この付録の内容:
パッケージ FMRI のバージョン文字列の詳細
Oracle Solaris OS の作業用パッケージセットを定義するために、incorporate 依存関係、facet.version-lock.* ファセット、group 依存関係、およびアクションのタグを使用する方法
パッケージ識別子: FMRIでは、ソフトウェア開発のさまざまなモデルをサポートするためにバージョンフィールドをどのように使用できるかを含め、pkg.fmri 属性とバージョンフィールドのさまざまな部分について説明しました。このセクションでは、Oracle Solaris OS によるバージョンフィールドの使用方法について説明し、きめの細かいバージョン管理スキームが役立つことがある理由を明らかにします。パッケージでは、Oracle Solaris OS が使用するのと同じバージョン管理スキームに従う必要はありません。
次のサンプルパッケージ FMRI のバージョン文字列の各部の意味は下記のとおりです。
pkg://solaris/system/library/storage/suri@0.5.11,5.11-0.175.3.0.0.19.0:20150329T164922Z
コンポーネントバージョン。Oracle Solaris OS の一部であるパッケージの場合、これは OS major.minor バージョンです。ほかのパッケージでは、これはアップストリームバージョンです。たとえば、次の Apache Web サーバーパッケージのコンポーネントバージョンは 2.2.29 です。
pkg:/web/server/apache-22@2.2.29,5.11-0.175.3.0.0.19.0:20150329T181125Z
リリース。これは、このパッケージが構築される OS リリースを定義するために使用されます。Oracle Solaris 11 のために作成されるパッケージでは、リリースを常に 5.11 にするようにしてください。
ブランチバージョン。Oracle Solaris パッケージでは、パッケージ FMRI のバージョン文字列のブランチバージョン部分に次の情報が示されます。
メジャーリリース番号。メジャーまたはマーケティング開発リリースのビルド番号。この例では、0.175 は Oracle Solaris 11 を示します。
更新リリース番号。この Oracle Solaris リリースの更新リリース番号。更新値は、Oracle Solaris リリースの FCS (First Customer Shipment) では 0、そのリリースの最初の更新では 1、そのリリースの 2 回目の更新では 2 というようになります。この例では、3 は Oracle Solaris 11.3 を示します。
SRU 番号。この更新リリースのサポート・リポジトリの更新 (SRU) 番号。SRU はほぼ 1 か月に 1 回、更新され、バグを修正したり、セキュリティーの問題を修正したり、新しいハードウェアに対するサポートを提供します。SRU に新機能は含まれません。Oracle サポート・リポジトリはサポート契約下のシステムでのみ使用できます。
予約済み。このフィールドは現在 Oracle Solaris パッケージには使用されていません。
リリースまたは SRU ビルド番号。SRU のビルド番号、またはメジャーリリースの更新番号。
ナイトリービルド番号。個々のナイトリービルドのビルド番号。
パッケージが IDR (Interim Diagnostic Relief) である場合、パッケージ FMRI のブランチバージョンには次の 2 つの追加フィールドが含まれます。IDR は、正式なパッケージ更新が発行されるまで、顧客の問題の診断を支援したり、問題の一時的な解決策を提供したりするためのパッケージ更新です。次の例は idr824 (FMRI pkg://solaris/idr824@4,5.11:20131114T034951Z を含む) についてのもので、pkg:/system/library@0.5.11-0.175.1.6.0.4.2.824.4 などのパッケージを含んでいます。
IDR の名前。
IDR のバージョン。
タイムスタンプ。タイムスタンプは、パッケージが発行されるときに定義されます。