設定されて作成されます。lunIDおよびセル名の値は、LUNのid
属性およびセルのname
属性にそれぞれ対応します。単一のセル・ディスクを作成する場合は、他のディスク名を指定できます。
フラッシュ・ディスク付きのOracle Exadata Storage Serverでは、CREATE CELLDISK ALL
コマンドによって次のようにフラッシュ・ディスクにもセル・ディスクが作成されます。
CellCLI> CREATE CELLDISK ALL CellDisk FD_01_cell01 successfully created CellDisk FD_02_cell01 successfully created CellDisk FD_03_cell01 successfully created CellDisk FD_04_cell01 successfully created CellDisk FD_05_cell01 successfully created CellDisk FD_06_cell01 successfully created CellDisk FD_07_cell01 successfully created CellDisk FD_08_cell01 successfully created CellDisk FD_09_cell01 successfully created CellDisk FD_10_cell01 successfully created CellDisk FD_11_cell01 successfully created CellDisk FD_12_cell01 successfully created CellDisk FD_13_cell01 successfully created CellDisk FD_14_cell01 successfully created CellDisk FD_15_cell01 successfully created
注意: CREATE CELLDISK コマンドでは、フラッシュ・ディスクにセル・ディスクが作成されます(存在しない場合)。フラッシュ・ディスクにセル・ディスクがある場合は、再度作成されません。 |
グリッド・ディスクを作成するには、CREATE GRIDDISK
コマンドを使用します。次の例のALL HARDDISK PREFIX
オプションでは、ストレージ・セルの各セル・ディスクにグリッド・ディスクが1つずつ作成されます。Oracle ASMディスク・グループ名には、ディスク・グループに属するグリッド・ディスクを識別するためのPREFIX
が使用されます。例2-4は、グリッド・ディスクの作成の例を示しています。ディスクのサイズはお客様の要件によって異なります。
例2-4 グリッド・ディスクの作成
CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=data, size=300G GridDisk data_CD_00_cell01 successfully created GridDisk data_CD_01_cell01 successfully created GridDisk data_CD_02_cell01 successfully created ... GridDisk data_CD_11_cell01 successfully created CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=reco, size=600G GridDisk reco_CD_00_cell01 successfully created GridDisk reco_CD_01_cell01 successfully created GridDisk reco_CD_02_cell01 successfully created ... GridDisk reco_CD_11_cell01 successfully created CellCLI> LIST GRIDDISK data_CD_00_cell01 active data_CD_01_cell01 active data_CD_02_cell01 active ... data_CD_11_cell01 active reco_CD_00_cell01 active reco_CD_01_cell01 active reco_CD_02_cell01 active ... reco_CD_11_cell01 active
例2-4では、接頭辞の値のdata
およびreco
が、作成されるOracle ASMディスク・グループの名前になります。LIST GRIDDISK
コマンドでは、作成されるグリッド・ディスクが表示されます。ALL PREFIX
オプションを使用すると、生成されるグリッド・ディスク名はグリッド・ディスクの接頭辞の後にアンダースコア(_
)、セル・ディスク名を続ける書式で構成されます。
グリッド・ディスク名は、単一のデプロイメント内のすべてのセルで一意にする必要があります。グリッド・ディスクおよびセル・ディスクで推奨されるネーミング規則に従うことにより、自動的に一意の名前が生成されます。グリッド・ディスクの作成時にデフォルトの生成名を使用しない場合は、すべてのストレージ・セルでグリッド・ディスク名を一意にする必要があります。ディスク名が一意でない場合は、グリッド・ディスクをOracle ASMディスク・グループに追加できないことがあります。
グリッド・ディスクを作成する場合は、次の点に注意してください。
オフセットにより、グリッド・ディスクが割り当てられるディスク上の位置が指定されます。最も外側のトラックは、小さいオフセット値を持ちます。これらのトラックは、高速で動作し、帯域幅も広くなっています。オフセットを明示的に指定すると、他のグリッド・ディスクと比較して高速に動作するグリッド・ディスクを作成できます。オフセットを指定しない場合、利用可能な最適な(ウォーム)オフセットは、グリッド・ディスクの作成順に自動的に選択されます。最も頻繁にアクセスされる(ホット)データが含まれることが予想されるグリッド・ディスクを最初に作成し、アクセス頻度が低い(コールド)データを含むグリッド・ディスクを次に作成するようにしてください。
normal_redundancy
インターリーブ・オプションを使用して、オフセット付きでグリッド・ディスクを作成すると、指定したオフセットの最も外側にあるトラックの開始部分にグリッド・ディスクの半分が作成され、最も内側にあるトラックの開始部分から同じだけオフセットした部分にグリッド・ディスクの残りの半分が作成されます。
high_redundancy
インターリーブ・オプションを使用すると、グリッド・ディスクは同じサイズの3つのセクション(最も外側から3つのトラック、次の3つのトラック、最も内側から3つのトラック)に分割されます。
スナップショットを使用するときはスパース・グリッド・ディスクのみ作成する必要があります。スナップショットによって生成されるファイルがスパース・ディスクに格納されます。スパース・グリッド・ディスクでは、標準グリッド・ディスク操作すべてがサポートされます。スパース・グリッド・ディスクにはvirtualsize
という追加の属性があります。この属性は、グリッド・ディスクで提供する必要がある最大仮想領域を構成します。構成でスパース・グリッド・ディスク上の仮想領域が不足したときに物理領域が使用可能な場合には、この属性のサイズを変更できます。
スパース・ディスクに設定できる最大サイズは、セル・ディスクの空き領域のサイズです。最大仮想サイズは100TBです。例2-5では、スパース・グリッド・ディスクは物理セル・ディスク・サイズから最大で300GBを使用し、Oracle ASMファイル用として20000GBの仮想領域を公開します。
例2-5 スパース・グリッド・ディスクの作成
CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL HARDDISK PREFIX=sp, size=300G, virtualsize=20000G GridDisk sp_CD_00_cell01 successfully created GridDisk sp_CD_01_cell01 successfully created GridDisk sp_CD_02_cell01 successfully created ... GridDisk sp_CD_11_cell01 successfully created
Oracle Exadata Storage Server Softwareは、スパース・グリッド・ディスクによって使用される物理領域を監視し、ほとんどの領域が使用されるとアラートを生成します。領域不足エラーを回避するには、ALTER GRIDDISK
コマンドを使用してグリッド・ディスクに物理領域を追加するか、Oracle ASMファイルをいくつか削除してグリッド・ディスクの領域を解放します。
CREATE GRIDDISK ALL FLASHDISK PREFIX='FLASH'
コマンドとCREATE FLASHCACHE
コマンドを使用して、フラッシュ・ディスクおよびフラッシュ・キャッシュを作成します。
デフォルトでは、CREATE CELL
コマンドによってすべてのフラッシュ・ディスクにフラッシュ・セル・ディスクが作成され、次にそのフラッシュ・セル・ディスクにExadataスマート・フラッシュ・キャッシュが作成されます。Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュのサイズ変更や、フラッシュ・グリッド・ディスクの作成を行うには、フラッシュ・キャッシュを一度削除してから、異なるサイズでフラッシュ・キャッシュを作成するか、フラッシュ・グリッド・ディスクを作成する必要があります。
Oracle Exadata Database Machineでサポートされている自動サービス・リクエスト(ASR)では、一般的なハードウェア障害を検出して、サービス・リクエストを自動的に作成します。このサポートには、Oracle Exadata Storage ServerやOracle Databaseサーバーのディスクやフラッシュ・カードなどの選択したコンポーネントが含まれます。
関連項目: ASRの構成の詳細は、『Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド』を参照してください。 |
ネットワーク構成およびIPアドレスの推奨設定は次のとおりです。
ネットワークがまだ構成されていない場合は、スイッチがシングル・ポイント障害となるのを回避するために、Oracle Exadata Storage Server、データベース・サーバー・ホストおよび複数のスイッチからなるフォルト・トレラントなプライベート・ネットワーク・サブネットを設定します。Exadataセルのネットワークのすべてのインターコネクトが単一のスイッチで接続されていると、そのスイッチがシングル・ポイント障害になる可能性があります。
管理スイッチを使用している場合は、スイッチのVLAN構成でExadataセルのネットワーク・トラフィックを他のすべてのネットワーク・トラフィックから分離します。
Oracle Exadata Storage Serverの一般管理インタフェースおよびLights Out(LO)リモート管理インタフェース用のIPアドレスのブロックを割り当てます。通常、これらのインタフェースは、同じサブネット上に存在します(他のホストとサブネットを共有することもできます)。たとえば、Oracle Exadata Storage Serverの一般管理インタフェースおよびLOリモート管理インタフェース用として、192.168.200.0/24サブネット上で192.168.200.31から192.168.200.100のIPアドレスのブロックを割り当てることができます。サブネットを共有する他のホストには、ブロックの範囲外のIPアドレスを割り当てます。一般管理インタフェースおよびLOリモート管理インタフェースは、個別のサブネットに配置できますが、その必要はありません。
.0、.1または.255で終了するアドレスや、選択した特定のネットマスクのブロードキャスト・アドレスとして使用されるアドレスを割り当てないようにします。たとえば、192.168.200.0、192.168.200.1、192.168.200.255などのアドレスは使用しないようにします。
次のサンプルは、オーバーラップしていない4つのアドレス・ブロックです。最初のアドレス・セットは、セルの通常のギガビット・イーサネット・インタフェース/ポートに割り当てる必要があります。2番目のアドレス・セットは、セルのLOリモート管理ポートに割り当てることができます。3番目のセットはデータベース・サーバーのギガビット・イーサネット・ポート、4番目のセットはデータベース・サーバーのLOリモート管理ポートに使用できます。
192.168.200.0/21 (netmask 255.255.248.0) 192.168.208.0/21 (netmask 255.255.248.0) 192.168.216.0/21 (netmask 255.255.248.0) 192.168.224.0/21 (netmask 255.255.248.0)
InfiniBandネットワークは、データベース・サーバー・ホストおよびOracle Exadata Storage Serverで使用されるプライベート・ネットワークにし、プライベート・ローカル・ネットワーク・アドレスを持つことができます。また、これらのアドレスは、オーバーラップしていないブロックに割り当てる必要があります。
次の例は、ローカルInfiniBandアドレスの2つのブロックです。データベース・サーバーのInfiniBandとセルのInfiniBandは、相互に通信できるように両方とも同じサブネット上にする必要があります。ボンディングを使用すると、InfiniBandアドレスで必要なサブネットが1つで済みます。
192.168.50.0/24 (netmask 255.255.255.0) 192.168.51.0/24 (netmask 255.255.255.0)
これらのサブネット・ブロックは互いに競合することはなく、ホストの現在の割当てとも競合しません。サブネット・ブロックが同じネットマスクを持つように割り当てることお薦めします。これにより、ネットワーク管理が簡素化します。
注意: Oracle Exadata Storage Server Softwareにおいて、InfiniBandネットワークで許可されるホストの最大数は、4096です。そのため、InfiniBandネットワークのネットワーク接頭辞の値は、20以上である必要があります。つまり、ネットマスクは、255.255.240.0から255.255.255.254(両端の値を含む)である必要があります。特定のホストIPアドレスとそのネットマスクのネットワーク接頭辞の値は、任意のLinuxマシンで次のようにipcalcユーティリティを使用して指定できます。 ipcalc <host ip address such as 192.168.50.10> -m <netmask for the host ip address such as 255.255.240.0> -p ネットワークが追加の拡張に対応できることを確認してください。たとえば、255.255.255.254は有効なネットワーク(接頭辞/31)ですが、使用できるのは1つのホストのみです。 |
ドメイン・ネーム・システム(DNS)が必要な場合は、セルおよびインターコネクトを参照できるようにDNSを設定します。Oracle Exadata Storage ServerではDNSは不要です。ただし、DNSが必要な場合は、Oracle Exadata Storage Serverの適切なIPアドレスおよびホスト名でDNSを設定します。
InfiniBandネットワークは、Oracle Clusterwareを使用する場合のネットワークおよびストレージの通信に使用してください。Oracle Clusterware通信のプライベート・ネットワークでInfiniBandが使用されていることを確認するには、次のコマンドを使用します。
oifcfg getif -type cluster_interconnect
Reliable Data Socket(RDS)プロトコルは、InfiniBandネットワークでデータベース・サーバーとセルおよびOracle Real Application Clusters(Oracle RAC)の通信に使用してください。Oracle RACのプライベート・ネットワークがInfiniBandネットワークでRDSプロトコルを実行していることを確認するには、アラート・ログをチェックします。次のメッセージがログにあります。
cluster interconnect IPC version: Oracle RDS/IP (generic)
RDSプロトコルがInfiniBandネットワークで使用されていない場合は、次の手順を実行します。
Oracleバイナリを使用しているすべてのプロセスを停止します。
ORACLE_HOME/rdbms/lib
ディレクトリに変更します。
次のコマンドを実行します。
make -f ins_rdbms.mk ipc_rds ioracle
注意: Oracle ASMとデータベースで別のOracleホームが使用されている場合は、RDSを両方のOracleホームで有効にしてください。 |
この項では、新規のストレージ・セルをインストールする前のOracle Exadata Storage Server Softwareネットワークの準備の概要について説明します。
各ストレージ・セルは、次のネットワーク・ポートで構成されます。
Oracle Exadata Storage Serverは、高可用性を実現するために、2つのInfiniBandスイッチに個別に接続するように設計されています。デュアルポート・カードは、可用性目的でのみ使用されています。InfiniBandカードの各ポートにより、ストレージ・セルで生成される帯域幅での完全なデータ転送が可能になります。ネットワーク接続の1つが失われてもストレージ・セルのパフォーマンスに影響を与えることはありません。
通常のネットワーク・アクセス用のギガビット・イーサネット・ポート(プラットフォームに依存)
Oracle Exadata Storage Serverには、4つのギガビット・イーサネット・ポートが付属しています。ただし、スイッチには1つのポートのみを接続して、ネットワーク・アクセス用に構成します。
ベースボード管理コントローラ(BMC)またはOracle Exadata Storage Serverの管理コントローラ(MC)によって公開されるギガビット・イーサネット・ポート。このポートは、Lights Out(LO)リモート管理で使用されます。
Oracle Exadata Storage Serverでは、リモート管理用にOracle Integrated Lights Out Manager(ILOM)を使用します。
注意: ILOMへのアクセス用にWebインタフェースを使用する場合は、有効なSecure Socket Layer(SSL)証明書をインストールできます。Oracle ILOMの証明書の詳細は、次の場所にあるOracle Integrated Light Out Manager(ILOM)3.0の日次管理 - Webプロシージャ・ガイドを参照してください。 |
Exadataセルのネットワークを準備するには、次の手順を実行します。
ボンディングされたInfiniBandポートにアドレスを1つ割り当てます。セルを最初に設定すると、BONDIB0
構成情報を指定するように求められます。この情報は初期起動時のCREATE CELL
コマンド実行中に自動的に使用され、セル・サーバーとデータベース・サーバー間の通信用のデータ・パスが提供されます。
注意: 初期構成後にBONDIB0 アドレスを変更する場合は、次のコマンドを使用します。
CREATE CELL interconnect1=BONDIB0 |
このInfiniBandネットワークをプライベート・ネットワークにすることをお薦めします。
IPアドレスをネットワーク・アクセス用のセルに割り当てます。
IPアドレスをLOリモート管理用のセルに割り当てます。
Javaを有効にしたWebブラウザを使用して、割り当てられたIPアドレスでリモート管理機能にアクセスできます。
この項では、ストレージ・セルの構成について説明します。この項の内容は次のとおりです。
この項では、Oracle Exadata Storage Server用に静的IPによるLights Out (LO)リモート管理を構成する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
基本的なLOリモート管理の構成は、最初の起動時に行われます。LOリモート管理の構成の詳細は、「サーバーの準備」を参照してください。
注意: ILOMではサイドバンド管理を有効にしないでください。そのようにすると、そのサーバーのSNMPエージェントのレポートおよび監視機能がすべて無効になります。 |
次の手順では、使用するデータベース・サーバーとOracle Exadata Storage Serverを準備する方法について説明します。
「Oracle Exadata Storage Serverの静的IPを使用したLOリモート管理の構成」の説明に従って、LOリモート管理を構成します。
ストレージ・セルの電源をオンにし、オペレーティング・システムを起動します。
ストレージ・セルが起動すると、システム構成を求められるので応答します。
構成手順でyesまたはnoと応答するように求められたら、確認する場合はy
を押し、再試行または終了する場合はn
を押します。yesまたはnoのプロンプトのデフォルトの選択は、大カッコ内に表示されます。応答を入力せずに[Enter]を押すと、デフォルトの選択項目が選択されます。
ネットワーク接続をチェックします。
検出されたすべてのインタフェースのリストが表示され、アクティブなネットワーク・ケーブルが接続されていないインタフェースのケーブルをチェックするように求められます。ケーブルを接続したら構成手順を再試行できますが、接続されていないインタフェースを無視することもできます。構成できるのは接続されているインタフェースのみです。
必要に応じてDNSサーバーのIPアドレスを入力します。スタンドアロンのプライベート・ストレージ環境の場合、DNSは必要ありません。
時間プリファレンスを入力します。
利用可能なタイム・リージョンのリストが表示されたら、ローカルのタイム・リージョン番号を選択します。
表示されるロケーションのリストから、タイム・リージョン番号内のロケーションを選択します。
ネットワーク・タイム・プロトコル(NTP)サーバーを入力します。
これらのサーバーは、システムの時間を正しく維持するのに必要で、ローカルの時間ソースと同期されます。
イーサネットのアドレスと、InfiniBandのIPアドレスおよびインタフェースを入力します。ネットワーク接続されているすべてのイーサネットおよびInfiniBandのインタフェースは、最も左側にインタフェースの名前とともに表示されます。InfiniBandインタフェースにはBONDIB0
という名前が付けられ、物理InfiniBandインタフェースのib0とib1の間でボンディングが使用されます。ボンディングにより、ib0またはib1との接続が失われた場合に、ib0からib1、またはib1からib0に透過的にフェイルオーバーできます。
構成するイーサネットおよびInfiniBandの各インタフェースに、次の設定を適用するように求められます。
IPアドレス
ネットマスク
ゲートウェイのIPアドレス
完全修飾ドメイン名
リスト内の各インタフェースを設定しないように選択した場合、そのインタフェースは構成されず、システムの起動時に起動しません。IPアドレスを構成すると、システムの起動プロセスが完了します。プロセスの終了時に、追加のパッケージがインストールされ、Oracle Exadata Storage Serverのインストールが完了します。
リストから正規の完全修飾ドメイン名を選択します。このホスト名は、サーバーのプライマリ・パブリック・ホスト名になり、/etc/sysconfig/network
ファイルに含まれます。
ゲートウェイで複数のイーサネット・インタフェースを構成した場合、デフォルト・ゲートウェイの行番号を選択します。このゲートウェイは、/etc/sysconfig/network
ファイルに含まれ、デフォルト・ゲートウェイとして使用されます。
要求されたら、次の情報を入力します。
ILOMのドメイン修飾ホスト名
ILOMのIPアドレス
ILOMのネットマスク
ILOMのゲートウェイ
ILOMのNTPサーバー
(オプション)ILOMのDNSサーバー
(Oracle Exadata Storage Serverのみ)root
ユーザー、celladmin
ユーザーおよびcellmonitor
ユーザーの初期パスワードをより安全なパスワードに変更します。
注意: root ユーザーのパスワードがない場合は、Oracleサポート・サービスに連絡してください。 |
パスワードを変更するには、root
ユーザーとしてログインし、passwd
コマンドを使用してパスワードを次のように変更します。
# passwd # passwd celladmin # passwd cellmonitor
変更したパスワードを確認するには、各ユーザー名でログインおよびログアウトします。
注意: cellmonitor ユーザーは、Exadataセルのオブジェクトのみを表示できる権限で設定されます。管理タスクを実行するには、celladmin ユーザーとしてログインする必要があります。 |
最初の起動時の構成後に、/var/log/cellos/vldrun.first_boot.log
ファイルにレポートされている障害を確認します。失敗している検証ごとに、次の手順を実行します。
/var/log/cellos/validations/
failed_validation_name
.SuggestedRemedy
ファイルを検索します。このファイルは、検証プロセスによってなんらかの修正処理が識別された場合にのみ作成されます。ファイルの推奨事項に従って障害の原因を修正します。
SuggestedRemedy
ファイルが存在しない場合、/var/log/cellos/validations
にあるログ・ファイルで失敗している検証を確認し、原因を調査して必要であれば修正します。
(Oracle Exadata Storage Serverのみ)次のコマンドを使用して、許容可能なパフォーマンス・レベルを確認します。
cellcli -e "alter cell shutdown services cellsrv" cellcli -e "calibrate"
「サーバーの準備」の説明に従ってタスクを完了したら、新規の各ストレージ・セルにセル、セル・ディスクおよびグリッド・ディスクを構成する必要があります。
各手順の実行中に、HELP
コマンドを使用してヘルプを表示できます。オブジェクトの属性を表示するには、DESCRIBE
コマンドを使用します。例2-6は、Exadataセルのオブジェクトのヘルプおよび属性リストを表示する方法を示しています。
例2-6 ヘルプ情報の表示
CellCLI> HELP CellCLI> HELP CREATE CELL CellCLI> HELP ALTER CELL CellCLI> DESCRIBE CELL
Oracle Exadata Storage Serverのセル、セル・ディスクおよびグリッド・ディスクを作成するには、次の手順を実行します。
celladmin
ユーザーとしてログインします。
cellcli
コマンドを使用して、セル・コントロール・コマンドライン・インタフェース(CellCLI)を起動し、ストレージ・セルに接続します。
バイナリがインストールされると、必要なセル・サービスの再起動サーバー(RS)および管理サーバー(MS)が実行されている状態になります。これらのサービスが実行されていない場合は、CellCLIユーティリティの使用時にエラー・メッセージが表示されます。エラー・メッセージが表示されたら、次のコマンドを実行してOracle Exadata Storage Server SoftwareのRSおよびMSサービスを起動します。
CellCLI> ALTER CELL STARTUP SERVICES RS CellCLI> ALTER CELL STARTUP SERVICES MS
CellCLIのALTER CELL
コマンドを使用してセルを構成します。最初の起動時に、セルが作成され、フラッシュ・セル・ディスクとフラッシュ・キャッシュが自動的に定義されます。
CellCLI> ALTER CELL name=cell_name, - smtpServer='my_mail.example.com', - smtpFromAddr='john.doe@example.com', - smtpPwd=email_address_password, - smtpToAddr='jane.smith@example.com', - notificationPolicy='clear', - notificationMethod='mail,snmp'
次のコマンドを使用し、ストレージ・セルの属性をチェックして現在の構成を検証します。
CellCLI> LIST CELL DETAIL
CREATE CELLDISK
コマンドを使用してセル・ディスクを作成します。ほとんどの場合は、デフォルトのセル・ディスク名とLUN IDを使用できます。デフォルト値でセル・ディスクとLUN IDを作成するには、次のコマンドを使用します。
CellCLI> CREATE CELLDISK ALL
CREATE GRIDDISK
コマンドを使用して、ストレージ・セルの各セル・ディスクにグリッド・ディスクを作成します。
ストレージ・セルを設定したら、次のコマンドを使用してCellCLIユーティリティを終了します。
CellCLI> EXIT
新規の各ストレージ・セルで構成プロセスを繰り返します。この手順は、Exadataセルのレルム、データベース・サーバー・ホスト、またはデータベースおよびOracle ASMインスタンスを構成する前に新規の各セルで実行する必要があります。
セルの構成が完了したら、ストレージ・セルで次のオプションの手順を実行できます。
ストレージ・セルをExadataセルのレルムに追加します。
第4章「Oracle Exadata Storage Server Softwareのセキュリティ構成」の説明に従って、Oracle Exadata Storage Serverのグリッド・ディスクのセキュリティを構成します。
第6章「I/Oリソースの管理」の説明に従って、デフォルトのプランではなくセル用のデータベース間プランを構成します。
Oracle Exadata Database Machine以外のデータベース・サーバー・ホストの場合は、リリース・ノートのOracle Exadata Storage Serverでの使用に関する項を参照してください。
Oracle Exadata Storage Serverには、フラッシュ・ディスクが搭載されています。これらのフラッシュ・ディスクを使用して、フラッシュ・グリッド・ディスクを作成し、頻繁にアクセスされるデータを格納できます。または、フラッシュ・ディスク領域の一部または全部をExadataスマート・フラッシュ・キャッシュに提供できます。この場合、最も頻繁にアクセスされるデータがExadataスマート・フラッシュ・キャッシュにキャッシュされます。
デフォルトでは、CREATE CELL
コマンドによってすべてのフラッシュ・ディスクにフラッシュ・セル・ディスクが作成され、次にそのフラッシュ・セル・ディスクにExadataスマート・フラッシュ・キャッシュが作成されます。Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュのサイズ変更や、フラッシュ・グリッド・ディスクの作成を行うには、フラッシュ・キャッシュを一度削除してから、異なるサイズでフラッシュ・キャッシュを作成するか、フラッシュ・グリッド・ディスクを作成する必要があります。
割り当てるフラッシュ・キャッシュの容量は、CREATE CELLコマンドのflashcache
属性を使用して設定できます。flashcache
属性を指定しない場合、使用可能なすべてのフラッシュ領域がフラッシュ・キャッシュ用として割り当てられます。
フラッシュ・キャッシュは、CREATE FLASHCACHE
コマンドを使用して明示的に作成することもできます。このコマンドでは、celldisk
属性を使用して、キャッシュを格納するフラッシュ・セル・ディスクを指定します。または、ALL
を指定して、すべてのフラッシュ・セル・ディスクを使用するように設定できます。size
属性を使用すると、割り当てるフラッシュ・キャッシュの合計サイズを指定できます。この割当ては、すべてのフラッシュ・セル・ディスク全体に均等に配分されます。
例2-7は、フラッシュ・キャッシュの作成方法を示しています。この例では、size
属性が設定されているため、フラッシュ・セル・ディスクのすべてのサイズは使用されません。
例2-7 CREATE FLASHCACHEコマンドの使用
CellCLI> CREATE FLASHCACHE ALL size=100g Flash cache cell01_FLASHCACHE successfully created
例2-8は、フラッシュ・セル・ディスクの残りの領域を使用してフラッシュ・グリッド・ディスクを作成する方法を示しています。
例2-8 フラッシュ・グリッド・ディスクを作成するためのCREATE GRIDDISKコマンドの使用
CellCLI> CREATE GRIDDISK ALL FLASHDISK PREFIX='FLASH' GridDisk FLASH_FD_00_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_01_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_02_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_03_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_04_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_05_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_06_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_07_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_08_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_09_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_10_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_11_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_12_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_13_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_14_cell01 successfully created GridDisk FLASH_FD_15_cell01 successfully created CellCLI> LIST GRIDDISK FLASH_FD_00_cell01 active FLASH_FD_01_cell01 active FLASH_FD_02_cell01 active FLASH_FD_03_cell01 active FLASH_FD_04_cell01 active FLASH_FD_05_cell01 active FLASH_FD_06_cell01 active FLASH_FD_07_cell01 active FLASH_FD_08_cell01 active FLASH_FD_09_cell01 active FLASH_FD_10_cell01 active FLASH_FD_11_cell01 active FLASH_FD_12_cell01 active FLASH_FD_13_cell01 active FLASH_FD_14_cell01 active FLASH_FD_15_cell01 active
LIST FLASHCACHE
コマンドを使用すると、例2-9に示すように、セルのフラッシュ・キャッシュ構成を表示できます。
例2-9 セルのフラッシュ・キャッシュ構成の表示
CellCLI> LIST FLASHCACHE DETAIL name: cell01_FLASHCACHE cellDisk: FD_00_cell01, FD_01_cell01,FD_02_cell01, FD_03_cell01, FD_04_cell01, FD_05_cell01, FD_06_cell01, FD_07_cell01, FD_08_cell01, FD_09_cell01, FD_10_cell01, FD_11_cell01, FD_12_cell01, FD_13_cell01, FD_14_cell01, FD_15_cell01 creationTime: 2009-10-19T17:18:35-07:00 id: b79b3376-7b89-4de8-8051-6eefc442c2fa size: 365.25G status: normal
セルからフラッシュ・キャッシュを削除するには、例2-10
に示すように、DROP FLASHCACHEコマンドを使用します。
例2-10 セルからのフラッシュ・キャッシュの削除
CellCLI> DROP FLASHCACHE Flash cache cell01_FLASHCACHE successfully dropped
注意: ディスクと同期されないデータ(ダーティ・データ)がグリッド・ディスクのフラッシュ・キャッシュからフラッシュされるようにするには、セル・ディスクをエクスポートする前にALTER CELLDISK ... FLUSH コマンドを実行する必要があります。 |
Oracle Exadata Storage Serverの構成が終了したら、セルを使用するようにcellinit.ora
およびcellip.ora
ファイルでデータベース・サーバー・ホストを構成する必要があります。ファイルは、/etc/oracle/cell/network-config
ディレクトリにあります。
両方のファイルはデータベース・サーバー・ホストにあります。これらの構成ファイルには、ホスト名ではなくIPアドレスが指定されています。
cellinit.ora
ファイルはホスト固有で、Oracle Exadata Storage Serverで使用されるストレージ・ネットワークに接続するすべてのデータベースのIPアドレスが含まれます。このファイルは、Oracle Exadata Storage Serverに接続するデータベースごとに必要です。IPアドレスは、クラスレス・ドメイン間ルーティング(CIDR)形式で指定する必要があります。最初のIPアドレスはipaddress1
、次のIPアドレスはipaddress2
、というように指定する必要があります。
次に、Oracle Exadata Database Machineでの単一データベース・サーバーのIPアドレス・エントリの例を示します。
Oracle Exadata Database Machine X4-2のデータベース・サーバー | Oracle Exadata Database Machine X3-2またはOracle Exadata Database Machine X2-2のデータベース・サーバー | Oracle Exadata Database Machine X3-8またはOracle Exadata Database Machine X2-8のデータベース・サーバー |
---|---|---|
ipaddress1=192.168.10.1/22 ipaddress2=192.168.10.2/22 |
ipaddress1=192.168.50.23/24 |
ipaddress1=192.168.41.111/21 ipaddress2=192.168.41.112/21 ipaddress3=192.168.41.113/21 ipaddress4=192.168.41.114/21 |
このファイルを作成した後は、これらのIPアドレスは変更しないでください。
セルで使用するデータベース・サーバー・ホストを構成するには、『Oracle Exadata Database Machineメンテナンス・ガイド』を参照してください。
管理サーバー(MS)には、日付に基づくファイルの削除ポリシーが含まれます。MSでは1時間ごとに次のファイルが削除されます。
7日より古い自動診断リポジトリ(ADR)ベース・ディレクトリ内のすべてのファイル。
7日より古いLOG_HOME
ディレクトリ内のすべてのファイル。
7日より古いすべてのメトリックの履歴ファイル。
さらに、alert.log
ファイルが10MBを超える場合は名前が変更され、7日より古いファイルのバージョンの合計サイズが50MBを超える場合は削除されます。
注意: 保存期間は7日間がデフォルトです。保存期間を変更するには、metricHistoryDays およびdiagHistoryDays 属性を使用してALTER CELL コマンドを実行します。diagHistoryDays 属性ではADRファイルを制御し、metricHistoryDays 属性では、その他のファイルを制御します。 |
MSには、ファイル・システムの使用率が高い場合にトリガーされるファイルの削除ポリシーが含まれます。ファイルの使用率が80パーセントに達すると、/
(ルート)ディレクトリおよび/var/log/oracle
ディレクトリでのファイルの削除がトリガーされます。ファイル使用率が90パーセントに達すると/opt/oracle
ファイル・システムでのファイルの削除がトリガーされ、使用率が85パーセントを下回るとアラートはクリアされます。削除が開始される前にアラートが送信されます。アラートには、ディレクトリの名前と、サブディレクトリの領域の使用率が含まれます。削除ポリシーは次のとおりです。
/var/log/oracle
ファイル・システムの場合は、ADRベース・ディレクトリ、メトリックの履歴ディレクトリ、LOG_HOME
ディレクトリ内のファイルは、ファイル変更タイムスタンプに基づくポリシーを使用して削除されます。metricHistoryDays
属性によって設定された日数より古いファイルが最初に削除され、続けて古いファイルから変更タイムスタンプが10分以前のファイル、またはファイル・システムの使用率が75パーセントまでのファイルが削除されます。5MBを超え、連続する短い時間間隔より古い、名前が変更されたalert.log
ファイルおよびms-odl
生成ファイルも削除されます。5MBを超え、1日より古い/var/log/oracle/crashfiles
ディレクトリ内のクラッシュ・ファイルは削除されます。
/opt/oracle
ファイル・システムの場合、削除ポリシーは前述の設定と似ています。ただし、ファイルのしきい値は90パーセントであり、ファイル・システムの使用率が85パーセントを下回るまでファイルは削除されます。
ファイル・システムの使用率が一杯になると、同じパージ・ポリシーを使用してdiagHistoryDays
およびmetricHistoryDays
属性で制御されるファイルが消去されます。
/
ファイル・システムの場合は、5MBを超え、1日より古いホーム・ディレクトリ(cellmonitor
およびcelladmin
)、/tmp
、/var/crash
および/var/spool
ディレクトリのファイルは削除されます。
1時間ごとに、次の基準を使用してMSが対象のアラートをアラート履歴から削除します。アラートがステートレスになるか、解決済のステートフル・アラートになると、そのアラートは対象とみなされます。
アラートが500未満の場合、100日より古いアラートが削除されます。
アラートが500から999の場合、7日より古いアラートが削除されます。
アラートが1,000を超える場合、対象のすべてのアラートが5分ごとに削除されます。
注意: 名前にSAVE を含むディレクトリまたはファイルは削除されません。 |
関連項目:
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