データ回復について

Oracle MaxRep for SANでは、Oracle FS Systemのデータ回復シナリオを作成し、管理できます。

データを回復するには、仮想スナップショットまたは物理コピーを作成します。このデータはバックアップおよびロールバック回復シナリオから復元します。ディスク、ボリューム、または LUN 回復メカニズムを使用して、回復スナップショットを作成またはスケジュールすることもできます。

スナップショットは、保持期間内の単一の時点に存在していたデータのアクセス可能なレプリカです。Oracle MaxRep レプリケーションエンジンで使用できるスナップショットには、物理レプリケーションコピーと仮想スナップショットの 2 つのタイプがあります。
物理レプリケーションコピー

物理レプリケーションコピーは、プライマリOracle FS System上で作成された物理 LUN のコピーです。コピーのサイズは、レプリケーションペアのターゲット LUN 以上である必要があります。物理レプリケーションコピーでは、回復手順に指定された時間間隔で、ソース LUN の状態に一致するターゲットOracle FS System上に LUN を作成します。

物理レプリケーションコピーを作成する利点は、レプリケーションエンジンまたはレプリケーションペアと分離した LUN を作成できることです。物理レプリケーションコピーでは、元のソース LUN と同じサイズの LUN が作成されます。そのため、コピーを作成する前に、Oracle FS Systemに LUN を収容できる十分な容量があることを確認してください。大きなボリュームの場合、物理レプリケーションコピーの再構築には完了に数時間必要です。

仮想スナップショット

仮想 LUN は、仮想スナップショットまたは Vsnap とも呼ばれます。仮想スナップショットはレプリケーションエンジンから作成します。仮想スナップショットは最小のシステムリソースを必要とし、すばやくロードおよびアンロードされます。仮想スナップショットは、ターゲットOracle FS Systemではなく、レプリケーションエンジン上に作成します。仮想スナップショットは LUN の回復時に、ターゲット LUN と、指定された時点の保持ログ内のデータを使用します。仮想スナップショットは、レプリケーションエンジンの AT ポートにマップされている任意のホストにマウントできます。

仮想スナップショットを作成すると、保護計画保持期間またはスパース保持ポリシー内にある任意の時点でレプリケーションされた LUN の回復が可能になります。仮想スナップショットは、すばやく作成でき、ターゲットOracle FS Systemのディスク領域を使用しないため、単一ファイルの回復や、データ整合性の確認に最適です。