ストレージドメイン

ストレージドメインでは、ストレージ要件に適合する論理的なグループにデータを柔軟に格納できます。このグループの例としては、地理的な場所や組織内の部門などがあります。アクセス頻度や機密性のレベルでデータをグループ化することもできます。

ストレージドメインとは次のものです: ドライブグループの組み合わせで構成された仮想ストレージプール。各ドライブグループには、特定のストレージクラスおよび特定の容量のドライブが含まれます。ストレージドメインを構成する各ドライブグループには、異なるストレージクラスのものを使用できます。ストレージドメインには、0 から 1024 個のドライブグループを含めることができます。

管理者は特定のドライブグループを、管理者定義の特定のストレージドメインに割り当てることができます。管理者定義のドメインが存在しない場合、すべてのドライブグループがデフォルトのストレージドメインに配置されます。

ボリュームグループを使用すると、データのコンテンツや地理的な場所に基づいてデータを論理的に編成できます。ストレージドメインを使用すると、ストレージクラスや自動階層化機能など、ストレージプールの物理的なプロパティーに基づいてコンテンツを編成できます。

ストレージドメインの例

ストレージドメインでは、ストレージ管理者は論理ボリュームを特定のストレージドメインに割り当てることができます。この割り当てを利用してボリューム間の競合を少なくしたり、ボリュームごとに異なるレベルのセキュリティーを適用したり、これら両方を実現することもできます。ストレージ容量が不足した場合は、管理者はストレージドメインにドライブグループを追加できます。

ストレージ管理者は主に次のような理由でストレージドメインを使用しています。
ユーザーグループの分離

このシナリオでは、ストレージ管理者がアプリケーションデータを部門 (内部クラウド環境) や顧客 (外部クラウド環境) を基準に特定のドライブグループに分離します。このように分離することで、アプリケーション間の I/O サービスの競合がなくなり、チャージバックの機能も備えることができます。

プロトコルの分離

このシナリオでは、ストレージ管理者がプロトコルと接続に基づいて分けられた個別のドライブグループにアプリケーションデータを配置できます。この分離によりアプリケーション間の I/O サービスの競合がなくなります。たとえば、NAS ドメインおよび SAN FC ドメインを作成することが考えられます。

アプリケーション I⁠/O の分離

ストレージ管理者は特定のアプリケーションおよび特定のストレージ階層で使用するストレージドメインを作成し、ドライブグループ間の競合をなくすことができます。たとえば、Oracle DB の索引を専用の SSD ベースのストレージドメインに配置し、その他の作業を索引から分離できます。データ表領域とその他のコンポーネントは別のストレージドメインに配置できます。

データのセキュリティー

ストレージ管理者は機密データが含まれている論理ボリュームを特定のストレージドメインに配置できます。データの破棄が必要になった場合、機密データ以外のデータを保存するなどの手間なしに、ドライブグループ内のドライブを処分できます。それらのボリュームを専用のストレージドメインに配置することで、それらのボリュームと通常のデータがドライブグループを共有することを避けられます。

ドライブグループまたはハードウェアのリタイア

ドライブの使用期間が長くなれば、故障の発生率も高まります。ストレージドメインでは大容量の新しいドライブグループに効率よくデータを移動できます。

自動階層化

ストレージ管理者は QoS Plus 機能専用のストレージドメインにすべての自動階層化 LUN を配置できます。管理者は最適な構成がわかるまで QoS Plus 機能のプロパティーを調整できます。最適な構成が見つかったら、その構成をシステム内のほかのストレージドメインで使用できます。