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Oracle® Solaris 11.3 での IP サービス品質の管理

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更新: 2015 年 10 月
 
 

フィルタの定義

パケットフローを特定のクラスのメンバーとして識別するには、フィルタを作成します。各フィルタには、パケットフローの評価基準を定義するセレクタがいくつか含まれています。IPQoS 対応システムは、次にセレクタの基準を使用して、トラフィックフローからパケットを抽出します。そして、IPQoS システムは、パケットとクラスを関連付けます。 フィルタの概要については、16 ページのIPQoS フィルタを参照してください。

また、クラスのパケットを取り出すのに必要なものだけを使用してください。定義するセレクタが多いほど、IPQoS パフォーマンスに与える影響も大きくなります。

次の表に、もっとも一般的に使用されるセレクタを示します。最初の 5 つのセレクタは、IPQoS 5 タプルを表し、IPQoS システムがパケットをフローのメンバーとして識別するときに使用します。セレクタの完全なリストについては、表 4 を参照してください。

表 2  一般的な IPQoS セレクタ
名前
定義
saddr
発信元アドレス
daddr
着信先アドレス
sport
発信元ポート番号。/etc/services に定義されている既知のポート番号、またはユーザー定義のポート番号を使用できる
dport
着信先ポート番号
protocol
IP プロトコル番号またはプロトコル名。/etc/protocols のトラフィックフロータイプに割り当てられる
ip_version
IPv4 (デフォルト) または IPv6 のいずれかを使用するアドレス指定スタイル。
dsfield
DS フィールドの内容、つまり DSCP。このセレクタは、特定の DSCP が付いている着信パケットを取り出すために使用する
priority
クラスに割り当てられている優先レベル。詳細は、QoS ポリシーのクラスの定義を参照してください。
user
上位アプリケーションの実行時に使用される UNIX のユーザー ID またはユーザー名。
projid
プロジェクト ID。上位アプリケーションの実行時に使用される
direction
トラフィックフローの方向。有効な値は、LOCAL_INLOCAL_OUTFWD_INFWD_OUT のいずれかです。