ユースケース: IPMP インタフェースでのレイヤー 3 VRRP ルーターの構成

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次の例は、IPMP インタフェースでの L3 VRRP ルーターの構成を示しています。構成は、次のシナリオに基づいています。

図 3 IPMP インタフェース上のレイヤー 3 VRRP ルーター

仮想ルーター V1 があります。
仮想ルーター V1 では、Router1 がマスターで Router2 がバックアップです。
Router1 では、ベースとなるインタフェース net0 および net1 が IPMP グループに構成され、ベースとなるすべてのインタフェースにテストアドレスが割り当てられます。
マスタールーターは、アクティブ - アクティブ IPMP インタフェースで構成されます。
Router2 では、ベースとなるインタフェース net0、net1、および net2 が IPMP グループに構成されます。インタフェース net2 はスタンバイインタフェースとして構成されます。
バックアップルーターは、アクティブ - スタンバイ IPMP インタフェースで構成されます。

VRRP パッケージをインストールします。
```
# pkg install vrrp
```
Router1 でアクティブ - アクティブ IPMP インタフェースを作成します。
```
# ipadm create-ipmp ipmp0
```
ベースとなるインタフェースを作成して、IPMP インタフェースに追加します。
```
# ipadm create-ip net0
# ipadm create-ip net1
# ipadm add-ipmp -i net0 -i net1 ipmp0
```

データアドレスを IPMP インタフェースに割り当てます。

# ipadm create-addr -a 10.10.10.10/24 ipmp0
ipadm: ipmp0/v4
# ipadm create-addr -a 10.10.10.20/24 ipmp0
ipadm: ipmp0/v4a

IPMP インタフェースのベースとなるインタフェースに IP アドレスを割り当てます。

# ipadm create-addr -a 10.10.10.50/24 net0
ipadm: net0/v4
# ipadm create-addr -a 10.10.10.55/24 net1
ipadm: net1/v4

Router1 でマスタールーターを構成します。

VRID に 1 を使用して ipmp0 上で VRRP ルーター vrrp1 を作成します。

# vrrpadm create-router -T L3 -V 1 -A inet -I ipmp0 -P 10.10.10.1 \
-a 10.10.10.10 -p 150 vrrp1

vrrp1 のルーター情報を表示します。

# vrrpadm show-router -x vrrp1
NAME    VRID TYPE IFNAME  AF    PRIO  ADV_INTV MODE  STATE   VNIC
vrrp1   1    L3   ipmp0   IPv4  150   1000     e-pa- MASTER  --

Router2 でアクティブ - スタンバイ IPMP インタフェースを構成します。
```
# ipadm create-ipmp ipmp1
```

ベースとなるインタフェースを作成して、IPMP インタフェースに追加します。

# ipadm create-ip net0
# ipadm create-ip net1
# ipadm create-ip net2
# ipadm add-ipmp -i net0 -i net1 -i net2 ipmp1

データアドレスを IPMP インタフェースに割り当てます。

# ipadm create-addr -a 10.10.10.30/24 ipmp1
ipadm: ipmp1/v4
# ipadm create-addr -a 10.10.10.40/24 ipmp1
ipadm: ipmp1/v4a

IPMP インタフェースのベースとなるインタフェースに IP アドレスを割り当てます。

# ipadm create-addr -a 10.10.10.60/24 net0
ipadm: net0/v4
# ipadm create-addr -a 10.10.10.65/24 net1
ipadm: net1/v4
# ipadm create-addr -a 10.10.10.70/24 net2
ipadm: net2/v4

net2 インタフェースをスタンバイインタフェースとして構成します。
```
# ipadm set-ifprop -p standby=on net2
```

Router2 のバックアップルーターを構成します。

VRID に 1 を使用して、ipmp1 上でより低い優先順位 100 を持つバックアップ VRRP ルーターを作成します。
```
# vrrpadm create-router -T L3 -V 1 -A inet -I ipmp1 -P 10.10.10.1 \
-a 10.10.10.30 -p 100 vrrp2
```

ルーター情報を表示します。

# vrrpadm show-router -x
NAME    VRID TYPE IFNAME  AF    PRIO  ADV_INTV MODE  STATE   VNIC
vrrp2   1    L3   ipmp1   IPv4  100   1000     e-pa- MASTER  --

vrrp2 がマスタールーターになるように、vrrp2 の優先順位を、vrrp1 の優先順位より高い 200 に変更します。
```
# vrrpadm disable-router vrrp2
# vrrpadm modify-router -p 200 vrrp2
# vrrpadm enable-router vrrp2
```

vrrp1 のルーター情報を表示します。

# vrrpadm show-router -x vrrp1
NAME  VRID TYPE IFNAME  AF    PRIO  ADV_INTV MODE  STATE   VNIC
vrrp1 1    L3   ipmp0   IPv4  150   1000     e-pa- BACKUP  --

vrrp1 の状態が BACKUP に変更されます。

vrrp2 のルーター情報を表示します。

# vrrpadm show-router -x vrrp2
NAME  VRID TYPE IFNAME  AF    PRIO  ADV_INTV MODE  STATE   VNIC
vrrp2 1    L3   ipmp1   IPv4  200   1000     e-pa- MASTER  --

vrrp2 の状態が BACKUP から MASTER に変更されます。