従来の方法ではシステムが論理ボリュームにストレージを割り当てると、割り当てられたストレージはそのボリューム専用になりました。ストレージをこのように専有化させると、自身に割り当てられた容量をそのボリュームが一切使用しない場合でも、ほかのボリュームはこの容量にアクセスすることができません。 
シンプロビジョニングを行うことで、この未使用のストレージを利用できます。未使用のストレージを利用するには、次のアクションを実行します。
- 将来のニーズに基づいて容量を割り当てます。
- 割り当てられた容量が消費されたときに、共通のストレージプールから取得します。
Oracle FS System でシンプロビジョニングを行うと、要求した容量をボリュームの作成時にコミットせずに、任意のサイズの論理ボリュームを作成できます。各ボリュームには、そのボリュームの継続的な動作に必要なすべてのストレージが割り当てられているように見えます。違いは、物理的な容量が特定のボリュームに固定されていないという点です。
Oracle FS System 内のすべての論理ボリュームにはボリュームの論理容量に関連する 2 つのプロパティーがあります。また、論理ボリュームがシンプロビジョニングされるかどうかは、これら 2 つの容量の初期値の関係によって決まります。
- 容量
- アドレス可能論理容量
- 論理ボリュームの拡張上限を示すストレージの最大容量。内部でシステムが四捨五入を行うため、このプロパティーに指定できる最大値は、割り当てる論理容量の値より 2G バイト少ない値です。 
- 割り当て済み
- 割り当て済み論理容量
- システムが論理ボリュームに専有させるストレージ容量。割り当て済み論理容量には、アドレス可能論理容量以下の任意の値を設定できます。SAN LUN の作成時にこの値を指定すると、その値が初期容量として LUN に割り当てられます。 - ヒント: 単一階層 LUN をシンプロビジョニングしない場合は、割り当て済み論理容量とアドレス可能論理容量を同じに設定します。 - 注: すべての自動階層化 LUN はシンプロビジョニングされます。 
- 一方、NAS  ファイルシステム- を作成するときには、割り当て済み論理容量プロパティーは使用できません。 ファイルシステム- の場合、 Oracle FS System-  はデータ階層に初期容量を割り当てずに ファイルシステム- を作成します。その代わりに ファイルシステム- で追加の容量が必要になると、その時点でシステムによって容量が自動的に割り当てられます。  - 注: シンプロビジョニングされた論理ボリュームに追加容量を自動的に割り当てる Oracle FS System のアクション。はインフィルと呼ばれます。この追加容量は、以前の割り当てとは連続していない可能性があります。