QoS Plus の効率性

分布グラフと効率性レポートは、自動階層化 LUN に適用された QoS Plus 機能の効率に関する詳細情報を提供します。QoS Plus 機能はデータブロックの配置を最適化することで、システムパフォーマンスを向上し、ストレージにかかるコストを低減します。

QoS Plus の効率性グラフ

「自動階層グラフの表示」ダイアログにはストレージドメインに含まれるすべての自動階層化 LUN が表示されます。最大 10 個の LUN を選択して効率性グラフを表示できます。「グラフの更新」をクリックすると、次のグラフが表示されます。
アクセス数ごとの転送されたデータ

ストレージドメインに含まれるすべての LUN の各領域のヒストグラムを I/O アクセス頻度別に示します。ヒストグラムのバーは転送されたデータの量を表します。Y 軸のラベルは表示されません。

ストレージクラスおよび優先度ごとの階層構造

選択された自動階層 LUN の LUN 領域のストレージクラスと容量のグラフを示します。このグラフには、自動階層 LUN の QoS 優先度を表す数値も表示されます。グラフの下部の表は、選択された LUN のリストです。この表は、グラフに表された LUN の凡例にもなっています。

2 つのグラフを使用してデータブロックの配置状況を観察し、選択中の自動階層化 LUN に適用されている QoS Plus 機能の効率を確認できます。

図: 1 「アクセス数ごとの転送されたデータ」ヒストグラム

 「アクセス数ごとの転送されたデータ」ヒストグラム 
凡例
1 パフォーマンス SSD を使用している LUN 領域の I/O アクティビティー 4 容量 HDD を使用している LUN 領域の I/O アクティビティー
2 容量 SSD を使用している LUN 領域の I/O アクティビティー 5 LUN 領域
3 パフォーマンス HDD を使用している LUN 領域の I/O アクティビティー  

このヒストグラムは、ストレージドメイン内のすべての自動階層化 LUN の I/O 分布とデータ転送アクティビティーを示しています。システムは自動階層化 LUN 間でデータを転送するために行われた I/O アクセスの回数を計測しています。システムはこの情報をグラフに I/O アクティビティーが少ないほうから多いほうへ順にプロットしています。LUN の領域はアクセス頻度とストレージクラスでカテゴリ化されています。グラフはこれらの各カテゴリに転送されたデータ量を示しています。

QoS Plus の効率がもっとも高くなるのは、大部分の I/O を受け取る LUN 領域が、もっとも性能の高いストレージクラス上にある場合です。このグラフは、アクセス数が最多の LUN 領域が、使用可能なもっとも性能の高いストレージクラス (パフォーマンスソリッドステートドライブ (SSD)) 上にあるときに、ストレージが効率的に使用されるということを示しています。アクセス数が最多の LUN 領域が SSD 上にない場合、ストレージドメインにパフォーマンス SSD 容量を追加することでパフォーマンスを向上できる可能性があります。

図: 2 「ストレージクラスおよび優先度ごとの階層構造」グラフ

 「ストレージクラスおよび優先度ごとの階層構造」グラフ 
凡例
1 LUN に割り当てられた容量 5 容量 HDD を使用している LUN ストレージの相対的な容量
2 パフォーマンス SSD を使用している LUN ストレージの相対的な容量 6 ツールチップ
3 容量 SSD を使用している LUN ストレージの相対的な容量 7 QoS 優先度値
  • 1 = 最高
  • 2 = 高
  • 3 = 中
  • 4 = 低
  • 5 = アーカイブ
2 パフォーマンス HDD を使用している LUN ストレージの相対的な容量 8 グラフの下にある LUN リストに対応する LUN 行番号
前の図は QoS Plus 機能が選択中の自動階層化 LUN 内のデータをどのように分散しているかを示しています。グラフの各棒は LUN に割り当てられている 100% の容量を表しており、LUN に関する次の情報を提供しています。
  • LUN の各領域のストレージクラス

  • 各領域のストレージ容量

  • LUN の QoS 優先度を表す値

このグラフの情報は、LUN が最適なストレージクラスに配置されていて、適切な QoS 優先度が割り当てられているかどうかを確認するときに役立ちます。I/O 負荷が高く容量要件の高い LUN は、最高のストレージクラスに割り当てて、もっとも高い QoS 優先度レベルを使用するのが理想的です。それとは逆に、I/O 負荷が低い LUN は、安価なストレージクラスに割り当てて低い QoS 優先度レベルを使用することをお勧めします。

QoS Plus の効率性レポート

「自動階層効率性レポートの生成」ダイアログから自動階層効率性レポートを表示できます。レポートには、QoS Plus 機能がストレージドメイン内の自動階層化 LUN に対して実行した分析の結果をまとめたものが表示されます。

レポートには各自動階層化 LUN に関する次の情報が含まれています。
制約歪み
自動階層化 LUN が使用できるすべてのストレージクラスにおけるデータ分布と I/O アクティビティーの均等性を示します。レポートには 0 から 100 の値が表示されます。次の表を参考に制約歪みの値を評価してください。
表 1 制約歪み
制約歪みの値が 説明

100 に近い

I/O アクティビティーと LUN データが使用可能なストレージクラス全域に不均衡に分散しています。

LUN のデータのうちわずかな部分が高価なパフォーマンス SSD 上にあり、すべての I/O アクティビティーを受信しています。この LUN の大部分のデータは、容量ドライブなどの安価なストレージ上にあり、アクセスされることはほとんどありません。

QoS Plus によって LUN がメリットを得られる可能性があります。

0 に近い

I/O アクティビティーとデータが使用可能なストレージクラス全域に均等に分散しています。

QoS Plus が LUN に与えるメリットはほとんどありません。

平均 IOPS

前回の自動階層化スキャンサイクル期間の平均 IOPS 数を示します。

ピーク IOPS

前回の自動階層化スキャンサイクル中でもっとも IOPS が多かった 2 分間の時間枠の IOPS 数を示します。